事務所ブログ

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86.年末年始のお休みのお知らせ (2016.12.19)

年末年始のお休みは、下記の通りとなっております。

平成28年12月28日(水曜日)~平成29年1月4日(水曜日)

大変ご迷惑をお掛け致しますが、どうぞよろしくお願い致します。

85. 写真展のご案内 (2016.12.18)

熊本読売写真クラブ(熊本YPC)の第5回写真展が下記の内容で開催されます。
  ☆会 場: 鶴屋デパート東館8階「ふれあいギャラリー」
  ☆期 間: 2016年12月21日(水曜日)~12月27日(火曜日)
  ☆時 間: 午前10:00~午後7:00
                  (なお、最終日は午後4:30までとなります)

 熊本YPCのクラブの会員19名が、1人4、5点の作品を出品致します。
年末のお忙しい時期ではございますが、鶴屋デパートでのお買い物の際についでにご覧頂ければ幸いです。また、12月23日(金曜日・祝日)、24日(土曜日)、
25日(日曜日)のいずれかの日に、弁護士も会場内にいる予定です。
 お気軽にお声を掛けて頂ければ幸いです。 

84. アメリカの弁護士の状況 (2016.10.18)

  「正義と自由」10月号に、「危機に立つアメリカの弁護士」という記事が二弁の吉川精一弁護士から寄稿されていました。

 この記事によると、アメリカの弁護士は120万人以上となり、弁護士業界の売上は約26兆円にもなっていますが、次のような状況にあるようです。
(1) 弁護士は、大企業を顧問とする大事務所と中小企業や個人を顧客とする中小事務所ないし個人事務所に二極化して、収入格差が生じている。
(2) 大事務所内部においても階層化が進み、勤務弁護士は組織の歯車として細切れの既製品的な仕事を処理している。最下層は、tenporary lawyerと呼ばれる、弁護士派遣会社から派遣されて時給2200円~3850円位の報酬で働く弁護士で、主として文書精査の仕事をしているにすぎない。
(3) 弁護士は、もはやプロフェッション(公益に奉仕する天職)ではなく、他の産業と同じようにビジネスとして、利益至上主義になっている。
(4) そのために、倫理の荒廃、事務所の一体感の喪失と不安定化が起きている。
(5) 弁護士業務が企業法務に偏っているために、多くの市民に十分な法的サービスが届いておらず、そのため弁護士への社会的信頼が低下している。
(6) 弁護士人口は急増し120万人を超えているにもかかわらず、需要が追いつかずに、人数が過剰になっている。弁護士過剰のために、120万人の弁護士のうち50万人が弁護士資格を必要とする職に就いていない。ロースクール新卒者は深刻な就職難で、新卒の55%が弁護士資格を必要とする仕事に就職できていない。しかも、ロースクールの卒業生の85%は平均で10万ドルの借金(奨学金)を抱え、困窮状態にある。そのため、ロースクール入学志願者数も激減しており、ロースクールが危機に陥っている。
(7) 他方で、情報革命により弁護士が不要になる流れにある。例えば、オンラインで色々な書式を提供するシステムや、紛争解決の仲裁を年間6000件の紛争を取扱いその90%を和解で解決したシステムがある。また、紛争をコンピューターで「情報収集モード」と「争点整理モード」に分けることで多くを解決し、それでも解決できない案件だけを中立的第三者の調停に委ねて解決している。

 以上については、概ねこれまで知っていた情報の範囲内でしたが、(5)の「アメリカでは多くの市民の間に弁護士の法的サービスが届いていない」という点は、アメリカといえば弁護士数も多く、市民は町医者のように気軽に弁護士に相談できるものと思っていたので、意外に思いました。52%の家族が弁護士なしで離婚問題を解決し、裁判所に係属した離婚事件の88%は少なくとも一方の当事者が弁護士を付していなかったそうです。また、(7)の情報革命による業務への影響については十分に予想できることでしたが、「オンラインのシステムで年間6000件もの紛争処理を手掛けている」というのは全くの驚きの事実でした。この点については、今後更に情報を収集して研究してみたいと思います。

83. 対話調停カフェ (2016.10.17)

 週末、九州大学で、入江秀晃准教授が主催されている対話調停カフェが開催されましたので、参加してきました。社会人を中心に、福岡、愛媛、下関、広島などから約30名の方々が参加されていました。

 対話調停カフェは、組織や専門分野に捉われずに、気軽な雰囲気の中で対話型調停の考え方や方法を学んでみようという試みで、今回が4回目とのことでした。
 対話型調停は、従来の専門家による評価型の調停よりも、より一層、(1)当事者の気持ちを汲み取り、よく話を聞くことと、(2)当事者が主体的に解決方法を決めること、自己決定を重視するものです。入江准教授は、これを「ボイスとチョイスを当事者に取り戻す」と説明されています。
 この考えによれば、あっせん人(調停人)の役割は、話し合いを主導するというよりも、あくまでも当事者の自己決定を支援する役割ということになります。そして、当事者双方の関心と気持ちを十分に想像し理解しつつ、かつ、あっせん人である自分がどういう人間でどのような傾向があるのかなども理解しながら、事案の解決に向けての支援をすることになります。

 今回は、最後に参加者から実際に直面している事案として、「マンションの隣室同士での煙草の煙と臭いのトラブル」が提示されましたので、皆でその解決方法について意見を出し合いましたが、色々な意見があるものだと思いました。
 特に、地域創生の仕事をされている若い参加者の方から、まず当事者の人間関係を築くために情報交換(自己紹介)や食事会をしたらどうかという意見があり、私には考えつかない考え方で、感心しました。

82. 断捨離 (2016.10.17)

 熊本地震で痛感したことといえば、体ひとつあることのありがたさと、普通の何でもない日常生活の大切さでした。結局、自分にとって何が本当に大切なのかも改めてよく分かりました。

 そこで、不要なものは整理しようと、地震直後にも事務所内の不要な記録や資料、専門書などを思い切って処分、整理して、かなりすっきりさせました。
 最近も、更にプライベートで大量にあった本を処分、整理しました。今まで読んできた本のタイトルを眺めていると、自分には一定の読書傾向があることが分かります。結局、若い頃から同じようなことに関心を持ち、求め続けて、本を読み続けてきたようです。本を整理することには何か物悲しい面がありますが、自分の存在ためのひとつの区切りになりました。

 次は、2009年以前のフィルムカメラ時代に整理して保管してあるフィルム(マウント)です。
 現在はデジタルカメラを使用しているので、Lightroomなどの管理ソフトで簡単に整理保存や検索ができますが、フィルムカメラの時代には、現像に出したフィルムはライトビューアーでひとつひとつフィルムを見て、いいものはハサミで切り出し、ひとつひとつマウントに入れて整理をしていました。一応現像後にはいい作品と思えるものを選別していますが、それでも現在約5000枚位はあります。これらをスキャンするには、フラットヘッドスキャナーだと1枚スキャンするのに数分がかかり時間がかかり過ぎますし、ニコンのフィルムスキャナーアダプターと等倍のマクロレンズでフィルム一枚一枚を撮影する方法も大変そうです。かといって、業者に依頼をすると、1200dpiの低いdpiでも1枚50円×5000枚で25万円もの費用がかかってしまいますので、頭が痛いところです。
 結局、フィルムの枚数を3000枚程度に減らして、一旦業者にスキャン作業を依頼し、残しておくべき作品についてはフィルムを残しておくとともに、更に高画質でのスキャンを業者に依頼することにしました。これからまだまだ時間がかかりそうです。
 これらの写真は私がいなくなったら誰も見ることもないものですが、自分にとっては人生の瞬間瞬間とその時の考えが表現されている、大切なものです。

81. 夢を追い続けて (2016.09.28)

 先日、NHK BSプレミアムで「限界に挑め!天空の超人たち」という番組が放送されていました。
 これは2年ごとに開催される「トランス・ジャパンアルプスレース(TJAR)」の様子を負ったドキュメンタリーです。このレースは、日本海側の富山湾→北アルプス→平地→中央アルプス→平地→南アルプス→太平洋側の駿河湾までの415kmを1週間で走るという過酷な超人レースです。

 今回のレースには予選を通過した男女29人が参加していましたが、トップで5日間でコースを踏破した(1日あたり80km以上も走ることになります)静岡市消防局(夏だけ山岳救助隊員)の方は、ツェルト(非常用テント)の中でたった1.5~2時間眠るだけで、それ以外は昼夜を問わず走り続けていて、まさしく自分の、そして人間の限界に挑戦していました。昼間でも危険なコースが多いのに、夜もずっとヘッドランプを点けて山々の尾根などを走り続けるというのは、到底信じがたいことです。

 先頭の人、二番目の人、やっと所定時間内にゴールできた人、体調不良やタイムアウトでやむなく途中でゴールを諦めざるをえなかった人たちなど、様々な人間模様が浮かび上がります。
 それぞれの人が、それぞれの思いと事情を抱えながら、苦しみあがきながらも一途に前へ前へと、自分の限界に挑戦する姿には、本当に心を打たれます。
 また、参加者の方々の言葉も、「(若い頃に冬山で滑落して命を助けて貰ったので)この命、無駄にはできません」、「挑戦することで色々な発見と気づきがある」、「夢を追い続けてきてよかった!」等々、非常に印象的でした。

 私が命を懸けるものは何だろう。自分は今これ程までに何かを真剣に求めて挑戦しているだろうか。
こんなに熱く夢を追い続けているだろうか。本当に色々なことを考えさせられる、いい番組でした。

80. 日経新聞の記事 (2016.09.28)

 9月16日付の日本経済新聞に「被災地トラブル弁護士が間に」、「迅速解決で利用広がる」との見出しで、熊本の震災ADRの記事が掲載されました。

 記事は写真付きで、先日のブログNo.77で書いたとおり、共同通信社熊本支局の記者が撮影した、あっせん手続中の私の姿などが載せてありました。記事の内容は、共同通信社が配信したものをベースにして、日経新聞福岡支社の記者が私に電話取材をした内容が加味してありました。

 これで震災ADRに関する新聞記事はほぼひと段落したと思いますので、あとはNHK等の番組内で報道して貰えるように引き続き頑張ってみたいと思います。

79. アニメ映画「君の名は。」 (2016.09.23)

 先日、興業売上100億円の突破真近かと言われている、ヒット中のアニメ映画「君の名は。」を観て来ました。台風接近中の休日、光の森の映画館は中高生や若い人達を中心として大賑わいで、中でも「君の名は。」は毎回の上映がほぼ満席状態でした。
 私が初めて新海誠監督を知ったのは、いつかこのブログでも書いた「秒速5センチメートル」という作品を観てからで、その繊細で美しい風景描写とストーリーの切なさには、本当に感動しました。それで、今回も期待を持って観に行きました。

 今回の「君の名は。」も、本当にいい映画で、感動しました。
 それぞれ違う世界で暮らしていた都会の男子高校生と、田舎の女子高校生が夢の中で入れ変わり、その体験を重ねて行く中で、やがて互いに惹かれ合うようになり、思いを募らせ、時間と空間を超えて出逢おうとする物語です。
 観ていて、この物語の根底には、存在と時間というものの不可思議性の認識があるのだろうと思いました。すなわち、時間は直線的に過去から未来に流れるものではなくて、それは人間の観念が生活の便宜上作り出したものに過ぎないものであって、あらゆる存在と時間は今この現在のこの場所に渾然一体として同時に存在しているという共時性の考え方や、存在には自他の区別はなく流動し、時間も過去と現在と未来の区別はないというような考え方です。
 物語の中には、「組み紐」や「結び」の話が出て来ます。「紐は、時間の流れそのものだ。捻じれたり絡まったり、戻ったり繋がったり。それが時間なんだって。」、「糸を繋げることもムスビ、人を繋げることもムスビ、全部同じ言葉を使う。それは、神さまの呼び名であり、神さまの力や。ワシらの作る組紐も、神さまの技、時間の流れそのものを顕しとる。」、「よりあつまって形を作り、捻じれて絡まって、時には戻って、途切れ、また繋がり。それが組紐。それが時間。それがムスビ。」。このように考えると、この物語のベースとなっている二人が時間と空間を超えて入れ変わるということも、夢物語ではなくて、ありうる話だということになります。

 この映画でも、風景描写はとても繊細で美しく、光の表現は見事で、この映像を観るとありふれた私達の日常の景色も、気づき方ひとつで、本当に美しく光り輝き、そして毎日毎日が美しい日々に見えることが分かります。風景が、あなたにとってこの世界とは、存在とは何ですかと問い掛けているようです。

 時間と空間を超えて惹かれ求め合う二人。どうしても会いたいというひた向きな思い。そして、どうしても逢えないという切なさと悲しみ。人間の力ではどうすることもできない絶望的な状況。そんな絶望の状況の中でも、お互い惹かれ、求めて、一心に出逢おうとする。山上でのそんな二人の姿のシーンには、思わず涙が流れます。願いや祈りの力を感じます。そしてこんなに純粋な気持ちがあったんだと、感動します。
 存在や時間の仕組みは本当のところは分かりませんが、私達人間が限られた時間の中を生きる、儚く、切ない存在であることは確かです。そんな中で、時間も空間も飛び越えてしまうほどの純粋な思いで、大切な人と出会うことの愛おしさ、素晴らしさを感じます。改めて、この世界が貴重で大切な世界だということと、今自分が生きていること、そして一瞬一瞬を大切にする思いで一生懸命生きて行こうと、そう感じました。

 ラストでは、二人の切ない思いがそのままで終わらずに、都会で成長した若者同士として運命的な、しかし必然的な出逢いを果たすことになります。求め合う者同士の不思議な出逢い、祈りの力・・。
終わり方も、希望と明るさに満ちて、とても良かったと思います。

 この映画は、ここ数年来では最も感動した映画でした。原作の小説も読んでみましたが、映画を観た後だと、ひとつひとつの情景描写や言葉がより深く味わえます。この映画は、もう一度見に行くつもりでいます。

78. 全国仲裁センター連絡協議会での報告 (2016.09.21)

 平成28年9月16日(金)、仙台市で、第20回全国仲裁センター連絡協議会が開催されましたので参加しました。

1.冒頭で、仲裁ADR統計年報についての報告があった後で、指名により、私の方から「熊本地震と震災ADRの状況について」報告をしました。内容的には、先日日弁連ADRセンターに送った報告書をベースにして、申立件数などについて直近のデータを反映させたものです。熊本地震と震災ADRの大変さについては、参加者の方々にもよく分かって頂けたようで、懇親会の席でも多くの方々から声をかけて頂きました。

2.シンポジウムは、タイトルが「質が量を生む~これまでの10年、これからの10年」でした。
(1) 第1部は「これまでの10年~仙台会ADRの10年間のデータ分析と信頼度を上げるための取り組み」でした。仙台会は一般ADRでも年間100件以上の申立てがあっていて、平成27年の申立件数は133件になっています。平均すると、応諾率は約70%、応諾事件の解決率は60~70%、代理人関与率は直近では67%、会員中の申立代理人率が直近では16%でした。
 仙台会ADRの申立手数料は2万円、応諾量料も1万円だというのに、このように利用件数が多いのは、やはり中心となって活動されている先生方がとても熱心であることと、運営委員会にも大勢の若い先生方が参加して活動されていることが大きな理由だと思います。それが結果的に他の会員にも浸透して、会員のADR利用が多くなっているようです。
 その他、仙台会の取り組みで参考になったのは、次の点です。
①成立事案と不成立事案についての事例研究会の開催
②相手方から不応諾の回答があった場合のあっせん人の説得(不応諾制度、電話と文書)
③事務局の対応方法(別紙)
(2) 第2部は「これからの10年~臨床法学の定昇とこれからの研修を考える」でした。
① ここでは、ADR第1世代はADRへのパッションで動いていましたが、第2世代、第3世代への活動を維持、活発化していくためには、パッションだけでなくADRの特長を体系化、理論化して伝えていくことが必要だとの考えから、「臨床法学」が提唱されました。
 このような考え方にもとづいて、仙台会では医療コーディネーターとの勉強会や会員有志での読書会(関連諸科学の視点‐ex.臨床心理学、脳科学、動的平衡、量子論…)などを開催しており、今後もこれらを充実発展させていく方向のようです。
 この点については、私は方向性は大変よいと思いましたが、「臨床法学」というネーミングについては、病気や法律のイメージが抜けないので、むしろ「実践紛争解決学」くらいにした方がよいのではないでしょうかと、懇親会の席で感想を伝えました。
② 今後の研修のあり方については、以上のような臨床法学的な考え方を基礎として、成立・不成立事案の事例分析、代理人・仲裁人からの内容の聞き取り、事例の背後にある紛争時の人間関係の特性などを抽出して研修のシナリオを作成し、このようなケースにはこのような方法が有効だという教訓を可能なかぎり明らかにし(一般原則化)、その結果をADRカフェなどで報告する方向性が示されていました。
 また、従前からあるロールプレイによる研修、事例検討会、利用者からのアンケート結果の分析なども挙げられていました。

3.仙台会ADRは、愛知県に次いでADRの活動が活発なところですので、今回連絡協議会に参加して、改めて仙台会会員の熱意と工夫を感じることができました。やはりADRは運動体ですし、人への信頼ですので、運営委員会やあっせん人の熱意なしに良い活動はできないと痛感しました。
 当会ADRは、まだ仙台会のような臨床法学を目指せるようなレベルには達していませんが、事例検討会の実施や不応諾制度については、当会でも導入を検討してみる必要があると思います。

77. 震災ADRの現状と報道機関への対応 (2016.09.15)

1.熊本地震に伴う震災ADR(弁護士会の調停)は、開始から約3ヶ月ですが、今日までで申立件数は既に42件にもなっていて、順調に推移しています。
 むしろ少しオーバーペースとも思える位で、このままですと申立件数が年間150件を超えそうな情勢ですので、事務局の負担増や実施場所の確保が懸念されます。

2.熊本での震災ADRの活動については、このブログのNo.70のシンポジウムを開催したことで、マスコミ各社にもかなり関心を持って貰えるようになりました。
 これまでに熊日新聞(2回)、朝日新聞、毎日新聞に震災ADRの記事を掲載して頂きました。
 今日は、私があっせんを担当する事案がありましたので、関係者の了解を得て、あっせん手続中の様子について、共同通信社、西日本新聞社が写真撮影をされ、NHKは記者とカメラスタッフも来られて映像撮影をされました。
 NHKについては、まだ取材継続中で、かなり後になるとは思いますが、夕方のローカルニュース「クマロク!」でミニ特集として放送して頂けるかもしれません。
 また、TBSの「報道特集」からも取材の打診があっているようです。
 今後も、熊本の地震ADRだけでなく、全国の弁護士会ADRの広報活性化のためにも、報道機関には積極的に対応していきたいと思います。

76. 鶴屋デパートでの無料法律相談 (2016.09.15)

 熊本県弁護士会は、熊本市中心部の鶴屋デパートの7階で、今年の7月から月2回のペースで、無料の法律相談を実施することになりました。
 このアイディアは、弁護士へのアクセス障害を解消し、少しでも敷居を低くするための方策として、私が弁護士会会長当時から提案していたもので、当時同デパートの社長と懇意の弁護士を通じて実施の方向で内諾を得ていました。
 しかし、その後私の方でもなかなか具体的な動きができず、そのままになっていたものです。この度、当会の法律相談センターの尽力によりやっと構想が実現したもので、本当に良かったと思っています。

日程は、下記の通りとなっています。
9月は23日(土)、24日(日)
10月は22日(土)、23日(日)
11月は19日(土)、20日(日)
12月は24日(土)、25日(日)で、
時間はいずれも13時~16時となっています。

 鶴屋デパートの方でも、店内放送などで告知して頂ければ、買い物ついでに気軽に相談できる場を提供できるのではと思います。
 さらに、今後はデパートよりも人出の多い郊外のショッピングモール(ゆめタウン光の森、イオンモール熊本、ゆめタウンはませんなど)で、土日に法律相談を実施することも検討されてよいと思います。

75. 金融ADRの現地調停 (2016.09.09)

 先日、東京第一弁護士会が申立てを受けた金融ADRの案件について、私が同弁護士会から現地調停の仲裁人としての委託を受けて、スカイプ(カメラ付きパソコンによるテレビ会議)で東京第一弁護士会と熊本弁護士会を繋いで現地調停を行いました。

 金融ADRは金融機関と顧客の間に生じた紛争についてADRで解決を図るものですが、金融機関の大部分が東京弁護士会、第一、第二東京弁護士会の三会と協定を結んでいるため、地方の顧客が申立をする場合にも東京三会の金融ADRに対して申立てをするケースが多くなります。その場合に、地方の顧客がわざわざ東京に出頭しなければならないということになると支障がありますので、東京三会が現地調停の協定を結んでいる地方の弁護士会と一緒になって、金融ADRの手続をする仕組みになっています。
 例えば、熊本の顧客が某都市銀行熊本支店との紛争について東京三会の金融ADRに申立てをして、実際の手続は、熊本の顧客と金融機関の熊本支店が熊本弁護士会に出頭して行い、その際にスカイプで東京三会と繋ぎながら手続を実施をするというものです。
 金融ADRは、普通のADRと仕組みが違っていて、顧客保護のため、申立手数料は無料となっており、仲裁人が示したあっせん案は金融機関に対する拘束力を有することになっています。

 今回私は初めて金融ADRの現地調停を経験しましたが、やる前は私の方で事案の手続を進めて行くのかと思っていましたが、実際の手続の進行は殆んどスカイプを通じて東京第一弁護士会の仲裁人が行いましたので、私の方はどちらかというと補助的な仲裁人の役割でした。

 ADRはこのように裁判外での紛争解決の方法として極めて有用なものですので、今後も全国的に利用が広がって行くと期待したいものです。勿論、私も熊本でのADRの活性化に向けて、これからも頑張って行きたいと思っています。

74. “The Sense of Wonder”(レイチェル・カーソン) (2016.09.08)

 「センス・オブ・ワンダー」~それは、美しいもの、未知なるもの、神秘的なもの、不思議さに目を見張る感性。自然を探検し、美しいもの、神秘的なものに気づき、発見の喜びに胸をときめかせる心。

 子供の頃は誰もが持っていた感性も、大人になってしまうと日常に追われて、いつの間にか見失ってしまいます。確かに、「人は目にしていながら、本当は見ていない」、感じていないことが多いものです。
風の音と感覚、木々のそよぎ、雲の動き、雨のしずく、小川のせせらぎ、路傍の草花、一粒の種、雪の結晶のひとひら・・・。
よくよく見て感じてみれば、地球と宇宙のすべてのものに、生命の鼓動と不思議を感じることができます。
そして、感じるのです。
この世界は不思議で、すばらしいものだと…
自分の存在も、この時間も、貴重ですばらしいものだと慈しむ。
そう思っていれば、何があってもずっと楽しい人生です。
写真をやっていると、つくづくそう感じますが、この本も同じことを言っていました。
短いけれど、いい本でした。

73. 震災関連死の認定 (2016.09.07)

 熊本地震では、平成28年9月5日時点で、42名の方が震災関連死と認定されています。
 震災関連死とに認定されますと、「災害弔慰金の支給等に関する法律」により、生計維持者が死亡した場合は500万円、その他の者が死亡した場合は250万円の災害弔慰金が支給されます。重度障害についても、生計維持者には250万円、その他の者には125万円の災害障害見舞金が支給されます。費用負担は、いずれも国が2分の1、県が4分の1、市町村が6分の1の割合です。

 私も先日震災関連死の審査に関与しましたが、死亡者の生前の生活状況、既往症、地震後の生活状況とその変化、死亡時の状況、死亡原因等々を総合して、地震と死亡との因果関係の有無を判断しなければならず、なかなか難しい面があります。
 特に、以前から比較的重い既往症があって、地震による影響は否定できないけれども、地震がなくても死亡されていたのではと思われる事案等については、なかなか判断に苦しむところです。
 東日本大震災の際には、自治体の震災関連死の認定に不服が出て、裁判になった事例もあるようですので、熊本でもそのような事態が起こりえるかもしれません。

72. 倫理研修 (2016.09.07)

 9月6日午後、くまもと県民交流館パレアで、弁護士会の倫理研修会がありました。倫理研修は、弁護士登録5年目、10年目、15年目…と5年ごとに受講が義務付けられているのですが、今回はそれ以外にも多くの会員の先生が参加されていて、関心の高さが窺われました。
 私も以前に当会の綱紀委員を務めており、何年間か懲戒申立ての事案を審議したことがありますが、以前と比べると懲戒申立てが増えているように思われます。
 事案を検討すると、全く不合理と思える申立てもありますが、中には、自分も確かにこういう場面では注意して対応をしなければならないなと、反省させられることも多々ありました。昔のおおらかな時代とは異なり、現在では依頼者も相手方も、そして第三者も権利意識が高まっていますので、弁護士のパターナリズムは通用しないようです。色々な場面で、色々なことに十分に配慮をして、対応をする必要があります。

 今回の研修では、実際の懲戒申立て事案から類型を抽出して説明がありました。例えば、委任契約書の不備、報酬や費用についての説明不足、控訴審についての説明不足、高齢者の意思能力の確認、判決後の相手方とのやり取り、言葉使いや表現の仕方、依頼者への説明の仕方や関係性、個人情報保護などについてで、改めて自分も一層身を引き締めていかなければと思いました。

71. 専門士業の震災無料相談 (2016.09.05)

 熊本の弁護士会、税理士会、行政書士会など8団体で作っている熊本県専門士業団体連絡協議会は、熊本地震に関連した無料の合同説明会を開催します。
 色々な分野の専門家が、ワンストップで地震に伴うトラブルや生活再建、税金、雇用などのご相談に応じますので、是非ご利用下さい。

 日程は、9月10日(土)と11日(日)の午前と午後です。
場所は、阿蘇市、南阿蘇村、大津町の3か所で、阿蘇市が市農村環境会zンセンター(10日)と阿蘇公民館(11日)。南阿蘇村が村久木野庁舎、大津町が町生涯学習センターです。
 事前の申し込みは不要ですが、お問い合わせは相談会実行委員会(TEL:0964-27-8033)までお願い致します。

70. 震災ADRの現状と研修会・シンポジウムの開催 (2016.09.05)

 熊本弁護士会の震災ADRの現状と研修会・シンポジウム開催について、次のとおりです。

1 震災ADRの現状について
(1) 震災ADRを設置してから約3カ月が経過しましたが、平成28年9月5日までの申立件数は36件で、月に10件以上の申立ペースになっています。このうち申立サポート弁護士制度による対応は27件で、申立件数の75%にもなっており、この制度が非常に便利で有用な制度であることを実感しています。
 処理状況は、申立件数のうち、取下げ(解決を含む)が4件、不応諾が6件で、残りの22件は応諾もしくは応諾確認中で、このうち解決事案は3件、不調は1件、その余は手続が進行中です。
 事案の内容としては、申立件数のうち、賃貸借に関する立退き、敷金返還、修繕費の負担等が約72%で、次に、瓦や塀の落下による隣家との損害賠償の問題が約19%になっています。
(2) 以上のとおり震災ADRの利用件数は順調に推移していますが、現在までの感想としては、やはり①申立手数料の免除と申立サポート制度の導入、②対内及び対外広報の強化が、利用件数の増加につながっていると思います。
 私としては、以上のような今回の枠組は一般ADRにも導入すべきものと考えていて、それによってもっと全国的にもADRが活性化して、ADRが現在の司法システムの限界を超える柔軟な紛争解決制度として利用が広まっていければと思っています。
 熊本の震災ADRについては、今後申立件数が多くなってあっせん場所の確保が心配される面がありますが、より一層対内広報及び対外広報に力を入れて利用の拡大を図り、被災した熊本の安心安全の実現に少しでも尽力できればと思っています。

2 研修会の実施について
(1) 研修会Ⅰ部
  平成28年8月26日(金)午後3時30分から6時30分まで、熊本大学文法棟2階の共用会議室において、ADRについての研修会Ⅰ部を実施しました。参加者は、当会会員をはじめとして自治体関係者、熊大大学院紛争解決学関係者の方々など約42名が参加しました。
 内容的には、熊大大学院で紛争解決学がご専門の石原明子准教授の司会のもとに、①九大法学研究院の入江秀晃准教授によるADR一般についての研修(日本での調停制度の歴史、アメリカのADRの発展、ADRと司法調停の比較とADRのメリットなど)、②仙台弁護士会の竹内豊弁護士による東日本大震災の際の震災ADRの報告(申立サポート制度やプレ審理など)、③仙台弁護士会の阿部弘樹弁護士による震災ADRでのあっせん成立事案についての説明、④私が当会であっせん人として担当した隣地の擁壁工事の設計変更等請求事案でスピーディに解決した事案についての説明などでした。
 この中では、仙台弁護士会でADRの中心的な存在である斉藤睦夫弁護士からも、豊富な体験に基づいた数々の貴重なアドバイスを頂きました。
(2) 研修会Ⅱ部
  同27日(土)午前10時から午後1時まで、同所において、ロールプレイに関する研修会Ⅱ部を実施しました。参加者は、当会会員をはじめとして自治体関係者、熊大大学院紛争解決学関係者の方々など約30名が参加しました。
 内容的には、九大法学研究院の入江秀晃准教授による「模擬あっせんロールプレイで学ぶあっせん技法」の研修でした。
 まず、①全員が今回の研修についての目的意識を書き出して共有したうえで、②入江准教授がADRのあっせん技法についてお話をされました。内容的には、ボイスとチョイスを当事者に取り戻す=当事者に本当に言いたいことをよく話してもらい、当事者にしっかり選んでもらう→同席、未来志向・目的志向、支援としての調停。対話型調停の流れと構造-土俵を作り、本音を探るために十分話をしてもらい、まとめていく。そのための技法として、初めの挨拶のスキルトレーニング、傾聴技法、開かれた質問、言い換えなどについてでした。
 次に、③あっせん人の最初の挨拶の場面についてロールプレイを体験し、さらに、④地震による水道の水漏れ事故に関する損害賠償の事案について、申立人、相手方、あっせん人に分かれてのロールプレイを体験しました。
 あっせんの技法については、要するに、個々の技術論というよりも、あっせん人として心を開いて、当事者の言い分や心情を十分に聞き取って、当事者双方の幸せと円満な解決を望む気持ちで、調整に力を尽くすことが大事だと思いました。
 また、私は最後の④のあっせんのロールプレイでは、申立人側の役をやりましたが、シナリオが完全に決まっている訳ではないので、相手方やあっせん人の発言や態度にも非常に注意をして演じましたので、当事者の自分の不安や言い分を理解して欲しいという気持ちなどが実際によく分かりました。これまであっせん人として本当に当事者の気持ちなどを十分にすくい取って対応をしていたのかどうか、反省をしました。今後は今回の研修の経験を少しでもあっせんの現場に活かしていこうと思います。

3 震災ADRのシンポジウムの開催について
(1) 8月27日(土)午後3時~6時、熊本大学工学部百周年記念館において、「震災ADR 仙台から熊本へ」と題して、震災ADRのシンポジウムを開催しました。主催は熊大大学院社会文化科交渉紛争解決組織経営専門職コース、熊大拠点形成研究「紛争解決学・合意形成学の拠点形成研究」、熊大法学部、当会の4団体でした。
 開催趣旨は、熊本ではADRも震災ADRも殆ど認知されていないので、ADRの有用性等を訴えて、ADRへの啓発と広報を図ろうとしたものです。
 参加者は、当会の弁護士、自治体関係者、士業関係者、医師、一般の方、その他で約100名でした。
(2) まず、基調講演として、仙台弁護士会の斉藤睦男弁護士から「震災ADRのスピリット」と題して講演をして頂きました。
 震災対応型のADRとして簡単迅速な申立てができるように、見る前に跳べの精神で、赤字も覚悟して、申立サポート制度、申立手数料の無料化、成立手数料の半額化等を導入したことや、利用状況、解決事例の説明をして頂きました。
 そして、弁護士会ADRの特色(申立てのしやすさ、迅速性・機動力・現場主義、手続や解決方法の柔軟性、法律専門性に裏打ちされた公正な解決、win-win resolution)を活かして、ADRは制度ではなく運動である・ADRスピリットが大事だと考えて、想像し創造していくことが大切である等、大変貴重なお話をして頂きました。
(3) 次に、仙台弁護士会の竹内豊弁護士から、震災ADRでの申立てサポート制度について説明をして頂き、同弁護士と斉藤睦男弁護士とで申立てサポートの電話でのやり取りの実演までして頂きました。
(4) 後半は、パネルディスカッションでした。
 ① 当会の松村尚美弁護士が、熊本地震に対応した無料電話相談(5000件以上)や出張相談(1000件以上)について、
 ② 熊本県消費生活センターの秋田壮児審議員が、熊本地震に伴う消費生活相談の状況について、
 ③ 私の方で、当会での震災ADR立ち上げと制度設計、利用状況等について、
 ④ 当会の馬場啓弁護士が、震災ADRの解決事例について、
 ⑤ 石原明子熊大大学院准教授が、熊大での紛争解決研究と教育について、それぞれ説明を行いました。
 その後、九大大学院の入江秀晃准教授の司会で、仙台弁護士会の斉藤睦夫弁護士・阿部弘樹弁護士・上記の説明者らがパネラーとなって、ADRの捉え方や今後のADRの展開等について、発言を行いました。
 この中で、私は、馬場啓弁護士が「裁判所は当事者どちらの味方でもないが、ADRは当事者双方を支援する両方の味方だと思います」と発言されたのが印象的でした。これは斉藤睦男弁護士が常々「ADRには申立人を相手方として2人の依頼者がいる」と言われていることと同じだと感じました。
 また、私の方からは、ADRは、人間の気持ちや感情、人間関係まですくい取って柔軟な紛争の解決ができる「愛のシステム」だということと、そういう考え方で熊本でも、そして全国でももっとこの優れたシステムを広げて行って、少しでも安心安全な世の中が実現できればと思いますとお話をしました。

4 御礼など
(1) 今回の研修会とシンポジウムについては、所期の目的を達成することができて、ほぼ成功裡に終了することができました。
 仙台弁護士会の斉藤睦男弁護士、阿部弘樹弁護士、竹内豊弁護士、九大大学院の入江秀晃准教授、熊大大学院の石原明子准教授には、多大なるご支援とご協力を頂きまして、本当にありがとうございました。
 また、日弁連ADRセンター関係では、委員長の山﨑司平弁護士、増田卓司弁護士、吉田薫弁護士には、ご多忙の中を遠路熊本まで足をお運び頂きまして、本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。
(2) 今回の企画の実現を通して、当会ADR委員会の若手の先生方も熱心に活動して貰えるようになり、今後の活動の中核ができて非常によかったと思っています。今後も、熊本でのADR活性化を目指して活動して行きたいと思います。

69. 各士業の震災対応 (2016.08.18)

 8月18日の夜、アークホテル熊本で、各士業で作っている熊本県専門業団体連絡協議会の会合があり、各界から33名の参加がありました。
 内容的には、9月の阿蘇地方を中心とした震災関係のワンストップ相談の件、11月の合同相談会、パンフレットの改訂等についての協議がなされましたが、最後には各界から今回の熊本地震への対応活動についての報告がありました。

 弁護士会は5000件を超える無料相談や出張相談、司法書士会は巡回相談や定期相談、行政書士会は罹災証明書の申請やグループ補助金申請についての援助活動、土地家屋調査士会は家屋調査の立会協力、社会保険労務士会は雇用調整補助金の申請、不動産鑑定士協会は自然災害債務整理ガイドラインでの鑑定業務等の活動を行ってきており、各会がそれぞれの立場で何とか熊本の復興のために力を尽くそうとしていることがよく分かりました。
 今後も各士業の専門家集団が連携して、熊本の復興と発展のために活動していけたらと思っています。

68.強く生きる言葉 (2016.08.11)

 昨日のEテレで岡本太郎美術館のことをやっていましたが、今でも若い人たちが美術館を訪れて、リピーターも多いそうです。岡本太郎の創作と生活の場所だった所を訪れて、「岡本太郎の空気」を吸いに来るそうです。死後もなお、岡本太郎の生き方と考え方は多くの人に影響を与え続けています。

 私も、岡本太郎の本を数冊手元に置いて、折に触れて読み返しています。その簡潔で力強い、本質を突いた数々の言葉は、生きることを再確認させてくれます。

「何のためにこの世に来たのか。
そして生き続けているのか。
ほんとうを言えば、誰も知らない。
本来、生きること、死ぬことの絶対感があるだけだ。」

「生きる日の喜び、悲しみ。
一日一日が新しい彩りをもって息づいている。」

「危険だから生きる意味があるんだ。」

「自分自身を突き飛ばせばいいんだ。炎はその瞬間に燃えあがり、あとは無、爆発するんだ。全身全霊が宇宙に向って無条件にパーッとひらくこと。それが爆発だ。人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発し続けるべきだ。いのちのほんとうの在り方だ。」

67. 夏休みのお知らせ (2016.08.08)

 事務所は、8月10日(水曜日)~8月15日(月曜日)まで、
お休みさせて頂きます。

大変ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願い致します。

66. 震災ADRが好調 (2016.08.05)

1.震災ADRは活動を開始して2ヶ月位になりますが、現段階では申立件数が23件で、解決が2件、不成立0件、期日進行中7件となっていて、件数的にはかなり好調に推移しています。
  申立件数が伸びているのは、①対内・対外広報によって少しは震災ADRに対する理解が深まったことと、②申立てサポート弁護士制度を導入して申立てを簡便にスピーディーにできるようにしたからだと思います。
  ただ、このままひと月に10件位の申立てが続くことになると、あまりスペースに余裕のない弁護士会館だけで行っていては場所や期日の確保が難しくなったり、事務局の負担が大きくなりますので、今後は対応策を検討する必要が出てくるかもしれません。

2.昨日、朝日新聞の記者から事務所に電話連絡があって、司法のあり方や震災ADRに関心があるとのことでしたので、連絡文書や震災ADRの資料をファックスしました。
  早速色々と関係先に取材をして頂いて、今日の朝刊に震災ADRの紹介記事が載っていました。
  今後も各報道機関に取り上げて貰えるように資料の送付等を行っていきたいと思っています。

65. 震災ADRシンポジウム~仙台から熊本へ~ (2016.08.02)

 8月27日(土)午後3:00~午後6:00まで、熊本大学工学部百周年記念館で、「震災ADRシンポジウム~仙台から熊本へ~」が開催されます。

 熊本大学と熊本県弁護士会の共催で、開催の趣旨は広報チラシの記載では次のとおりです。
 「平成28年熊本地震の発生から既に3か月が経過しました。 震災からの復興に向けては、ひとり ひとりの個別的な事情に応じた支援こそが、最も合理的です。特に、被災者間でのトラブルの解決に関しては、 多くの場合、一方の当事者への情報提供だけでは解決できません。
 しかし、直接、両当事者がその問に取り組めば、早い段階で解決できる場合が少なくありません。 2011年東日本大震災の復興のため、仙台弁護士会震災ADRにおいては、管内の民事調停よりも多くの事件を解決しています。特に、建物被害関係での解決に役立った実績があり、 これは14万軒の建物被害が出た熊本でも参考になるに違いありません。 熊本の生活やビジネスを立て直すために、震災ADRがいかに活用できるのか、具体的な解決例等を通してその可能性を探ります。」

 私も、後半のパネルディスカッションでパネリストとして参加させて頂きます。
 入場は無料ですので、皆様も是非お気軽にご参加下さい。

64. 震災ADRの熊日新聞記事 (2016.07.30)

1.本日7月30日(土)の熊日新聞に「地震トラブル解決図ります」との大きいタイトル付きで、震災ADRの記事が掲載されました。内容も的確で、分かりやすくまとまっていたと思います。熊日社会部の記者の方には、早速お礼のFAXを流しておきました。

2.震災ADRの対外広報は、今後も工夫をしていく必要があります。現在、弁護士会のコマーシャルのパブリシティーの関係で広報ができる企画が出ていますが、更にマスコミ各社にも震災ADRの資料送付と取材取上げの依頼をする必要があると思っています。できればNHKの夕方の地元ニュースのコマでも、取材をして貰えるように考えてみたいと思っています。

63. 弁護士特約 (2016.07.28)

 現在、自動車保険、火災保険、傷害保険の特約として弁護士特約(権利保護保険)を付けられるものが多くなっていて、この分野の紛争事案について弁護士に相談や事件処理を依頼する場合には、保険から弁護士費用が300万円まで出ることになっています。これを通常、弁特(ベントク)といいます。
 そして、トラブルになって弁護士に事案を相談したり、解決を依頼したりしようとするときには、①保険会社から指定弁護士の紹介を受けたり、②LAC(日弁連リーガルアクセスセンター)を通じて弁護士の紹介を受けたり、あるいは③自分の知り合いの弁護士に依頼をして弁護士特約保険を利用することもできます。

 この弁護士特約案件は、日常的に保険会社の仕事をしているとかなり増加していることを実感しますが、上記日弁連のLACルートも増加していて、熊本でも昨年は弁護士特約案件が400件(昨年比18%増)にもなっています。

 以前このブログでも書きましたように、弁護士特約(権利損害保険)の保険商品は、今後は交通事故だけでなく一般的な紛争全般を対象とするものに拡大していくものと思われますので、益々弁護士特約案件は増加していくものと思われます。そのこと自体は弁護士としては業務面で望ましい方向ではありますが、他方では利用者からのクレームも増加傾向にあるようですので、やはり適正、的確、迅速な業務対応を心掛ける必要があります。

62. 不正研究の防止 (2016.07.28)

 私は地元大学の不正研究防止に関する委員会に参加しています。 
 理研の小保方晴子氏の例を挙げるまでもなく、データの捏造、改竄、盗用などの不正研究は学問の根幹を揺るがし、大学の存立と運営に重大な影響を与えますので、大学は、文科省の指導の下に研究に関する行動規範や不正研究防止等の規則を整備し、職員、研究者からこれらの規範や規則を遵守する旨の誓約書を取りつけたりしています。
 この他にも、公正研究推進ハンドブックの配布や、研究倫理教育や研修を受けさせるようにしたり、研究費の不正使用防止のために換金性の高い物品の管理体制を整備するなどして、熱心な対応がなされています。
 また、論文盗用検索ソフト(コピーアンドペーストチェックソフト)なども導入されていて、論文の提出等の際にも利用されています。

 学問研究は、自由で独立しているようで、一方では一定数の内容がある論文を書かないと評価をされず十分な研究費も確保できなくなる厳しい世界ですので、魔が差すと不正研究の芽が出やすいものです。大学の研究者の実情を知ると、研究者の方々も大変だなとつくづく思います。

61. 株主総会とスカイプについて (2016.07.27)

 株主総会へのテレビ会議等による出席については、会社法上は明文の規定はありません。しかし、会社法施行規則72条3項1号によると、株主総会議事録の内容として総会が開催された日時及び場所を記載することになっており、「当該場所に存しない取締役や株主が株主総会に出席した場合には、その出席の方法も記載する」となっていることから、取締役や株主はテレビ会議等の十分な意思疎通が可能な媒体によって株主総会に参加することは可能とされています。

 この点で、スカイプは総会に参加している他の株主との自由な意思疎通ができる面では問題はないと思います。ただ、電話の場合は、通常は2当事者間の意思疎通の場合が多いので、電話での参加の場合には株主総会の状況が電話参加者に伝わるような配慮をして、進行や内容を十分電話で説明したうえで進める必要があると思います。
 そして、総会の議事録には、取締役名または株主名、所在場所、スカイプまたは電話などの参加方法を記載しておく必要があります。 例えば、開催場所の末尾に「東京都港区○○に存する取締役Aはスカイプシステムにより本株主総会に参加した」と記載することになります。

 改めて考えてみると、これだけIT技術が発達した社会になのに、会社法の本体に株主総会へのIT媒体を通じた参加方法についての明文規定が置かれていないのは、どうかなと思います。

60. 震災ADRの途中経過 (2016.07.22)

1.震災ADRについて本格的に対内及び対外広報を始めたのは6月20日頃からですが、申立件数は現在までで15件(うち1件は進行保留中)です。申立件数はかなり順調に推移しています。
  内容的には賃貸借関係や近隣関係のものが多いようです。このうち7件が申立サポート制度による受付となっています。申立サポート制度を担当してみて、この制度は利用促進のためには非常に良い制度だと思います。私の場合は、弁護士会から申込書がファックスで送られてきましたら、時間が空いていればすぐに申立人に電話を入れて事情聴取をして、書面を完成させて弁護士会にファックスしますので、非常にスピーディーに申立処理をすることができます。したがって、この制度は震災ADRだけでなく、一般ADRでも活用すべきだと思いました。また、申立サポート制度は、これまでは私が一人で担当していましたが、先週あたりから案件ごとの順番制になりました。
  先々週あたりからやっとあっせんの期日が入り出して、実際に期日が進行しているのは2件だけで、解決例はまだありません。

2.現在の課題は、やはり対内広報と対外広報を充実させて、利用促進を図ることです。
  特に対内広報はしつこいくらいに啓発を続けないと、会員の関心は薄れていくので、今後も継続的に震災ADRの利用実績をアピールする等して利用促進に努めたいと思っています。
  対外広報については、現在地元の熊本日日新聞の貴社と話をしていて、近日中に震災ADRについて当会委員長に取材をして記事を書いて貰う予定です。また、その他の一般的なマスコミに対する広報についても、少しは利用実績が上がってからの方がよいと考えていましたが、そろそろ対応すべき時期だと考えています。

3.8月26日と27日に、仙台弁護士会、九州大学、熊本大学その他のご協力を得て、震災ADRのシンポジウムや会員向けの研修会を開催する予定です。いい企画にできるとは思いますが、参加人数の確保が課題になると思っています。

  地震に伴う紛争で、当事者間の交渉だけでは解決が難しいものについては、是非、弁護士会の「震災ADR(調停)」をご利用下さい。

59. 天国にひとり (2016.07.22)

 「九弁連だより」の表紙に私の写真「天国にひとり」(写真ブログNo.2854)が、裏表紙に「がんばれ熊本城!」(写真ブログNo.2814)が掲載されました。
 これは九弁連広報委員会の先生から写真提供の依頼がありましたので、データを提供したものです。

 表紙の写真「天国にひとり」は、横20cm×縦15cmの結構大きなサイズなので、考えていた以上に見栄えがして、迫力のある感じに仕上がっていました。

 ひとり断崖に立つクライマー。感動的なほどに美しい大自然の中で、何もかも忘れて自然の中に溶け込むとき、無限の宇宙、無限の時間の中の自分と、そして生きている喜びを感じます。
 単なる風景写真というよりも、そんな思いを感じて頂ければ幸いです。

58. 人は二度生まれる (2016.07.13)

 「人は二度生まれる。
  一度目は肉体的に、
  二度目は真に生きるために。」

 NHKのEテレの番組で、クリスチャンの方がこう語っていました。この場合の二度目の誕生とは、神や信仰との出会いを言うのでしょう。信仰によって、すべての自分を出しながら生きることの自由さや、心が開いている状態などについても話されていました。

 私は、「私達は二度生まれる」というよりも、むしろ、毎日毎日この瞬間瞬間に生まれ変わるものだと思います。私達は、毎日毎日の日々の過程において、生命の小さな日常の営みに気付くこと以外には、光り輝いて生きる道はないように思います。
 「毎日毎日の気付き」、「存在への日々の感謝」。
 なかなか難しいこともありますが、漫然と日常に流されていては、光は見えないようです。

57. 法の適用に関する通則法(国際私法) (2016.07.07)

 現在は契約や取引関係がグローバルになっている状況にありますが、現在東京地裁に係属している訴訟事件では、付随的な争点として「一体どこの国の法律を適用すべきか」が問題となっています。
 これは、例えば、中国の会社と日本の会社との間で、契約関係や不法行為で紛争が発生して日本で裁判が提起された場合に、どちらの国の法律を適用するのかということです。

 国際私法の分野については、従前は「法例」という法律がありましたが、平成19年1月からはこれを現代化した「法の適用に関する通則法」(適用通則法)が施行されています。
 この法律によると、
 1.法律行為については、当事者が準拠法を選択しなかったっ場合は「最密接関連地法」に拠ることとされ、その認定については特徴的給付の理論及び不動産所有地による推定規定が置かれています。また、消費者契約や労働契約についは特則が置かれています。
 2.不法行為については、原則として結果発生地法によりますが、その地における結果発生が通常予見可能なものではなかったときは加害行為地法によるとされています。また、生産物責任や名誉棄損については特則が置かれています。
 さらに、この法律には、国際的な婚姻、離婚、養子縁組、相続等についても規定が置かれています。

 国際化の時代、実務家としては事件処理上は常に念頭に置いておかなければならない法律です。

56. マイナンバーの開示義務 (2016.07.07)
 先日マイナンバーの開示義務について会社側からの相談がありました。
 マイナンバー法(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律)では、第14条1項で個人番号利用事務取扱者は、(税金、雇用保険、年金、保険などの事務処理こ関係で)必要があるときは、本人に対し個人情報の提供を求めることができると規定されていますが、個人番号の提供を拒否したことに対しては罰則規定はありません。したがって、従業員が個人番号の提供を拒否した場合に、これを強制することは困難です。
 このような場合には、例えば国税庁の解説では、従業員からマイナンバーの開示をして貰えない場合には、会社側はその旨や経過を記録しておけば、申告書や法定調書へのマイナンバー記載義務違反にはならないとされていますので、このような対応をすることになります。
 そして、以上のような対応をすれば会社にはあまり支障は生じないのですから、マイナンバーを開示しないことを理由として従業員を懲戒処分にすることなどについては、慎重な対応が必要になると思います。
55. 相続人情報証明書 (2016.07.07)

 新聞報道によると、法務省が来年5月ころから相続人全員の氏名や本籍などの情報をまとめた「相続人情報証明書」を発行することになったそうで、見出しだけを読んだ時には、仕事上これは便利になるなと思いました。

 しかし、よく読んでみると、「相続人の一人が全員分の本籍、住所、生年月日、続柄、法定相続分などを証した相続関係図を作成して、戸籍とともに法務局に提出し、法務局は内容を確認して無料で公的な証明書として保管し、写しを相続人に発行する」という制度のようです。つまり、相続人側はやはり一旦は自分で戸籍類を取寄せて準備をして、法務局に同関係図を提出する必要があるようで、法務局はこれを確認して証明をするにすぎません。

 しかし、そうなると、今後は相続手続に応じる銀行等の関係機関は自分達の相続関係の確認作業を簡便にするために相続人に同証明書の提出を求めるようになるでしょうから、相続人側は相続手続をするのに同証明書を提出をしなければならなくなってしまいます。これでは、相続人側は法務局との遣り取りをする余計な手間暇や証明書ができるまでの時間的負担を負うことになってしまって、却って手続が面倒になるのではないかと思います。
 まだ、この制度の詳細はよく分かりませんが、関心を持っている必要はありそうです。

54. 熊本地震「法律Q&A」 (2016.07.01)

 いよいよ今週から熊日新聞紙上で当会の対外広報PTの熊本地震「法律Q&A」記事の連載が始まりました。毎週火曜日に掲載で、いつまで続くのかはまだはっきりしていませんが、おそらく6ヶ月程度は掲載が継続されるものと思われます。

 記事のテーマについても、既に震災に伴って予想される法律問題について20本程度は決めていて、順次担当の弁護士が執筆することになっています。
 1回目の記事のテーマは「地震で隣家に瓦が落下して被害が発生した場合の法的責任」で、今回の地震で近隣関係の問題としては非常に多く発生している法的問題です。現在の相談事例では、建物の取壊し、補修に伴う立退き要求や賃料減額の問題など賃貸借関係の問題も多いので、これらの点についても順次掲載していく予定です。

 熊本の安心安全と復興の実現のために少しでも役に立つことができればと思っていますので、皆様にご愛読頂ければ幸いです。

53. 2016日本画アワード (2016.07.01)

 東京広尾の山種美術館で開館50周年記念として「2016日本画アワード」が開催されていましたので、出掛けてみました。
 50点ほどの入選作品が展示されていました。若手が対象の公募展ですが、若手とは言っても20歳の美大生から40歳過ぎの方まで年齢は幅広く、また、女性作家の方と東京芸大出身の方が多いように感じました。

 入選作品だけあって、どの作品も日本画の構図、色彩などを活かしつつ、現代的な要素も取り込んでいて、全体的に「すばらしい」ものでした。特に気になった複数の作品の前に佇んでずっと鑑賞していると、色々なことが感じられて、思わず「いいな~」とため息が出てしまいます。写真の作品を目の前にしても感じることができない感動です。
 大賞でも優秀賞でもないけれど、北川安希子さんの「対自」(絶滅危惧種の島のハシジロコウが水面の上で羽ばたいている絵で、「不安定でも先行きが見えない現代の中を、自由への苦悩と孤独との間で、受け容れたり立ち向かったりして、他者や自分と向き合い葛藤しながら立つ人の姿に重ね合わせました」と説明されています)、中村嘉宏さんの「塀」、立木美江さんの「虫送り」などには見惚れてしまいました。

 丁度作家の方4名が自作を解説するイベントがあっていたので聞きましたが、モチーフや制作意図、悩みなども話されてよく理解ができました。お話を聞いていると、本当に皆さん日本画を描くことが好きなんだなということが分かります。自分の全人生と存在を賭けて全身全霊で絵に取り組んでおられることも分かって、とても清々しい気持ちでした。
 今回は日本画が益々好きになったひとときでした。

52. 被災分譲マンションのへの対応 (2016.07.01)

 今回の熊本地震では多くの分譲マンションも損傷を受けていますので、マンション管理会社などから今後の建替えや補修などへの対応について相談が予想されるところです。そこで、当会では、先日、国土交通省、熊本市、一級建築士、阪神大震災を経験した弁護士やマンション関係に造詣の深い東京の弁護士などを講師として研修会が開催されました。

 この分野は、民法、区分所有法、被災マンション法(政令での適用指定が必要)、マンション建替法という複数の法律の適用が問題となり、少し複雑になっています。
 マンションの「老朽化」に関する決議としては、①改修(区17)、②建替え(区62)、③除却・敷地売却(建108)の3つの方向性があり、災害による「復興」に関する決議としては、①復旧(区61)、②建替え(区62)、③再建(被4)、④除却・敷地売却(被9~12)の4つの方向性があります。
 そして、それぞれの方向性については、区分所有者等の一定数の決議が必要などの適用要件があるわけですが、大勢いる区分所有者等にも色々な事情と考え方がありますので、これを一定の方向に向けて合意形成することはなかなか難しい場面もあるようです。
 また、建替えや補修は長期的なかなり大きな事業になりますので、実際問題としては、弁護士だけでなくこの分野に知識のあるコンサルタント業者と協働していかないと効果的な働き方はできないようです。

51. 自然災害債務整理ガイドライン (2016.07.01)

1.平成28年4月から、「自然災害債務整理ガイドライン」の運用が始まりました。これは、同27年9月2日以降に災害救助法の適用を受けた自然災害によって債務の返済が困難となった場合には、一定の要件のもとに債務の減額や免除を受けることができる制度です。熊本地震の場合も利用ができます。

2.この制度のメリットは、①信用情報(ブラックリスト)に事故情報として登録されないので、手続後に新しいローンを組める可能性があること、②現金預金最大500万円、家財地震保険金最大250万円、その他被災者再建支援金、義援金などを手元に残せるので、生活再建の資金が残せること、③保証人も原則債務免除の取扱いになること、④手続については無料で登録支援弁護士等の支援を受けられることです。

3.利用可能なのは「災害の影響により支払不能またはそのおそれがある個人の債務者」で、住宅ローン債務でも事業性ローンでも構いません。
  但し、以上の支払不能条件との関係で、特段の事情がない限り、世帯収入(パートは加算不要)730万円未満で、住宅ローンと将来住居費の合計が年収の40%超であることが必要です。また、上記2で手元に残せる資産以外の資産額が負債額より多い場合は利用できません。
  また、災害によって支払い不能になったことが必要なので、災害発生前から支払不能になっていたり、支払いを延滞して期限の利益を喪失していた場合には利用できません。また、例えば既存の住宅ローンがあって、震災後に新たな住宅ローン契約をした場合(借替え)や、家屋所有者が修繕費用調達の為に震災後に新たに高額な融資を受けた場合には、特段の事情がない限り利用できないものとして運用されていますので、注意が必要です。

4.対象となる債権者は、原則として金融機関等が対象で、住宅ローン、自動車ローン、クレジット債務、消費者金融などです。但し、必要な場合には、その他の債権者も含むとされています。震災後の債権者は含まれません。

5.手続の流れは、次のとおりです。
 ①被災者が最も大口の債権者にガイドライン着手の申出をします。
 ②これに対し、主たる債権者は10営業日内に着手への同意不同意の意思表示をしますが、申立要件に明らかに該当しないことが明白な場合を除いて、不同意にすることはできません。
 ③着手申出同意書を受領した被災者は、弁護士会に登録支援専門家弁護士委託書を提出します。
 ④弁護士会が全銀協に同弁護士を推薦して、全銀協が登録支援専門家弁護士を委嘱します。
 ⑤委嘱を受けた弁護士は、被災者と面談し事情聴取をして必要書類を作成し、全債権者に申して書類を提出します。この申出書の提出により支払の「一時停止」がスタートし、手続終了まで弁済がストップします。債務者側は、資産処分、弁済や相殺、担保提供などが原則禁止されます。債権者側も、弁済の受領、相殺、担保権の実行、強制執行などが原則禁止されます。債務者側は期限の利益喪失事由になりませんが、債権者が保証会社から代位弁済を受けることは可能とされています。
 ⑥弁護士は、原則申出から3ヶ月以内に、調停条項案を作成して対象債権者に提出します。調停事項案としては、清算型、将来収入弁済型、事業再建型などがあります。保証債務については原則免除の取扱いとなりますが、例外的に保証債務の履行を求めることが相当と認められる場合には、保証人についても調停条項案を作成します。
 ⑦対象債権者は、調停条項案に対する意見を書面で回答し、同弁護士は回答結果をとりまとめて債権者に通知します。
 ⑧期間内で全債権者から同意が得られた場合には、被災者本人が裁判所に特定調停の申立をして正式に合意します。全債権者の同意が得られない場合は本ガイドラインの手続は不成立となります。

6.この制度は熊本地震でも利用が増えていて、現段階でも100件程度の利用があっているようですので、今後はかなりの利用件数になるものと思われます。

50. 日弁連ADRセンターでの「震災ADR」報告 (2016.06.29)

 先日、東京霞ヶ関で、日弁連ADRセンターの全体会議と第一部会会議がありました。その中で今回の熊本地震に伴う「震災ADR」の立ち上げ等について報告をしました。その概要は次のとおりです。

1.御礼
  今回の地震被害に際しましては、日弁連ADRセンターの委員の皆様方からご心配やお気遣いのメール、電話等を頂きましてありがとうございました。心から御礼申し上げます。
 特に、仙台会の斉藤先生からは、東日本大震災の際のADRの資料をご送付頂いたほか、事務所にも何回もお電話まで頂きましてありがとうございました。仙台会の10周年記念特集号や書籍「3.11と弁護士-震災ADRの900日」も購入して勉強させて頂きました。更に、兵庫会からも、阪神淡路大震災の際の報告書をお送り頂きましてありがとうございました。
  
2.熊本地震の経過
  熊本地震は、本年4月14日に震度7の前震が、同16日に震度7の本震が発生しましたが、その特徴は長期間に亘り継続的に多数回の余震が続いたことです。現在までのところ震度7が2回、震度6が5回、震度5が12回、震度4が91回、震度3が275回で、震度1以上になると約1800回にもなっています。
 地震については日本各地の通常の感覚では1年に1回位震度4がある位だと思いますが、今回は特に地震発生後2週間位はこれでもかという位に余震が連続的に多発しましたので、地震地域の住民は皆いつまで続くのかと不安の日々が続いていました。私の所も鉄筋コンクリート3階建で頑丈に作ったつもりでしたが、本震の際にはさすがにこのままでは倒壊して押しつぶされるのではないかという危険を感じて、数日は車中泊をしました。そして、地震発生当初はデパートもコンビニも開いていませんので、食糧や水を確保するのも大変で、生きることに向けて力を尽くさなければならない状態でした。
 私の所は地震発生後、3週間から1ヶ月位してからは殆んど平常の生活に戻ることはできましたが、現在でも時々余震が発生していますし、熊本市東部、益城町、西原村及び南阿蘇村などの被害が大きかった地域においては、未だなお多くの住民の方々が困難な状況の中で生活をされておられます。
 被害家屋は分かっているだけで約15万棟で、主要道路も倒壊したままで復旧は出来ておらず、観光への被害も甚大で、熊本城、阿蘇地域及び菊池渓谷など熊本の主要な観光地が大きな被害を受けて未だに復旧の端緒にもつけない状態にあります。農業やその他の地元産業についても、重大な影響が発生しています。
 今ではマスコミの報道は参議院選挙に重点が移って、次第に熊本地震のこと忘れられていくような状況がありますが、熊本県民は「創造的復興」を掲げてこれからが本格的に奮闘努力して行かなければならない状況です。

3.当弁護士会の震災対応
  当会は、地震発生後直ちに災害対策本部を立ち上げ、これまで約5000件以上にのぼる無料相談を実施し、被災地に「くま弁ニュース」を配布して情報提供し、更にこれまでに日弁連や広島、新潟の先生を迎えての震災対応の研修会、自然災害債務整理ガイドラインの研修会、被災分譲マンションの補修建替えに関する研修会などを実施してきています。
 また、私の方でも地元の熊日新聞社の編集委員と交渉して、6月末から毎週「地震の法律相談」の記事を掲載してもらうことにしました。また、当会では対外広報に力を入れており、九州電通と協力して地元の複数のテレビ局で年間約480本程度のテレビCMを流していますが、これを震災に対応したCMに作り替えたり、ホームページについても更新するなどの対応をしてきています。以上のとおり、当会としては震災対応にかなり頑張っている状況にあると思います。

4.震災ADRの立ち上げ
① まず、震災前の当会ADRの状況についてご説明しておきますと、当会ではADRは6年前に設立はされたものの、これまでに熱心に活動している委員は実質は3名程度で、予算も年間80万円位しかありませんでした。設立当初は私の方もかなり熱心に活動していましたので年間18件の利用件数となり、このままだとすぐに30件も超えるだろうなどと考えていましたが、ここ数年は年間数件の利用しかあっていない状況でした。
したがって、震災前から年間100件以上の利用件数があって土台がしっかりしていた仙台会などとは異なり、当会では会員のADRへの認識や関心も極めて低い状況でした。
② このような状況の中、当会の震災ADRの立ち上げに向けての活動が始まりました。震災ADRの立ち上げについては、前震発生直後から私の方で当会会長に連絡を入れていましたし、会長も日弁連執行部から法律相談と震災ADRは弁護士会の震災対応の両輪と言われたので、震災ADRを立ち上げる方向性というのは最初から決まっていました。
ただ、それからが結構大変で、特に問題となったのは次の2点でした。
ア.申立サポート弁護士制度の導入とその位置づけについて
  私の方は仙台会の震災ADRの資料などを読み込んで、当会の震災ADRでもその有用な点はそのまま引き継いで制度設計をしようと考え、申立手数料の免除、成約報酬の減免、申立サポート弁護士制度の導入を中心に据えようということで、当会のADR委員会に提案をしました。
ところが、私としては当然そのまま通るものと思っていたのですが、委員会内では法律相談前置主義を重視して消極的な考え方があって、申立サポート弁護士制度についてなかなか理解が進まずに、説明や説得をするのにかなりの時間がかかってしまいました。最後は、申立サポート弁護士制度は利用の拡大のためには絶対に必要であることを強く訴え、申立サポート弁護士は全部私がやりますからということで、何とか導入の方向になりましたが、申立サポート弁護士制度を主力と考えるか、あくまでも例外的な方法と考えるかについては、今でも委員の間には考え方の違いが残っていると思います。
当会の申立サポート弁護士制度については、法律相談をした弁護士がADRの利用が考えられる案件であると判断した場合には、その場で制度の説明をして、①利用者に申込書を記載してもらうと共に、弁護士が事案の概要を聞き取って受付票に記載して、申込書と受付票を弁護士会にFAXしてもらう方法と、②利用者が申込書を記載して弁護士会にFAXし、申立サポート弁護士が利用者に電話をして事情聴取し事案の概要を受付票に記載して弁護士会にFAXする方法を想定しており、これらを以て震災AADRの申立があったものと取り扱うことにしています。
ADRの規則上はまだ整備が間に合っていないので、現時点では申立サポート弁護士の利用申込者への事情聴取を「法律相談」と位置付けて運用をしています。
イ.財務面での赤字の懸念について
  仙台会の震災ADRの資料を検討してみますと、1年目は一般会計から2700万円が繰り入れられていますが、実質的には1100万円の赤字になっています。3年間の財務資料は見つかりませんでしたが、おそらく合計では2000~2500万円以上の赤字だったであろうと思われました。また、解決金額は、30万円以下が49%、これを含めて100万円以下が81%で、少額事件が多くて、収入があまり見込めないことも分かりました。そうすると、利用見込件数からいって仙台会ほどの赤字は出ないとしても、当会でも収支的にはかなりの金額の赤字が出ることが予想されました。震災ADRが熊本の安心安全と復興の実現、被災者救済のためにはぜひとも実施する必要のある制度であることは間違いありませんが、ただ、それが殆ど赤字必至の事業だということになると、多少躊躇の気持ちが出てきます。特に執行部においては、後で義援金が幾ら交付されるのかも分からない状況の中で、毎日多くの無料相談の弁護士を派遣していて、赤字が膨らむ可能性があり、それでまだ弁護士の相談日当を幾らにするかについてさえ決められないような状況にありましたので、これに加えて震災ADRの赤字も出ることになると、震災ADRに消極的な考えが出てくるも理解できるところではあります。
 この点については、仙台会の斉藤先生からは、後で日弁連から義援金が出るので絶対大丈夫、心配はしなくてもよいとの温かい励ましの言葉を頂きましたので、同じ震災ADRで仙台会の赤字は補填されたのに、当会の赤字だけが補填されないというのは考えられない、ここはあれこれ赤字のことを心配してもしょうがないので、まずは何よりも震災ADRの使命感を持って積極的に事業を展開すべきであるという方向で話をしています。
③ 以上のような問題点をどうにかクリアして、当会の震災ADRが立ち上がることになりました。
災害対策本部が震災ADRの設立を正式に認めたのは、平成28年5月23日で、会員に文書で告知をしたのが5月26日付で(但し、この時は一般的なADRの申込書しか添付していませんでした)、後記のとおり裏面に申込書欄を設けた対外広報チラシ、会員用チラシ、受付票などを配布して実際に対外的及び対内的な広報を始めたのは6月20日からです。
 チラシなどについては、各会員の法律事務所、法律相談センター、法テラス、各自治体、社会福祉協議会、消費者センターなどに配置したり、郵送したりしています。対外広報チラシ、受付票、会員用チラシなどについては、別添データのとおりです。

5.震災ADRの現在までの利用状況と今後の方向性
① 現在までの利用状況については、以上のとおり本格的な震災ADRの広報を始めてから1週間位しか経過していませんが、既に6件の申立があっています。そのうち後半3件は利用者本人による申込書のファックスで、申立サポート弁護士である私の方で事情聴取をして受付票を記入し、申立処理をしました。
② 今後の対応については、概ね次のようなことを予定しています。
ア.ADRニュースを連続して発行し、震災ADRの成功例などを広報して会員の啓発に努め、利用を促進する。
イ.申込書付の対外広報チラシの追加配布
ウ.ホームページへの震災ADR掲載
エ.熊日新聞でのADR記事取上げ(内諾済み)
オ.新聞社へのプレスリリース、NHKその他地元民放局への出演交渉など
カ.申立サポート弁護士制度に関する規則整備
キ.あっせん人の研修実施
  仙台会の斉藤先生からは熱心に熊本来訪を仰って頂いていますので、ある程度利用件数が増えてきた時点で、仙台会の震災ADRの経験も踏まえて研修の実施をお願いしたいと思っています。また、前回の当会ADR委員会には、九州大学准教授でADRを研究されている入江秀晃先生も参加されました。メディエーション一辺倒ではなくて柔軟性のあるなかなかいい先生でしたので、今後は当会ADRと連携して活動して頂くことになりました。斉藤先生と入江先生と一緒の研修会がいいかなと、現在企画を温めている次第です。
③ 現在までの状況は以上のとおりです。
 手探りで走り出した当会の震災ADRですが、今後ともご指導の程よろしくお願い致します。

49. 時は流れて (2016.06.14)

 若い頃はこれからの人生をどう生きるか頭でっかちに抽象的に考えていましたが、年を重ねて人生の折り返し地点も過ぎ、やがて人生の残りの時間も見えて来るようになると、生きることが明確になってくるようです。

 私の場合で言えば、次のようなことです。
1.紛争の予防と解決という仕事を通じて、調和のある世界の実現に少しでも力を尽くすこと。
2.生命誕生40億年、人類誕生数百万年の長い生命の流れの中で、自分も次の世代ヘ生命のバトンタッチをすること。
3.仕事以外でも、この瞬間に熱中して、時を忘れて創造をすること。
4.以上を総じて、この限りある生の中で、今のこの時に熱中し、時を忘れて、楽しむこと。
   そして、最後はニッコリ笑って死ぬこと。

 自分の人生です。捉われのない自由な心で生きたいものです。

48. 熊日新聞「地震の法律相談」の開始 (2016.06.14)

 熊本地震から2ヶ月が経過しようとしています。日常生活はほぼ普段通りに戻っていますが、まだ余震は続いています。
 今回の熊本地震では、これまでに震度7が2回、震度6が5回、震度5が12回、震度4が88回、以上合計が107回、震度1以上だと何と1723回、これが僅か2ヶ月の間に継続して発生したのですから、やはり各方面への影響は甚大です。
 最近はやはり地震に伴う建物損害や近隣間の紛争の相談が増えているように思います。地震発生直後は皆んな生きることや生活の建て直しに必死なので結束して紛争はあまり表に出ませんが、生活が少し落ち着いた今頃になると具体的な紛争として顕在化してくるからだろうと思われます。

 そんな状況下では、弁護士会としても市民の皆様に地震に伴ってよく発生する法律問題については、できるだけ分かりやすい形で情報発信をする必要があります。そこで、私の方で新潟中越地震の際の新聞記事特集などの資料を添付して熊日新聞社に「地震の法律相談」の記事の企画をご相談しましたところ、幸いにも企画が実現することになりました。熊日新聞社には心から御礼を申し上げます。
 記事の掲載日は曜日は一定していませんが、平成28年7月頃から、概ね週1回程度、半年間位に亘って、熊日新聞の地震関連コーナーで掲載して頂ける予定です。記事の執筆者は当会の弁護士が分担して担当して、字数約600字位です。内容的には、建物損壊と賃貸借関係の存続・賃料減額、建物や塀の倒壊、瓦の落下と損害賠償責任、修理工事のトラブル、マンションの修理と建替え、二重ローン問題、罹災証明書や地震保険の査定、企業被災と雇用、震災ADRなどを予定しています。。
 記事の掲載が始まりましたら、お読み頂ければ幸いです。

47. 続・地震保険の査定 (2016.06.02)

1.事務所ブログのNo.45で、私の事務所の地震保険の査定で「一部損壊」(3%以上)にも該当しないとの判断が出て地震保険金はゼロになるかもとの話しを書きましたが、その後保険会社には大変丁寧な対応をして頂きました。
 わざわざ一級建築士の資格を持っておられる鑑定人の方を派遣して再調査をして頂いたうえ、かなり救済的な判断をして頂いて、何とか保険金が下りることになりました。既に修理を終えた分の事務所の修理費用だけでもかなりの金額がかかりましたので、大変助かりました。

2.それにしても、今度自分なりに「地震保険の査定基準」を勉強してみて、問題もあるのではと思いました。
  地震保険の約款上は、建物の主要構造部(建築基準法施行令第1条3号の構造耐力上主要な部分をいう)の損害額がその建物の時価の50%以上となった場合が全壊、20%以上50%未満が半壊、3%以上20%未満が一部損壊とされ、保険金はそれぞれ保険金額の100%、50%、5%と記載されているだけです。そして、何%の損害かについては、別途、損保各社が共通で作成している「査定基準」に沿って査定が行われています。
  しかし、私から見ると、この査定基準は必ずしも合理的な内容ではないと思える部分があります。
①例えば、私の事務所の「コンクリート造」建物について言えば、損傷は「柱」と「梁」にあるかどうかだけを見て、その外はどんなに損壊が大きくても全く対象外です。建物の最重要部分である「基礎」さえも除外されています。
 しかしながら、約款に記載されている建築基準法施行令第1条3号の主要構造部の定義を見てみると、「構造耐力上主要な部分―基礎、基礎ぐい、壁、柱、土台、筋交い、梁・・・で、建築物の自重・・・または地震その他の震動もしくは衝撃を支えるもの」と規定されているのですから、これをいきなり単純化して査定基準で「柱」と「梁」しか見ないというのはなぜなのか。コンクリート造建物でも基礎は建物の重要部分なのに査定の対象になっていないのはなぜなのか、合理的理由が分かりません。
②また、査定基準ではコンクリート造建物については、「最上階の損傷は見ない」ことになっています。私の事務所でいえば3階建てで3階には柱にも梁にも損傷がありましたが、査定の対象外で、査定では係員の方が3階に上ることもありませんでした。しかし、一般的には地震による損傷は1階、2階が大きいだろうとはいえ、最上階により大きな損傷が発生することはありえる訳で、約款の定義では記載上はこのような制限がないのに、査定基準でいきなりこのような考えが出てくるのはなぜなのか、疑問があります。
 地震保険の査定には大量性、迅速性を要求されるので類型的判断が必要なことは分かりますが、それにしても査定基準の内容には合理性を欠く内容のものが含まれていると思います。
 一般の方は、「査定基準でそうなっています。」と言われれば仕方ないと諦めてしまう方も多いと思いますが、実はその査定基準の合理性そのものに問題があるのかもしれません。
③さらに、例えば、「「鉄筋コンクリート造」の損害割合の認定では、各箇所の被害の程度が4段階に分けられて、(ア)近寄らない見えにくい程度のひび割れがある、(イ)肉眼ではっきり見える程度のひび割れがある、③部分的にコンクリートの潰れ、鉄筋、接合鉄筋等が見える程度のひび割れがある、④大きなひび割れやコンクリートの潰れが広い範囲で生じ、手で突くとコンクリートが落下し、鉄筋・接合鉄筋等が見えるような破壊がある、鉄筋の曲がり、破断等がある。となっています。そして、その損害の各段階の中で、さらに%刻みで細かく被害の程度を査定し、合計して損害割合を算出することになっています。
 しかし、これも現在、震災証明書の「全壊・大規模半壊・半壊・一部損壊」の認定で問題となっているのと同様に、具体的場面での認定はかなり微妙なものがありますので、果たして査定担当者の判断が妥当なのかどうかはチェックを要することが多いだろうと思います。

3.罹災証明書や地震保険の損壊割合の認定については、その結果に不満を持たれる方も実際上はかなりの数に上ると思われます。中には今後具体的紛争として顕在化して来ることも予想されますので、法律実務家としてはこれらの点への研鑽も必要となります。

46. NHK「にっぽん百名山」と写真ブログ (2016.05.23)

 今日仕事をしていると、スタッフからNHKからメールが届いていますとの連絡がありました。正確には、NHK BSプレミアム「にっぽん百名山」の番組制作会社からの連絡で、私の写真ブログにある「山の宝石」という写真を北アルプスの涸沢を紹介する際に番組で使用させて欲しいということでした。

 この写真はかなり前に北アルプスに遠征した際のもので、夜の涸沢に無数のテントが張られて明かりが輝いている様子を宝石のような人間の生命の輝きとして捉えたものです。私としても大変気に入っている写真のうちの1枚でしたので、快く返事をして写真データも送りました。
 現在はまだ編集作業の真最中だそうで、番組内で使うかどうかは確定していないそうですが、それにしても山の専門番組の関係者のの方が日本の片隅でやっている写真ブログに目をとめて頂いたのは光栄なことだと思います。 

 番組は6月11日(土)の午後9時からNHK BSプレミアムで「にっぽん百名山SP」として放送されるそうです。
 できれば、写真が採用されて放送されればよいのですが。

45. 地震保険の査定 (2016.05.23)

1.先週、私の事務所にも地震保険の担当者が被害の査定に来られました。私の事務所は鉄筋コンクリート造ですが、この場合に保険会社の担当者ではなく委任を受けた専門の鑑定人が査定に来る仕組みとのことで、かなりの時間をかけて査定をされました。

 私はどうせ事務所は一部損壊にしか該当しないので、保険金額の5%の保険金しか出ないだろうと思っていて、保険代理店も事前に私に同様の説明をしていました。ところが、何と査定の結果は保険金の支払いは0とのことでした。その理由は、地震保険の「一部損壊」の定義は鉄筋コンクリートの造の建物については、柱と梁の部分についてだけで「3%以上20%未満」の被害となっているところ、私の事務所は査定では1.5%の損壊としか認められず、3%の損壊がないので、保険金は0というものでした。
 これに対して、私は「分かりました。結果にはおそらく問題はないとは思いますが、建物の損壊が1.5%か3%かは大変微妙な問題で、自分でも勉強をしてみたいと思いますので、査定基準と私の事務所の査定結果を書面で交付して下さい。」と申し入れると、鑑定人は「それはできません。どの保険会社も同じで、書面は交付しないことになっています。」という応答でした。
 それで、私は、「それはおかしいでしょう。自動車事故の査定でも僅か5万円の修理代でもきちんと査定は書面で出しますよ。契約者に対して結果だけを伝えてきちんと書類で査定の根拠を説明しないというのでは、顧客に対する説明義務の観点からもコンプライアンスの観点からも極めて不適切な対応でしょう。仕事の仕方としても、重要な問題についてチェックリストの1枚も交付しないというのは全くおかしいでしょう。」と反論しました。担当者はその場で上司に連絡をされ、後ほど上司の方から連絡を入れさせますという説明でした。

2.今後は時間が経つにつれて、このような地震保険の査定結果や、罹災証明書の全損、大規模半壊、半壊、一部損壊の査定結果についての紛争事案が増えてくる可能性があると思います。
 私も、一層勉強してみたいと思っています。

44. 震災ADRの立ち上げ (2016.05.23)

1.熊本弁護士会の紛争解決センター(ADR)では、熊本に笑顔を取り戻すために、熊本地震に関連した雇用、借地借家、近隣問題、建物やマンションの修に件に関する紛争を解決する「震災ADR」の立ち上げ作業を行っています。
  震災ADRは、弁護士が和解あっせん人として当事者双方の言い分をよく聞いて、話し合いにより紛争の解決を目指すもので、裁判所にはない紛争の迅速かつ柔軟な解決が可能とされているものです。

2.特に、東日本大震災の際には仙台会の震災ADRが紛争の解決に貢献したことが知られています。仙台会から送られてきた震災ADRの資料を読むと、次のような特色があったようです。
 ① 3年間で約500件の申立
 ② 見る前に跳べ、走りながら考える
 ③ 申立手数料免除、成立手数料半額
   期日日当1万円、旅費日当あり、成立手数料4万円
 ④ 申込書がついたビラの作成
 ⑤ 申立サポート弁護士(申込書だけを送って貰えば、これが受付となりあとはサポート弁護士が電話で事情を聞き取って申立書を作成する。司法アクセスのバリアフリー)
 ⑥ 専門委員(建築士)の協力
 ⑦ 現地調停のため相談センター支部や自治体会議室を使用
 ⑧ 法律扶助の利用
 ⑨ 法律相談センター、市町村との連携
 ⑩ 記者発表、広報の充実
 ⑪ 利用分野は雇用関係、借地借家、近隣紛争、建物欠陥、不法行為、親族相続など
 ⑫ 一般予算から2700万円を組み入れ
   年間収支は実質約1100万円の赤字

3.以上を参考にして、私なりに当会の震災ADRの基本的スキームを検討してみると次のとおりです。
 ① 申立手数料免除
 ② 成立手数料減額または免除
 ③ アクセスを容易にするための工夫、弁護士相談前置・紹介状制度の例外
   申込書がついた広報ビラの作成
   これとセットの申立サポート弁護士制度の検討
 ④ 予算面の検討
  特に、私は市民の皆さんに震災ADRを活用して貰うためには申込書の付いた広報ビラの作成と申立サポート弁護士制度の導入が重要だと考えていますので、そのため現在対外広報用のビラや会内広報用のセンターニュースの作成を検討中です。
 事案の性質からすると、和解成立による成立手数料収入はあまり見込めませんので、当会としては予算面での不安があるのは事実ですが、熊本の復興と安心安全の定理という公的使命のためには、会として腹を括って震災ADRを推し進めるしかないと思います。

43. 震災と対外広報 (2016.05.19)

 昨日は、弁護士会の対外広報PTを開催し、今回の地震被害に対応した今後の対外広報の方向性について協議しました。

 当会では、身近な弁護士と弁護士会を実現するために、4年前からある程度の大きな予算を組んでテレビCM、ホームページ、SNSなどを中心とした市民の皆様向けの対外広報に力を入れて来ました。年間480本のテレビCMについては、熊本弁を使った親しみやすさとユーモアのある「考える人シリーズ」(交通事故編、相続編、離婚編)が割と好評で、弁護士会の認知と親しみやすさの醸成に一定の効果は出ているものと思われます。
 しかし、当会の現在のテレビCMはユーモアのある内容ですので現在の熊本の状況下においてこれをそのまま流すのは不適当です。それで、電通の支援のもとに震災の無料面談相談や無料電話相談に特化した新しいテレビCMを作成して、まずは6月~8月位に集中的に流すようにしました。
 現在はテレビの情報番組などで画面の下に弁護士会の無料電話相談のテロップが流れていますので、4月25日から5回線で無料電話相談を開始してからの相談件数は約2000件(直近では1日約130件)にも上っていますが、これらのテロップもいつまで流して貰えるかは分かりませんので、弁護士会としては色々と工夫をして市民の皆様の弁護士会へのアクセスを容易にして、熊本の安心安全と調和に貢献する必要があります。その意味でも、今後は是非内容のあるいいテレビCMを作りたいと思います。
 その他には、ホームページでの地震関連コーナーの開設・地震Q&AのUP、ツイッタ―・フェースブックの展開、熊日新聞社との震災法律相談の連載の交渉、震災Q&A・弁護士会のポスター・パンフレットの活用などの方向性を決めました。

 弁護士会が熊本の復興のために力と能力を十分に発揮するためには、やはり対外広報が重要となりますので、今後も力を入れて取組んで行きたいと思います。

42. 阿蘇の被災 (2016.05.04)

 熊本地震発生から20日が経ちますが、熊本はまだ震度4クラスの余震が続いています。夜中の余震が続くと、やはり不安が残ります。地震で避難所に避難した18万人余りの方々も2万人を割るまでに減少はしたようですが、地震も被害も長期化しています。

 阿蘇地方は私の写真撮影の中心的なフィールドですが、国道57号線の土砂崩れと阿蘇大橋(赤橋)の崩落、俵山トンネルや阿蘇登山道路(草千里、中岳火口方面)の被害、豊肥線の不通などによって交通網は寸断されたままです。阿蘇市へはミルクロードを通って、南阿蘇村へはグリーンロードを迂回して入り込むしかありません。 
 中岳・草千里への接近不能、阿蘇神社の楼門の倒壊、塩井社水源の水枯れ、温泉地の宿泊キャンセル、用水路損傷等による農業被害、土砂崩れによる南阿蘇村立野地区の消滅危機など、報道される様々な被災の状況は、阿蘇地方に頻繁に通っていた私にとってもとても心痛ましいものです。

 今日は雲ひとつない快晴で、とてもいい天気でした。実家の修理の関係で大津町に業者さんらとの打ち合わせに行ったので、阿蘇は一体どうなっているんだろうと思って足を延ばしてみました。
 ミルクロードは阿蘇へ向う車で大渋滞になっていました。二重峠を下りて外輪山の麓の市道を山に沿って走ると、屋根にブルーシートを掛けた沢山の家々と、倒壊した家屋や瓦礫を片付ける作業員やボランティアの人たちが目につきます。
 そして、北外輪山を眺めると、緑の山肌が地震であちこちで土砂崩れを起こしていました。それは、とても心痛々しいものでした。普段であれば、連休のこの季節は山々や草原は目に沁みるような緑に覆われ、自然に佇んで心は開放され、春の麗らかな日差しの下でのんびりとワラビ狩りをする人たちも多いのですが、今は全く変わった様相をしています。何十回も通った愛する撮影ポイントで、大切に思って一緒に時を過ごしてきた緑の山々大きく崩れているのを目の当たりにすると、本当に痛々しくて、山々でさえも永遠ではないことが感じられます。緑の山肌をずっと見つめていると、思いが込み上げてきて、少しウルウルしてしまいました。
 青い空と雄大な山々と緑の大草原が心から楽しめるような、阿蘇地方にそんな復興の日が早く訪れることを心から祈ります。

41. 連休のお知らせ (2016.04.28)
 事務所は、4月29日(金)~5月5日(木)までお休みとさせて頂きます。
 ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願い致します。
40. 業務開始 (2016.04.26)
1.熊本はまだ1日何回かの余震が続いていて少し不安は残っていますが、私の事務所は、スタッフも出勤して4月25日(月)から通常どおりの業務を開始しました。地震発生から12日目になります。
 今回の熊本地震は震度7が2回、震度6が5回、震度5が10回、震度4が77回、震度1以上は1000回に迫る連続地震でした。地震発生当初は、衝撃と不安、避難、不眠、水や食料の確保の困難さなどで生きるために厳しい状況が続きました。そして、本震クラスの地震が多数回に亘って襲ってくるので、家が倒壊するのではないか、一体いつまで続くのだろうかという不安感で一杯でした。
 このような中で、事務所や自宅の後片付け、書籍や既済資料の整理、倒壊したコンクリート塀の撤去作業、ビル建物の要修理箇所の業者への修理依頼、お見舞いの電話やメールへの対応、避難所などへの水と食料の配給、実家の両親の避難、実家の応急措置や後片付け等々が続き、やるべき事が多くて、本当に慌しい日々でした。慌しすぎて、曜日の感覚もなくなってしまいました。
 今は大手スーパーやコンビニは開いていますが、市内の中心街の店はまだ半分も開いていない状態です。私の所はやっとほぼ日常通りの生活に戻ることができて、あとはガスの復旧を待ったり、事務所ビルの修理などが必要なだけですので、少しはホッとしています。
 この間、多くの皆様方からお見舞いとお気遣いのご連絡を頂きまして、本当にありがとうございました。
 ただ、熊本では、避難所でも車の中でも自宅でも、まだまだ困難な状況の中での生活を余儀なくされている沢山の方々がおられますので、一層の支援が必要な状況です。
 
2.熊本県弁護士会の対応については、既に書きましたが、4月25日の熊日新聞では、弁護士会が同日から無料電話相談の窓口を開設して生活再建に関する様々な相談に応じることと、災害支援に役立つ「災害Q&A」を作成して、ホームページに掲載したり避難所等で配布する予定であることが報道されました。
 また、同28日(木)には、アークホテルで仙台会の先生をお迎えして、会員向けに「自然災害による被災者の債務整理ガイドライン」の研修会が開催されることになっています。
39. 熊本地震7 (2016.04.25)

1.4月23日(土)は、熊本市から約20km離れた私の出身地の大津町の小学校の避難所に、スタッフと共に水や食料などを届けに行きました。
 これは、前日私の外出中に仕事先の損害保険会社から2回目の配給があって、大量の飲み水(約8ケース)、パックのご飯、鯖の缶詰、チョコレート、大人用の身体拭き、水不要のシャンプー類などが届けられましたので、自宅用に少しだけ戴いて、あとは全部避難されている方々へと思って届けたものです。避難所ではもう水は足りているようでしたが、担当者の方は「鯖の缶詰やチョコレートは子供も多いので魅力的です。」と仰っていました。
 この日は、その他、弟宅に避難している両親の見舞いや、大津町の実家に行って、今日までかかった屋根瓦の修復工事の状況を確認したり、家の中に入って雨漏りの状況等を点検する等して、一日が過ぎました。
 途中で被害の大きかった益城町を通りましたが、倒壊している家屋も多くて、あらためて今回の地震被害の大きさを実感しました。
 熊本市内の中心部は物流が回復して物資はほぼ整いつつありますが、デパートや飲食店は殆んどまだ閉店しています。週明けの25日(月)位から、少しずつ街が活気を取り戻してくれれば良いのですが。

2.4月24日(日)は、朝から弟宅に両親の迎えに行って、大津の実家まで連れて行きました。そして、家族で一緒になって夕方まで実家の家の後片付けや整理に精を出しました。
 私の実家は昭和10年に建築されてもう築80年以上の建物ですが、柱も梁も大きな材木でがっしりと建てられていますので、地震でも建物躯体には影響はありませんでした。しかし、屋根瓦、土壁、ブロック塀等が大きく損壊しましたので、これらや室内の片付けもかなり大変でした。修復にはおそらくかなりの時間と多額の費用を要することになるでしょう。それでも、両親は家に戻れて家の中もスッキリと片付いたので、ひと安心していました。

38. 熊本地震6 (2016.04.23)

1.熊本は、昨日4月21日(金)の段階でも一日何回かの余震が続いていますが、次第に物資も店頭に並ぶようになって、少しは安心感が出て来ました。事務所周辺にはまだガスが来ていないので、お風呂は車で植木や山鹿市内まで出掛けています。
 ただ、益城町、西原村、南阿蘇村などではまだまだ緊迫した不安な状況が続いているようです。

2.昨日は、出来れば震災ADRの立上げのために仙台まで飛ぼうと思っていましたが、まだそんな状況ではないので中止しました。
 そして、連絡スタッフだけ置いて事務所は閉めて、被害が大きかった西原村に車で水と食料を届けに行きました。とても喜んで頂けました。
 西原村は布田川断層がある所で、地震被害が大きく、世帯の半分位の建物が損壊しているように見えて、とても悲惨な状態でした。自宅建物が全損したり、大損傷を受けた方々、ダメージの大きい被災者の方々のお気持ちを思うと何ともいたたまれない思いです。

3.その後、熊本市内に避難した両親の薬を貰うために大津町の病院や薬局に行き、さらに実家の様子が心配だったので実家に向かいました。
 実家では丁度両親が依頼をしていた瓦業者の方3名が屋根の上で修繕や応急工事をされている最中でした。修理依頼で多忙な中を早速実家の現場に入って頂いて、これで雨漏りによる建物の損害を防ぐこと出来るので、私も心から感謝して色々と気遣いの対応をしました。作業を見ているとさすがにプロで、私が出来なかった高くて滑り易い屋根の上の作業を軽い身のこなしでされていました。熊本市内に返って、弟宅に避難している両親に家の状況を話すと、少しはホッとした様子でした。

4.こうやって1日あちこちと移動し駆け回って、とても慌ただしい時が過ぎて行きます。曜日の感覚もなくなって、まだまだ落着かない日々です。
 熊本市内に帰る途中で、ラジオから山下達郎の「希望という名の光」が流れてきました。

   この世でたったひとつの
  命を削りながら
   歩き続けるあなたは
   自由という名の風

   底知れぬ闇の中から
   かすかな光のきざし
   探し続ける姿は
   勇気と言う名の船

   だからどうぞ泣かないで
   こんな古ぼけた言葉でも
   魂で繰り返せば
   あなたのため祈りを刻める

   眠れない夜のために
   子守唄があるように
   傷ついた心には
   愛と言う名の絆を

   a pray of hope for you
   a pray of hope for me
   a pray of hope for life
   for everyone

  運命に負けないで  
   たった一度だけの人生を
   何度でも起き上がって
  立ち向かえる
  力を送ろう

  どうぞ忘れないで
  移ろう時代(とき)の中から
  あなたを照らし続ける
  希望という名の光を
  あなたを照らす光を
  希望という名の光を

 熊本も少しずつ立ち上がろうとしています。

37. 被災者支援に向けた弁護士会の対応 (2016.04.22)

1.弁護士会の対応
 今回の震災に対する弁護士会としての対応については、私も地震発生直後にすぐに当会の会長に提案していましたが、日弁連の動きも早くて、すぐに当会執行部との協議がなされ、日弁連の支援を受けて、当会でも直ちに災害対策本部を設置して対応に当たっています。
 既に会員の安否確認や震災対応の研修会が実施されました。
 来週4月25日(月)からは無料電話相談が実施されますし、震災相談や債務整理ガイドラインの支援弁護士の登録も手続中です。市民向けの「弁護士ニュース(災害Q&A)」も作成済みです。
 また、震災ADRの立上げについても、ADR運営委員会に諮問がありましたので、4月末までに概要の答申をする予定でいます。

2.震災関係の研修会
 4月21日(木)に開催された震災対応の研修会には、日弁連から、日弁連の災害担当副会長(仙台)、震災や水害を経験した広島、兵庫、新潟の各先生方においで頂きました。会員の関心は高く、大勢の参加がありました。
 内容的には、被災者支援として法律相談、情報提供、紛争予防、立法提言等について、震災等の経験をもとに適切なお話があり、大変参考になりました。また、災害対策基本法、災害救助法、災害弔慰金支給法、被災者生活再建支援法、自然災害による被災者の債務整理に関するガイドラインなどの内容についても説明があり、大変有意義でした。

3.私の対応
 私の今後の対応については次のように考えています。
 (1)法律相談にしろ情報発信にしろ震災に対する弁護士会の活動が有効に機能するためには、やはり何と言っても市民の皆さんの広報、周知が大事になりますので、今後は「対外広報PT」でテレビCM、マスコミや自治体関係、ホームページ対策など広報戦略を全面的に練り直す必要があります。
 (2)震災ADRについても、今後日弁連ADRセンターの先生方のご協力を頂いて立上げる方向でいます。
 (3)今回の上記災害関連法や震災に伴う色々な法律問題についても、一層研鑽を積んでおく必要があります。

36. 熊本地震5 (2016.04.21)

1.4月21日、今日で地震発生一週間となりました。
  長い長い大変な一週間でしたが、事務所も自宅もやっと水が通水されて生活用水やトイレが使えるようになり、あとはガスの復旧だけになりました。ただ、余震は今も続いています。

2.今日は、事務所と自宅の後片付けが一応の目途がついたので、被害が大きい西原村に水と食料を届けようと車で出掛けました。大雨になっているので、心配になって、途中で大津町の実家の様子を見るために立ち寄ってみると、地震で屋根瓦が大量に損壊していたため家の中は雨漏りがして、室内にはブルーシートが一面に敷いてあって、とても住める状態ではなくなっていました。
 それで、西原村行きは中止し、急いで両親を熊本市内に連れて帰ることにし、弟とも相談して水とお風呂も準備できる弟宅に避難して貰うことにしました。高齢の両親までこんな状況になって、本当にいたたまれない思いです。

35. 熊本地震4 (2016.04.20)

1.皆様には色々とお気遣いを頂きまして、ありがとうございます。司法研修所の同期の福岡のH弁護士からは熊本まで水や食料を届けるとの連絡まで頂いて、本当に心から感謝致します。

2.昨日は朝から5~6回地震がありましたが、日中は止んでいたので、これでやっと終息の方向に向かいそうだと期待していましたが、夕方から夜にかけて、震度5と4を含む余震がまた5~6回続きました。今日も朝からまた余震がありました。まだまだ終わりではなさそうで、不安は続きます。

3.水と食料はこれまである程度は確保できていましたが、 昨日は地震第1波の後でアスクルに発注していた水が届きましたので、近所の7軒にも箱ごと配布しました。また、家族は車で、家が倒壊した知人に水・バナナ・食料品などを届けに行きました。仕事先の損保会社からも担当者がわざわざ配給に来て下さいました。
 私の事務所は熊本城や裁判所の近くの高台にありますので、ずっと断水が続いて、これが何とも不便で、飲み水・トイレ・お風呂に大変な思いをしましたが、やっと昨日の昼頃から少しづつ濁った水が出るようになり、トイレだけは使えるようになりました。熊本市内は、少しずつコンビニが開いたりして来て物資が回り始めているようです。

4.裁判の期日は今週分は全部取消しとなりました。打合せや相談も全部キャンセルしました。昨日は連絡の電話や地震被害に伴う相談の電話がかなり架ってきましたので、これらに対応しながら、一日中散乱した事務所の片付けと整理をして過ごしました。大変な作業でしたが、大量の本や未整理の記録類も、いい機会だと思ってかなり処分して整理をし直しました。あと1日はかかりそうです。また、今日は、コンクリートの塀が倒れたので、業者さんに解体工事に来て貰って作業が続いています。一方で、既に震災に伴う相談もあっていますので、震災特有の法律問題について、もう一度勉強し直しています。

5.こんな時に何ですが、事務所を整理していたら司法研修所の時の資料が出て来て、少し目を通していると、Y先生の刑裁の講義ノートが出て来ました。前期の最後の授業では、「緩急軽重」と「美点凝視」の話をされています。後期では、「cool head &warm  heart」、「勝つべきに勝ち、敗れるべきに敗れるのが正しい」、敗れるべきに勝つのは不正である。勝つべきに敗れるは恥辱である(今村三郎)」
  最後の授業では、「体を使え、頭を使え。最後には信用だけで仕事ができるように 細かいことの積み重ねが大切」と仰っていました。弁護士生活も30年となりますが、これからも教官の先生方の教えを胸に、一層研鑽を積んで、調和のある世界の実現に力を尽くして行きたいと思います。

 まだまだ大変な被害に遭っている方が大勢おられます。早期の終息を願うのみです。
皆様のお気遣いに感謝致します。
ありがとうございます。

34. 熊本地震3(第2波と連続地震) (2016.04.17)

1.熊本は凄いことになっています。
 4月14日(木)の午後9時半にM7の第1波の大地震が来て、その後も余震とは言えない本震クラスの地震が何回も何回もこれでもかと言うほど続いて、不安な時を過ごしていました。ただ、被害は熊本市の東隣りにある益城町で多くの家屋倒壊が発生したりしていましたが、熊本市内は熊本城に大きな被害が出たものの大被害というものではありませんでしたので、翌15日(金)は事務所に出て、裁判に出掛けたり通常の生活をしていました。
 それで、まだ余震は頻発していたものの、もう140回以上も地震が来たのだからもう終息に向うだろうと少し安心して、翌16日(土)の午前1時頃に就寝したところでした。県民は殆んどそうだったと思います。油断していました。

2.ところが、午前1時半頃に、第1波よりも大きなM7.3、震度7の第2波の激震、大地震が発生、思わず目覚めて布団で頭を覆いましたが、とても長い地震で建物もガタガタと激しく揺れ続きました。そして、またその後も本震クラスの地震が続きました。
 それでこれは本当に危ない、建物が倒壊するかもと思い、建物から家の前の広い駐車場に出て、そこにビニールシートを敷いて近所の人達と一緒に外で過ごすことにしました。この間も余震が頻繁にやって来ます。何回も何回もやって来て、数え切れないほどです。建物内にいると万一の場合には建物が倒壊して押し潰されるという不安感がありますが、外に出るとその点の不安はなくなりますので安心感が全然違います。(政府の役人が熊本県などに避難者を屋外に退避させないで体育館などの屋内に退避させるように指示したところ、蒲島知事が「現場が全く分かっていない。」と反発したそうですが、全くそのとおりです)。実家の両親や兄弟、スタッフに連絡をして無事を確認、本当にホッとしました。
 その後は、午前4時頃に寒くなって来たので車の中で休むことにして、2時間位少しウトウトしました。

3.夜が明けて、被害を確認すると、事務所も自宅も足場のないほどに物が散乱し、第1波の地震よりも遥かに大きな被害でした。事務所の横のブロック塀は倒れ、アプローチのタイルは大きく割れ、建物のコンクリート壁の一部も損壊しました。一応の片づけをするのにもかなりの時間がかかりました。

4.その後は、実家の両親が心配だったので、車で実家に向いました。
 道路はかなり渋滞していました。スーパーやコンビニは殆んど閉まっていますが、途中で中には開いていて丁度行列の客が動いている時に出逢ったりしましたので、飲物や食料を買い込みました。15分もすると、食料品ではお酒とアイスクリーム以外は殆んど商品はなくなって、陳列棚は空になってしまいます。行列待ちも大変です。あとは、ガソリンスタンドの行列が凄くて、あちこちで車が100m位の行列を作って給油待ちをしていました。
 実家に着くと、家の瓦屋根が大きく損傷し、壁もあちこちと落下してかなりの被害が出ていました。電気も水も止まっていて、ラジオを聞きながら過ごしていたようです。夜は激しい雨が予想されていましたので、実家の高い屋根に恐る恐る上って破損部分をビニールシートで覆いましたが、応急措置にもならないもので、自分ではとても対応出来ませんでした。
 水と食料を置いて、その後は飲み水を多目に確保するために阿蘇の水源に向いました。第2波の地震は阿蘇地方の被害がとても大きく、道路は至る所で全面通行止めの規制が敷かれていましたが、私は写真をやっている関係で阿蘇は詳しいので、裏道の山道などを抜けてやっと水源に辿り着きました。いつもはきれいな水源ですが、地震の影響でいつもの透明さはありませんでした。気が立っていたので、必死でポリタンクに水を溜めました。この時事情も知らない地元の若い消防団員が「水を汲むのを止めてすぐ非難しろ。」と大声で高圧的に怒鳴って命令するので、これには私も反発して激しい口論になりました。私も両親のために裏道を抜け、途中道路の破損や大きな岩の落石があったりして危ない箇所をくぐり抜けてやっとのことで遠い所まで水を汲みに来ているので、今更水汲みを中止出来るものか、避難といっても一体どこに避難しろと言うんだと感情的になって、激しくやりあいました。
 阿蘇から実家へ戻ろうとしましたが、今度は通って来た道までも道路が破損して危険ということで、人が立って全面通行止めになっていて、実家にも戻れない状態でしたが、「自己責任」ということで何とか通してもらって、やっと実家に帰り着くことができました。
 実家から自宅に帰る途中で、今度は西原村の水源で湧水を確保しようと向いましたが、至る所が通行止めになっていて近付くこともできず、白糸の滝にも道をずっと遠回りして行ってみましたが水は地震の影響で土色に濁っていました。
 色々なことがあって、本当に長い長い一日でした。もう曜日の感覚がなくなって来ています。

5.今回の地震の特徴は、本震クラスの大きな地震が何回も何回も繰り返し、これでもかというほどやって来ることです。NHKによると、これまで震度7が1回、震度6が6回、震度5が7回、震度4以上は70回以上!、震度1以上は470回以上もの多さです。震度4は数10分おきに来ているという感じで、震度4では「またか」と思ってももう普通のことになってしまいました。死者ももう41人となっています。
 このブログを書いている今も、まだまだ地震が頻発しています。一体いつになったら終息するのか、不安です。水道の復旧が待ちどおしいです。

6.まだまだ終息には向っていませんが、今回の地震で思いました。
 ① 自然の力の前には人間は無力だ。生きていることは、ありがたいことだ。
 ② 結局、人間は体ひとつだ、余計な物は要らない。地震が一段落したら、本や服など断捨離を実行しよう。改めて、シンプルな人生と生活の過ごし方を考えよう。
 ③ 水、食料、電気、ガス、トイレなどのライフラインは本当に大事なものだ。今回ありがたさがよく分かった。
 ④ 家族、両親、兄弟、親戚、友人、知人、スタッフ、地域の方々などのお互いの気遣いと心遣いがありがたかった。

 今朝は雨も上がっていい天気ですが、まだ人々の心は晴れません。昨日の夜いろいろ動き回って食料や飲み水を入手しましたので、これからまた車で実家に届けに行く予定です。

33. 熊本地震2 (2016.04.15)

1.熊本は震度7の大地震から一夜が明けましたが、今日も朝、夕方、夜と震度3、4位の余震が頻繁に続いています。どうしてこんなに多く余震が続くのかと、何とも不安なものです。余震というよりも本震が連続しているという感じです。そして、今後一週間内に震度6以上の地震の起きる確率が20%、震度5以上の地震が起きる確率が40%とのことですので、まだまだ気が抜けません。
 報道では震源地の益城町の甚大な被害発生の状況が連続して流されていますが、熊本市の中心部では殆んど建物の被害はなく、停電や断水もなく、普通どおりの生活が遅れています。

2.今日も引続いて司法研修所の同期の方々や日弁連のADR委員会の先生方、友人、依頼者の方々など大勢の方々からご心配の連絡を頂きまして、本当にありがとうございました。
 お心遣いが心に沁みます。

3.日弁連のADRセンターの仙台会の斉藤先生からは、お見舞いのご連絡とともに、弁護士会としての震災関係の相談体制の確立と震災ADRの立上げなどについて大変有意義なご指摘を頂きました。早速、当会の今年度の会長の事務所にもこれらのことについて対応を急がれるように連絡をしました。日弁連も早速支援の体制を立上げたようです。 
 私も今後は震災ADRの立上げなど、先進会の先生方の助言も頂きながら少しでも尽力して行きたいと考えています。 

32. 熊本地震(第1波) (2016.04.15)

 昨夜(4月14日)午後9時26分、熊本で最大震度7の強烈な地震がありました。物凄い横揺れで、本当に驚きました。
 その後も一晩中、連続的に、恐らく100回以上も余震が続いて、それもかなり強い5とか4の余震が続きましたので、家が壊れないかと不安でした。ブログをUPしている今も余震が続いています。50年分の地震が一度に来たという感じです。

 幸いにも事務所は大きな被害はなく、パーテ―ションが倒れただけでした。自宅も人的被害はなく、食器や飾り物などが落下して割れたりしましたが、大きな被害ではありませんでした。直後に、実家や兄弟、スタッフなどに安否確認の電話を架けようとしましたが全くつながりませんでした。メールでの遣り取りをして何とか皆無事であることを確認しました。
 夜中から朝にかけて、親戚や高校、大学時代の友人、同期の弁護士、依頼者の方など色々な方々から、電話やメールでお気遣いの連絡を頂きました。この場で厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。

 県内では大きな被害が出ているようです。夜が明けてこれから被害の全容が明らかになります。今日はこれから裁判で熊本地裁八代支部に出張し、午後は公証人役場での遺言書の作成その他を予定しています。
 今日も仕事は淡々と実行しますが、自然の力の前には、人間は無力であることを痛感します。

31. 初めての気づき (2016.03.28)

 先週末は、両親を連れて泊りがけで旅行に出掛けました。これは、従兄弟と相談して、高齢になった父と遠方に住んでいる伯母とを会わせるために毎年3月に行っているもので、今回は別府近郊のホテルで待合わせました。
  父と伯母は、高齢でも二人とも頭としゃべりの方は感心する程に達者で、午前1時頃まで賑やかな話が続きました。とてもいい旅でした。

  ところで、今回は父が歩くのが少し不自由になりましたので、ホテル内や観光施設内では車椅子を借りて移動して、私は初めて車椅子を押して回る経験をしましたが、その中で色々と感じることがありました。
  施設的には、車椅子の備付の有無、借出し手続の表示不足、職員への情報伝達不足、車からアプローチまでの距離の遠さ、どこに移動するにも段差がある健常者中心の設計、多目的トイレの有無、そして、人間的には、ホテル職員の気配りのなさ、一般の方々の反応や対応の仕方等々・・についてです。
  正直に言って今までは以上のようなことは本当に親身になって感じたことはありませんでしたが、今回車椅子側に立って見て初めて、色々なことが分かりました。普段から車椅子を利用されている方々の大変さがよく分かりました。
 人は、見る立場によって、全く物事の見え方が違って来るようです。とても感じることが多い旅でもありました。

30. 日本の詩人たち (2016.03.21)

 少しずつ読んでいた日本詩選1~3巻(明治・大正篇76篇、昭和戦前篇74篇、昭和戦後篇72篇)を、やっと読み終えました。
  ヴェルレーヌ、ランボー、島崎藤村、石川啄木、高村光太郎、萩原朔太郎、室生犀星、佐藤春夫、宮沢賢治、草野心平、金子みすず、三好達治、中原中也など高校時代に馴染みのある詩人たちの詩を懐かしく読みました。戦後では、色々とありますが、私としては谷川俊太郎、吉野弘、茨木のり子の詩が心に残るものがありました。
  詩は俳句や短歌ほどの凝縮性はありませんが、やはりある程度の長さの文章でないと表現できない情景や思い、感情などがありますから、じっくりと中に浸って味わうことはとても楽しいものです。

   都に雨の降るごとく
   わが心にも涙ふる。
   心の底ににじみいる
   この侘しさは何ならむ。
   (ヴェルレーヌ)
      生きていることの本質的な哀感を歌っています。

     薔薇ノ木ニ
     薔薇ノ花サク
     ナニゴトノ不思議ナケレド
     (北原白秋)
      命の営みの不思議です。
  
    生きているということ
    いま生きているということ
    泣けるということ
    笑えるということ
    怒れるということ
    自由ということ
    (谷川俊太郎)
     生きることの手応えを現在の一瞬に求めようとしています。生の実感です。

  いずれも詩の一部分にすぎませんが、結局、自分の問題意識に触れるものが自分の心に響くようです。

29. 俺は生きているぞ (2016.03.18)

 今日は病院で自分の心臓のエコー画像の動画を見る機会がありました。心臓全体で大きく躍動し、収縮し、弁も閉じたり開いたりして、力強くリズミカルに動いていました。ドクン、ドクン、ドクン・・・。音は聞こえないけれど、そんな活発な音が聞こえてきそうでした。
 自分の心臓が力強く動く様を見ていると、「俺はこうやって確かに生きてるぞ!」と思うとともに、つくづく「心臓も頑張ってるな~」と思いました。

 考えてみれば、生きてから(生まれる前の胎内にいる時から)一瞬も休むことなく、自分の意思とは全く関係なく動き続けてくれている心臓。何て不可思議なことでしょう。自分の存在が不可思議であるように。
 人間の心臓は一生の間に20億回も脈打つそうです。一日の間でも、1分70回とすると×60分×24時間=10万800回にもなります。何という回数でしょう。一日に10万回。心臓に感謝、そして改めてこうやって今生きていることに感激です。
 何か深刻な悩みがある方は、自分の心臓のエコー動画を見るときっといいかもしれません。私の意志とは関係なく、私を生かすために、無心に、ひたすら、ひと時も休むことなく動いている・・。その姿を見たら、きっと考え方が変わるでしょう。

 さぁ、明日からの連休も、俺は生きてるぞって、飛び出そう!

28. "The Rose”(Bette Midler) (2016.03.11)

テレビで"The Rose”という歌が流れていたので、you tubeで聴いてみました。

I say love, it is a flower, and you, its only seed
私は愛は花だと思う  貴方はその種のひとつ

Its the heart afraid of breaking, that never learns to dance
心が傷つくことを恐れているから いつまでも踊れないでいる

Its the dream afraid of waking, that never takes the chance
夢から覚めてしまうことを恐れているから いつまでもチャンスを掴めないでいる

Its the one who wont be taken, the one who can't seem to give
誰かに奪われると思っているから 誰にも与えることができない

And the soul afraid of dying, that never learns to live
死ぬことを恐れるその心は 生きる意味を見失っている

When the night has been too lonely and the road has been too long
一人ぼっちの長い夜 一人ぼっちのあまりに遠い道

And you think that love is only for the lucky and the strong
その時、貴方は思うだろう 愛は運や力に恵まれた人のものなんだと

Just remember that in the winter, far beneath the bitter snow
けれど、思い出して欲しい 冬の凍えるような雪の下

Lies the seed, that with the sun's love in the spring becomes the rose.
種は太陽の愛をその身に浴びて やがて、春が訪れ薔薇という名の花になる

              いい歌です

27. 日弁連ADRセンター実務懇談会 (2016.03.02)

 平成28年2月26日、日弁連ADRセンターの全体会議と実務懇談会が開催されましたので参加しました。実務懇談会には、熊本からはM弁護士も参加されました。
 実務懇談会は全国の弁護士会ADRセンターの弁護士と事務局職員が一同に会して実務上の問題点を協議するもので、今回はアンケートの集計結果をもとにして「窓口に寄せられる問題とその対応」と、「弁護士会ADRをより使いやすくするための方策等について」と題して協議がされました。

 当会のADRの運営上参考になった点は次のとおりです。
 ①申立てについてのサポート制の導入
 ②成立手数料と引換えで和解契約書を交付する方法
 ③やはり会員弁護士への周知が大事、広報の方法
 ④多士業ADRを総合した統合ADRセンターの可能性(民間調停、民間裁判所)
 ⑤法律相談センターの積極利用
 ⑥犯罪被害者との示談交渉場面での利用
 ⑦専門(医療・建築)ADRの可能性
 ⑧家事事件、相続事件での利用
 ⑨裁判所の即決和解との連携の制度を設けている会はあるが、利用は低調、 
  仲裁決定と執行決定の申立て

 現在の全国の弁護士会ADRの利用状況は余りはかばかしいものではなく、利用件数の大きな伸びがみられない会が多く、そのためADR未設置会にもADRの利点や必要性の認識が広がらない状況になっています。当会ADRについても、もう一度ネジを巻き直して工夫をして行く必要性を感じました。

 最後のまとめとして、ADRの先進会である仙台弁護士会のS先生から、①ADRは楽しい、面白いという思い、熱意を持って欲しい、②ADRは私的自治にもとづいて裁判所にはできないことができる、そういう風にADRを見て欲しいとのお話がありました。さすが「ADRの伝道師」、いい締め括りの言葉でした。

26. 司法試験合格者1000人決議案について (2016.02.25)

1.平成28年2月23日、パレアで県弁護士会の臨時総会が開催され、暫定予算、出張費規定の件などについて審議がありました。
 その後、3月11日の日弁連臨時総会で採決が予定されている有志案と日弁連執行部案についての意見交換会がありました。

 この問題は、有志案が、①司法試験の年間合格者を直ちに1500人にし、可及的速やかに1000人以下にすること、②予備試験について受験制限や合格者数制限をしないこと、③司法修習生に対する給費制の復活をすることを求めるという内容なのに対し、日弁連執行部案は、①司法試験の年間合格者を早期に1500人とすること、②予備試験について制度趣旨を踏まえた運用をすること(制限的な考え方)、③司法修習生への修習手当の創設などを内容とするもので、両案には、特に①の点について「司法試験年間合格者を1000人以下」を明記するかどうかで大きな対立があるものです。
 双方の陣営からは、臨時総会の開催を前にして、FAXなどでアピール合戦となっています。

2.まず県弁護士会の執行部からは、日弁連執行部の考え方に沿った説明がありました。
 その後に執行部から会員の意見を聞きたいとのことでしたが、誰も発言する様子がありませんでしたので、まず、私の方で挙手をして発言をしました。それは、この問題は大事な問題なので、できるだけ大勢の会員がいるこの場で議論をしておいた方が良いと考えたからです。
 私の考えは1000人決議案(有志案)に賛成というもので、その趣旨は次のとおりです。
① 現状では、弁護士人口の増大によって法曹志望者の減少、弁護士の就職難、OJTの不足、経済的地位の低下が生じ、その結果社会的インフラである司法の劣化、弱体化という大きな弊害が出ています。当会でも、率直に言えば、会員の殆どがこれらの弊害を是正するためには司法試験合格者は1000人以下にすべきと思っていると思います。そうであれば、地方単位会としては、現場の弁護士として弁護士の現状と司法の危機への思いと考えを率直に外部に表明すべきです。
 推進会議は既に昨年の6月に今後は「1500人以上程度」とすることで方向性を決めているのですから、執行部案のように「早期に1500人」を打ち出しただけでは殆んど効果はなく、外部は「あぁ、弁護士の多くは1500人でいいと思っているのだ」と受け取ることになってしまって、今後の展開は望めません。司法の最前線にいる自分達の正直な思いを率直に表明すべきです。
 全国52の単位会のうち、既に1000人程度や1000人以下の決議や声明を出している地方単位会が18会もあり、大幅減員の決議等の2会も含めれば、有志案に沿った考え方が20会にも及んでいます。これは、地方単位会が、地方の実情を踏まえて、弁護士の現状と弊害改革のために自分達の正直な声を上げて、日弁連施行部に対して方向性の転換を求めているものであって、貴重な動きだと思います。
② また(この時の発言内容ではありませんが)、年間合格者が1000人であっても、今後も弁護士人口は増加して行きます。当会ではおそらく均衡点としては450人位の会員数になってしまうでしょう。
 一方で、今後は少子化による人口減少社会の到来は確実とされており、熊本県でも現在の約179万人の人口は50年後には117万人まで減少するとされています。会員数は激増するのに、人口がこれほど減少すれば、法的紛争と弁護士の需要が大幅に減少することは明らかです。
 新分野の開拓やインハウスの増員に力を入れるなどと言っても、以上の事態をカバーすることは到底できません。
③ これに対し、日弁連執行部側は、「1000人決議なんて、そんな強硬な主張をしても交渉の現場では相手にされず、弁護士会はそっぽを向かれて孤立してしまう。現実を踏まえて、まずは1500人を目標として掲げるべきで、1000人以下の目標は掲げるべきでない」と反論していますが、決してそんなことはないと思います。
 確かに一旦出来た制度は、人もお金も投入されて固まっていますので変更が困難を伴うものではありますが、この問題が進展しないのは、日弁連が強硬な意見を主張するからではなく、日弁連全体としての交渉力が不足しているからだと思います。私も日弁連理事の時代に実際に肌で感じましたが、日弁連は普段から反対ばかりしていて、自分達の要求を実現するための有効な政治チャンネル、行政チャンネル等を持っていなのです。日弁連執行部やその周りの少数の人間だけが中心となって外部と交渉をしたとしても、多くの成果は望めません。
 むしろ1000人決議の方向で日弁連の意見統合と結束を図り、全国の多くの弁護士の多様な人脈とチャンネル、交渉力を活用して、一体となって政治、行政、報道、そして国民に対して、有効な交渉や働きかけをして行くべきだと思います。

 私の発言の後は、私の意見に賛成がお二人、反対がお一人(現職の大学教授)、中間的か予備試験の点では有志案的な考えがお一人、それぞれ発言されましたが、若い先生方は遠慮されているのかどちらでも余り関係ないと思われているのか、その後の活発な議論はなくて、私としては大変残念に思いました。

3.来るべき日弁連の臨時総会では、組織力と集票力の大きさからおそらく執行部案が議決されるのだろうと思いますが、この問題については、地方単位会、そして地方の弁護士として、今後も関心を持って見守って行くべきだと思っています。 

25. 何を表現するのか (2016.02.25)

 先日、保険会社の弁護士研修のため上京した際に、六本木ヒルズの森美術館で村上隆氏の「五百羅漢図」展が開催されていましたので、鑑賞して来ました。

 村上隆氏は、今は世界でも評価の高い現代美術家ですが、私は当初は、アニメポップ的、オタク的、フィギュア的だと思っていて、DOB君なんて何の意味があるのだろう、外国で受けているだけでは、スーパーフラットと言ってもねぇなど、気にもかけていませんでした。世間では、マーケティングで成功しているだけだとの批判もありました。
 今回は世界最大級の長さ100mの「五百羅漢図」が展示されていると言うので、関心を持って観に行ったものです。その時の写真は写真ブログのNO.2686~2694にUPしていますので、ご覧下さい。
 五百羅漢図は、それぞれが高さ3m×長さ25mの「青竜」「白虎」「朱雀」「玄武」の4枚の画面で構成されていて、十六羅漢を中心に500体の羅漢聖獣などが描かれています。随所に日本名の名画をモチーフにして、自分なりの表現した箇所が盛り込まれています。東日本大震災を契機に描かれたもので、絶望からの復活、生と死、生命観など壮大なテーマを問いかけるものだと思いますが、画面の大きさに加え、カラフルで、幻想的で、ダイナミックな力強さ、生命力に溢れていて、そのエネルギーには圧倒されました。
 NHKテレビの日曜美術館で、村上氏はこの画は、200人の美大生を動員して工房方式で多数の枚数に分割して作製したもので、「もう自分は死んでもいい」とまで言っていましたが、確かに感動的な作品で、村上氏の力量を見直しました。

 村上氏の東京芸大大学院日本画科の博士論文は「美術における意味の無意味の意味をめぐって」だそうで、おそらくこの世界は無意味であるとの問題意識があるのだろうと思います。DOB君も、単に言葉の頭文字を集めただけのもので、特に意味はないそうです。
 そう考えると、写真ブログNO.2688の写真の「円相」シリーズで、村上氏の自画像が消えて、背後のカラフルさと宇宙の混沌さの中に、中央に禅画で無や悟り、調和を表わす円相が描かれていることも、その表現意図が分かります。NO.2687の写真の「萌える人生を送った記憶」についても、この限られた儚い人生の時間の中で、たくさんの人々が人生を送って行ったことが、明るくイキイキと感じられます。
 今回はいい作品シリーズで、佇みすぎて、暫し時間を忘れました。

 もう一つ印象的だったには、館内で流れていた村上氏の映像で、芸術=正義=貧乏というのは間違いで、芸術にはお金がかかると話していました。ショップで花が笑っているような小さなキャラクターグッズが明るくて元気な感じだったので手に取り、値段が220円で安いなと思いつつもレジに持って行ったのですが、実は2220円もしました。その後展示商品をよく見てみると、40cmくらいのクッションは20数万円、ソファーは200万円とか300万円の値段がつけられていました。代理店もついているのでしょうね、ビジネス的にも凄そうでした。

24.やりたいこと、やるべきことを見つめて (2016.02.25)

1 平成28年2月20日、熊本保健科学大学で「くまもと吃音のつどい」が開催されましたので、参加しました。同大学には初めて行きましたが、整備されたきれいなキャンパスでした。参加者は、ことばの教室の先生方、言語聴覚士(ST)、STを目指している学生、吃音のお子さんを持つ保護者の方々、それに熊本言友会の吃音者などで、盛会でした。

2 第1部は、同大学教授の小薗真知子先生の「視点を変えて吃音理解」と題する講演に続いて、社会人1年生、熊大大学院、STを目指す専門学校生の3人の若い吃音者の体験発表が ありました。
 学校生活の様々な場面で言葉がうまく出ないことによって色々な不安な場面や困難に出逢って来たこと、特に就職活動の時に不安があったことなど、自分が若い頃に体験したような色々なエピソードが語られて、私もまた色々なことを思い出しました。色々な体験をしながらも、これを糧として、これからも吃音と一緒に前向きに生きて行こうとしている彼らに、心からエールを送りました。いい人生を送って行って欲しいと思います。

3 第2部では、参加者の意見交換会がありましたので、私も、いまだに対症的な、矯正所的な考え方があることについては残念なことだと意見を述べました。
 私は、吃音は数千年の歴史がありながらいまだに原因も分からないのですから、治療法とかそれが治るということもないと思います。数多くの成人吃音者を見て来て体験からもそう思います。
 今回、いまだに「吃音は治る」などという学者がいることを知って全く驚く思いでした。何十年前の議論をしているのかと思います。ごく例外的に改善された人がいたとしても、それをライフモデルとすることは全くの間違いで、こんなことを言う学者がいるからこそ、吃音者は、いつまでも良くならないのは自分の努力が足りないせいだとか、自分はダメだと考えて自分を責めることになってしまうのです。本当の人生を、生き生きとした人生を送れなくなってしまうのです。これは全くの罪作りです。  
 直接法も間接法も系統的脱感作も、そういうHow toものは必要ありません。そんなものに捉われている必要はないのです。問題の本質は、いつまでも吃音や吃音に伴う不安に捉われていて、治すことに目を奪われていて、やりたいことや、今やるべきことに熱中していないこと、大きく言うと、今を生きていないことが問題なのです。吃音を改善してから何かをしようではなくて、吃音は自分の大事なものだ、一緒に生きて行くんだという覚悟を決めて、How toなんか、そんな努力なんか関係ない、自分のやりたいこと、やるべきことに全力を尽くして熱中する。ただ、それだけのことだと思います。極端な言い方をすれば、人生は短いんです、こだわり、捉われている暇はありません。自分の人生にとってもっと大事なものに集中しようということです。
 不安はあって当り前です。不安から逃れたいとか、不安をなくそうとしてはいけません。自分はこんな人生だと思い定めて、不安と一緒に生きて行く、不安を楽しんで生きて行くことが大切です。
 そして、それを長い期間をかけて、毎日毎日自分の殻を破って行く気持ちと行動を行っていれば、毎日一歩を踏み出せば、自然と吃音についての考え方も変わって来て、実はそれほどの問題でもないことに気付いて、むしろ吃音で良かったかな、と思える日が来るのです。それは、長い長い試行錯誤の期間かもしれませんが、きっとそういう時が来ると思います。

 以上のことは、私が昨年熊大の生涯学習センターで講演した時も話したことですが、成人吃音者には、そんな方向で自分の人生の道を切り拓いて行って欲しいと思います。
 そして、いつか吃音に感謝する日が来ますように、「ありがとうと」と言えますように、若い人達の希望ある未来を祈ります。

23. 反響 (2016.02.24)

1 先日、熊日新聞の「せいかつQ&A」コーナーに紛争解決センター(ADR)についての記事を掲載させて頂いて、このことは事務所ブログNO.29で書きましたが、記事を読まれた方から弁護士会に複数のお問い合わせを頂きました。また、実際にすぐにADRの申し立てをされる方もおられました。
 ネット時代で若い方は新聞を読まなくなったとはいえ、180万人の熊本県民人口の中で30数万部を発行している熊日新聞は、広報媒体としてはやはりかなり有効なものだとあらためて実感しました。

2 また、この度、弁護士会のADRセンターでは、会員の弁護士向けに「紛争解決センター利用の手引き」を作製して配布しました。
 これは、同センターの利用件数の増加、活性化を図るためには、やはり何よりも会員の弁護士にセンターの特色と利用の仕方を理解して貰って、紹介事案や持込事案を増やすことが重要だと考えているからです。
 これで少しでも利用件数が増えることを期待したいものです。

22. サブ (2016.02.23)

 夕方のニュースを見ていると「捨て犬」のことが取上げられていて、何十年も前の悲しい記憶が蘇ってきました。

1 私が小学校5年生の時、近所の家に子犬が産まれたということで、私達兄弟で貰いに行きました。3匹位の中から丸々と太っている1匹を貰って来て、「サブ」と名付けました。なぜ、「サブ」と名付けたのかはもう定かではありませんが、おそらく我が家では3番目の犬だったからだろうと思います。家族はサブを可愛がって育てました。私達が子供の頃は、田舎では放し飼いが普通で、犬も今よりももっと自由に暮らしていました。

 ある日、両親が所有する山林の手入れをするので、サブも一緒に着いて行ったのですが、帰る途中で車に撥ねられてしまいました。それで、両親は即死したものと思って、山中にそのまま残して来たという話でした(今の感覚からすれば、なぜ残して来たのか理解しかねますが・・・)。私達兄弟は深く悲しみました。
 それからだいぶ時が流れてから、親戚の紹介でまた子犬を貰うことになり、「ゴロー」と名付けました。よく覚えていませんが、四は避けて「五」としたのだろうと思います(単純すぎ)。ゴローは比較的小さな犬でしたが、家族はやはりゴローを可愛がって育てて、また時が流れました。もう私達の記憶からは、サブがいなくなった悲しみは薄れて行っていました。

2 ところが、ある日、学校から帰って来ると、玄関の横に見知らぬ犬がいて横たわっているのです。どこの犬だろうと思って、「シッシッ」と言っても立ち退こうとしません。「おかしな犬だな。」と思いました。でも、「何かおかしいな、あれ・・・」と暫く考えて、よく見てみると、それは体が大きくなって見違える程になっていたサブだったのです。「ワァ!サブだ!」、「死んでいなかったんだ、生きていたんだ、1年も経過して家に帰って来たんだ。」と、ビックリし感動しました。

 しかし、問題はここからでした。父は「犬は2匹は飼えない。」ということで、どちらを飼うかを決めることになりました。今の感覚からすれば、2匹とも飼うのが当然だろうと思いますが、私達の意見は通りませんでした。それで仕方なくゴローを飼うことになったのです。折角、生きて帰って来たサブは、捨てられることになりました・・・。今のように仲介のシステムがあった訳ではありません。本当に悲しいことです。
 それで、父は車で10km以上離れた場所にサブを捨てたそうです。でも、暫くすると、サブはまた帰って来ました。何という帰巣本能でしょう。
 しかし、父は更にまたサブを捨てに行きました。今度は車で50Km位も離れた所に・・・。そして、ついにサブはもう帰っては来ませんでした・・・。私達は、ゴローとの生活の中で、次第にサブのことは忘れて行ってしまいました。
 でも、折に触れて思い出すのです。「なぜあの時サブも飼うことができなかったんだろう」、「もっと強く主張できなかっただろうか」、「サブはどんなふうに生きたのだろうか、ひもじかっただろうな・・・」、「ごめんね・・・」と。
 こうしてサブは、折に触れて、私に会いに来るのです。

21. 「熊本羅針」3月号の表紙 (2016.02.22)

 熊本県中小企業家同友会の会報誌「熊本羅針」の平成28年3月号の表紙に、私の写真が掲載されました。

  写真のタイトルは「落椿」で、池の水面に落ちたヤブツバキの花を写したものです。普通であれば池の水面に落ちた椿は流れて行きますが、下に藻が残っているために流れずに積み重なり、やがて朽ちて行き、そしてまたその上に新しい落椿が重なります。水面の上で、生と死が象徴的に展開されています。こんなシーンにはなかなか出逢えません。
 テーマとしては、移ろい行く命とその中での命の輝きです。

 裏表紙に添えた言葉は、次のとおりです。
 「ヤブツバキが水面に散る。
  散る花は色々なことを感じさせてくれる。
  華やかであり、かつ無常。
  私たちの存在そのものだ。」

20. 民事交通事故訴訟の動向 (2016.02.18)

 交通事故に関する書籍である平成28年版の赤本が届きました。その中の東京地裁の裁判官の講演録で、民事交通事故訴訟の動向について次のように説明されています。
(1)  交通事故の発生件数は減少しているにもかかわらず、訴訟の新受件数は増加している。その理由としては、経済状勢、権利意識の変化、弁護士費用特約の存在、高次脳機能障害の有無等の複雑な問題点を含む事件の増加などが考えられる。
(2)  事件の内容としては、①高次脳機能障害等により高額の過失利益や将来介護費用を請求する事案、②自賠責保険の後遺障害等級認定と異なる等級や労働能力喪失率を主張する事案、③修理費、車両の時価額、代車費用、評価額、休車損の相当性等を争点とする物損事件が増加している。

 私も熊本でかなりの交通事故の案件を担当させて頂いていますが、確かに以上のような点は肌で感じています。
 ①については、私が担当した事案では、東京の弁護士がついて重度後遺障害事案について何と将来の職業介護料を1日28000円と主張して総額3億円の損害賠償請求をして来た案件がありました。熊本だったら1日18000~20000円程度でしょうか。
 ②については、最近多いと思いますが、自賠責保険の後遺障害等級認定では非該当なのに、あえて14級や12級を主張したり、また14級や12級の認定であったとしても、所定の労働能力喪失率よりも大きな喪失率を主張する案件が目立ちます。
 これは、弁護士が被害者の実情を汲み取って被害者救済のため頑張っていると考えることもできますが、特に最近になって増えているというのは、弁護士人口が増加して収入的に厳しくなって来ているので弁護士サイドで請求額を多くしたいという方向に行きがちなことと、損害保険の弁護士特約(権利保護保険)事案の増加が関係しているように思います。
 ③の物損事件についても、昔から案件は多かったと思いますが、近時は弁護士特約が付いているために、少額の物損事件、例えば修理代3万円位で過失割合に20%位しか双方の主張の差がない場合でも、自分で弁護士費用を負担する必要がないので、あまり妥協されずに「裁判にしてでも回収して欲しい」という事案が結構ありますので、このようなことから物損事件の訴訟も増加しているのだと思います。

 損害保険の弁護士特約は権利救済の機能を有するもので極めて有用なもので、今後は交通事故案件だけでなく徐々に一般民事の分野まで拡がって行くことが期待されますが、一方ではこれに付随した問題点も出て来るように思います。

19. せいかつQ&A (2016.02.18)

 平成28年2月10日の熊日新聞の「せいかつQ&A」のコーナーで、熊本県弁護士会の「紛争解決センター(ADR)」について書かせて頂きました。
 このコーナーは、当会の弁護士が日常的な法律問題についてQ&A形式で分かりやすく解説することで、市民の皆さんに弁護士を身近に感じて頂くことを狙いとしています。
 私も今までに色々な法律問題について書かせて頂きましたが、今回は「紛争解決センター」の広報を図るべく、その基本的な仕組みについて解説をしました。
 その内容は次のとおりです。

【Q】私は交通事故の被害に遭って、加害者側の示談代行をしている保険会社から示談案を提示されました。その内容に承諾できないので交渉しましたが、当事者間での解決は難しいようです。裁判にまではしたくないのですが、何か良い解決方法はありませんか。

【A】このような場合、裁判所の調停のほかに、県弁護士会の紛争解決センターのあっせん手続きによる解決が考えられます。県弁護士会では、「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)」に基づき、2009年から「紛争解決センター」(弁護士会の調停)を設置して、さまざまな紛争解決のお手伝いをしています。紛争解決センターは、弁護士があっせん人となって公正中立の立場で当事者双方から言い分を聞き、話し合いによる紛争の解決を目指します。弁護士の事件解決の知識と経験を生かして、事案の円満な解決のために適正な方向付けをしたり、適正なあっせん案を示したりできるので、比較的早期の柔軟な解決が可能とされます。
 申し立ては、民事上の紛争であれば、金銭貸借、不動産関係、請負、労使関係、交通事故、離婚、相続など種類を問いません。申し立ての書式もあり、比較的簡単に申し立てられます。基本的に3回程度の期日で解決を目指します。
 和解あっせん申し立ての手続きや費用などついては、県弁護士会096-325-0913までお問い合わせ下さい。

18. 分からないことの大切さ (2016.02.16)

 先日の夕方、撮影の帰りにラジオを聴きながら運転をしていると、ドラマ仕立てで誰がくれたのか分からないバレンタインチョコの話があっていました。
  「誰がくれたのか分からないからいいじゃないか。人生だってそうだろ。
  何のために生まれて来たのか、何のために生きているのか、分からないから面白いじゃないか。分からないからこそ、ワクワクドキドキして、明日のページをめくることができるんだ。」・・・というような話でした。

 考えてみれば、確かにその通りです。私達はどこから来て、どこに行くのか、限りある存在なのになぜ生まれて来たのか、どうして生きているのか、この世界の仕組みはどうなっているのか、現在の私達は誰も客観的な答えを見出すことはできません。誰も本当のところは分かりません。人は、ただ、自分の物語を見つけて、生きるだけです。
 でも、逆にその答えがすべて分かってしまったら、何とも面白くなくて、つまらないでしょうね。答えが分からない、この不可思議な世界の中で、あれこれ試行錯誤して何とか生きているからこそ、却ってワクワクして楽しく生きることができるのでしょう。
  
 確か、亡くなられた哲学者の池田晶子さんも、「人生の本当」という本で「分からないことを分かること」の大切さを述べておられたことを思い出しました。
 その筋道は、「何でか分からないけれども、在ってしまった、それは絶対不思議、絶対不可解なことだ。人生とは何か、存在とは何かも分かるわけがない。そのことを分かる、不可思議な構造の謎に気付くことが大切だ。」→「思い悩むより、たかが人生ではないかと覚悟を決める」→すると、「あぁ、何でもいいんだ。何でもOKなんだと分かる。地上の苦しみは、自分で作り出している錯覚、時間の流れも錯覚と気付く。物事はあるようにある、それでよいのだと、最初からみんな救われているのだと気付く。」ということだったと思います。

 何が何だか存在の本当のところはよく分からないけれども、何があってもOKと思って、今を夢中で生きている。そんなことまで色々と考えを巡らせるひとときでした。

17. 指定弁護士の研修会 (2016.02.16)

 今月初め、東京で共済関係の全国の指定弁護士の研修会がありましたので、参加しました。
  
1.まず、一般的な情勢報告のあと、担当弁護士から最近の交通事故関係の判例で注意しておくべき数10件の判例の紹介と解説がありました。
 昨年の不法行為法分野の判例で最も注目されるのは、やはり監督者責任(民法714条1項)に関する最高裁H27.4.9判決でしょう。この判決は、サッカーのフリーキックの練習をする行為は危険な状況を発生させる常態であったとはみられないことから、親権者の直接的な監視下にない子の行動についての日頃の指導監督はある程度一般的なものとならざるをえないから通常人身に危険が及ぶものと認められない行為によってたまたま人身に被害を生じさせた場合は、子に対する監督義務を尽くしていなかったとすべきではないとして、親の監督者責任を否定したものです。これまでの判例の大勢は、被害者保護のため殆んど監督義務者の免責を認めていない取扱いで、私も関連する事案を担当して疑問を感じていましたが、この判決でやっと一般人の常識的な判断に沿うものとなったと思います。

 交通事故関係で私が特に気になったのは、整骨院治療に関する福岡地裁久留米支部H26.10.23判決です。交通事故外傷にもとづく整骨院治療については、保険実務上は整骨院治療の必要性や施術内容、施術期間がよく問題となりますが、この判例は、損保会社が医師の指示のない整骨院治療の施術費が賠償の対象とならない可能性を告げることなく、施術が施行されて、その施術費も保険会社から支払われていた場合には、後で加害者側が整骨院治療の必要性について争うことは信義則に反し許されないとしたものです。保険会社としては、整骨院治療に対する今後の対応上参考になる判例です。

 その他、内縁配偶者の扶養利益喪失による損害賠償、労働保険の遺族補償年金と元本充当との損益相殺、介護保険給付の過失相殺前の控除、車両保険金の代位処理につき被保険者からの過失分からの充当等々、色々と参考になりました。

2 次に、医学研修では、「器質疼痛の非器質疼痛・後遺障害診断」と出して、ドクターによる講演がありました。
 痛み」については客観的な測定ができる訳ではなく、本人の主訴が中心ですので、反証は難しく、保険実務上もかなり問題が多いところですが、今回は、①痛みは、自覚症状の主体で、本人の訴えに依存して客観性に乏しく、過剰判断となりやすいこと、②実務上は、的確な診察がなされずに、例えば関節萎縮がないのに関節可動域の著名な低下と診断したり、筋肉の委縮がないのに著名な筋力低下と診断したりする誤診例があること、③裁判で問題となった案件も、検討してみると相当の割合で誤診があること、④虚偽性障害や詐病との関係、などが参考になりました。

 交通事故関係は、簡単そうで、実は論点もかなり多く、医学的論点も含んで奥深いものですので、今後も一層研鑽を積んで行きたいと思います。

16. 刑の一部執行猶予制度 (2016.02.16)

 今年の6月までに刑の一部執行猶予制度が開始されることになりました。これには、一般の刑法上のものと、薬物使用者に対する特別法によるものと2種類があって、各要件が異なっています。

 執行猶予制度は、刑の言渡しはするものの、一定期間を社会内で無事に過ごせば、刑の言渡しの効力を失わせるもので、矯正施設内で処遇よりも心理的威嚇のもとに社会内での自律的更生を図る制度ですが、これまでは刑の全期間に執行猶予はつけるかつけないかの100か0かの判断しかできませんでした。
 しかし、これでは、仮釈放者には短期間しか保護観察はつけられず、満期釈放者には全く保護観察がつけれないので、矯正施設出所者の再犯率がかなり高くてこれに対する対応が必要な状況の中では、施設内処遇と社会内処遇の連携ができていないという問題点がありました。
 そこで、今回一部執行猶予制度を導入して、一部の期間は施設内で処遇し、残りの執行猶予期間は社会内処遇をし、また保護観察を付することができるようにして、受刑者への指導監督を継続できるようにして、再犯防止の効果が上がるようにしようとしたものです。
 ただ、この制度が有効に機能するためには、運用をどうするのかや保護観察官の増員、指導監督プログラムの充実などが前提となりますので、今後の課題はまだ大きそうです。

15. 最期の晩餐~命の輝き (2016.02.15)

 先日の夕方、地元のテレビ局のニュース番組を見ていると、ガンを抱えて2度の転移と3回の手術を経験された熊本のシンガーソングライターのKO―KO(日隈幸子)さんの特集があっていました。
 色々な体験を話されていましたが、その中でも私は、「今日死んでも悔いはないという心と、それでも絶対に死なないという心とのバランスが大事だと思います。」という言葉にピンと来ました。それはまさしく、私がこれまでの自分の体験を通じて考えていたことと全く同じだったからです。「あぁ、この人はよく分かっているな。」と、そう思いました。
 それで、お話しをしてみようと、先日の週末の夜、KO―KOさんが出ておられるという熊本市並木坂通りの「サクラミュージックランド 音」を訪ねてみました。現状でもお身体の状態は大変なものだと思いますが、とても明るく対応して頂きました。歌も上手でした。

 人は、病を得て初めて真剣に、自分にとって大切なものは何か、どう生きたらいいかを考えます。そして、覚悟をして人生を思い定めて自分の思う通りに生きれば、生き生きと輝く人生になります。生きていることに感謝して毎日を過ごすことができます。強がりでなく、「あぁ、却って病気になって良かった。」と感謝の思いさえするのです。「私の人生を濃縮し輝かせてくれて、病気よ、ありがとう」と。
 「幸せとは、今生きていること」(さらに言うと、幸も不幸もないということ)ですものね。すべては、あるがままに移ろって行くことです。その思いは同じでした。このことは、実際に体験し、考え、感じた人にしか、本当のところは分からないでしょうけど・・・。

 帰り際に、KO-KOさんから「最期の晩餐」という4曲入りのCDを頂きました。帰って聴いてみると透き通った声で、歌詞の内容も透き通っていました。
「・・・・・
 今日が人生の始まりだとすれば
 私は私らしく 思うがままに
 人生を謳歌します。
 ・・・・・
 今日が最期だとすれば
 あなたは何をしますか?
 今日が最期だとすれば
 あなたは誰と過ごしたいですか?
 ・・・・・
 人生の最期に思いを寄せて
 生きることこそが 幸せに繋がり
 人生の始まりのような
 生き方ができる

 今 ここに 自分はある
 今 ここに 自分はある
 今 ここに 自分はある  (KO―KO「最期の晩餐」)

 KO-KOさん、あなたでなければ歌えない歌ですね。
 あなたが、そしてすべての人が、いのちを輝せることを祈ります。

14. あっせん利得処罰法 (2016.02.03)

 最近の報道では、経済再生相の金銭授受に関して「あっせん利得処罰法」が問題とされています。この法律は全部で6条しかない短い法律で、次のような規定になっています。

1 公職者のあっせん利得罪
 ①衆議院議員、参議院議員または地方公共団体の議会の議員もしくは長(以下、「公職にある者」という)が、②国もしくは地方公共団体が締結する契約または特定の者に対する行政庁の処分に関し、③請託を受けて、④その権限に基づく影響力を行使して、公務員にその職務上の行為をさせるようにまたはさせばいように、あっせんをすることまたはしたことにつき、⑤その報酬として、⑥財産上の利益を収受したときは、3年以下の懲役、
 公職にある者が、国または地方公共団体が資本金の2分の1以上を出資している法人が締結する契約に関し、以上のような行為をした場合も、同様です。
2.公設秘書のあっせん利得罪
 衆議院議員または参議院議員の公設秘書が、上記1のような行為をした場合は、2年以下の懲役
3.利益供与罪
 以上の場合において、財産上の利益を供与した者は1年以下の懲役または250万円以下の罰金

 報道によると、議員秘書もUR側もあっせんの事実を否定しているとのことですが、UR側が発表した交渉内容のメモをよく読んでみると、秘書が「少し色をつけたかどうか」とか「事務所の顔を立ててくれ」等の発言もありますので、あっせんの事実は認められる可能性は大きいように思います。会社側との補償契約に関して12回もUR側と面談したというのも、非常に大きな事実です。
 今日は東京地検特捜部が任意の事情聴取を実施したとのことですので、今後の捜査の展開が注目されるところです。

13. ストーカー規制法 (2016.02.02)

 今日の新聞によると、2年前から妻と別居し離婚協議中の会社員男性が妻につきまとったとして、ストーカー規制法違反で逮捕されたとの記事が載っていました。事前の警告なくいきなり逮捕されたということで、県内初の事例だそうです。
 あれ、ストーカー規制法では事前の警告や接見禁止命令を出すことなく、いきなり逮捕出来るようになっていたかなと思って、ちょっと調べてみました。

 同法は、同一の者に対し、つきまとい行為等(恋愛感情その他の好意の感情またはそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、特定の者、その配偶者、親族等に対し、つきまとい、待ち伏せ、見張り、住居等への押し掛け、面会、交際の要求、著しく粗野、粗暴な行動をすること、その他)を反復することを、「ストーカー行為」と規定しています。
 そして、県警本部長または警察署署長は、申し出を受けた場合には、つきまとい行為等をした者に対し、さらに反復して当該行為をしてはならないことを「警告」することが出来、さらに警告を受けた者が警告に従わずにつきまとい禁止に違反する行為をした場合には、「禁止命令」を命ずることができるとされています。
 罰則規定を見てみると、ストーカー行為をした者は6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金、禁止命令違反は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となっています。
 以上からすると、確かに警察の方で事前に警告や禁止命令を出していなくても、ストーカー行為をした者をすぐに逮捕することもできることになっています。

 今回の事例は、警察が悪質なストーカー行為については警告等をしないで直ちに逮捕することを明示したもので、ストーカー被害防止のためには有用な先例になるだろうと思います。

12. 遺言相続センター (2016.02.02)

 先日の熊日新聞に、熊本県司法書士会が、2月から県内を7つの地域に分けて各地に相続センターを設置し、毎週もしくは毎月相続の相談を受ける旨の広告が出ていました。
 司法書士は、140万円以内の紛争についての簡裁代理権を有する認定司法書士以外は、相続に関する紛争に介入することはできませんので、司法書士の相続の相談とは言ってもある程度限定された範囲になります。しかし、そうは言っても、相続の相談業務において弁護士と競合する場面があることは否定できません。

 当弁護士会でも、私の会長時代に、他士業や信託銀行、民間の相続センターの設置に対抗し、相続案件の弁護士会への集中を図るために、「遺言相続センター」を設置して展開できるようにしましたが、残念ながら現状では必ずしも当初の狙いどおりの積極的な活動ができていないように思います。
 物事は制度を作っただけでは動きません。当初の当会の遺言相続センターの設立の意図を実現するためには、何にも増して、制度の中枢を担う先生方の熱意と、これを実現するためのアイデアと実行、そして広報戦略が必要です。
 他士業や信託銀行、民間の相続センターに負けないように、改めて熱意を持ってアイデアを出して具体的に実行して行く必要があると思います。遺言相続センターには、是非頑張って欲しいと思います。

11. 芸術の評価と自分の感覚 (2016.02.01)

 熊本現代美術館で写真家の川内倫子(りんこ)氏の写真展「川が私を受け容れてくれた」が開催されていますので、週末に出掛けてみました。
 川内氏については、写真界の芥川賞と云われる木村伊兵衛賞を受賞し、写真の新時代を切り拓いて来たとして、欧米でも評価を受けている、と紹介されています。今回は、初期の評価を受けた「うたたね」や「花火」の作品、阿蘇の野焼きを撮影した新境地とされる写真「あめつち」、そして熊本市民とのコラボの作品など、約150点の作品が展示されていました。これらの写真は、全般的には日常の何気ない一瞬を写し止めて、時間の流れ、今を生きること、生と死、循環などを表現しているものと思われます。

 ただ、私はこれまでも川内氏の写真集も見ていますが、きっと私の感性が鈍いのでしょう、今回の一連の展示作品も含めて、私の心にビンビンと響いて来る作品はありませんでした。
 写真は一瞬の時間を写し止めるものですので、写真を撮れば、どの写真の中にもそのものの存在と、時間の流れと、生と死と、循環が表現されていることになります。そのことが写真自体から明確には伝わらずに、解説しなければ本当のところが、その表現意図が伝わって来ないというのは、果たしてどうなのだろうと思います。解釈の余地が大きい曖昧な写真。それは、裏を返せば、実は世界と自分の存在と自分の表現意図の核心が、本当は自分自身でも掴めていないのではないかとも思います。
 阿蘇の野焼きの写真について言えば、「何の変哲もない」というのが評価されるのでしょうか、どうしてこれが「新境地」などと評価されるのか、全く分かりませんでした。
 世界は無常で常に移り行き変化して行く世界であること、永遠ではないこと、そんな中で限られた自分達が今この瞬間に存在していること。それを表現するなら、もっと表現方法がありそうな気がします。(批評家ではないので余り深く書かずに、この辺でやめておきます)。

 会場で作品を見ていると、知人の画廊経営の女性に「坂本先生」と言って声を掛けられましたので、「どうですか?」と感想を聞きました。「何気ないシーンに1つ1つ気付いていて、凄いと思いました。」ということでした。確かに、そういう感じ方もあることでしょう。他方で、私の顧問先の経営者は、感銘を受けなかったと、否定的な感想を述べていました。

 今回は、自分の感覚と芸術の評価とは何かについて、改めて考えさせられました。

10. 日弁連のポスター (2016.01.31)

 日弁連が女優の武井咲さんが微笑んでいる2種類の広報用ポスターを作成して、今後1年間、全国の裁判所、法務局、警察署、郵便局、ショッピングモール、駅などに掲示することになりました。1枚は「私に笑顔をくれたのは弁護士さんでした。」、あと1枚には「頼れる弁護士さんが私のそばにいてくれた。」とのコピーが付けられています。先日熊本県弁護士会館で掲示されている実物を見ました。  
 
 日弁連が少しずつ広報戦略に力を入れているのは評価すべきことです。私が熊本県弁護士会会長で日弁連の理事だった当時、日弁連の広報予算は僅か1800万円しか付いておらず、それで私は予算審議の理事会では、「1800万円の広報費というのは個人の弁護士の広報費用と同じ位のレベルの問題であって、約53億円の予算規模を有する職能団体が僅か1800万円の広報予算しかないというのは一体どういうことですか。そもそも日弁連は一体どんな広報戦略を持っているのか。広報戦略さえもない。広報戦略室を設置して、税理士会等の予算と比較すれば、今後は予算の5%程度の2、3億円位を広報予算として投入すべきだ。」と苦言を呈しました。
 日弁連はその年度は会長予算で広報費に5000万円を投入して、次年度からは約1億円の予算を付けて広報費用を増加させ、以後広告コマーシャルを作成してBSテレビで放送する等して、努力の方向は見えています。今回のポスターも、その広報の努力の一環ということでしょう。

 ただ、私は、この様のポスターもいいですが、日弁連で地方単位会でも少しアレンジして使用できるテレビコマーシャル広告を作成すべきだと考えています。
 すなわち、以前ブログにも書きましたが、有名女優や有名タレントのテレビコマーシャルはギャラが高くて地方単位会では到底作成できませんので、日弁連で交渉してメインの優れたテレビコマーシャルを作成し、一部を地方単位会の名前に変更して放映できるようにして、熊本でいえば「熊本県弁護士会のテレビコマーシャル」としてコマーシャルで放映するという方法です。これであれば、地方局でのコマーシャル放映料は、年間契約をしていれば1本15秒で約1万円で放映できますので、何十万人、何万人か見ている広告媒体として広報戦略上は極めて有用だと思われるからです。
 勿論、熊本県弁護士会は、現在、「考える人シリーズ」を中心として年間480本のテレビコマーシャルを放映していて、これも熊本弁でインパクトがあって好評ですので、これと併用して放映することになります。

 このような考えは、ある宴席で現在の日弁連の事務総長の先生にもひとつの方向性として検討をお願いをしたことがありますが、是非検討して頂きたいと思います。

9. 自分の名前 (2016.01.30)

 自分の名前の徳の字について考えてみることがあります。広辞苑によると、徳とは、道を悟った立派な行動、身についた品格、人を感化する人格の力となっています。

 私の名前には、三代続いた旧字の「德」という字が入っていて、この字には、右側のつくりに「一」という字が入っています。
 私の実家は浄土真宗で、祖父と先代の住職が小学校以来の親友だったということで、親しい関係でした。祖父が亡くなった何年か後の私が小学校5年生の頃、月命日にお経を上げに来られた住職が帰り際に仰いました。「お前は自分の名前に付いている德の意味を知っているか。德というのは、右側のつくりのとおり、「十」の??と、「四」つの戒めを、「一心」に「彳」(行う)ことだ。だから、お前の名前の德の字に「一」という字が入っているのは、意味があることなんだぞ。」

 私はこの言葉は長く心に残っていましたが、「十の??」というのがどうしても思い出せないでいました。
 ところが、昨年「仏教思想のゼロポイント」(角川裕司氏著)という本を読んでいたところ、これは「十の善」であることが分かりました。仏教の初期教典では十の徳目が記されているそうで、「殺生、揄盗、邪淫、妄語、両舌、悪口、綺語、貪欲、瞋恚、邪見」を「十悪」といい、「十悪を行わないこと」が「十善」とされています。
 そうすると、「德」とは、四つの戒め(宗派にもよりますが、淫・盗・殺人・大妄語をしないこと)と以上の十善を「一心に」行うことということになります。何十年という長い時間をかけてやっと理解ができましたが、四戒と十善の実行はそれはそれは大層難しいことです。

 若い頃は自分の名前はそんなに好きという訳ではありませんでしたが、年齢を重ねて人生経験を経て、改めて振り返ると、親がどんな思いで名前を付けてくれたのか良く分かります。
 名前に込められた思いを目指して、明日からまた一歩踏み出したいものです。

8. プラトン曰く (2016.01.28)

 ある本を読んでいたら、こんなことが書いてありました。
「人間には3種類いる。
 死んでいるもの、
 生きているけれども死んでいるもの、
 海に向かって旅立つもの」
 (プラトン)

 自分はどれかな。

7. 雪道の教訓 (2016.01.27)

  先週の日曜日は、何十年か振りの寒波襲来で熊本にも大雪注意報が出ていましたので、これは撮影チャンスと思って、早朝から阿蘇に出掛けました。私は積雪での阿蘇の撮影では、これまでノーマルタイヤの車で出掛けて色々と危険な目に遭って来ていますので、今回は安全を考えてJRで現地に行って後は山まではTAXIを利用しようと思い、熊本駅に行ったのですが、何と肥後大津より先の阿蘇方面は全面運休となっていました。そこで、すぐに自宅に戻って自分の車で阿蘇宮地駅まで行きました。阿蘇の平地は気温は-6℃だったものの、雪は大雪というほどではなくて、ノーマルタイヤでも走れる状態でした。

  ただ、問題はここからで、TAXIを呼び「仙酔峡まで」と告げましたが、スタッドレスでチェーンまでは巻いていないので、途中までしか行けないということで、あとは仙酔峡まで歩いて登ることになりました。
  風も強くて、とても寒くて、おそらく-9℃位だったと思います。写真ブログでは、先日の釧路での撮影の際の寒さを書きましたが、これと同じ位寒かったです。このような悪天候ですから、当然、登って来る車も少ないのですが、熊本という土地柄で中にはノーマルタイヤで登って来る車もあって、下りの際には車が滑り出してコントロール出来ずにかなり難儀していました。
  雪道では、前方に車の轍が残っていると、自分の車も行けるものと思ってしまいますが、途中で車がスリップしてコントロール出来なくなったり、前にも後ろにも進めなくなって立ち往生したりしますので、慎重なうえにも慎重な対応をすることが必要です。これは、私が今までの色々な体験をして学んだ教訓です。

  それで、「あぁ、今日は自分の車で登らなくて良かったな」と思って、ずっと歩いて下山して来ました。
 そして、JR宮地駅から自分の車を運転して帰る途中、戸下方面も撮影しようと思って、国道から側道の坂道に入るべくハンドルを左に切って進入したのですが、何とそこには一面の積雪で、雪の下は凍っていて、車両のタイヤがズズズゥーとコントロールが効かなくなって滑り出し、あと30㎝位のところでガードレールにぶつかりそうな状態で止まって、車が道を塞いでしまいました。
  さぁ大変、車のコントロールが効かなくなりました。迂闊に動かすと、車が滑ってガードレールに衝突して、おそらく修理代が20万円位発生してしまいます。「困ったな、どうしよう」とちょっと考えましたが、ここはやるしかありません。停止した状態でハンドルを左右に何回か動かしてタイヤ周りの雪を出来るだけ排除し、改めてハンドルを左に切り、車両がスリップしないように極く極くゆくっりとアクセルを踏んで、脱出を試みたところ、何とか無事に切り抜けることが出来ました。本当にヒヤヒヤもので、脱出した時は「ホッ」としました。

  私のこれまでの雪道の教訓は、まだ活かされていなかったようです。雪を甘く見てはいけません。そもそもやはりノーマルタイヤで行ったのが間違いでした。反省。

6. 競争と生き残り (2016.01.26)

  週刊エコノミストに「会計士・税理士・弁護士、これまでと同じ仕事では生き残れない」という特集記事が載っていましたので、買って読んでみました。弁護士の分野については、いわゆる弁護士人口の増加による競争激化の話ではなくて、企業法務を中心とする大手法律事務所の話でした、

  大手法律事務所とは、主に丸の内に事務所を置く西村あさひ(482人)、アンダーソン・毛利・友常(359人)、森・濱田松本(341人)、長島・大野・常松(330人)、TMI総合(328人)などの事務所で、ひとつの事務所で熊本県弁護士会の会員数(266人)よりも多い弁護士がいます。日本の弁護士事務所は、1人事務所が約60%、2人事務所が約18%、3~5人事務所が約16%で少人数のものが殆んどですので、大手法律事務所の弁護士数がいかに多いかが分かります。このような大手法律事務所は、不良債権処理に関連した不動産の証券化やM&Aといったビジネススタイルの変化したことによって増えて、司法試験合格者数の増加したことがこのような大規模化を可能にしたとされています。

  記事を読むと、アソシエイト弁護士でも1年目からかなりの高給ようで、また、大手企業の大きなプロジェクトや未開拓の分野に取組めたりしてやり甲斐は大きいものがあるのでしょうが、他方では、昼夜の区別もないほどに私生活も犠牲にしてハードに働き、アソシエイト弁護士として残るために売上目標を設定されたり、パートナー弁護士になるには例えば2億円の売り上げが必要とされている事務所もあるなど、競争はかなり激しいようです。それで、実際には、このまま事務所に残れるのか、独立をしてもやっていけるのかどうか、不安に思っておられる方も多いようです。

  自分が、弁護士として、どの場所で、どのようなスタイルで、どのような分野での活躍を目指すのかは、最終的にはその弁護士の人生観と価値観によるところです。
  私は熊本という地方である程度の複数の専門分野を持ちながらも、オールラウンドな分野で、紛争解決のお手伝いをして、少しでも社会の調和の実現を図ろうと努力して来ました。今日の記事を読んで、改めて、「俺は俺。熊本の地で、競争や生き残りなどには頓着しないで、この世における自分の役割を自覚して、これからも頑張るぞ。」と思いました。

5. 「熊本羅針」2月号の表紙 (2016.01.22)

  熊本県中小企業家同友会の会報誌「熊本羅針」の平成28年2月号の表紙に、私の写真が掲載されました。
  写真のタイトルは「百華百彩」です。

  写真に添えた言葉は、次のとおりです。
  「闇の中に浮かぶ和傘のオブジェ。
   その輝きは幻想的だ。
   光を見つめ、自分と向かい合って、
   大切なものを感じ取る。」

4. Sati Ⅱ (2016.01.17)

 心を澄ませば、毎日色んなことに気付きます。

1 「 毎日毎日練習だ
  好きなことができるって幸せだ
  ずっとやりたい野球だよ
  楽しい楽しい野球だよ」 
  新聞に載っていた小学3年生の詩です。
  大人になってもいつまでも忘れないでいたい感性です。

2 「通学路 寝癖が揺れるその風に
  ノンフィクションの「今日」が始まる」
  (現代学生百人一首)
  これもなかなかいい感性ですね。今日を生きています。

3 「 世界が終る前に 聞かせておくれよ
  満開の花が 似合いのCatastrophe
  誰もが望みながら 永遠を信じない
  ・・・なのに きっと 明日を夢見てる
   儚き日々と このTragedy Night」
   (WANDS  「世界が終るまでは・・」)

4 「誰に分かるというの?
  道がどこに向っているのか
  一日がどこに流れて行くのか
  時だけが知っているのよ」
  (enya  「only time」)

5 「目を閉じて
  じっと耳を傾けて
  生きていることを感じたなら
   足りないものなんて 何ひとつないの
   理由なんか要らない
   一日を そのまま過ぎるに まかせるのよ」
  (enya  「wild child」)

色々な人が、色々なことを考え、感じています。

3.「オフィーリア」インパクト (2016.01.05)

 今日の朝日新聞朝刊の宝島社の広告にはびっくりしました。それは、全面見開き2ページの大きな広告で、イギリスの画家ミレイの絵「オフィーリア」をベースとした広告でした。

 「オフィーリア」は、シェイクスピアの「ハムレット」に出てくる若い女性で、ハムレットに父を殺されて狂気となり、美しい花々と共に澄んだ小川の流れに仰向けになっている姿が描かれたものです。目は開いたままで口も半開きですので、「生と死の境界」の状況だと言われています。私も東京の展覧会で実物を鑑賞したことがありますが、女性と生と死について、透き通った神秘的で窮極的な美しさを感じました。

 ただし、今回の広告がこの実物の絵と大きく違うのは、女性が若い女性ではなくて女優の樹木希林さんで、しかも顔が目を開けて笑っているというか、微笑んでいる表情をしているという点です。
 そして、「死ぬときぐらい好きにさせてよ」というコピーが付けられていて、「人は必ず死ぬというのに。長生きを叶える技術ばかり進化してなんとまあ死ににくい時代になったことでしょう。死を疎むことなく、死を焦ることもなく。ひとつひとつの欲を手放して、身じまいをしていきたいと思うのです。人は死ねば宇宙の塵芥。せめて美しく輝く塵になりたい。それが、私の最後の欲なのです。」と続けられています。
 これだけインパクトのある広告は珍しいと思います。色彩の美しさでも、メッセージの内容でも。樹木希林さんをモデルとしなければできない表現です。凄い広告だな~と、暫く見とれていました。

 生に執着せずに、肩の力を抜いて人生を過ごして、こんな風に微笑んで死んでいけたら、いいでしょうね。現実社会では目標達成や人生での役割も大事ですが、一方では、こんな生への執われのなさ、無為自然、老荘思想的な余裕も持っていたいものです。

2. 冬山で感じるもの~非日常の世界 (2016.01.02)

  年末に急に思いついて、2泊3日の弾丸で、北アルプスの西穂高に撮影に行って来ました。
  くじゅうや阿蘇では雪山の経験はありますが、北アルプスの本格的な冬山は初めてなので、アイゼン(クランポン、登山靴に装着する金属製の爪)と登山用ゲーター(ロングスパッツ)を新調して、厚手の手袋その他防寒対策をして出掛けました。アプローチは、自宅→博多、福岡空港→松本空港で、途中の待ち時間を含めても約4時間で着きますので、東京からのアクセスとさほど変わらずに便利です。松本→新穂高(岐阜・奥飛騨)は特急バスで2時間です。

  新穂高ロープウエイを降りて、アイゼンで雪を踏み込みながら約1時間半雪道を登って行くと、西穂山荘(山小屋)に着きます。ここまでは易しいルートですが、最後の方はかなり急登が続くので、カメラ、レンズ、三脚などの撮影器材を背負ってかなりきつい思いをしました。雪道の急登は新調したアイゼンがしっかりしていて、助けられました。

  雪山は小屋付近で-11℃、西穂高頂上は-15℃、寒さは肌を刺し、手はジンジンと痺れ、体を動かさないと寒さでガタガタと震えます。地上とは全く違う別世界、「非日常の世界」です(こんなことを言うと北海道の人には笑われるでしょうけど)。そんな世界を求めて、日本各地から色々な人が、色々な思いを持って、色々な装着をして雪山に登って来ます。山小屋に泊まる人もいれば、テントを担いで来てテント泊と自炊をする人もいます。小屋から西穂高岳まで登る人もいれば、途中の独標や丸山までの人もいます。色々な人がいますが、でも、皆んな山が好きなんですね。こんな厳しい雪山の季節に、わざわざ荷物を背負って登って来るんですもの。

  冬山に登ると、自分が「生きている」ことを実感します。生命がありのまま、自然のままに生存できない極寒の中にあるとき、そんな寒さの中を風に吹かれて、息をハァハァと切らしながら、上を目指して一歩一歩登って行くとき、きつくて上を見上げて立ち止るとき、ひしひしと生きていることを感じます。山では、惰性に満ちた日常を離れて、生きていることの、この瞬間瞬間を深く味わうことができます。改めて自分と向き合って、「あぁ、俺はこうやって今生きているんだ」と、強く感じるのです。
  
  日常の中で生きている実感を感じにくくなっているというのは残念なことです。本当は、私達がこうして今、息をしていること、心臓が動いて脈打っていること、立っていること、歩いていること、食べていること、話していること、感じていること、仕事をしていること、そのすべてが生きていることで、それはよくよく考えてみるとそのすべてが奇跡的なことなのですが、私達は日常の惰性に流されてしまって、それをいわば当り前のこととしか感じずに、この一瞬一瞬の、この瞬間瞬間の自分の存在と自分の行為に気付かなくなってしまっているのです。
  そして、私達は人間社会が作り出した言葉と概念と、そしてその認知の枠組の中で生きています。人間の枠組は利便であるとともに、不安や悩みの原因になります。そんな人間の枠組みに捉われることなく、心の奥底では自分の本当に大切なものを見据えて、自由でいたいものです。ただ生きている自分があって、いつもこの瞬間瞬間が最高なのだと、そう感じていたいものです。

  今年もまた、時々山に登り、風に吹かれて、空と雲を見て、光を感じて、大きく息を吸って、少しでも心を澄ませてみたいと思います。そしてまた、地上の日常の世界に戻っても、生き返った気持ちで、いきいきと命を輝かせたいと思います。

1. 新年のご挨拶 (2016.01.01)
 2016年(平成28年)、新しい一年のスタートです。
 一年のスタートだけでなく、人生の新たなスタートにしたいと思います。限られた時間の中で何を大切に思い、何を求めて、何をして生きて行くのか、模索しながらも手掛かりのある一年にしたいと考えています。
 仕事では一層業務を充実させて、人々の安心と社会の調和を目指します。趣味でも今年は一定の目標に向けてもっと創造的な表現が出来るように力を尽くします。
 私のいのちを輝かせます。
 皆様今年もどうぞよろしくお願い致します。