事務所ブログ

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140. 今年一年を振り返って (2014.12.31)

1.今年一年この事務所ブログをご覧頂きまして、ありがとうございました。今年もあと3時間となりました。今、紅白歌合戦をやっています。

2.今年は、社会的には、アベノミクス、消費税UP、STAP細胞、御嶽山噴火、集団自衛権、原発再稼動問題、衆議院選挙などと色々な出来事がありました。益々激動する時代に、日本と世界がどの方向に向うのか、来年も関心を持ってかかわって行きたいと思います。

3.個人的には、まず仕事面では、仕事に全力を尽くして、少しでもこの社会が調和を回復し発展ができるように願って来ました。人は生まれて来て、多くの時間を仕事に費やします。仕事は私がこの世に生まれてきた意味のひとつを成すものですので、更に研鑽し工夫して行きたいと思います 
 プライベートでは、スケジュール帳を眺めてみると、写真撮影に出掛けた回数は102回、映画鑑賞は36回、美術展は19回、コンサートは5回行っていて、ほぼ充実した年でしたが、北アルプスなど本格的な山行ができなかったのは少し心残りです。
 仕事とプライベートのバランスを取りながら、今後もいつもワクワクと冒険している人生でありたいと思います。
 皆様、良い年をお迎え下さい。

139. 年末年始のお休み (2014.12.30)

 事務所は、平成26年12月26日(土)~平成27年1月4日(日)まで、お休みとさせて頂きます。
 新年は1月5日(月)から業務開始となります。

 ご迷惑をお掛けして大変申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。

138. こころざし (2014.12.29)

 今年も顧問の会社や団体の関係を中心にして沢山の忘年会がありましたが、昨日が最後の忘年会でした。
 昨日は不動産情報誌や賃貸保証関係のグループ会社の忘年会で、会場が下通りの地下の「スローハンド」というライブ仕様の会場でしたので、私も雰囲気に合わせて元気よく乾杯の音頭を取らせて頂きました。その後は、社員の方々のバンド演奏やゲーム大会などもあって、大変に賑わい、なごやかで楽しい時間を過ごすことができました。

 このグループ会社の経営者の方とはかれこれ30年位のお付合いになりますが、大学卒業直後に、事業を通じてこの社会のユートピア化を目指すという志を立てられ、最初は机1つと事務員さん1人とで会社を立ち上げられ、その後は時代を読んで次々と事業を展開されて、今日の隆盛に至っています。
 ここまで事業を発展させるには、色々なご苦労があったことでしょう。今後も新しい事業の展開を考えておられるようで、あらためて色々とお話しを聞いていると、自分の志のもとに人生と仕事を貫いておられることが分かります。

 人生にとっても、事業や組織にとっても、ひとつを貫く「志の気高さ」の大切さを感じます。

137. 動産執行 (2014.12.29)

1.動産執行とは
 給付訴訟で勝訴して判決を取得しても、相手方が任意に支払わない場合には、強制執行が必要となります。この強制執行には、土地建物、自動車、債権、預金、給料等の差押手続がありますが、家財道具などの動産を差押える手続(動産執行)もあります。

2.差押禁止動産
 この動産執行は、昔はかなり有効で、執行官が相手方の家で家財道具を差押えをして、売却(せり)すると、競売屋さんがこれを落として、債権者は債権の回収をし、競売屋さんは自分の利益分を上乗せしてその場でまた相手方に売り渡すというようなことがなされていました。
 ところが、現在は、この動産執行は、家財道具の殆どが差押禁止になってしまいましたので、一般家庭に対しては殆んど効果がないようになってしまいました。すなわち、債務者が生活するのに必要ということで、個人の66万円までの現金、29インチまでのテレビ、ラジオ、ビデオ、冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、エアコン、食卓セット、タンス、ベッドなど殆んどの家財道具の差押ができないことになっていますので、一般家庭の債務者宅に動産執行をしても、費用だけかかって何も差押えることができないことが多い訳です。
 このような取扱いは、債権者からしてみると債務者が保護されすぎているという感じがして、特に現金が66万円あっても差押えできないというのは不合理な感じが否めません。
 また、私の経験ですと、債権者から「債務者宅にはエアコンが3台もあったが、執行官は現場で全く差押をしてくれなかった。債務者は保護されすぎで、メイン以外の2台目、3台目は差押えして然るべきだ。」という相談がありましたので、本人申立てで執行異議の申立書を書きましたが、却下になりました。ここまで差押禁止が拡大すると、少し行き過ぎかなという感じもします。

3・パソコンの差押
 そうなると家財道具で差押可能なのは、32インチのテレビとかパソコンということになります。
 ネット情報を見ると、「パソコン」は差押禁止動産にされていないから容易に差押可能という解説がなされていますが、私の経験からしますと、執行官は現場でパソコンの差押はしないこともあります。それは、パソコンには個人情報が入っているので、差押をすると色々と問題が出て来る可能性もありますし、売却の際にはデーターを全て消去する必要もありますので、その手間暇やリスクを考えると、とても差押えできないということのようです。
 実際、私の経験でも、執行官が現場に4~5台はあるパソコンの差押えをしませんでしたので、その条文上の根拠を尋ねましたが、以上のような説明をされたうえで、執行官でパソコンを差押える人はいないと思います、不服ならば執行異議を出して貰っても構いませんという答えでした。

4.動産執行の有効活用
 以上のとおり、一般家庭に対する動産執行は殆んど効果はなく、今では申立件数も少なくなっていますが、個人事業者や会社の事業所などに対する動産執行は、未だに有効、有用です。
 私はある全国大手の会社の事業貸付の債権回収の仕事(主に九州管内)をさせて頂いていますが、この関係で今年は2件、福岡と長崎で動産執行の申立てをして、執行官の差押現場にも立会いました。
 事業者なのである程度の現金や商品、備品等の差押えができますし、差押え自体があまり効果がない場合でも、裁判所の執行官が店に差押に来たというインパクト、心理的打撃は大きく、債務者としては何らかの対応をしないとまた差押えに来られては困ると考えるようになって、今まで全く話し合いに応じなかった債務者も分割払いで支払をするようになることが多いようです。
 
 動産執行には、この他にも所有・占有関係の認定、時価の査定など色々と問題がありますが、今後も勉強して活用したいと思っています。

136. 研究活動の不正行為への対応ガイドライン (2014.12.29)

 今年はSTAP細胞の件が随分と話題になりました。理化学研究所の調査委員会は、結局、小保方晴子氏のSTAP細胞を再現することはできず、ES細胞が混入したもので、そのES細胞の混入も故意によるものか過失なのか証拠上断定できないとしました。
 STAP細胞を巡っては、有名な科学雑誌に論文を書き研究成果を出さないと自分の地位や研究資金の獲得も危うくなるという競争的環境の他に、理研としてのES細胞への対抗意識や、1000億円規模の補助金を得られる「特定国立研究開発法人」への指定問題との関連などが報道され、本当は色々と奥深い問題があったのだろうと思われます。

 実は、私も、研究活動の不正行為の調査に関与した経験がありますので、この問題には深い関心を持っていました。最初に調査に関与した際には、研究機関でデーターの使い回しや捏造などが行われていること自体がとても信じられない思いでしたが、その一方で研究の仕方や研究者の方々の色々な厳しい状況なども理解できて、本当に勉強になりました。

 ところで、文部科学省は、平成18年に、文部省やその所轄の独立行政法人の競争的資金を活用した研究活動の不正行為に対応するためにガイドラインを設けていて、不正行為(捏造、改ざん、盗用)の定義を規定し、調査の結果不正行為と認定された場合には、競争的資金の打ち切り、申請の不採択、資金の返還等の措置を講じることになっています。
 不正行為の調査もこのガイドラインに沿って実施される訳ですが、私は、これまでの経験からすると、このガイドラインについては、次のような点で改善すべき点があると考えています。

1.実験データの要保存期間の規定について
 その第1は、不正行為の疑惑への説明責任という点に関連して、生データの保存期間についてはやはりある程度合理的な期間を明示しておく必要があるだろうということです。
 ガイドラインの基本構造は、「不正行為」については、故意にしたものでないことについて研究者側に立証責任が転換されていて、その立証ができなければ研究者は不正行為と認定されてしまうという不利益な構造になっています。
 そして、その研究者側としての説明責任については、①生データや実験ノート等によって証拠を示せない場合には不正行為とみなされ、②但し「各研究分野の特性に応じた合理的な保存期間」を超えて生データや実験ノート等が存在しない場合には、不正行為の認定はなされないことになっています。
 したがって、「各研究分野に応じた合理的な保存期間」というのが具体的には何年間を指すのかということは、不利益を被る研究者側にとっては非常に重要なことであって、この点については各研究分野の特性に応じて要保存期間が違うことがあり得るとしても、例えば5年間とか10年間とかある程度は明確な基準が示されておくべきだと思います。
 現場の研究者の方に質問した際にも、生データの保存期間は無期限だとか、10年位かなと、まちまちな面があるようですので、研究者に立証責任の面で不利益を課す以上は、この要保存期間については、各分野に応じてある程度の期間の基準を定めておくべきだと思います。

2.故意による不正行為以外のケースへの対応規定について
 次に、ガイドラインは、あくまでも「故意による不正行為」があるかどうかを調査して、これに対して強制的資金の打ち切り、申請の不採択、資金の返還等の対応をすることになっています。
 しかしながら、実際上は、厳密には故意による不正行為には該当しないけれども、研究活動上批判を免れないような大きな注意義務違反や監督義務違反があった場合の対応規定が必要です。
 勿論、日本の技術発展のためには研究活動が委縮するようなことがあってはいけませんが、他方で直接の故意による不正行為とは認定し難いけれども、それに準じるような研究活動上の大きな注意義務違反や監督義務違反があった場合には、何らの対応もなされないとすると、納税者の観点からすると、納得がいかないと思います。
 特に、研究活動や発表は研究室のチームでなされることが多いものですから、指導的な立場にある教授が直接不正行為をしていないとしても、誤ったデータを使用したことについて大きな注意義務違反や監督義務違反があるケースも相当あり得ることですので、そのことも想定して、ガイドラインの規定が整備されるべきだと思います。
 このような問題意識を持っていたところ、先日の新聞報道によれば、文部科学省は、今回ガイドラインを改訂し、「研究者としての基本的な注意義務を怠った」ために生じた結果についても不正行為に該当するようにしたとのことですので、この点は一歩前進で良かったと思います。

135. 「ブラッセリ―ラシュレ」 (2014.12.27)

 今日は、今年一年の妻への慰労を兼ねて南阿蘇の「ブラッセリ―ラシュレ」でランチしました。

 この店で初めて食事をしたのは7年前ですが、料理やサービスは勿論のこと、ロケーション、インテリア、雰囲気のよさに感心しました。その後は縁あって、私の写真集「spirit of Aso-時のしずく」を置いて頂いています。

 今回は殆んど私達だけでしたので貸切り状態で、寛いでゆっくりと食事を楽しむことができました。無農薬の色鮮やかな野菜や、新鮮な魚、肉などが、温められた大皿に丁寧に品よく盛付けられていて、シェフが愛情込めて大切に料理をされていることが伝わってきます。
 暖炉の温もりと、大きな窓から射し込む柔らかな陽射しに包まれて、ゆっくりと時間が流れて行く心地よさを感じました。しばし年末の忙しさを忘れるひと時でした。

134. 事務所の忘年会 (2014.12.24)

 平成26年12月24日の夜は、ホテル日航のフレンチの「レ・セレブリテ」で、事務所の忘年会を開催しました。
 この日はクリスマスイブでしたので、お料理は「Grand Noel」というクリスマスディナーでした。カップルで賑わう中での忘年会となりましたが、多忙を窮めた今年一年を振り返り、来年もまたよろしくということで、事務スタッフを労いました。

 弁護士はこのところ忘年会が続いていますが、いつものように明るくて饒舌で、終始和やかな雰囲気で、スタッフの慰労と親睦を深めることができました。
 この一年に感謝して、来年もまた楽しく仕事に励みたいと思います。(ガーデン担当:hakko)

133. くまモンに遭遇 (2014.12.22)
 今日、このブログNO.128のYPCの写真展の会場待機の支援のために鶴屋東館に入ったところ、熊本県のゆるキャラのくまモンが通路を歩いている所に遭遇しました。相変わらずの大人気で人だかりが凄く、みんなくまモンに頭を撫でてもらおうと興奮してキャーキャー騒いでいました。その傍で、熊本城のマスコットが淋しそうにしていたのも印象的でした。 
 
 くまモンの経済的効果は、日銀熊本支店によると昨年12月時点で約1244億円と言われていますから、今年一杯だと1800億円位になっているのでしょうか。くまモン成功の理由は、何と云ってもその愛らしさと、キレとコミカルさのある動きにあると思いますが、やはり、熊本県に申請して許可を得ればロゴとキャラクターを無料で使用できることも大きかったと思います。弁護士会でも会内広報用にADRニュースではくまモンのキャラクターを使っています。喋りすぎのふなっしーに負けずに、愛らしいキャラクターで益々活躍して貰いたいものです。
132. Chai maxx 本番 (2014.12.22)

 先日、ホテルで開かれた医療法人の忘年会の演芸大会で、ももいもクローバーZの「Chai maxx(チャイマックス)」を踊る本番がありました。
 練習について既にこのブログNO.122で書いたとおりですが、本番まで4回の練習会があり、そのうち私は何とか3回参加して準備をしました。

 忘年会の最初はスーツ姿できちんとしていました。冒頭で乾杯の音頭を取らさせて頂きましたが、盛り上げるために「みなさ~ん、今日は心からハジケル準備できていますか~?」と言ってマイクを差し出すポーズをすると、職員の方々も一緒に「イェーィ!!」と応じてくれて、いい雰囲気で始まりました。ただ、その後は、後で踊っている時にお酒が回っていて倒れてしまうといけないので、お酒は控え目にしていました。

 やがて係の人が呼びに来ましたので、控え室に行き着替えとなりました。衣装も殆んど職員の方による手作りで、私の色は上下ともゴールド、勿論下はスカート姿です。一緒に踊る女性職員の方が前日夜なべをして、花ベルトやマフラーまで用意してくれました。これに、自分でユニクロで買った上下の白タイツに、頭には買って来たネコ耳のカチューシャを付け、最後は顔中に色々とカラフルなシールを貼り付けて、準備OKです。

 演芸大会はチーム戦で、出番が来るまで舞台の袖で他のチームの出し物を見ていましたが、妖怪体操、アナと雪の女王、セクシーなビヨンセのダンス、そしてセーラームーンなど、どれも芸達者なものばかりなので、最後の出番の私達のチーム7人も負けないように気合を入れる掛け声を掛けました。
 そして、いよいよ本番。ももクロのダンスは激しいものです。自分ではにこやかに、はち切れんばかりの元気さで、踊りまくったつもりでしたが、やっぱり少し間違えた部分がありました。それでも、職員の方々が演台の下に駆けつけ、その中には「秀徳」のプラカードまで準備してこれを揺らして賑やかにコールをして頂いた方もいて、まさかそんなことまでして下さるとは予期もしておらず、もうかなりの感激ものでした。本当に楽しい楽しいステージでした。結果的にも、配慮して頂いたのだと思いますが、素敵な賞を頂くことができて、良かったと思います。

 舞台が終わった後はスーツに着替えましたが、その後もネコ耳のカチューシャと顔面一面のカラフルなシールを付けたままにして、終了まで楽しく過ごしました。そして、2次会にもこの姿のままで街中を歩いて行きましたが、すれ違う人が「可愛い~!」と言ったり、怪訝な顔で見たりと、色々な反応をして面白かったです。

 たまには、ハジケルことも大切です。
 来年も是非参加したいものです。

(写真は練習のときのもので、私は写っていません。本番の写真は後日にアップ予定です。)

131. ミニ講演 (2014.12.19)

  先日、タクシー共済の理事会の懇親会に参加しましたところ、「始まる前に最近の交通事故事案について何か話しをして欲しい。」ということでしたので、私の今年の担当事案を中心に簡単にお話しをしました。その内容は次のとおりです。
 
 ①弁護士特約案件
 まずは、弁護士費用特約による訴訟や交渉事案の増加という点で、この事案の特徴については、このブログのNO.123で書いたとおりです。

 ②整骨院の治療
 次に、整骨院治療に対する対応です。
 交通事故事案での治療は、整形外科と併用でもしくは整形外科と切替えて整骨院治療がなされる場合もありましたが、整骨院の中には保険適用があるのでこれで客を誘引して無用な診断や治療を継続する事例があります。被害者の方もマッサージされれば気持ちがいいですし、施術を受ければその日数に応じて通院慰謝料も貰えますので、応々にして治療期間が長引くことになってしまいます。
 整骨院治療については、判例の考え方は、医師の指示や了解がある場合か、整骨院治療を受ける客観的相当性がある場合にしか認められていませんが、損保会社や共済は、応々にして整骨院治療の開始時点でのこの点のチェックが甘く、治療の長期化を招く一因となっていますので、この点の注意喚起をしました。

  ③低髄液圧症候群(脳髄液圧減少症)
 この点については、特定の考え方をされる一部医師がこの診断名を付けて治療が長期化するので、その診断根拠や治療の方法が争点となって全国的にも多くの裁判例があります。
 熊本でも某病院の某医師が交通事故で長引く女性にこの診断名を付けて治療をされる傾向があるので、私としても問題意識を持っていましたが、今回熊本地裁でも、私が知っている範囲では2件、この某医師の診断は国際頭痛分類等の診断基準にもとづかない独自の見解であり、認められないと判断した判決が出されました。これらの判決は、熊本では今後はかなり有用になると思われます。

 ④駐車場内の交通事故の過失割合
 これまでは駐車場内の交通事故の過失割合については別冊判例タイムズには記載がありませんでしたが、別冊NO.36が出版されて、ここで、駐車場内の事故の過失割合は50%対50%とされたために、私の経験からすると、これが一人歩きしてしまって、損保担当者がどんな事案でも何でもまずは50%対50%の過失割合から交渉を始めようとする弊害が出ているようです。ここでは、このような考え方の弊害や事故現場や事故状況の具体的な分析の必要性を説明しました。

 ⑤ドライブレコーダー
 次に、珍しい担当事案で、タクシーがあ高齢女性を乗せて駐車場内の緩やかな段差を時速8kmで通り過ぎたところ、その女性が上記段差部分の通過により胸椎の圧迫骨折を負ったと主張して訴訟提起している事案を紹介しました。
 この案件では、当方は、①そもそもタクシー運転手の運転行為に過失はない、②この女性は長年に亘り骨粗鬆症のが既往症があり、しかも多発性骨折の症状を呈していたもので、本件事故と椎体骨折との間に因果関係はない、③仮に因果関係があるとしても、素因減額として損害の90%を減額すべきである、と反論しています。 
 事故態様の立証は、当事者の言い分が対立する場合にはかなり決着が難しいものですが、タクシー共済加入のタクシー会社のタクシーにはドライブレコーダーを装着させていますので、本件でも、時間、車内の様子、車両前方の様子、速度が動画と音声で記録されていましたので、非常に役に立ちました。交通事故紛争のかなりの割合は、事故態様と過失割合の紛争が原因ですが、ドライブレコーダーは1万円ちょっとで装着できますので、今後国内の全車にドライブレコーダーの装着が義務付けられるようになれば、紛争の件数はかなり減少することでしょう。

 ⑥女子の顔面醜状痕の後遺症と逸失利益・後遺症慰謝料 
 この点もよく争点となります。
 今年は、大学生女子の左眉の上に規定の3㎝の長さがあるかどうか微妙で、よく見ないと分からないような傷であるものの、既に自賠責保険で後遺症等級12級14号の決定が認められた事案で、被害者側から訴訟提起を受けた事案がありましたが、逸失利益の発生は考えられない等の適切な反論をしましたところ、判決は、逸失利益は原告の764万円の請求に対し、労働能力喪失率5%、喪失期間も5カ月間に制限して65万円しか認めず、後遺症慰謝料についても通常の赤本の290万円の請求に対し120万円しか認めませんでした。

 ⑦複数の事故と共同不法行為
 最後に、日時と場所が違う第1事故、第2事故、第3事故が発生した場合と共同不法行為の成否についてですが、この点は理論上も、事実認定上も難しい問題があり、ここでは長くなりますので、省略します。

  交通事故の紛争の案件は、実はかなり沢山の論点があって、奥深いものです。今後もさらに自分の知識と経験に磨きをかけて行きたいと思います。

130. 「熊本羅針」新年1月号の表紙 (2014.12.18)

  熊本県中小企業家同友会の会報誌「熊本羅針」の平成27年1月号の表紙に、私の写真の「今日という日」が掲載されました。

 この写真は北アルプスの燕岳(つばくろだけ、2762m)で、一面に雲海が広がる中で日の出を待つ人たちのシルエットを撮ったものです。新年用ですので、希望が表れるような作品を選んでみました。

 北アルプスの夜明けに佇む。
 この世界に起きることはすべて「新しいこと」であり、「同じこと」が繰り返されることはない。
 「この世界はすばらしい。」
 あらためて、そんな思いで、今日という日を生きて行きたい。

129. 紫垣事務所の合同忘年会 (2014.12.18)

 平成26年12月16日、「仲むら」で、紫垣法律事務所の合同忘年会が開催されました。
 この会は、私も勤務していたことがある紫垣陸助法律事務所出身や関係の法律事務所が、事務員さんや家族も含めて、合同で忘年会を開催するもので、もう30年近い歴史があります。今年もまた人数が増えて35名位の参加があり盛況でした。私の出発点となる会であり、大切に思っている会です。

 今年は、先生方のお子さん達も2名参加されました。お1人は事務所スタッフとしてご両親を支え、もうお1人はお父さんの後継者を目指して司法試験に挑戦されるそうです。立派に成長された子供世代を交えた忘年会は、例年とは一味違う新鮮なものとなりました。

 毎年恒例の紫垣先生ご夫妻のご配慮によるプレゼント大会も開催され、笑顔の溢れる、和気あいあいとした楽しい忘年会となりました。

128. 写真展「和の美」 (2014.12.17)

 熊本読売写真クラブ(YPC)の第3回写真展が、鶴屋デパート東館8階ふれあいギャラリーで、12月17日(水)~12月23日(火)まで開催されています。

 熊本読売写真クラブは、堀川宏講師の指導のもとに例会や撮影会などが行われていて、約20人余りの会員がいます。今回の写真展のテーマは「和の美」で、阿波紙という和紙をプリント紙に使用し、上下に木材を使った表装で、和の美しさが感じられる写真展となっています。
 私も「今日という日」というタイトルで作品を出品しています。紅葉の根子岳に佇む人が、出逢った風景の中で「今日」という日にかける思いを表現したものです。。

 年末の慌ただしい時期ではありますが、お買物のついでにでもご覧頂ければ幸いです。

127. ゆっくり味噌 (2014.12.12)

 当事務所のホームページを見られたことがご縁で、南阿蘇在住のKさんがわざわざご挨拶に来られました。    

 南阿蘇で、大豆や無農薬・有機のお米、そして「ゆっくり味噌」という約1年間熟成した味噌などを作られているそうです。柔らかな微笑みを浮かべた、穏やかで温厚そうな方で、初対面と思えないほど和やかに打ち解けた時を過ごせました。

 今朝は早速、「ゆっくり味噌」で作った味噌汁を頂きました。香りがよく、まろやかな優しい味わいでした。Kさんのお人柄がよく表れているように感じました。

126. 心遣い (2014.12.11)
 先日事務所で仕事をしていると、お昼前に若手の女性弁護士の先生が事務所を訪問されました。事務所に上がって頂くと、元気な声で「先生には、一年間大変お世話になりました。」と、わざわざご丁寧なご挨拶とお心遣いを頂いて、大変恐縮しました。
 
 この先生は、弁護士会の各委員会の活動にも積極的に参加しておられるので感心していますが、社会人の経験もあられるので、今回のようなきめ細やかな心遣いができるのだろうと思います。心遣いができるということは、仕事にしろ家庭にしろとても大切なことだと思います。
 今後の仕事面でもきっと大きくはばたかれることでしょう。益々ご活躍されますように願っています。
125. 冬の贈り物 (2014.12.11)

 長くお付き合いのあるFさんが、事務所にシクラメンの鉢物を届けて下さいました。Fさんは以前花屋さんをされていたので、花の選別眼が確かで、Fさんから頂くお花はいつも生命力に溢れていて、活き活きとして元気がよいのです。
 Fさんご自身も朗らかでおおらかな方で、いつも笑顔がチャーミングな女性です。

 いつまでもお気にかけて頂いて、季節のお花をお届け頂けることに感謝致します。事務所の玄関口に飾らせて頂いています。
 皆様に楽しんで頂きたいと思います。(ガーデン担当:hakko)

124. ハラール認証 (2014.12.08)

 先日、熊日新聞で、私が顧問をさせて頂いている県内の牛肉食品加工会社が、熊本県の支援のもとで、ハラール認証を得て、日本で初めてインドネシアへの国産牛肉の輸出を始めることが報道されていました。

 インドネシアの人口はイスラム圏最大の2億4000万人で、経済発展により牛肉需要が伸びていますが、インドネシアへの食品輸出については、イスラム教の教義による処理がされたことを証明する団体による「ハラール認証」が必要で、この認証がないと食品を輸出すること自体ができません。このハラール認証は極めて厳格なもので、調味料等を含めたすべての原材料にも豚肉に関する一切の関与が禁止されるうえ、製造加工もトレーニングを受けたハラール管理者が管理していることやイスラム教徒を雇用すること等が要求されています。
 私は今回の過程で、ハラール認証を取得するための現地の業者との英文の業務委託契約書のリーガルチェックを担当しました。
 世界のイスラム圏の人口は約16億人で世界人口の約4分の1弱を占めると云われています。熊本県内でも、イスラム圏の観光客誘致のために豚肉排除のメニューや食器、礼拝所の設置などの対応がなされているホテルもありますが、今回のハラール認証による牛肉輸出についても今後の市場拡大が望まれるところです。

 私が今回の「ハラール認証」の件で考えたのは、弁護士の業務拡大、グローバル化が主張される中で、この件についてももっと弁護士が活躍する場があるのではないかということです。ハラール認証を取得するための業者との業務委託契約の報酬もかなりの金額になりますので、このような場面にはより一層弁護士の関与が必要だと思われますし、そもそも、ハラール認証の取得自体についても弁護士が全面的な委任契約を受けて、もっとグローバルに活躍して行く方法もあるのではないかと思います。私にとっても今後の検討課題です。

123. 弁護士費用特約と交通事故紛争 (2014.12.07)

 先日の読売新聞の報道によると、東京簡裁ではここ10年間で交通事故の紛争の案件が5倍に増加したとのことで、その原因として損害賠償保険の「弁護士費用特約」の存在があるとされていました。
 弁護士費用特約とは、交通事故にもとづく損害賠償請求をする場合に、一般的な損保会社では300万円まで弁護士費用が支払われる制度です。私は長年に亘り、何社か損保会社や共済関係の仕事をさせて頂いていますが、確かに弁護士特約案件が増加していることを肌で感じます。

 ただ、これまでの私の経験からすると弁護士特約案件の依頼者の方の意識にはある程度の傾向があるように思えますので、受任やその処理にあたっては注意が必要だと思います。
 まず、弁護士費用が自己負担のケースと比べると、権利意識が強いので、こちらが合理的な事実認定や法的判断を説明しても納得されないことも多く、それで被害が小額でも応々にして示談が決裂して訴訟にまで発展する場合があります。私が担当した事案では、物損の被害額が3万円で、過失割合の対立の差が20%、したがって実質的な金額の主張の差は僅か6000円にすぎないのに、全く譲歩されずに訴訟になったものがありました。この場合など自分が弁護士費用を負担するのであれば、僅かな金額のために訴訟にまですることはないのですが、どうせ弁護士費用は保険会社から出るのだから、たとえ小額の争いでも徹底的にやって欲しい、それが当然だとの意識が強いように思われます。裁判所案件が増加しているのは、このような事情が影響しているのかもしれません。
 次に、弁護士特約で弁護士に委任をした以上は当然弁護士が責任をもって回収をしてくれるべきだとの意識があって、回収面でもあらゆる法的方法を使って回収をするように求められ、回収ができないと弁護士の対応に不満が残るケースもあるようです。

 他方で、先日福岡で開催された損保会社の研修会に参加しましたが、ある大手法律事務所は、弁護士特約を悪用し、加害者に対し請求の段階で到底通りそうもない金額の請求をして、損保会社に高額な弁護士費用の請求をしてくることが報告されていました。

 弁護士特約によって、従前は弁護士が関与せずにややもすると曖昧で不透明な決着がなされていた部分が、弁護士が付いて案件が正式な権利救済の俎上に上って来たこと自体は望ましいことですが、一方では、以上のような色々な問題点が生じていることも事実です。今後も一層この制度の行方を見守って行く必要があります。

122. Chai maxxの練習 (2014.12.04)

 先日、顧問をさせて頂いている介護施設のドクターから、「年末の忘年会の出し物で職員と一緒にももいろクローバーZ(ももクロ)を踊ってくれませんか?」という連絡がありました。この施設の忘年会はいつも楽しい出し物や豪華商品のジャンケン大会などがあって楽しいものです。
 私がももクロが好きなのを知っておられるので、年甲斐もなくコミカルに踊って場を盛り上げる役目なのだろうと思って、「はい、いいですよ。」と二つ返事で引き受けました。「曲は何ですか?」と尋ねると、「Chai maxx(チャイ・マックス)」とのこと。
 ドリフターズの踊りやプロレスのポーズも取り入れた、激しくて楽しい曲です。内容的には、本当の敵は自分の中にあった、夢に向かって挑戦して行こうという歌です。

 今日の夜は、その第1回目の練習日でした。
 職員の方は5人の若い方、これにドクターと私が加わります。衣装も全部手作りするそうで、今日はスリーサイズを採寸されました。本番は髪飾り、花ベルト、それに何と「スカート」と「タイツ」姿で踊りまくることになります。考えただけでも恥ずかしい思いです。
 踊りは、事前にyoutubeで何回も見ていましたが、ももクロの歌と踊りは激しくて複雑なので、正式に細かい部分まで覚えるとなると相当大変です。1曲踊るだけで、ハァ、ハァと行って、体が汗ばんできます。センターで踊って欲しいということでしたが、それは恥ずかしすぎる、うまい職員の方がセンターになって下さいと言って、これはさすがに辞退しました。
 本番まであと20日位。もっと練習して、余裕を持てるようにしたいものです。

121. 「熊本羅針」12月号の表紙 (2014.11.20)

 熊本県中小企業家同友会の会報誌「熊本羅針」の12月号の表紙に、私の写真の「視線の行方」が掲載されました。

  これは冬のテーマパークのイルミネーションの中の女性を写したものです。
 裏表紙の解説としては、「見透かしのきかない世界で、光を求める。あなたが見つめ続けるものは、何ですか?」と書いています。

120. 秋のガーデンⅡ (2014.11.19)

 早いもので11月も残り少なくなりました。街中が秋色に染まり始めて、美しい季節が訪れました。花屋さんには、早くもクリスマスシーズンに向けた「プリンセチア」が登場しましたので、早速、事務所のガーデンのメインとして植えてみました。
そのプリンセチアを可愛らしく彩るのは「ガーデンシクラメン」です。

 プリンセチアに添えられたメッセージカードには、
「あなたの大切な人のために。」
「あなたの特別な時間のために。」
「かけがえのない幸せを願って、プリンセチアは色づきます。」と書かれています。
 一言一言が心に沁みて、温かな気持ちになります。是非、ご覧下さい。(ガーデン担当:hakko)

119. 中小企業のための法律セミナー (2014.11.14)

1. 平成26年11月10日、パレアホールで、弁護士会主催で「中小企業のための法律セミナー」が開催されました。私も共催の熊本県商工連合会関係への参加要請で協力させて頂きましたので、関心を持って参加しました。
 このセミナーは、中小企業に関する弁護士会や弁護士の色々な分野での活動を知って頂いて、中小企業や金融機関等の皆様との結び付きを強め、業務拡大に生かそうとするものです。参加者は、動員があったとは思いますが、スーツ姿の金融機関の方々が多かったようで、200名以上の盛会でした。

2. 第1部は、合同労組(一般労組)への対応がテーマでした。
 これはなかなかいいテーマだったと思います。よく顧問先の会社から合同労組から団体交渉を求める文書が来ましたといって相談があったりするからです。相手は労働問題の交渉ばかりしている専従のプロですから、会社側としては何となく怖そうという感じがして、すぐに相談に来られることが多いようです。
 これに対しては、今回は、合同労組を無視しない、敵視しない、労組といっても交渉の相手方だと理解して対応する、即答せずに弁護士などとも相談するなどのアドバイスがあっていました。
 弁護士の中でも厳しい団交の経験のある弁護士は割と少ないと思いますが、私は、合同労組との団交では思い出があります。それは、ある会社の大阪支店の社員が手当の件で合同労組に加入して団交を求めて来たので、大阪で合同労組と団交した時のことです。労組側からは委員長、書記長以下5人が出て来ましたが、何せ大阪弁ですから、それはそれはガラの悪いこと極まりなく、弁護士にも「ワレ、何言うてんねん!!」と怒鳴りつける始末です。それに、労組側は、本人を目の前にしていますから、せっかく労組に入って貰ったのだからといい所を見せて成果をかち取ろう頑張りますので、その話し方や要求はもう大変なものでした。品がいい(?)私としては、その態度に最初は唖然としてしまいました。
 しかし、私達もプロですから、やがて事実認定や法律構成を整理してじっくりと議論をして行けば、労組側もそう無理なことは言えなくなってしまいます。この案件でも、その社員の要求は通らずに、結局社員は会社にいづらくなって、会社を辞めてしまいました。
 最近も、顧問会社の社長から合同労組からの団交要求の相談があっていましたので、アドバイスを継続していましたが、団交の中では労組側は、「労働問題では自分達より詳しい人間はいない。」などとやや脅しまがいの表現をしたりする場合もあるようです。したがって、会社側として安心して対応するためには、やはり弁護士などの専門家に相談、もしくは代理人として委任をして対応されるのが最もよいと思います。

3. 第2部は、事業継承に関して、弁護士と、税理士、肥後銀行と熊本銀行の担当者の方とのパネルトークでした。中小企業としての事業継承への対応の必要性、親族内承継と親族外承継での考え方の違いの説明、事業承継問題の具体例などの話がありましたが、もう少し具体的事例での対処法に重点を置いた方が良かったかもしれません。

4. 弟3部は、「THE 債権回収」と題した弁護士による寸劇でしたが、これは、脚本、演出、演技、テーマの内容といずれも秀逸で、素晴らしいものでした。
 加瀬島先生の脚本・演出が良く、平島先生の進行は「アナ雪」の歌も含めてプロ並みで見事、伊藤先生の犬の叫び声も素晴らしいものでした。他の先生方も熱演でした。内容も、電器店のパソコンの売買を事例にして、ユーモアと笑いを交えながら、契約書作成の重要性(所有権留保、期限の利益喪失条項)、解除の問題、代物弁済、動産売買先取特権、物上代位、債務者の破産などを盛込み、そして最後は相殺を持って来て、ハッピーエンドにしたのは本当によく出来ていたと思います。
 今後もこの調子行けば、弁護士会をアピールできる劇団として十分活躍できると思います。次回からは、テレビ局に声をかけて、脚本や練習の段階から取材してもらって番組作りをして貰うのもいいかと思います。益々の活躍を期待したいところです。

118. 来生たかおコンサート (2014.11.13)

 平成26年11月2日(日)、来生たかおコンサートが森都心プラザで開催されましたので、出掛けてみました。
 ピアノの弾き語りで、往年のヒット曲「夢の途中」、「シルエットロマンス」など数多くの懐かしい歌を堪能しました。

 歌手としてだけでなく作曲家としての才能にも溢れ、来年で歌手生活40周年を迎えるそうです。
 髪の毛はすっかり白髪になり、昔のスリムだった頃の面影はなく、顔の輪郭は若い頃は逆三角形でしたが、今はふっくらとした丸顔になっていて、時の流れを感じました。しかし、歌声は全く衰えていなくて、かえって若い頃よりも表現力が深まっていて聴き応えがありました。
 
  そして、「一生歌い続けたい」との思いを率直に語るその姿には、プロとしての強い決意と覚悟を感じました。
 とても心地良い上質な時間を過ごすことができました。

117. 九弁連定期大会シンポジウム (2014.11.07)

 平成26年10月31日、鹿児島市の城山観光ホテルで、九弁連定期大会のシンポジウム「全面的可視化と全面的証拠開示をめざして」が開催されましたので、参加しました。

 このシンポの趣旨は、刑事事件では密室での違法不当な取調べによって虚偽の自白が生み出され多くの冤罪が生み出されていることから、違法な捜査を規制し冤罪をなくすために、①取調べの全面的な録音・録画によって供述がなされた状況を明らかにし、②証拠開示を法制化して捜査機関の保管する証拠にアクセスできる権利の実現を目指そうとするものです。

 これらの点については、法制審議会の特別部会から答申案が出されていて、①裁判員裁判対象事件と検察の独自捜査事件で取調べの全過程録音・録画を義務化する、②容疑者が他人の犯罪事実を明らかにすると求刑を軽くするなど有利な取り計らいが出来る司法取引制度の新設、③通信傍受が出来る対象事件に振り込め詐欺や組織的な窃盗など9類型の犯罪を追加する、④公判前整理手続きの中で、被告人側の請求があった場合、検察官は保管する証拠の一覧表を被告側に開示しなければならない、などの内容になっています。今後は法制審議会総会の決定を経て、来年の通常国会に刑事訴訟法の改正案が提出される見通しです。
 この答申案は、弁護士会の全面的可視化や全面的証拠開示の主張からするとまだまだ不十分なものですが、パネラーの映画監督の周防正行氏も会場で述べられたとおり、事件数では2%と少ないものの、全過程の録音録画が原則になり、現状に大きなクサビを打つことができたという意味では大きな一歩と評価できるものです。弁護士会でも、今後も益々活動を継続して行く必要があります。

 あとパネラーの発言で印象的だったのは、布川事件の冤罪被害者の桜井昌司氏の「(捜査機関が)税金を使って集めた証拠は公益のものでしょ!」という発言でした。当事者の方がより本質をついているのです。私達弁護士もいつのまにか、型にはまった制約的な考えをしていることを改めて反省させられました。

116. 「 熊本羅針」11月号の表紙 (2014.10.31)

 熊本県中小企業家同友会の会報誌「熊本羅針」の11月号の表紙に、私の写真の「出逢いの風景」が掲載されました。今月号からやっと待望のカラー印刷になりました(待っていたのは私だけかもしれませんが)。

 阿蘇の根子岳ですれ違った人を振り向きざまに一瞬で撮ったものですが、なかなかいい感じだと思います。

 裏表紙にの説明には、「風景の中で佇む人。この限りある生の中で、自分と向き合い、自分の存在を問いかける。今日もまた、この一日を、大切に、夢中で生きて行こう。(阿蘇・根子岳)」と書いています。
(写真ブログNO.1702に掲載しています)

115. 秋のガーデン (2014.10.29)

 秋らしい爽やかな日が続いていますので、事務所のガーデンも秋色モードに変えてみました。しっとりとした雰囲気の秋のガーデンに、彩りを添えるのは個性的な「フォーチュン・ベゴニア」。花びらが八重咲で色鮮やかなので、華やかさが際立っています。

 今日は朝からガーデンの植替えをしていますと、事務所の前を歩いていた上品な雰囲気の女性が突然立ち止まられて、話し掛けられました。「いつもお花が素敵だなと思って見ています。」と、優しい笑顔で言われました。
 ガーデン担当者として「事務所に来られた方々だけでなく、事務所の前を往来される方々にも季節の花々を楽しんで頂けるといいな。」と思いながらお花に接していますので、本当に嬉しくて、幸せな気持ちになりました。

 皆様に少しでも安らぎを感じて頂けるように、「明日からも花々を大切に思いながら、心を込めて接しよう。」と改めて思いました。(ガーデン担当:hakko)

114. 季節の味わい (2014.10.28)

 今日、坂本の大学の先輩のMさんが、ご自身で丹精込めて作られたさつま芋と里芋を事務所に届けて下さいました。掘りたての土がついたままの新鮮な野菜は、見るからに美味しそうです。

 Mさんのお心遣いに心から感謝して、「里芋饅頭の餡かけ」を心を込めて丁寧に作り、みんなで美味しく頂きました。里芋の食感を残すために蒸した里芋をあえて荒めに裏漉し、やや多めのオイルで揚げ焼き風にこんがりとソテーしてヘルシー仕立てにしました。里芋の中には、新生姜を効かせた甘辛味の挽肉を入れました。里芋のほっくり、ねっとりした味わいはまさに秋の味覚。とっても美味しかったです。
 Mさん、いつも本当にありがとうございます!(ガーデン担当:hakko)

113. 都会のエグゼクティブな法律事務所 (2014.10.24)

1.昔はアメリカのローフォームには1000人規模のものがあると聞いて驚いていましたが、近年は日本でも、いわゆる5大事務所では、西村あさひ(473人)、森・濱田松本(336人)、長島・大野・常松(317人)、アンダーソン・毛利・友常(296人)、TMI総合(292人)と、大規模な人数になっています。熊本県弁護士会の会員は約250人ですから、これらの事務所はひとつの事務所で地方の単位会よりも人数が多い訳です。
 このような大規模化の理由は、外資系に対抗するためのファイナンス系ビジネスロイヤーの増加と、総合化、ワンストップ化によって相乗効果を上げるためと言われています。

2.私もこれまで、いくつも東京の法律事務所を見て来ましたが、やはり一番印象的だったのは、数百億円規模のM&A(企業買収)の案件を担当した際に、相手方上場会社の代理人が旧森綜合法律事務所の弁護士で、東京の同事務所を訪れて交渉した時のことです。
 契約書は噂通り週刊誌位の厚さがあって、冒頭からこと細かい概念定義が記載されていて、各条文もこれでもかという位に細かいことまで書かれていました。事務所で作られたM&Aの定型的な契約書を土台としたものだろうとは思いましたが、日本では何もここまで書く必要はないでしょというのが正直な感想でした。
 交渉のあと、事務所内を案内して頂きました。事務所は大規模で、ビルのフロアーを何フロアーも貸切り、登記の部署だけでスタッフが10人以上もいて、さすがだなと思いました。

3.最近では、10月に上京した際に、私がかつて熊本で弁護修習を担当したI弁護士が勤務している丸の内のA法律事務所を訪問しました。この事務所には、以前私の事務所で5年間勤務していたMさんも、事務スタッフとして勤務しています。
 事務所は、パートナー18人、アソシエイト11人、カウンセル数名など弁護士が30数名規模の事務所で、お堀のすぐ近くで皇居を眺めることができる絶好のロケーションにありました。ビルも生保の大きな高層ビルで、見るからに立派な事務所でした。13階にある事務所を訪れると、私も面識がある代表の庭山正一郎先生(元第2東京弁護士会会長)もI弁護士と共に出て来られて、一緒ににこやかに対応や案内までして下さって、大変恐縮しました。
 事務所は250~300坪位はあるでしょうか。ついひと月いくらの賃料なのかなと計算してみたりしました。そして、やはり待合や打合せスペースはセンスがあって、ゆったりとしたスペースが沢山あり、さすが日本の中枢で企業法務を中心としている事務所だなと感心しました。私の事務所もかなり気を配っているつもりですが、やはりプロの手による空間デザインのセンスには足元にも及びません。次に、弁護士やスタッフの執務室も案内して頂きました。当然セキュリティーがかかっていて、カードロック式になっていました。執務室内は区切りのない広々としたオープンスペースで、皆さん忙しそうにされていました。「I弁護士とMさんをこれからもよろしく!」と言って、精一杯愛嬌を振りまいて来ました。
 この時のことは、いや本当にいい刺激になりました。

 夜はI弁護士とMさんと3人で会食をしました。I弁護士も自分の関心のある分野に力点を置こうとされており、来年4月からはニューヨーク大学に留学するとのことでした。また、Mさんも益々洗練されて、仕事のできる立派な「丸の内レディ」になっていました。久し振りの再会で楽しい夜を過ごすことができましたが、何よりも自分と関わった2人がこうやって東京で立派に仕事をしていることがとても嬉しい限りでした。
 住む場所は違うけれど、お互い、それぞれの人生のために、そしてよりよい社会の実現のために、これからも一層精進して行きましょう。

112. 日弁連ADR委員会(全体会議、部会) (2014.10.23)

 平成26年10月17日、霞ヶ関の日弁連会館で、ADR委員会の全体会議と部会がありましたので参加しました。

1.原発ADRは今だに月300~400件の申立があっているようで、原発事故の影響の大きさが分かると共に、ADRが裁判所が果たせていない権利救済の役割を大きく担っていることが分かります。
  ADRが、従来の裁判のシステムに捉われない、日本の「民間裁判所」として大きく発展していく契機になればと思います。

2.部会では、来年2月の実務者懇談会のテーマについて議論がありましたが、どうしてもあっせん人の選任方法や事務局対応などの手続的な議論に進みがちでしたので、私はあえて反対の意見を述べました。
 それは、
①弁護士会ADRについての問題点の捉え方には、大単位会や先進会と、中小単位会とでは捉え方に大きな違いがある。先進会などは一定の申立件数があるので手続的な議論が中心になるけれども、中小単位会の関心は何と言ってもADRの活性化、利用件数の確保にある。
 そして、活性化の問題は、本当は大単位会の問題でもあって、例えば、あえて言うならば、東京3会のADRの現状も活性化しているとは言い難く、人口や弁護士数を考えると本来は今の利用件数の10倍の利用件数があっても良いと思う。未設置会についても、どこに弁護士会ADRのメリットがあるのかについて懐疑的な会が多いのが現状で、ADR設置に向けて一緒に動いて行こうと熱意も感じられない。
②以上のような状況下では、今後もADRは鳴かず飛ばずで細々と存在しているという状況が続くだけである。私は弁護士会ADRは日本のADR全部を索引していくリーダーであるべきだと考えているが、弁護士会ADRが今のような状況では、今後日本のADRが大きく発展して行くことはない。ADRを日本の「民間裁判所」に育て上げようとするADR法の理想を達成することはできない。
③そして、このようなことの原因は、大変失礼とは思うが、自分も含めて、この日弁連のADR委員会そのものが、ADRの理想と活性化への熱意に欠けてきている面があるからだと思う。自分達がもっとADRバカにならないといけないと思う。したがって、以上のような問題状況からすれば、実務懇談会も、手続的な面よりも、むしろ、未設置会の委員も全部員を呼び寄せて、もう一度ADRの原点に立ち還り、ADRの熱意を吹き込み、弁護士会ADR全体を活性化するような機会にすべきである。というようなことです。

  委員会の執行部の先生方も何かと大変だと思いますし、私も口先だけという思いもありますが、弁護士会ADRがもっと少しでも良い方向に行くことを願っています。

111. 引き算と余白 (2014.10.13)

 よく写真は引き算だと言われます。これは、カメラのシャッターを押すと色々なものが雑多に写り込んでしまいますから、自分が何をどう表現しようとしているのか、自分にとって大切なものは何かをよく考え、絞り込んで、そして構成もよく考えて、表現をしろということです。

 もっとも、これは表現一般に当てはまることです。
 先日、東京竹橋の国立近代美術館に「菱田春草展」(明治の日本画家)を観に行きましたが、その代表作である「落葉」には、繊細でリアルに描写された木立の背景には、雑多なものはなく、空白が描かれています。この空白が大きな空間的な広がりを出しています。
 東洋美術の真髄は「余白の美」にあると言われますが、大切なものを考えて引き算をし、引き算をして行くと、シンプルな構成となり、その究極は何もない余白、あるいは無に辿り着きます。
 そして、その余白はは単なる余白ではなくて、奥行きのある空間であり、ひいては、生と死、生命、時間と存在、変化と永遠、神、真理、この世界の不可思議さなどの色々なものが感じとれるものなのです。それは、私達が、余白を見て、自分が生きていることを問いかけていることでもあります。
 まず引き算された余白に気付くことと、そして余白に佇んで見つめることが大切です。

 考えてみれば、生きてることも同じことで、私達は生まれてからこの方いろんな欲求を身につけて生きていますが、そんなものの殆どは捨て去って、引き算をして、結局自分にとってこの限られた生命を生きて行くのに大事なものは何なのかを考え、絞り込むと、きっとシンプルで、いい生き方ができるだろうと思います。
 

112. あしたがRの相談ブース (2014.10.11)

 平成26年10月11日(土)、熊本放送(RKK)の催物の「あしたがRパーク」で、熊本県弁護士会の相談ブース(テント設営)を設置させて頂きました。
 これは、現在RKKにも弁護士会のテレビCMの放映をお願いしていることから、パブリシティ(無料広告枠)の一環として会場に相談ブースを設置させて頂き、さらに会場の各ブースを取材する番組の中で弁護士会のPRをさせて頂いたものです。本来は11日(土)、12日(日)の2日間の予定でしたが、台風接近のために11日のみとなりました。
 
 私も担当の先生方の激励と差入れのために会場に出掛けましたが、遠くから見ると弁護士会のブースが大勢の人で一杯のようで、喜んで近づいてみると、それはお隣のブースでした。
 それでも4名の若手の先生方が、事前に準備をされて、会場でも看板を見せて回ったりチラシやティッシュを配ったりして、熱心に弁護士会のPRに努めておられました。また、その後の番組内での弁護士会のPRもうまく行ったようで安心しました。
 担当された先生方、本当にお疲れ様でした。また、RKKや電通九州様にも大変お世話になりまして、ありがとうございました。

 少しづつではあっても、やはり地道にこのような広報を積み重ねて行くことが必要です。対外広報PTも、これまでと同じことをするのではなく、また新しいアイデアを出して、さらに熱心に活動できたらと思っています。

110. 芸術の意味 (2014.10.09)

 ここのところ休みの日は美術館巡りが続いています。
①県立美術館本館、分館の県美展、②東光会展、③筑後市の「ロバート・キャパ展」、④福岡市のアジア美術館、⑤東京竹橋の国立近代美術館の「菱田春春展」(日本画、落葉シリーズなど)、⑥東京六本木の国立新美術館の「新制作展」と「オルセー美術館展」(ミレーの晩鐘、カバネルのビーナスの誕生など)、⑦分館の千葉城、キャノン、ニコンの各写真展などです。

 どの作品もそれぞれに思いを込めて製作されたものではありますが、何百、何千の作品を見ても、一瞬で釘付けにされる作品は少数です。でも、その出逢いを求めて、色々と勉強に、そして楽しみに行きます。そして、そんな作品に出逢った時には、その場に佇めば、その作品の中に入って、私の何かが少しだけ変わるのです。
 特に国立近代美術館は、30回以上は通っていると思いますが、すばらしい出逢いが多く、日本画のいいものに出逢うとそのモチーフと表現の繊細さに心から感動します。心から出逢ってよかったと思います。

 芸術も究極的には「存在の不思議への問いかけ」だと思いますが、色々な作品に出逢うと、そんなことは関係なく、目的なんかとも関係なく、やっぱり表現すること(絵を描くこと、彫刻をすること、写真を撮ること)それ自体が嬉しい、楽しくて仕方ないということがベースで、そのことがまさに「今、生きている!]ということだと思います。

 「人生は本来、瞬間瞬間に、無償、無目的に爆発し続けるべきだ。いのちのほんとうのありかただ。」
 「芸術は爆発だ。」(岡本太郎)
 そんなことを実感します。

109. 凛々しさ (2014.10.06)

 平成26年10月4日の夕方から、熊本ニュースカイホテルで、早稲田大学校友会九州・山口・沖縄ブロック会議in熊本の合同懇親会がありましたので、参加しました。

 色々な校友の方とお話しができて有意義でしたが、今回は最後に皆んなで大円団を組んでの校歌斉唱をした時の、応援リーダーの凛々しさ、素晴らしさに感動しました。
 それもそのはずで、今回のリーダーは、3月まで早大応援部のリーダー長をやっていて、4月に野村証券に入社して熊本に赴任して来たMさんで、いわば応援のプロだったからです。見た目も格好いい青年ですが、応援の型のキレと声のキレ、動作のしなやかさ、奥深さ、そして、それを支える人間性があって、大勢の人の心をすぐにひとつにできる力量は、とても素晴らしいもので、感動しました。
 応援部の訓練と言えば、それは相当厳しかったことでしょう。それに耐えて、4年間母校のために全身全霊を懸けて来た、何か風格のようなものを感じました。熊本の地でも、そのspiritで頑張って欲しいものです。

108. 創業スクールの講義 (2014.10.06)

 平成26年10月4日は、熊本市現代美術館のアートロフトで、熊本県商工会連合会主催の「創業スクール」の講義をさせて頂きました。

 この創業スクールは、地域での創業を考えている方々に、創業の手続や助成、事業化アイデア、成功の条件、マーケティング、税務会計等々の創業に必要な知識を、週末を利用して連続講義がなされるもので、私は「事業経営に役立つ法律知識」という内容で、2時間余りお話しをさせて頂きました。

 創業を考えておられる方にはこれまでにも何回もお話しをさせて頂いていますが、この手の話しはどうしても堅苦しくなりがちですので、私は皆さんにできるだけ楽しく聞いて頂けるように、自分のこれまでの色々な体験を引き合いに出し、時には笑いも誘いながら、ざっくばらんに語りかけるような感じを心掛けています。
 終わってから、質問にこられた受講者の方から「先生の話は面白かったです。」と言われると、社交辞令だと分かっていても、少し嬉しくなります。

 また、私も一応経営者のはしくれですので、これまで感じて来た経営上大事だと思うこととして、①自分の人生の目的と意味の確認、明確化、②情熱とビジョン、③仕事上の精進工夫、④気配り、⑤open mind、⑥人脈作り、広報戦略、などについてもお話しをさせて頂きました。少し熱くなり過ぎて、どちらかというとこちらの方につい力が入ってしまいました。

 何かひとつでも皆さんの心に残ったのであれば幸いです。

107. 八士業の大懇親会 (2014.10.04)

 平成26年9月26日、ホテル日航熊本で、熊本県専門士業団体連絡協議会(弁護士、司法書士、公認会計士、税理士、行政書士、土地家屋調査士、社会保険労務士、不動産鑑定士)の大懇親会が開催され、約180名の参加がありました。

 この大懇親会は2年前に同協議会の活性化を提案をさせて頂いたのを契機に開催されるようになり、今年で3回目ですが、益々活性化してきており、喜ばしい限りです。特に、各士業の若い先生方が積極的に参加しておられ、有意義な会になっていると思います。
 また、今回は各士業の先生方の出逢いの機会を多くするために、一度テーブルをシャッフルして席を移動させるという新たな工夫もしました。
 今年の幹事会である土地家屋調査士会には大変お世話になりました。

 来年は、弁護士会が幹事会です。対内的には、各士業の独身の先生方同士の合コンを企画したいなと考えていますが、対外的にも現在の合同相談会の他に何か社会的に有意義な活動ができないものかと考えています。何事も情熱と、ビジョン、アイデア次第です。来年も一層の活性化を図って行きたいと考えています。

106 崩れ落ちる兵士 (2014.10.04)

 ロバート・キャパの写真展が、福岡県筑後市の九州芸分館で開催されていましたので、出掛けてみました。

 ロバート・キャパは言わずと知れた20世紀を代表する戦場カメラマン、報道写真家で、初期の作品群は恋人のゲルダ・タローとの共同作業によるものであることが知られています。
 ロバート・キャパの作品は、既に東京都写真美術館の収蔵展で、銃弾の飛び交う中でノルマンディー上陸作戦を取材した作品を見たことがありますが、やはりその迫力と緊張感はさすがでした。演出や脚色のない、ありのままの事実の描写は、やはり力強い感動と説得力があります。
 今回はロバート・キャパだけを特集した写真展で、多くの作品を一度に見れる機会となりました。一番見たかったのは、1936年にスペイン内戦で撮影した「死の瞬間の人民戦線兵士(崩れ落ちる兵士)」で、戦場での不条理な死を表現したキャパの代表作ですが、この写真には、昔からやらせだとか、死んでいないとか、実際はタローが撮影したものだとか諸説あって、現在でもなおこれを論じる新刊書が発行されています。実際上は決め手はなくて、謎という他ないようです。

 それにしても、報道写真を見ていつも思うのは、演出のない「事実」の記録という重みです。写真をやる人は記録と創作の間で揺れ動いていると思いますが、どちらにどう重点を置くかは悩ましい永遠の課題です。

105. 生まれてきた意味 (2014.09.26)

 9月24日の夜は、熊本県立劇場で「友情~秋桜のバラード」という舞台と、昭和ヒット歌謡ショーがありましたので、両親を連れて出掛けて来ました。

1.舞台は、骨髄バンクのチャリティーになっていて、この15年間で全国で500回以上も公演されているそうです。
  物語は、14歳の白血病の中学生を主人公にしたもので、この少女や家族、先生、そしてクラスメートらが、人間の生命を見つめて、自分の存在を問い、愛と思いやりと友情と絆と、そしてそれぞれの人生を深めて行くというものでした。かなり感動しました。
  キャストは、松方弘樹、山本陽子、釈由美子、石橋保、おりも政夫、佐藤蛾次郎、不破万作、池上季実子らで演技に見応えがありましたし、中学生役を演じた若手俳優さんらも、一生懸命で生命が躍動していて、とても良かったと思います。やはり、舞台は映画とは違って、生の息吹を感じることができるので、とても魅力的です。特に今回は、運良く最前列で観ることができましたので、役者さんの細かい表情や息遣いまで観ることができて、余計に引き込まれてしまいました。

  舞台のなかで、主人公の少女は叫びます。
  「生命って、一体何なの!」、「私は、何のために生まれて来たの!」、「私達はどうして出逢ったの!」。「死ぬのがこわい。死にたくない。」  そう、それは人生で一番大事な問いかけです。普段はみんな忘れてしまっているもので、そして、本当は誰も分からない、誰も答えることができない問いかけです。
  人は、自分の病や人の死などに出逢った時に、あらためて自分の存在と生命を見つめ直して、それらの不思議に気付くのです。そして、例え本当のことは分からなくても、自分の存在と生命の不思議をしっかりと心に見据えて、自分なりの夢を持って、また明日から一日一日を大切に生きて行こうと誓うのです。
  「毎日は奇跡の瞬間の積み重ね」。毎日そのことを実感して過ごすことができるなら、どんな人生でもきっとすばらしいものとなるでしょう。
  今回の舞台は、人間の生き方の核心をついたいい舞台でした。骨髄ドナーへの理解もより深まることでしょう。私も帰りにはカンパをしてきました。

2.後半は昭和ヒット歌謡ショーで、千昌夫、山本リンダ、黛ジュン、チェリッシュ、黒沢年雄、三善英史、おりも政夫らで、前回の4月の市民会館での公演と殆んど同じメンバーでしたが、やはり楽しいものでした。
  特に、千昌夫氏は、歌の聞かせ方とトークのうまさ、観客の楽しませ方、終了後の物販力の凄さなど、観ていて本当に感心しました。多くの人を惹きつけて楽しませることができるエンターティメントの力は凄いものです。私もキラキラ光るペンライト2本を振って、楽しいひと時を過ごしました。
  明日からも、またガンバロー!。

104 .裁判官から見た弁護士 (2014.09.24)

 平成26年9月16日、弁護士会の業務対策委員会の研修会が開催されました。今回は元裁判官の出田孝一弁護士に「裁判官から見た弁護士」と題してお話しをして頂きました。
 出田先生は、司法修習は27期で、最高裁調査官や司法研修所教官も経験され、主に刑事裁判の分野が長かったようですが、最後は高松高裁長官で退任されています。裁判官として豊富な経験を持っておられますので、裁判官の視点から弁護士を語って頂こうと企画したものです。

1.印象的な事件としては、開成高校殺人事件や日活ロマンポルノ事件を挙げられて、事件の実態をどう捉えるか、事件の握心的問題点(主張)は何かを考えることの重要性を指摘されました。
 また、調査官時代は大洋デパート火災事件も担当されたようで、平取締役が防火責任を負うかどうかを例にされて、理論的な裏付けを検討することの重要性を指摘されました。

2.裁判官から見た弁護士として、まず民事事件については、期限を守らない人、検討不十分な人、事案の把握が出来ない人、争点整理の意義を理解していない人、一審集中の観念がない人、要件事実の理解不足の人、裁判所に過度に依存する人、和解にマイナスイメージを抱いている人、などを挙げられました。
 お話しを聞いていて、確かに耳の痛いことばかりでした。

3.刑事事件については、裁判員裁判については、国民の司法参加の視点だけでは不十分で、公判中心主義・直接主義(調書裁判からの脱却・証人の積極的採用)の視点が大事だと指摘されました。
 また、弁護のスキルアップ(尋問技術、情報弁護のあり方など)についても指摘されました。

 最後は、私の方で業務対策委員会を代表して出田先生に御礼のご挨拶を致しました。ご多忙の中を本当にありがとうございました。今回の色々な耳の痛いご指摘を踏まえて、また今後の業務に励んで行きたいと思います。

103 .裁判官の人事評価 (2014.09.24)

 熊本県弁護士会で行った今年度の裁判官人事評価アンケートの結果が集計され(提出率約78%)、平成26年7月地裁所長及び家裁所長には当会会長が手渡し、福岡高裁には郵送されました。

 この裁判官人事評価アンケートは、弁護士が、熊本地裁・熊本家裁・福岡高裁の実名の裁判官一人一人について、審理を主宰する能力、審理に応じた柔軟性、訴訟関係者に対する態度、証人等採否の適否、和解案の妥当性、判決の説得力などの各項目について、ABCDの4段階で採点をして、その結果を裁判所に提出するものです。

 このアンケート結果が実際に裁判所の人事評価の参考にされているのかどうかは分かりませんが、アンケート結果を見てみると、優秀な裁判官かどうかは弁護士の間ではある程度評価が一致するようですので、いい資料として、是非よりよい裁判の実現に向けて役立てて頂きたいものです。

102. 全国ADRセンター連絡協議会 (2014.09.19)

 沖縄県那覇市で、全国ADRセンター連絡協議会の「家事事件とADR」が開催されましたので、勉強のため参加して来ました。

1.全国の弁護士会ADRの状況
  まず、弁護士会のADRセンターは現在全国に32センターがありますが、平成25年度の申立件数は合計1012件で、多いところは愛知186件、仙台153件、大阪(総合ADR)147件、東弁90件、二弁85件、岡山50件、京都40件、一弁28件などです。天神は23件、熊本は低調で7件でした。

2.ハーグ条約とADR
 ① ハーグ条約は、国境を越えた子の連れ去りについて、原則として元の居住国に子を迅速に返還するための国際協力の仕組みや、国境を越えた親子の面会交渉の実現のための協力について定めた条約です。日本はこの条約を批准し、国内法として平成26年4月からはハーグ条約実施法が施行されています。
 ② 裁判手続については、管轄は東京と大阪にしか認められていませんが、外務省は東弁、一弁、二弁、大阪、沖縄のADRに「ハーグADR事業」を委託して、子の返還や面会を当事者の合意によって実現する仕組みを作っています。この場合にはADRの利用手数料は外務省が負担します(但し、予算上の制限あり)。
  これに対応して、例えば沖縄では、英語対応可能なあっせん人や通訳人の準備、電子メールによる申立て可、電話インターネットテレビ会議システム(スカイプ)による期日可、あっせんの研修等々の取組みがなされているようです。

3.民間ADRのEPIC(family problem information center、公益財団法人家庭問題情報センター)の活動
  この団体は、離婚や子の監護等について調停事業を行っているADRの認証団体です。調停人は家裁調査官、家事調停委員、裁判官の経験を有する者や弁護士が担当し、現在、東京、大阪、名古屋、福岡、千葉、宇都宮、広島、松江、横浜、新潟に相談室があり、年間150~160件位の申立てがあっているようです。
  この民間ADRの特色は、①期日が迅速で、かつ時間外や休日でも期日設定が可能なことと、②「同席調停」によって当事者の意思疎通を図って、調停人が説得するのではなく当事者が主体的に問題を解決することに主眼が置かれていることです。おそらくメディエーション的な考え方だろうと思います。

4.家事紛争解決プログラム(元裁判官の弁護士大塚正之氏の講演)
 ① 米国の紛争解決理論・メディエーションの技法・臨床心理士の対人関係の技法を基礎としつつ、日本の調停に合った調停の理論と技法を開発したいという内容でした。
 ② 敵対的(ウイン・ルーズ)から協調性(ウイン・ウイン)な紛争解決の考え方へ
  お互いの表面の要求が矛盾していても、より根底にある要求(ニーズ)から見ていくと、お互いが納得できる解決に近づけることができるはずだという視点が必要。
 ③ 権威・評価・説得型モデルから自律・対話・納得型モデルへ(メディエーションの技法・カウンセリングの技法など)
  当事者が主体的に合意をするため、同席調停によりお互いの要求やその背後にあるニーズを伝え合い、お互いのニーズが実現できるような枠組を当事者が話し合い、調停者は自分の意見を言わずに合意を促進支援する役割を努めて、合意形成を目指す。
 ④(まとめ)日本の家事調停やADRへの対応モデル
  ア.紛争を解決するとは、対立する当事者がお互いを理解し、双方にとって利益になる結果を導くよう努めること。
  イ.調停者は、対立する当事者の間に入り、傾聴と受容により信頼関係を形成し、司法情報を提供(説明)して、当事者の紛争解決能力が高まるように援助し、ウイン・ウインになるような時には積極的に活動すること。
  以上は今までに何回も聞いたことのある内容でしたが、専門家ADRの進め方についてはあらためて評価型と自律型の調和の観点を考えさせられました。

5.パネルディスカッション
  同席調停、専門委員との連携、子供の意思確認の方法、面会交流等についての意見交換や、アメリカでの民間離婚調停の説明・ハーグADRの状況報告等がありました。

101. 人の心とは (2014.09.17)

 「この世界はどうなっているのか」、「自分はなぜここにいるのか」は、人類の永遠の謎であり、誰もが人生で一度は突き当たる大きな問題です。
  先日、NHKで「人の心はどこから生まれるのか」、「死ぬとき心はどうなるか」ということで、作家の立花隆氏が「臨死体験」について検証する番組を放送していました。

1.臨死体験者によれば、臨死体験をすると、人の心は体外離脱して、トンネル様の中を通って、光り輝く世界へと導かれて、そこで大いなる存在(無限の愛)に出逢い、人間が肉体的存在ではないことを確信し、今までと別の人生を生きるようになると言われています。
  これは、最近は救急医療の発達によって死の淵から蘇る人が多くなって、臨死体験者が増え、脳神経外科医や幼い子供も含めて多くの臨死体験者が共通して同じ様な体験を報告しているので、死後の世界は存在するという考え方です。

2.これに対しては、最近の脳科学の研究からは、そのような体験も脳の働きによるものだという考え方がなされます。
 ① 脳科学の実験では、ネズミは心停止後にも数10秒間は微細な脳波が観察されるので、脳は死後もある程度の時間の間活動して、何らかの役割を果たしていると思われる。また、てんかん患者の脳の角回という部分を電極で刺激すると、体外離脱と自己幻視が体験されて、人工的に体外離脱体験を作り出すことができる。これは、角回が刺激されて、その廻りにある脳の身体感覚、視覚、聴覚の分野が影響を受けていると思われる。
 ② ネズミの実験によれば、偽りの記憶(フォールスメモリー)を植え付ければ、誤った感覚を本物と思ってしまう。人間は、想像力が働いて偽りの記憶を作り易く、記憶と想起を区別できない。死の間際には、このような脳の不思議な特別の働きが起きると思われる。
 ③ 心の一部である意識(自我)は、脳内の膨大な神経細胞の繋がり、ネットワークによって生まれる(統合情報理論)。したがって、人が死ぬと、神経細胞はなくなり、心は消えることになる。
 ④ 偉大なものを感じるのは、睡眠や夢をつかさどる辺縁系(進化の初期の脳の古い部分)で起こる現象である。浅い眠りの状態(白日夢など)で、これに神経物質が放出されると、幸福感や神秘体験を感じる。したがって、死の間際の体験は、誰もが見る可能性のある奇跡的な夢で、長い進化のなかで獲得されたものと思われる。それが何故かはわからない。
  
3.なかなか興味深い内容の番組でした。この問題はさらに色々な立場からの議論があるでしょうが、立花氏も言っていたように「本当のところはよく分からない。そして、分からないから面白い!」ということは言えるかもしれません。
 今後も関心を持って勉強して行きたいと思います。

100. 中小企業家しんぶん (2014.09.17)

 「中小企業家しんぶん」(全国版)の最新号に、私の写真の「旅立ちの朝」がカラーで掲載されました。

 これは「熊本羅針」の6月号の表紙写真と同じものですが、今回全国版に掲載のお話しまで頂いたことは大変光栄なことです。また、図書カードまで頂きまして、ありがとうございました。

99. 司法試験合格者の減少 (2014.09.14)

1.今年の司法試験合格者が発表され、合格者は1810人となって、やっと2000人を切りました。
 8015人が受験して、合格率は22.6%。人数で多いのは、早稲田172人、中央164人、東大158人、慶応150人、京大130人、合格率では、京大、東大、一橋、慶応、阪大、早稲田の順でした。合格者のうち男性が1402人で、女性は408人(22.5%)、合格者の平均年齢は28.2歳。
 その中で、法科大学院を終了せずに受験資格を得た予備試験合格者は163人で、合格率は66.8%と今年も極めて高くなっています。しかも、このうちの96人が22~24歳です。
 地元の熊大は、43人が受験して合格者は3名、合格率は6.7%とかなり低調です。九大は合格者37人で、合格率22.8%となっています。
 ちなみに、私の頃は、旧司法試験でしたが、合格者数は約480人で、合格率は1.7%でした。

2.今回合格者数が1800人にまで減少した点は、日弁連などが弁護士人口の過剰による深刻な状況(就職難やOJT不足等)を訴えて、まずは合格者を1500人にまで減少させるべきだと主張し、色々な活動をして来たことの一定の成果だと評価できるものではあります。
 そして、自民党の司法制度調査会も、合格者は平成28年度までに1500人程度を目指すべきだと提言していることからすると、今後も1500人程度にまで減少していくことが一応期待されます。
 しかしながら、仮に1500人合格としても、まだまだ多すぎます。
 現在の法曹養成制度改革顧問会議でも、企業内弁護士、任期付自治体職員、新分野の開拓などが議論されていますが、これらの需要を多少掘り起こしたとしても、弁護士が増加した分の事件数を確保できないことは明らかです。日本はやはり行政主導の事前規制型社会であって、国民性からすると早急に多くの法曹を必要とするような事後チェックの「法化社会」への変化はないと思います。
 そして、これからの人口減少社会の到来(日本の現在の人口の1億2730万人は、平成60年には9913万にまで減少すると推計されています)や法的需要、そして日本には周辺専門士業が約22万人もいることなどを考えれば、早急に1000人かそれ以下に減少されるべきだと思います。

3.法科大学院については、現在司法試験合格率や定員充足率などの結果により補助金を削減する方法により統廃合の促進がなされていますので、将来的には旧帝大を中心とするブロック拠点校と有力私立大20校位に収束していくのだろうと思います。(現在10人以上の合格者を出しているのは、数えてみると合計で29校です)。九州内では、既に鹿児島大や久留米大は募集を停止し、熊本大も早晩廃止の方向ではないかと思われ、おそらく九州内では九大と、地理的な関係で琉球大しか残らないだろうと思います。
 ところで、現在顧問会議では法科大学院制度の行き詰まりに対しては教育内容の改革を中心とした議論がなされていますが、やはり本来は法科大学院制度はその存続を含めて根本から再検討すべき時期に来ていると思います。
 法科大学院での教育と言っても、その殆んどは司法試験合格経験もなく実務経験も乏しい方々が、大学の学部と大して変わらない内容の教育をしているにすぎないとの批判は絶えません。長い時間と高い費用をかけても、果たして「面としての教育」として、旧司法試験合格者の能力とは違う特別な効果が出ているのか大きな疑問が残ります。
 同顧問会議の資料によると、法科大学院を卒業して司法試験を受けた人が最終的に合格する累積合格率は、49.2%とされています。そうすると、長い時間と高い費用をかけて法科大学院に行っても、約半数の人は法曹になれない訳で、また不合格者のための受け皿もないのですから、このような法曹養成制度では益々法曹志望者は少なくなって、司法は弱体化するばかりです。
 また、法科大学院関係は、国立大への交付金・私立大への補助金だけでも例えば平成22年度では71億円もの膨大な経費がかけられていますが、法科大学院にだけコストのかけすぎであって、全くコストに見合った法曹養成制度になっていません。法科大学院にこのような多額な経費をつぎ込む位ならば、一定の弊害はあったとしても、むしろ旧司法試験制度のように、大卒で基礎力と応用力のある一定の人材を選択し、そして法曹は社会のインフラと考えて、これらの合格者に手厚く国費を投入して厳しく訓練し育てて行く方が、法曹養成の仕方としては効率的で、また効果的だと思います。

98. 顔の見えない出逢い   (2014.09.11)

 写真をやっていると不思議なというか奇妙な体験をすることがあるもので、私は人間に逢ったのに「顔が見えない」という出逢いをしたことがあります。
 それは、休日の夜に旭志にヒメボタルを撮影に行った時のことです。

 ヒメボタルは、ゲンジボタルなどと違って、体が小さく、しかも陸生で山の森の中に生息しているホタルです。ゲンジボタルのように間を空けてゆっくり光るのではなくて、ピッピッピッという感じで短時間に小気味よく明滅を繰り返して光ります。旭志はヒメボタルでも有名な所で、私は、最初に山の中の木々の間の闇の中で数百匹のヒメホタルが同期、同調して明滅する光景を見た時は、まるで山の中にクリスマスの電飾を一面に敷き詰めたかのようで、こんな光景があるのかと本当に感動しました。
 当時はまだフィルムカメラでしたので、レリーズでシャッターを開け放しにして長時間露光で撮影していましたが、木々の中には立入禁止でポジションが限定されるので、なかなか思うとおりの作品は撮れません。

 その日の夜は時間も忘れて熱心に撮影をしていたのですが、午後10時半頃になると、地元の人達が足元を照らすように等間隔で置いてあった薄暗い灯りも消えてしまって、山中は人もいない真っ暗な状態になります。
 そして、午後11時前になって、自分一人が残っていると思い、ホタルも光らなくなったので引き上げようと思って三脚などの片付けをしようとすると、ふと右側に誰かがいるように思えたのです。真っ暗な中で、目を凝らして右を見ると、2m位先に確かに誰かがいます。誰かが!
 更によく見てみると、何となく女の人が椅子のようなものに座っているように見えたのです。「誰かがいるよな。でも、何でこんな時間に、しかも山の中の真っ暗な中にいるんだ? もしかして、いわゆる幽霊ってやつ?」なんて一瞬考えたりしましたが、でもやっぱり人がいるように思えるのです。とても不気味です。
 それで、私は思い切って、「あのぅー、こんな所で何をしているんですか?」と尋ねました。すると、「この宇宙の姿を頭に焼き付けておこうと思って・・・。」みたいな答えが返って来ました。年齢は20代後半から30代位と思われる女性の声でした。2m先でも暗くて顔は全く見えません。
 確かに人間の声ではありましたが、その答えが余りにも突飛だったので、私は「あれ、何かおかしな人かな?」と思いました。
 ところが、その後話しを聞いてみると、元は神戸で今は大分県に住んでいて、国指定の難病になっていること(病名は聞きませんでした)、それが契機だろうと思いますが、あちこちに出掛けていて、昨夜は旭志の川沿いのゲンジボタルを観に来て車中泊をして、今夜は山の中でこのヒメボタルの光景を見続けようと思っている、ということでした。
 おそらくその難病で自分の命が限られていると思って、若い女性としては無謀ともいえる行動をして、限られた時間の中で自分なりに命を燃やそうとしていたのでしょう。
 それで、私も病を経験したことがあることや、「メメント・モリ」で一度死のことを真正面から真剣に考えてみると人生と毎日の日々が充実すること、自分もこうやって休みの日には写真をやって夢中で一日をそして一瞬一瞬を大事に過ごしていること、生きることに意味はどう考えていますか等々について、色々と話しをしました。
 真っ暗な山中の、お互い顔が見えない中で、彼女は(折り畳み)椅子のようなものに座って、私は傍らに立って、同じくまだ微かに光るヒメホタルの方向を見ながら、ひとしきり話しをしました。何だか不思議な出逢いでした。
 「さぁ、もう遅いし、帰りましょうか。」そう言って暗闇の中を駐車場まで歩いて行きましたが、途中で何となく髪型がうっすらと見えたものの、顔はやはり全く見えないままで、駐車場まで下りて「じゃぁ」と言って別れました。
 不思議な「顔の見えない出逢い」でした。

 実は、これには後日談があって、それはこの件があった年かその翌年の秋にくじゅうの三俣山に紅葉を撮りに登った時のことです。
  夕陽が当たる紅葉狙いだったので、昼過ぎの遅い時間から登り始めたのですが、途中で、若い女性が単独行で「こんにちは」と言って、私を追い抜いて行きました。
 私は、頂上に着き頂上や南峰など色々と時間をかけて撮影をして、午後5時も過ぎたことからそろそろ帰ろうと思い、また頂上付近に戻ったのです。そこには、明日の朝陽狙いなのでしょう、テントを設営したうえで中判か大判のカメラを揃えている男の人が一人いて、その人に対して、さっきの単独行の女の子がしきりに話しかけたり質問をしたりしているのです。私は、「男の人はここで泊るつもりだからいいけど、この女の人は、こんな遅い時間にまで山頂にいてどうするんだろう? これから下に降りたら下はもう真っ暗になってしまうだろうに。一緒にテントに泊めて貰うつもりなのかな?」と思ったりしました。
 そして、下山を始めたのですが、その時にふと思いついたのです。「あっ、女の子一人であんな無謀なことをするんだったら、そうか、あの人が前に旭志の山の中で逢った人かもしれないな、きっとそうだ」。そして、思いました。「あぁ、永遠に想像の人のままがよかったな」。

98. 山頂での出逢い (2014.09.10)

 山をやっていると、思わぬ出逢いもあります。
 そのひとつは、高森町の清栄山(1006m)の山頂での出逢いでした。

 清栄山は、東側から阿蘇の山々や南郷谷が見渡せるいい場所ですが、下の道路からは20分位ですぐ登れてしまいますので、比較的訪れる人は少なくて、この日も山頂には私一人でした。
 私は昼過ぎなのでのんびりとラーメンを作ったりしていましたが、ふと下の登山道の方を見ると、1人の男の人が物凄い速さで登って来るのが見えました。
 やがて男の人が登って来て、景色も見られた様でしたので話してみると、茨城県のNさんという自衛隊の方で(どうりで体力があるはずです)、今「九州百名山」巡りをしていて、地理的には九州の中心である熊本に友人がいるので、友人の家に車を置かせて貰って、休みを見つけて熊本まで飛んで来て、九州各地の山々に登っています。今日は宮崎の大崩山(おおくえやま)などで、ここで5峰目です。」ということでした。
 私はそのアイデアとハードさに感心すると共に、他方では、「1日5峰も! 何もそんなに急がなくてもゆっくり楽しむ方法もあるのに」とも思いましたが、こればかりは生き方と一緒で、その人なりの考えとスタイルがあることですので、人それぞれです。
 そして、この日は、私が丁度パノラマ撮影のカメラを持っていましたので、雄大な阿蘇の山々をバックにした写真を撮ってあげて、後日Nさんに送りました。

 それからは年賀状の遣り取りが続いていましたが、ある時、Nさんから仕事で熊本の西部方面隊の第八師団に出張に行くので、帰りに事務所に遊びに行っていいですかという連絡があって、事務所に寄られて、またお話しをする機会がありました。
 それで、私が、「山は、九州百名山はもう終わられたのでしょう、今は何をされているのですか?」と尋ねると、Nさんは「今は北海道百名山巡りをしています。」ということでした。今度は北海道に車を置いて・・・。その熱心さとバイタリティーには全く以て驚くばかりです。
 そして、平成19年に、私が熊本県立美術館分館で開いた写真展にも、Nさんは、登山のついでと言ってわざわざ茨城からご夫婦で写真展を見に来て頂きました。本当にありがたいことです。
 また、その後の年賀状によると、北海道百名山巡りも終えられて、その後はトライアスロンや能面打ちの趣味に打ち込まれているようです。

 世の中には、本当に一生懸命の人がいます。生きてて、自分の人生を燃やし尽くしている感じで、いいですね。

97. 能ある鷹 (2014.09.09)

 ホテル日航熊本で、土地家屋調査士会の副会長をされているM先生の法務大臣表彰の祝賀会がありましたので、参加して、会の顧問として乾杯の音頭をとらせて頂きました。

 M先生は、私とは専ら夜のお付き合いですが、いつも感じるのは、①ユーモアと茶目っ気があること、②人間的な暖かさ、気配りが凄いことです。
 季節毎にご自分で漬けた高菜漬けや、ご自分で栽培された椎茸、木耳などを小分けして、一人一人に贈ったりされます。今日も、テーブルをこまめに回られ、抽選の景品にはご自分で用意された30~40個の漬物などを用意されていて、本当に感心の限りです。
 いつもは冗談を飛ばされているM先生。私は夜の顔しか知らなかったのですが、今回色々な方のスピーチを聞いていると、実は土地家屋調査士だけでなく、司法書士、測量士、一級建築士、調理師など16もの資格を持っておられて、また、日常業務や会務でも、独自のアイデアと実行力で素晴らしい業績を上げられていることがよく分かりました。まさしく、「能ある鷹は…」だった訳です。

 ややもすると、爪がなくてもあるように見せたがる人が多い中で、いい生き方をされているなと思います。

96. 大いなる沈黙へ (2014.09.08)

 雨模様なので、また映画を観に出掛けました。
「大いなる沈黙へ」は、フランスアルプス山脈の山中にあるグランド・シャルトルーズ修道院(男子修道院)での修道士の生活の様子を撮ったドキュメンタリー映画でした。

 修道院とは、カトリックにおいて修道の誓願を立てた修道士が共同で暮らす建物のことをいいますが、この修道院はかなり厳しい戒律のようで、修道士が一日を(というより人生のすべてを)、祈りと信仰に捧げている姿が撮られています。
 生活は、日曜日の昼食と散歩の時以外は会話は禁止で、聖歌を一緒に歌ったりする以外は、一人一室の部屋でずっと祈りと信仰の時を過ごします。
 約170分間もある映画ですが、ナレーションも解説も、音楽も一切ありません。あるのは、映像と、日々の生活や周りの自然の音があるだけです。静かな静かな静寂の世界の中で、神と自分に向き合い、ゆっくりと時間が過ぎて行きます。

 最後になって、盲目の修道士が語るシーンがあります。「神には現在しかない。過去も未来もない。」、「神は限りなく善である。すべてを見守って下さる。だから、どんなことがあっても心配する必要はない。死を恐れる必要はない。死とは神に近づくことだから。」。まさしく、すべては神の思し召しのままにという、神への全面的な信仰、全託の姿です。

 自分を捨てて神や宇宙真理、「おおいなるもの」などに全託する考え方は、世界中の宗教にあるものです。例えば浄土真宗は、阿弥陀仏の誓願により現在においてありのままで救われているので、全託していれば何の心配もいらない。念仏は何かの希望を叶えるための祈りではなく、現在救われていることに対する感謝の祈りであるという考え方だと思います。宗教以外でも、経営コンサルタントの船井幸雄氏は、自分に起こるすべてのことは「必要、必然、ベスト」と捉えて、すべてを全面肯定する考えです。

 私たちのような世俗の者にとっては、現実的にはこの映画のような厳しい信仰の生活を送ることはなかなか難しいことです。でも、その考え方の本質である全面肯定の考え方、「何があってもすべてはOK」という考え方は、私たちの日々の日常生活の中でも、研鑽して深めて行けば、世俗の私たちでもきっと「大安心」という核心的な境地に至ることができると思います。

 それにしても、この映画の170分という上映時間は長すぎました。うまく編集すれば、半分の90分位の時間でも、十分にいい作品になったと思います。人間は映画館での長時間の大いなる沈黙には慣れていないので、私も含めて、かなり居眠りをしている人がいました。
 

95. 食べない人たち(不食) (2014.09.04)

1.最近は医者が書いた「一日一食」の本がベストセラーになったりしていますので、私も小食や断食関係の本を読んでみました。
 それは、要するに、小食や断食をすれば体が緊急事態に陥るので、逆に生命力が活性化して、健康で元気になり、若返るというものです。究極には、食の問題に留まらずに、今までの自分のライフスタイルを変えて、人生を笑いと感謝の中に生きるという考え方です。

2.ところが、色々と読んでいるうちに、驚くべき本に出逢いました。その本のタイトルは「食べない人たち」(マキノ出版、1300円)。
 この本は、要するに、人間は「不食」、すなわち「食物を食べなくても生きて行ける」という考え方と実際の体験の本で、食べない方が心と体によく、健康で若返り、自由で平安になる、そして不食が世界に広まればパラダイシフトが起こるという考えのものです。小食や断食などとは、全く違う考え方のものです。
 西洋栄養学や一般常識からすれば、人間は何もしなくても1日1200kcalのエネルギーを消費すると言われていますので、「人間が食べなくても生きて行けるなんて、そんな馬鹿な!」と思うのは当然のことです。
 ただ、この本は3人の人によって書かれていて、それは、①6年間完全不食の東京弁護士会所属の弁護士(司法修習50期)で、医学博士でもあるA弁護士、②18年間一日青汁一杯(50kcal)だけで過ごしている元小学校の養護教諭で、現在は鍼灸院を経営している女性、そして③不食研究所の代表で、内容を読んでみるとあながち大嘘をついているようにも思えませんでした。

 そして、この人達の考えと体験のもとになっているもののひとつが、1996年から不食を続けているオーストリア人の金髪の美人女性の「ジャスムヒーン」さんの考え方でしたので、更にその著書である「リヴィング・オン・ライト(光によって生きる)」と「神々の食べ物」(以上、ナチュラルスピリット社)も買って読んでみました。
 それは、要するに、人間は食べる物によってではなく、宇宙に遍在する宇宙の生命エネルギー(プラーナ)を取り入れることによって生存し、そのことに気付いて実践すれば、人類の意識が高まり、エゴはなくなり、人類の新しい進化となるというものです。そして、その考え方の基礎には、クリアヨガやクングリーニヨガなどの考え方があって、すべてはひとつ(ワンネス)で、私達はすべてのものと一体であると考え、愛や、大いなるものや神、などにも繋がる考え方のようです。
 このような考え方は、既に世界中の宗教やニューサイエンスなどである考え方で、特段目新しいものではありませんが、ただ、本当に18年間を不食を実践しているのであればそれは驚くべきことです。

 この点については、さらにyoutubeでも色々検索してみましたが、ジャスムヒーンさんの講演動画もありましたし、世界中には多くの不食の人がいること、食べない人たちはブレサリアン(呼吸主義者)と言われてヨーロッパでは4万人もいるらしいこと、アメリカでは医師団監視のもとでも一日水一杯で300日以上も過ごした報告例があることなど、色々と考えさせられるものがありました。
 「宇宙の生命エネルギー、光によって生きる」というとなかなかストレートには理解できませんが、動画上の日本のテレビ番組では、大学の先生が、メカニズムはよく分からないけれども、例えば特殊な腸内細菌を持つようになっていて空気と反応させてタンパク質を作れるようになっているのではないだろうか、などと推測していました。

3.不食は即実践という訳には行きませんが、私も少しは食事を少な目にするようになって、すぐに3㎏位は体重が減ってすっきりしました。
 実践か、問題意識だけか、なかなか難しいところです。

94. 後見事件の説明会 (2014.09.03)

1 H26.9.3 熊本地裁の大会議室で、熊本家裁主催の後見事件の説明会がありましたので、出席しました。
 私は、後見人名簿には登載をしておらず、後見人の業務はしていませんが、後見事件の実情と問題点を把握しようと出席したものです。参加者は約100名位でかなり盛況でした。出席は弁護士と事務員さんと半々位のようでした。

2 家事事件数の動向
 まず、書記官から、一般的な事件数の動向について説明がありました。
 平成25年の熊本家裁は、(ア)人事訴訟は133件で横ばい、(イ)審判事件は総数11,166件で、後見等開始が626件、相続放棄や氏名の変更等が10,901件、婚費・養育費・面会交流等が265件、(ウ)調停事件は総数2,166件で、婚費・養育費・面会交流等が2,051件、遺産分割173件、離婚事件774件とのことでした。いずれも婚費・養育費・面会交流等が増加傾向にあり、離婚は横ばいのようです。(エ)少年事件については、少子化の影響で減少しており総数1,935件で、低年齢化しているようです。

3 後見事件の動向
 後見関係については、後見開始等は393件、保佐開始174件、補助開始60件、後見管理継続事件数は毎年増加して現在3,356件で、熊本県内には認知症の人が5万人いるので今後はこれらの事件数は増加すると思われるということでした。
 後見人のうちの専門職後見人(弁護士、司法書士、社会福祉士等)は約1,500件で事件の63%で選任されており、50%が弁護士と司法書士だそうです。
 専門職後見人が選任される場合は、親族間で紛争がある、親族に適切な後見人候補者がいない、第三者との間で紛争がある、財産が多額である、財産管理が複雑である等の場合です。

4 後見事件の課題
 ① 後見事件の課題としては、まず、事件増加に対応できる事件処理態勢の構築や監督のあり方で、そのために家裁では、親族後見人への説明会(後見教室)の開催と、「後見制度支援信託制度」の活用を目指しているようです。
 この信託制度は後見人の不正事案の多発に対応して設けられたもので、熊本家裁では、被後見人に1200万円以上の預貯金があって、親族後見人が反対しない場合に、専門職後見人に信託の利用の適否について検討させて報告書を提出させ、専門職後見人が信託銀行との間で被後見人の財産について信託契約を締結して銀行に管理を委任するものです。
 熊本ではこれまで10件の前例があり、継続中は4件とのことです。
 ② 次に、課題の2番目としては、後見人の不正行為の早期把握とこれに対する迅速な対応ということで、専門職後見人の追加選任や権限の分掌、解任などがあります。
 後見人等による不正事案は、全国では661件、熊本では31件あったとのことで、裁判所がこの点での厳しい問題意識を持っているのが分かります。

5 後見人の職務
 後見人の職務としては、後見開始決定と確定、東京法務局での後見登記の終了の後に、後見登記証明書の取得、金融機関等への提出、財産調査・初回報告書の提出等があります。
 定期的な職務としては、身上監護、財産管理、裁判所への報告等があり、特別な業務としては、居住用不動産の処分許可申立て等があります。
  
6 後見人の報酬
 後見人の報酬については、一般的にはその業務の割には報酬が低廉すぎるという指摘がなされており、案件によっては、専門職後見人であっても殆ど報酬の支払がない事案もあるということで、この点は極めて問題だと思います。
 日本が益々の高齢化社会を迎える中で、事件が増加する後見制度を専門職後見人の奉仕と犠牲のもとに制度構築するというのは明らかに誤りであって、専門職後見人の報酬確保については刑事弁護の場合と同様に、早急に公的な資金の投入等の法的な手当がなされるべきだと思います。
 弁護士会の力で被疑者弁護の拡大を成功させたように、この件についても弁護士会が先頭に立って積極的により良い制度構築を目指して活動をしていくべきだと思います。

93. 「熊本羅針」9月号 (2014.09.02)

 熊本県中小企業家同友会の会報誌「羅針」の9月号が発行され、表紙に私の写真「途上のシルエット」が掲載されました。 
 
 この写真は、有明海の夕刻に海に沈みゆく海床路とそこに佇む自分のシルエットを、タイマーをかけて自撮りしたものです。本来はカラー写真で、夕焼けの色とシルエットがなんともきれいなのですが、白黒印刷なのが残念です。11月号からはカラー印刷にして頂けるとのことですので、良かったと思います。

 解説としては、「儚いから、いとおしい。永遠ではなく、移りゆき消滅するから美しい。生の途上に、自分の行方を確認するシルエット。」としています。
 風景の前で佇むと、いろんなことを考え、感じます。

(カラー写真は写真ブログのNO.997にあります。)

92. 傾聴と受容 (2014.08.31)

1.私は、熊本県土地家屋調査士会の法律顧問の関係で、同会のADRである「境界紛争解決支援センターくまもと」の運営にも関与をさせて頂いています。
 同会は、ADRの手法の研修についても大変熱心で、毎年研修会を開催されていますが、今年は8月30日に、メンタルオフィスH&Aの土田晶子先生を講師として、「ADRに活かす傾聴~あなたは本当に聴いていますか」という研修がありましたので、参加しました。

2.内容的には、コミュニケーションの基本が、価値観、自己概念、他者認知の仕方、職業、性格等がそれぞれに異なる人間同士の間の、言語的・非言語的な、双方向性の交流であることを説明されました。
 そのうえで、まず人間の性格や行動について交流分析(AT)的な説明がありました。交流分析は、私も学生時代に少し勉強していたので懐かしく思って聴きました。これは人間の性格や行動を、①頑固な父(+理想追及、倫理的、-追及的、支配的)、②優しい母(+あたたかさ、思いやり、-甘やかし、過保護、過干渉)、③大人の私(+分析、工夫、冷静、-冷たい、気持ちより事実)、④明るい子供の心(+自由、創造的、直観的、好奇心、-自己中心、本能的、わがまま)、⑤いい子ぶり(+素直、協調性、適応性、-自信喪失、依存的)という、5つの側面に分けて分析するものです。これによれば、一人の人間にも多様な要素と側面があることがあらためて分かります。自分にこのような多様な要素と側面があるように、相手にもまた多様な要素と側面がある訳です。

 ちなみに、この時のエコグラムの自己評価の採点によれば、私は、明るい子供の心は満点で、いい子ぶりは30点位、大人の私は90点位でした。自分に都合よく解釈すると、自由で創造的で、いい子ぶりをすることは少なく、創意工夫をして冷静な判断ができるということになりますが、上記のとおり物事は必ず反対の別の評価もできますから、なかなか難しいものです。

 私は、人間関係とコミュニケーションの基本は、結局、「私もあなたもこの限られた時間を生きているかけがえのない大切な存在です」という考えにあると思います。そこからは相手の多様性の尊重の考え方が出て来ますので、相談や交渉での望ましい対応としては、傾聴、受容→信頼、尊敬、支援→違いを交渉し提案する→解決、というプロセスになって行くのだと思います。

3.人間はコミュニケーションでの傾聴、受容というのは頭では分かっていても、先に結論があって、十分な事実関係や気持ち感情を開くことなく、すぐに反論し説得してしまいがちなものです。それは、私達の日々の業務の中でも、よく考えさせられる場面です。
 今回の研修は、人間の多様性とコミュニケーションの基本と心構えについて再確認をすることができて、大変いい機会となりました。今後も、業務や普段の生活の中で、一層「本当の声を聴く」ことに気を付けて行きたいと思います。その声は、相手の声であり、世界の声であり、そして自分の内なる声です。

91. beyond the edge (2014.08.30)

 世界最高峰のエベレスト(8848m)への登頂は、山をやる人にとっては永遠の憧れです。
 今日観た映画「beyond the edge」は、1953年にエベレストへの人類初登頂を成し遂げた英国遠征隊の挑戦を描いた映画でした。初登頂を成し遂げたのは、第2次アタックチームのニュージーランド人エドモンド・ヒラリーとシェルパ―のランジン・ノルゲイの2人でした。私はヒラリー卿はイギリス人と思っていましたが、ニュージーランド人で、しかも養蜂家だったようで、全く勘違いをしていました。

 今と違ってルート開拓もされていない中、-25℃の気温と強烈な風、アイスフォール、クレパスだらけの氷原、険しい急斜面、そして高度での酸素不足など、困難な状況の中で、人間がまさしく限界を超えて勇気を以て挑戦して行く姿が描かれています。
 映画の中で、ヒラリー卿は「人生には勇気が必要だ」と語っていましたが、命懸けで挑戦をするその姿は、いつの時代でも人の心を打ちます。結局、「あなたは何のために命を賭けていますか」ということでしょう。

 現在ではエベレストは大衆化して、一般の人から(お金を貰って)公募をしてガイドが引率するという商業公募隊も増え、年間500人もの人が登っていて、これまでの登頂者も4000人位になっているそうです。
 とはいえ、死亡者も珍しくはなく難しい山であることに変わりはありませんから、私のような一般の山好きの人にとっては、これからも永遠の憧れのままであり続けるのでしょう。 

90. 山女日記 (2014.08.29)

1. 山を本格的に始めて13年位が経ちます。
  山に登って、きつい目に遭い、素晴らしい光景に感動し、「あぁ、死ぬかも…」と思った経験(2回)もし、風に吹かれて、色々な空や雲や木々や花々と出逢い、人とも出逢い、そして自然に抱かれて自分に向き合い、大事なものを見つめて、色々なことを感じることができました。本当に山をやっていてよかったと思います。
 何事も熱中する人生は、楽しく充実していると思います。

2. 山に登る関係で、これまでも山行の本も色々と読んで来ましたが、ここのところ週末は雨が多いので久し振りに山の物語でも読んでみようと、「山女日記」(湊かなえ)を読んでみました。
 約290ページ、7つの物語の短編小説集で、7人の女性、 今で言えば山ガールがそれぞれの人生に向き合いながら、山で何かを考え、感じて、また新しい人生へと展開していく内容で、劇的な深い感動という訳ではありませんが、「あぁ、山ってやっぱりいいな」と思えて、心地良く読み終えることができました。

 それにしても、やはりプロの小説家の描写力は凄いですね。風景の描写は勿論のこと、会話のやりとりや文章を通して人間の心や感情の微妙なひだまでを表現する技量はさすがという他ありません。人間観察と洞察がなければ、やはりいい作品は仕上がらないでしょう。
 私達は職業柄大勢の人達と出逢って相談や交渉等をしますが、自分としてはその心を感じて汲み取って、触れ合って対応しようとしているつもりではありますが、いい小説を読むと、あらためて人間の心の奥深さを感じ、そして、自分はそこまでは読み取っていないなという力量のなさを反省させられます。まだまだ道半ばということでしょうか。

89. 業者側での過払金返還請求への対応 (2014.08.28)

1.最近は都会の複数の法律事務所が地方での過払金請求案件を受任するため、全国を巡回し、テレビ、ラジオ、新聞、チラシ等の広告費を集中投下して派手に宣伝して集客をしている姿をよく見かけます。
  地元としては、このような資金力に頼って全国を集客して回る事務所にはあまりいい感じはしませんので、私は、以前から、このような事務所の相談会に対しては、同じ時期に無料相談会を設定するなど、地元の弁護士会として何らかの対抗策を措るべきだと考えています。

2.ところで、過払金返還請求訴訟においては、金融会社側やカード会社側は債務者側からの請求に対してはなかなか反論ができない無抵抗の案件が多いものですが、取引の実情に応じて、期限の利益喪失の点や、取引の個別性(一連一体性の否定)、過払金請求の消滅時効の起算点などの争点を詳細に主張して行くと、反論の効果が出る場合があります。

① 最近の案件では、まず長崎地裁で債務者側から全国大手の金融会社を被告として約500万円の過払金請求訴訟が提起されて、私が金融会社側の代理人として活動した案件があります。
  債務者側の代理人は楽勝の案件だと考えていたようですが、私の方は、期限の利益喪失の点と過払金請求の消滅時効(起算点の論点)等を詳細に主張し、これで充当計算すると過払金は8万円にしかならない等と反論をしました。
 この案件では、判決になっても当方勝訴と見込んでいましたので、和解をする必要もなかったのですが、裁判所から和解による解決の打診があり、当方としても長崎地裁にまた何回も出頭するのは費用と時間がかかりますので、当方の主張に少し上乗せをして30万円を支払うという内容で、勝訴的和解で解決しました。

② 次に、熊本地裁H26.8.20判決(控訴審)での銀行系カード会社(信販系)の代理人の案件があります。
    この案件は、一審は、債務者側が熊本簡裁にカード会社を被告として約70万円の過払金請求訴訟を提起したものです。信販系のカード会社の取引には、ショッピング取引(物販)の他に、キャッシング取引(個別貸付の一括返済方式)、カードローン取引(継続的貸付が予定され、残高に対し一定額を支払うリボルビング払いのもの)などがありますが、債務者側はこのような取引の区別はお構いなしに、すべては一連一付の取引であるとして、時系列での貸付と入金で単純に元本充当計算をして請求して来ます。この訴訟案件の場合もそうでした。
  これに対して、私の方は、取引の個別性を主張して、一連一体方式ではなく、各取引ごとに個別の元本充当計算をすべきであると主張しました。その理由は次のとおりです。
  (ア)カード契約は、キャッシング取引を含むサービス利用できる地位を取得したものにすぎず、カード会員になった時点で、その後に貸付と返済が繰り返すことを予定されているものではないから、貸金契約にいう「基本契約」ではない、(イ)キャッシング取引は一括返済、カードローン取引はリボルビング払いで、また両者は利息も異なっており、返済方式と利息という契約要件が大きく違っている、(ウ)キャッシング取引は継続的な貸付取引を行うことを前提としたものではなく、また、各取引における弁済は各借入に個別に対応する形で処理されている、(エ)したがって、過払金が発生した場合にその時点で債務者の別の債務の支払に充当するという充当合意を認めることはできない、(オ)よって、本件では、取引を一体のものと見ることはできず、各取引ごとに個別に元本充当計算をすべきであり、そうすると、本件過払金請求権は殆んどが消滅時効により消滅している。

  信販系のカード取引における取引の一体性、個別性の争点は、実はかなり難しい面があり、現在は判例の見解も分かれています。取引を個別のものだと判断したものとしては、福岡高裁H25.10.8判決、福岡高裁宮崎支部H23.10.26判決、同H24.9.19判決、広島地裁H26.5.13判決などがあります。
 私としては、福岡高裁内では既に上記の判例があることから、少し安心していた面もあったのですが、一審の簡裁判決は、債務者寄りの判断で取引の一体性を認めて、原告の請求を全部認容しました。
 そこで、当方は直ちに控訴し、上記のような基本に立ち返って更に詳細な控訴理由書を提出して主張を尽くしましたところ、控訴審の判決としては、逆転して当方が勝訴となり、過払金としては僅か500円位の支払を命じられただけでした。
 今後、福岡高裁に上告案件として係属するかどうかはまだ分かりませんが、高裁の判断が分かれるような状況になった場合には、最高裁が統一的判断をすることがあるかもしれません。

(追記:この判決は債務者側は上告せず確定しました)

88. 最高裁判所での弁論 ( その1) (2014.08.14)

 民事事件について、昔は「まだ最高裁がある」と言って、事実関係の争いについても最高裁に上告できましたが、現在事実関係の争いは高裁までとなり、最高裁への上告申立や上告受理の申立ては憲法違反、判例違反や下級審の判例統一の必要性がある場合などに限定されていますので、代理人弁護士として最高裁の法廷に立って弁論する機会は少なく、かなり珍しいことになっています。
 私はこれまで2回、最高裁の弁論に関与しましたので、今回はその時のことをお話しします。

 第1回目は、最高裁(第1小法廷)H11.3.11判決(判例時報、NO.1673-80)でした。

1. この事件は、旧貸金業等規制法43条1項の「みなし弁済」の成否に関するものです。
 「みなし弁済」規定とは、利息制限法の制限利率を超えるけれども刑罰法規である出資法の制限利率を超えない、いわゆるグレーゾーン金利について、所定の要件を満たせば、「有効な利息の支払いとみなす」というものです。
 これは、一方で利息制限法による消費者の利益を守りつつ、他方で貸金業者の経営的なリスクや闇金融の発生防止を目的とした調整的な政策立法でした。
 そして、このみなし弁済の要件のひとつとして債務者に「契約書面を交付」する必要があったのですが、争点となったのは、借入金の分割払の返済期日について「毎月○日」と定められた場合に、その○日が日曜日その他の休日に当たる時に、前日まで返す必要があるのか、それとも休日の翌営業に返せばいいのか、これを契約書に書いてないのは、債務者が迷うから不利益で、契約書面の明確性を欠き、要件である契約書面を交付したことにならない、したがって「みなし弁済」は成立しないのではないか、という点でした。
 この点について、広島高裁は、返済期日が休日に当たる場合には、いつ返せばよいのかを記載しておく必要があり、この記載がないと書面としての明確性を欠き、契約書面交付したことにならないとして、「みなし弁済」を否定しました。
 私の依頼者の会社は当時熊本に本社を置いて全国38カ所位に支店を展開していて、この広島高裁の事件は広島の弁護士さん2名が受任されて担当をされていたのですが、広島高裁で敗訴したことから、本店の顧問である私に事件を担当して欲しいということで、私を主任として、最高裁への上告等の申立てをすることになりました。

2. それで内容を検討することになりましたが、本件は民法上の一般的な争点として考えると、「約定の弁済期日が休日の場合には、その前日までに返す必要があるのか、休日の翌営業日に返せばよいのか」という問題になります。
 何だそんなの物凄く簡単なことじゃないかと思われそうですが、まず民法にはその規定がないのです。民法142条は、「期間」が満了する日が休日に当たる時は、その日に取引をしない慣習がある限り、その翌日に満了すると規定していますが、「期日が休日に当たる時」については規定がないのです。ちなみに、当時の注釈民法では、行政解釈として休日の前日までに返済すべきと解釈されていると記載されていました。判例も調べてみましたが、こんな簡単な争点そうなのに、まだ判断した判例はなさそうでした。
 確かに慎重な人は前日までに返すでしょうし、楽観的な人はそんなの休日の翌日でいいじゃないかと言いそうです。その意味では、広島高裁がいつまでに返済したらいいかよく分からないから、債務者に不利益になると判断したのも1つの考え方だとは思います。
 しかし、事件を受任した私としては、そもそも広島高裁判決のように法17条の要件を厳格解釈するのは立法趣旨からして不当であるということや、返済日については民法142条の準用によって休日の翌営業日に返済すればよいことであって、したがってそのことをわざわざ契約書に記載する必要はない等として、詳細な上告理由書を提出しました。
 そして、かなり期間が経ってから、何と最高裁から弁論期日開催の連絡が来たのです。この間最高裁の書記官ともやり取りをしましたが、最高裁がこの件で弁論期日を開くということは、広島高裁判決を破棄するということですので、本当にびっくりしました。

3. 最高裁の弁論期日当日は、会社の担当役員と2人で最高裁に赴きましたが、まずタクシーで最高裁の玄関前に乗り付けると、守衛の人達が4人位いて、激しくシッ、シッと言った手振りでここに車を止めるなと追い払おうとするのです。
 まぁ、何と威圧的なことと思いましたが、20m先まで行って停車して降りて、正門まで行って事件の当事者であることを告げると、今度は皆さん人が変わったように、手を上げて最敬礼をして「ハッ。どうぞ!」と丁寧に招き入れられました。まずこの豹変振りは面白かったですね。

4. 次に、最高裁の正門からは、事件関係者と代理人だけしか入れません。他の人達、傍聴人は裏門から入って、金属探知機のゲートをくぐってからでないと裁判所の建物内に入れませんので、これはまず驚きでした。
 そして、正門から入って、だだっ広い誰もいない最高裁の庭を正面玄関に向かって真っすぐに担当役員と2人だけで歩いて行く様は、何とも心地よいものでした。逆転勝訴することが分かっているのですから、尚更気分が良い感じでした。

5. 最高裁の建物は、中に入ると、非常にゆったりとした広々とした造りになっていました。廊下の所で待っていると、廷吏の方がやって来て「坂本先生ですか?」と聞かれるので、「はい、そうです。」と答えると、「こちらにどうぞ」と言って、上告人側の待合室に案内されました。
 中に入ると、待合室もゆったりとしていて、重厚な造りの机や椅子があって、先に広島高裁で会社側の担当をされていた先輩のT先生(36期)がおられたので挨拶をして、2人とも初めてのことですので、色々と話しをしながらもやや緊張した気持ちで開廷を待っていました。

6. 暫く待っていると、廷吏の方が「こちらにどうぞ」と言って、法廷に案内されました。最高裁第1小法廷は、5人の最高裁裁判官から構成され、裁判官席はハイバックの椅子で、いかにも威厳がありそうな感じです。
 普通の法廷と違うのは、書記官が2人いて、廷吏も2人いることです。
 代理人弁護士席は上告人側が5席、被上告人側が5席で少し丸い形で裁判官席に向かい合っています。上告人側には主任の私と広島のT先生が、被上告人側には5名の債務者側代理人が着席しました。この事件では、被上告人側は全国で約150名の大弁護団を組んで対抗していましたので、傍聴席にも、やはり珍しいのか30人位の被上告人側の弁護士が詰めかけていました。

7. 席に着いて、まず一番驚いたのが、「あれっ?」と思って見てみると、何と目の前の書記官のうちの一人が熊本簡裁で書記官をしていた顔見知りの人だったのです。向こうは当然分かっていて、私と目を合わせて、ニコッとしていましたが、私は「何で彼が最高裁の書記官としてここにいるんだろう?」と全く不思議な思いでした。
 最高裁の書記官と言えば、我々弁護士の考えでは、書記官の中でも超エリートの人がなるのだろうと思っていましたが、必ずしもそうではないようで、後で熊本に帰って熊本地裁の書記官らに「最高裁でこんなことがあったよ。」と言って尋ねると、「彼は東京に異動の希望を出して行けたらしいです。」と話していました。
 また、この日は依頼会社の担当社員も傍聴に来ていて、その中の一人の人は裁判所の書記官を辞めてその会社に入社した人ですが、「実は自分も最高裁にいたことがあって、(謙遜かもしれませんが)超エリートということではなくて、先輩から引き上げて貰いました。」と説明していました。裁判所も世間並みのことがあるようです。
(ちなみに、私の依頼会社は、これまで社員の中から5名位の司法試験合格者を出している会社で、かなり珍しい会社です。)

8. さて、いよいよ最高裁の裁判官5名が入廷されて、弁論手続が始まりました。
 上告人側の私の方は、事前に詳細な上告理由書その他の書面を提出していましたので、「書面のとおりです。」というごく簡単な弁論で終わりましたが、債務者側の被上告人側代理人らは、最高裁の裁判官に自分達の意見を生で直接伝えることができる機会はめったにあることではありませんので、逆転敗訴することは分かっていても、これ幸いにとばかりに、1人10分以上、5人で約1時間にも亘って、気合を入れて、やれ律令の昔から高金利は悪とされるだとか、貸金業等規制法は憲法違反だとか、全くの政策論や無理な違憲論を長々と弁論されるのです。
 さすがの私も、余りの関係なさに呆れて聞いていましたが、そのうちに5名の最高裁の裁判官たちの表情などの方が面白くなって、じっとその様子を観察していました。中央の女性の裁判長の方は、熱心に身を乗り出すようにして被上告人側の弁論を聞いている様子でしたが、中にはいかにも「もう。そんなこといいじゃないの」という気持ちが表情や仕草に表れている方もいて、私は、「あぁ、裁判官、検察官、弁護士、行政官の各出身者から構成される超エリートであっても、やっぱり人間味があるなぁー。」などと思って、楽しみながら、時間が過ぎるのを待っていました。
 ちなみに、私が最高裁の司法研修所時代に刑事弁護の科目を担当して頂いたF弁護士も後に最高裁判事になられましたので、最高裁裁判官も全くの「雲の上の人」ではないんだということは実感として分かるようになりました。
 そして、やっと、被上告人側の「口頭弁論」が終了しましたが、私も被上告人側のあまりの関係ない内容に腹が立った面がありましたので、手を挙げて「反論させて下さい。」と言って許可を得て、原稿はありませんでしたが、緊張しながらも、被上告人側の主張は政策論や到底無理な違憲論にすぎず全く説得力がないと反論を行いました。これに対しては、中にはうなずくような仕草をされる裁判官もおられて、心強く思いました。

9. 以上で法廷での手続きは終了しましたが、その後はひと仕事終えた安心感もあったので、最高裁の内部を見学することにしました。
 まず、最高裁の15名の裁判官全員で構成される大法廷を見ましたが、天井から自然光のトップライトが法廷内に降り注いで、さすが日本最高の法廷、神々しさと威厳が漂っていました。
 次に、図書館に行ってみました。これはご存知ない方が多いと思いますが、最高裁の図書館は法曹関係者であればだれでも利用できるとのことでした。図書館はとってもゆったりとしていて、蔵書が沢山あり、担当職員の方も3人もいて、立派なおそらくかなり高額と思われる大きな額装の絵も飾られていて、辺りには深閑とした静けさが漂っていました。正直なところ、こんな形で国民の資源があるのならば、もっと活用しなければ勿体ないと思いました。
 この日は初めての最高裁での弁論を経験し、所内の見学もできて、満ち足りた気持ちで裁判所を後にしました。

10. その後、H11.3.11に最高裁の判決が出ましたが、内容的には簡潔なものでした。
 本件争点については、「返済期日を単に毎月○日と定めただけで、その日が日曜日その他の一般の休日に当たる場合の取扱いが明定されなかった場合には、その地方において別異の慣習があるなどの特段の事情がない限り、契約当事者間に○日が上記休日である時はその翌営業日を返済期日とする旨の黙示の合意があったと推認される。(なぜなら)現代社会においてはそれが一般的な取引慣習になっていると考えるからである(民法142条参照)」、そして、「右黙示の合意があったと認められる場合には、みなし弁済の要件としての契約書面によって明らかにすべき「各日の返済期日」としては規定の約定によって定められた毎月○日という日が記載されていれば足りる」と判断しました。
 そして、広島高裁の判決はこの点で法令の解釈適用を誤っているので、これを破棄して、契約書面の交付の有無について更に審理を尽くさせるために、事件を広島高裁に差し戻すというものでした。
 私は、当方の逆転勝訴の結果は分かってはいた訳ですが、判決のあまりにも簡単な理由付けに拍子抜けした面がありました。果して「翌営業日に返済することでよい」というのが日本の社会において「一般的な取引慣習」と言えるのだろうか? それが「暗黙の合意」と言えるのだろうか? それはまさしく最高裁だからそんな理由付で結論を出せるのであって、司法修習生の答案だったらもっと論理展開しないと合格点は付かないだろうな、などと考えたりしました。
 しかしながら、理由はともあれ、結果的には満足すべき第1回目の最高裁での弁論でした。

11. その後は、広島高裁での差戻審となって、この件も私が担当しましたが、債務者側は以上のような最高裁判決が出てしまったので、差戻審では、「広島地方には最高裁が示したような取引慣習はなく、特段の事情がある」と反論しましたが、このような主張が通るはずもなく、差戻審も当方の勝訴となりました。

12. 以上が私の第1回目の最高裁での弁論の経験ですが、色々な事を経験することができて、本当に勉強になりました。また、一般民亊上の論点について最高裁の新判例を作ったという意味でも、大変貴重なものでした。

87. 最高裁判所での弁論(その2) (2014.08.13)

 私が、2回目に、最高裁判所での弁論に関与したのは、最高裁H18.1.13判決(判例時報No.1013―106)、同H18.1.19判決などです。

1.この第2回目の関与も旧貸金業等規制法43条1項のみなし弁済に関するものですが、これらの判決は、後日いわゆる「グレーゾーン否定判決」として超有名になる重要判決でした。
 この判決の影響は重大で、グレーゾーンについてのみなし弁済が事実上否定された結果、債務者側から利息制限法上の制限利率にもとづく元本充当計算による過払金請求が爆発的に増大し、貸金業者は経営ができなくなり廃業が相次いで激減し、また貸金業法の規制強化の法改正につながるなど、日本の社会の各方面に重大な影響を与えることになりました。
 この判決に至る経過は次のとおりです。

2.最高裁での弁論(その1)で述べましたように、私の依頼会社は、平成11年にみなし弁済の成立要件について最高裁で逆転勝訴の判決を得ましたので、その後はみなし弁済の主張立証については盤若ともいえる体制を整えていました。その結果、全国の裁判所でもこの会社の主張立証はしっかりしていて隙がないと評価されるようになり、日本でも唯一みなし弁済の主張立証体制を整えている会社だとの評価まで受けるようになりました。
 また、私もこの分野では法律論や立証体制等の面で全国的にリードして行くくらいの気持ちでいて、色々と研鑽を重ねましたので、担当した裁判でも実績をあげていました。

3.ところが、やはり社会情勢には勝てないもので、大手貸金業者の利益が上がり過ぎ、一方で借金苦による破産、夜逃げ、自殺などの悲惨な状況が報道されるようになると、業者への批判が強くなって、次第に風向きが変わってきました。
 そのうち、債務者側の弁護士さんも何とかみなし弁済の制度を崩そうと色々な主張を主張されるようになりました。
 ①その中でも重要だったのは、まず、みなし弁済の要件のひとっとして債務者が「利息として任意に支払ったこと」が必要なのですが、貸金業者の契約書面には「債務者が毎月の分割金または利息の支払いを怠った時は、当然に期限の利益を喪失し、元利金を直ちに支払う」と記載されており、この「利息」という表現では、債務者は約定金利(グレーゾーン金利)を期日までに支払わないと期限の利益を喪失すると考えて、結果的には約定金利の支払いを強制されることになるから任意の支払とは言えない、という主張でした。
 これに対しては、私は、このような考え方によれば、結局は、貸金業者は債務者に対し利息制限法上の制限利率を超える約定金利については支払義務がないことを説明しなければならないということになるが、そのようなことは貸金業等規制法が予定しているところではない。そのような説明義務までは課されておらず、むしろ債務者側からのみなし弁済の仕組みを知らなかったなどという「法の不知の抗弁」は許されないなどと反論していました。
 また、上記のような制限の利益喪失条項の表現は、全国貸金業連合会の統一契約書も同様のもので、全国の殆どの業者はこの統一契約書を使用して業務を行っているので、このような考え方によれば、貸金業等規制法施行以来殆んどみなし弁済は成立しなかったことなってしまって、全国的に極めて重大な影響が発生することも主張しました。
 また、これは最高裁での弁論の際に主張したことですが、実は同法施行当時、最高裁民事局は全国貸金業連合会に統一契約書のひな型の提出を要請し、これを受けて、同連合会の役員が最高裁民事局の裁判官2名と面談してこの統一契約書も交付していたのです。そうすると、最高裁は統一契約書の内容については事実上是認していて、だからこそ長年の間全国的に使用されてきた訳ですが、それを今さら何十年も経ってから、裁判所が実はこの統一契約書の表現ではみなし弁済は成立しないと判断するのは、全くの背理ではないかとも主張しました。(なお、私にとっては、最高裁の民事局が、このように法律施行に当たって業界団体の統一契約書をチェックしていたということ自体が驚きでした。)
 以上のような双方の主張に対し、全国の多くの高裁判決は、当方側の主張を肯定して、債務者側の主張を排斥している状況でした。
 ②あとひとつの債務者側の主張は、貸金業等規制法施行規則(内閣府令)によれば、同法の領収証交付の要件である貸付年月日等の記載については契約番号を記載することを以てこれに代えることができるとされているが、これでは債務者はどの借入金の分の領収証なのか分からず不利益であるから、この内閣府令の規定は同法違反として無効である、というものです。
 これに対しては、私の方は、債務者はそう数多くの借入をしている訳ではなく、契約番号を明示すれば借入契約を特定することができるので、内閣府令の規定は不合理な規定ではない、また、全国の業者はお上が作った内閣府令は当然に有効なものと信じて業務を行っており、それゆえ金全連の統一契約書もこの内閣府令にもとづいて作られているのに、それを無効と判断するのでは、同法施行以来実はみなし弁済は一件も成立していなかったということになってしまって、極めて不合理な結果を招くので、そんなことは到底認められるはずもない、などと反論していました。
 以上のような双方の主張に対しても、多くの裁判所は当方側の主張を肯定して、債務者側の主張を排斥している状況でした。

4.このように、当方が圧倒的に有利な状況の中で、債務者側から自分達が敗訴した高裁判決について何件かが上告申立て等がなされた訳ですが、この件についても、また私が主任となってかなりの量の反論の書面を最高裁に提出しました。
 私としては、各地の高裁での判例状況からして、最高裁でも大丈夫だろうと安心していた面がありました。
 ところが、その後、何と、最高裁から弁論期日開催の通知が届いたのです。弁論が再開されるということは、当方が勝訴している高裁判決が破棄されるということですから、これには本当にびっくりしました。
 そして、最高裁は一体どんな理由をつけて、原判決を破棄するのだろうか?と考えていました。
 この時の最高裁の弁論期日には、当方が出席していくら弁論しても無駄で、逆転敗訴することが分かっていますので、出頭はしませんでした。

5.最高裁の判決は、①ここで問題となっている期限の利益喪失条項の表現によれば、債務者は約定の期日に毎月の分割金と約定金利(グレーゾーン金利)を支払わないと期限の利益を喪失するものと考え、この不利益を避けるために約定金利の支払を事実上強制することになるので、任意の支払とは言えない、②同施行規則(内閣府令)の規定は同項所定の要件を変更しており、法の委任の範囲を逸脱した違法な規定であるから無効である、というものでした。
 私としては、全く納得の行かない判決で、そうであれば貸金業等規制法のみなし弁済の制度とは一体何だったのかと思いました。最高裁が、法施行以来続いて来たみなし弁済制度を事実上否定したことになるからです。特に、国が作って業者にこれに従って業務をするように厳しい指導をして来た内閣府令の規定そのものが違法で無効であると判断したのですから、全く前代未聞の判断でした。
 大学時代の刑事政策のS教授が授業中に「理屈と膏薬はどこにでも付く」と言っていましたが、司法の場でも、まずは社会状況を踏まえた債務者救済という政策判断が先にあって、これを導くための理論構成や理由付けは簡単にできてしまうという面はあると思います。この判決でも、おそらく上記のような当時の社会情勢を踏まえての政策判断が先行していたものと思います。
 その証拠に、この判決を出した最高裁第2小法廷の裁判長だったT裁判官は、弁護士出身ということもあって、最高裁判事退任後に朝日新聞の特集インタビューに応じられて、自分が関与した重要事件についてコメントされていましたが、この判決については、債務者救済に向けて政治が動かなかったから裁判所が判断をした旨の解説をされていました。やはり時代の流れには勝てなかったのです。

6.私の依頼会社は、先を見越して、平成13年頃には、大手上場会社との大規模なM&Aにより殆どの業務を営業譲渡していましたので、このグレーゾーン否定判決による影響はそう大きいものではありませんでした。
 しかし、この判決は社会的には前記のとおり日本社会の各方面に重大な影響を与えることになり、日本の金融システムの変換や法改正などにまで繋がって行きました。
 敗訴の結果になってしまったとはいえ、このような重要判決の手続に関与して議論を闘わせたことは、本当に貴重な経験となりました。

86. 夏休みのお知らせ (2014.08.12)

 事務所は、平成26年8月13日(水)~8月17日(日)まで、
夏期休暇でお休みさせて頂きます。

 ご迷惑をお掛けしますが、どうぞよろしくお願い致します。

85. 超高速度カメラ (2014.08.11)

 写真ブログのNO.2095でも書きましたが、主体の認識能力の制約、差によって、この世界や対象は全く違ったように認識されます。
 人間は制約のある人間の目で世界を認識し、虫たちは制約のある虫の目で世界を認識しますから、本当は世界がどうなっているかはよくは分からないのです。その色も、形も、動きも、そして存在さえも。

 今日の新聞報道によると、①これまでは高速度カメラは機材式や電気式のシャッターを使って10億分の1秒での撮影だったのを、東大と慶大の共同チームがこの1000倍以上の1兆分の1秒ごとに連写できる世界最高速のカメラを発明した、②熱伝導を世界で初めて連写することに成功して、熱は秒速5万Kmもの速さで波のように伝わることが確認された、そうです。
 
 その時間の短さは桁外れで実感できませんが、超微小の時間で世界を止めることができれば、さらに世界の構造の解明は進むでしょう。例えば、人間の赤血球は1秒間に200万個作られていると言いますが、そんな微小な変化の過程も今後は少しずつ明らかになって、人間の世界認識の仕方も大きく変わって行くでしょう。

84. 「るろうに剣心」 (2014.08.10)

 ここのところ週末は雨模様だったので、菊池渓谷で水中写真を撮ったりした後は、「GODZILLA」、「るろうに剣心・京都大火編」、「宇宙兄弟(アニメ)」の映画を観ました。

1.「GODZILLA」は、ハリウッドの第1作目がトカゲのお化けにしかすぎなかったのに対し、今度の作品は、日本のゴジラをリスペクトして核の問題性も提起していて、製作費も150億円などと前宣伝していたので、楽しみにしていました。観客数も多かったのですが、全くの期待外れでした。
 CGやVOX技術の発展でリアルな物凄い映画はいくらでも作れる時代ですが、やはりテーマ性が明確でないと、全く心を打たないただのドタバタになってしまいます。

2.「るろうに剣心」は大ヒット中とのことですが、これはなかなか楽しくていい映画でした。
 幕末の伝説の「人斬り」だった緋村剣心、新しい時代の生き方として「不殺」を誓い、その象徴としての人を斬ることができない逆刃刀(さかばとう・刃と峰が逆になっている)を使い、これと対極にある志々雄の憎しみと野望と闘います。
 現実の闘いの中での剣心の勇気と、殺と不殺の間で揺れ動く心の葛藤、そしてスピーディーな今までと違う殺陣(たて)回し。エンドも、次回9月公開の続編を早く見たいと思わせるカッコよさでした。
 原作からすると人によって色々と評価はあるでしょうが、お盆休みに観られたら楽しいですよ。

83. 花はなぜ枯れるの、あしたはなぜあるの (2014.08.07)

1.今日、裁判所からの帰りに車を運転しながらラジオを聴いていると、「夏休み子供電話相談室」をやっていて、小さな女の子が「花はなぜ枯れるんですか?」と質問していました。
 思わず、すごい質問だなと思いました。本当は生命の仕組みやあり方を問う深遠な質問で、掘り下げれば一冊の本が書けてしまうでしょう。
 回答者の方は、①花の役割は子孫を作るために種を作ることにあります、②だから、花は、虫たちに来て貰って受粉ができるように目立とうとして、美しく咲いているのです、③そして、受粉が終わると「花の役割」は終わってしまうので、花を枯れさせて、種を作るのです、④現在では、花を枯らせるDNAも分かって来ていて、これを操作することで、枯れにくい花の時期が長い花も作れるようになっています、などと回答していました。
 回答は生物学的な回答でしたが、その説明の中にも、「花の役割」という、非常に奥深い内容がありました。
 突き詰めれば難しい質問です。では種を作るのは何のため? そうやって生命が受継がれ流れていくのは何のため? そもそも生命は何のため? 生命の流れ、生命の仕組みと役割などにつながる、考えれば本当に難しい質問です。回答者の方も、さぞ回答が難しいことでしょう。

2.この質問のように子供電話相談室では、時たま子供たちから物凄く鋭い質問が出て来ます。
 私が一番印象に残っているのは「明日はなぜあるの?」という質問です。
 これには、当時回答者をされていた永六輔氏たちも言葉が出ないほど面食らったようですが、やはりさすがです。
 「人間も動物も植物も、何万年もの時間の流れで生きてきました。だけど人間はカレンダーがあるから昨日とか今日とか明日とか考えるけど、お魚はそうは考えないと思う、お星様も考えないと思うよ。(ここは、本質的なところです)。でも、明日は、やっぱりあった方がいいですね。何かまだできないことをするために明日があるんですね。自分の希望がもしかしたら明日叶うかもしれない(これは、子供への現実的な励まし)。」などと、非常にいい回答をしていました。
 こんなやりとり、いいですね。

82. 賄賂社会 (2014.08.06)

1.中国の習近平体制は、「ハエも虎も叩く」をスローガンに反腐敗闘争を進めているようですが、先日の報道によると、石油閥出身で共産党政治局常務委員(チャイナ・ナイン)も務めた周永康氏を汚職の容疑で取調べ、部下や親族300人も拘束し、資産を何と約1兆5000億円(!)も差押えたとされています。
 この事態には色々の解釈があるようで、国民の貧富の格差の拡大と汚職の蔓延の中で、国民の怒りを抑えて共産党一党体制を守るためには、もはや党の実力者だった者でも不正は許さないという姿勢を示さざるをえない状況になっているという面と、いやいやそうは言ってもやはり権力闘争の面があるんだなどという、色々な解釈がなされています。

2.賄賂には長い歴史を持つ中国は、「人治主義」「賄賂社会」で、地方政府の許認可をはじめ、ビジネス、学校、病院などの至る所で賄賂が常態化しているという話をよく聞きますが、私も仕事上実際に話を聞いたことがあります。
 それはもう20年以上も前のことになりますが、ある方の依頼で熊本にある会社に対する債権回収の案件で判決を取得しましたが、その会社には日本国内には目ぼしい資産は発見できませんでした。ただ、中国の大連に地元資本との合弁の海産物を取扱う有限公司を設立していて、確か1000万円位の出資持分を有していることが判明しました。
 そこで、まずは熊本の裁判所で、中国のこの合弁会社を第3債務者として、債務者会社の合弁会社への出資持分を差押える旨の債権差押命令を取得しました。
 ここで、問題となるのは、第3債務者である中国の合弁会社への債権差押命令の送達手続ですが、これは私もその時初めて外国送達のやり方を知りましたが、最高裁に上げられて、最高裁から(さらに外務省を通じてだと思いますが)送達されました。
 本当の問題は、その後で、日本の法律で以上のような法的手続を取っても、中国の国内では何ということはないので、私はこの後の中国国内での手続をどうしようと考えていました。
 ところが、中国の実情をよく知っている私の依頼者は、「いえ、この差押命令があるだけで十分です。現地に行って対応すれば何とかなります。」と言って、日本の裁判所の債権差押命令と翻訳文を持って大連に飛びました。
 そして、現地の中国の弁護士にも依頼をしたそうですが、私が一番びっくりしたのは、この案件で自分か有限公司の支配権を握れるように、人民法院の所長に面談して、案件がうまくいくように依頼をして、そのために当時は人気だった日本の高額な大型テレビ3台を「おみやげ」に持って行ったということでした。
 依頼者いわく「中国では袖の下は当り前のことですよ。これがないと何もできません。」と言っていましたが、私としては、個別の案件について日本で言えば地裁の所長にあたるであろう人民法院の所長が申立人側と直接面談するということ自体が大変な驚きでしたし、さらにまた、裁判官が平気で高額な「おみやげ」を受け取るというのも全く信じられないことでした。
 その後は、大連で事件を担当していた弁護士2名が私との顔合わせのために来日して、福岡の温泉に一泊して色々と話しをしましたが、当時の中国の実情が聞けて非常に興味深いものでした。

 今は大国意識を持った中国ですが、モラルの問題、民主化や法の支配の確立の問題など、中国が抱える問題は昔からかなり根深いものがあるようです。

81. スパイシー・ガーデン (2014.08.01)

 今日から8月。
 本格的な暑さに負けないガーデンを目指して、花トウガラシをメインにして植替えをしてみました。
 花トウガラシのカラフルな美しい色を眺めていると、自然と元気な気持ちになれます。トウガラシは、血行促進、心身の活性化、精神の安定・・・などというイメージがあります。眺めているだけでも、いかにも気の巡りが良くなり気力が回復して、元気になれそうな感じがします。

 事務所にお越しの際には、暫し足を留めてご鑑賞下さい。
 きっと、元気を与えてくれると思います。(ガーデン担当:hakko)

80. 夢の力   (2014.07.29)

 平成26年7月26日(土)、新市街のデンキカンで「夢は牛のお医者さん」という映画を観ました。
 新潟県松代町(合併後は十日町市)の山間にある小さな集落に生まれた丸山(旧姓高橋)知美さんの獣医になる夢を、小学生の頃から26年間に亘り見守り続けたドキュメンタリー映画でした。

 この地域は冬は雪が3mも積もる豪雪地帯で、冬は男は出稼ぎに出て過疎化し、知美さんが通う小学校も生徒数は僅か9人。そんな中で、3頭の牛が「入学」して来て、3人1チームで1頭ずつの牛の面倒をみることになります。親身になって育て、可愛がり、そして触れ合って・・・。しかし、10ヶ月後、牛への愛情と結びつきに包まれていた時に、牛たちは出荷されていきます。子供たちは、その悲しい体験に、本当に純粋ににポロポロと涙します。遠く牛を運んで行く車を見送る子供達の後ろ姿が印象的でした。
 その後も、知美さんは、畜育農家をしている両親に頼んで子牛を買って貰い、自分で育てたりして、実家が畜育をやっていたことも関係したのでしょう、「獣医さんになりたい」との夢を抱きます。

 人は、小学生の頃何となく将来の夢を持っても、その夢を抱き続けてそのまま実現するのはなかなか難しいものですが、知美さんは芯の通った本当にしっかりした人です。
 高校は家を離れて下宿をして高田高校に進学し、夢を実現するために高校3年間はテレビを見ないと決めて努力し、更に実家の生活のことも考えて国立大に一発合格でなければ夢を諦めるとの強い覚悟を持って勉強して、難関の岩手大学獣医学科に入学します。
 そして大学で6年間勉強して、無事獣医師国家試験に合格。その後は地元の農業共済組合に就職して、地域の畜育農家への往診などを行い、現在は結婚もされて、2児を設けています。

 実際に現場に出ると、動物の生命という側面と、一方ではあくまでも畜育目的という経済合理性の制約との間での葛藤もあるようですが、何よりも獣医師としての経験を重ねて、自分の仕事に自信と誇りを持って、少しでも畜育農家に貢献しようという気持ちに溢れています。まさしく絵に描いたように活き活きと生きています。

 凛とした芯の強さがある女性なので、どの方面に進まれても成功されたでしょうが、もともとの原動力となった幼い頃の「夢の力」の大きさを感じます。
 夢に生きる人生は、いいものです。 

79. 会社法改正のポイント (2014.07.28)

 今回はかなり専門的な内容ですので、多くの方は飛ばして読まれた方が良いかもしれません。

 平成26年6月20日会社法の改正法が成立し、今後政令で定める日から施行されることになっていますので、今回はそのポイントを勉強してみました。条文の引用は省略します。

1.まず、改正法の立法理由は、株式会社の最近の社会経済情勢に鑑み、社外取締役等による株式会社の経営に対する監査等の強化と、株式会社及びその属する企業集団の運営の一層の適正化等を図ったものです。要するに、規制強化です。
 そのポイントは次のとおりです。

2.企業統治(コーポレート・ガバナンス)に関連する改正

①社外取締役の選任に関する規律
 社外取締役の選任の義務化については見送りとなりましたが、「公開会社、大会社及び有価証券報告書を提出会社である監査役会設置会社で、事業年度の末日に社外取締役がいない場合には、定時株主総会で、社外取締役を置くことが相当でない理由を説明しなければならない」ことになりました。
 さらに、会社法施行規則では、株主総会参考資料でもその理由の記載義務が規定される予定です。
 この規定は、上記のとおり公開会社等に対する規制で、一般の中小企業は規制は受けません。
 実務上は、公開会社等では、社外取締役を置いていない場合は今後置くべきかどうかと、置かない場合は「相当でない理由」をどのように説明、記載するのかが問題になります。
 この点、この理由についてはパターン化したものはダメで、各社の実情に応じたものでならないとされていて、また既に外部監査役が2名いることのみを以てその理由とすることは出来ないとされていますので、なかなか難しいものがあります。適任者がいなくて、かつ既に外部監査役がいるなどの理由付が考えられますが、一般にはその理由付けが難しいので、結局は、社外取締役の選任を強力に推進させる内容になっています。

②社外取締役、社外監査役の要件の変更等
 現在において、親会社等の関係者でないこと、兄弟会社(親会社等の子会社)の業務執行関係者でないこと、経営者等の近親者(配偶者、2親等内の親族)でないことの要件を追加して、要件を厳しくしました。
 他方で、ア.要件該当性の判断対象となる期間を、業務執行取締役等について「社外取締役就任前の10年間」業務執行取締役等であったことがないこととし、また、イ.責任限定契約を締結出来る取締役、監査役について、社外の者に限るのではなく、「当該会社において業務執行を行わない者」については社外の者であっても同契約が締結出来るとして、要件を緩和した箇所もあります。
 実務上では、現在親会社からの人間がその地位のままに社外監査役になっている例が多いですが、今後は親会社の関係者は社外役員になれませんので、注意が必要です。

③「監査等委員会」設置会社制度の導入
 これは、一定規模の会社において、指名委員会等設置会社と監査役(会)設置会社との中間的形態の機関設計を認めたもので、任意の規定です。
 「監査等委員会」設置会社には、同委員会が置かれて3人以上で全員が取締役で、その過半数が社外取締役でなければなりません。したがって、監査等委員会設置会社では、最低2名の社外取締役が必要となります。そして、監査等委員会設置会社では、監査役はいなくて、監査等委員である取締役が監査業務を行うことになります。
 この制度の趣旨は、取締役会で議決権を持たない監査役の監査よりも、議決権を行使出来る取締役の方がより適切な監査、監督を行えるのではという期待をもとに、社外取締役導入の促進も図ったものです。

3.親子会社に関連する改正

 多重代表訴訟
 これは、親会社の株主が、子会社の取締役、監査役等の子会社に対する責任を追及する訴えを提起することを認めた制度で、その立法趣旨は、持株会社グループの中での持株会社の株主からの子会社のチェック強化です。この規定は、非公開会社であっても適用があります。
 但し、要件が厳しいので(少数株主1%以上必要、親会社の100%子会社であること、親会社の所有株式の帳簿評価が親会社の総資産額の5分の1を超えることなど)、実際上はあまり利用出来ないのではと予想されています。

4.M&A,組織再編に関連する改正

①親会社による子会社の株式、持分の譲渡
 株式会社は、子会社の株式、持分を譲渡する場合で次の要件を全部満たす場合には、株主総会の特別決議による承認が必要となりました。
 ア.譲渡する株式等の帳簿価格が、当該株式会社の総資産の5分の1を超える
 イ.効力発生日に、当該株式会社が譲渡の対象となる株式を発行する株式会社の総株主の議決権の過半数を有しない
 この趣旨は、現行法上子会社の株式の譲渡は取締役会議決ですることが出来ますが、子会社の株式を譲渡した結果、子会社に対する支配を失う(子会社でなくなる)という場合には、事業譲渡と同じような影響があるものと考えて、総会の特別決議を要求したものです。

②支配株主の異動を伴う募集株式の発行等
 現行法では、公開会社は、有利発行に該当しない限り取締役会決議で自由に第三者への割当て増資が可能ですが、会社の経営陣が支配株主を決めてしまうのは既存の株主の利益を不当に損なう場合もあります。そこで、このような事態に対する規制として
 ア.「公開会社において」株式の引受人に対する募集株式の割当てにより引受人の議決権割合が2分の1(50%)超となる募集株式の発行を行う場合には、まずは株主に対し、払込期日の2週間前までに、募集事項を通知または公告(情報開示の充実、但し、例外あり)が必要になりました。
 イ.そして、この通知、公告を受けて、総株主の議決権の10分の1(10%)以上の議決権を有する株主が2週間以内に当該株式の引受けに反対する旨を通知した場合は、当該会社は株主総会の(普通)決議による承認を得なければなりません。
 但し、当該公開会社の財産状況が著しく悪化している場合で、事業の継続のために緊急の必要がある時は、例外的に株主総会の決議は必要ないとされています。
 
③キャッシュ・アウト(特別支配株主の株式等売渡請求)
 これは、株式会社の特別支配株主(総株主の議決権の90%以上を有する株主)が、対象会社の少数株主に対し、その有する株式の全部を売り渡すように要求できる制度です。
 手続としては、ア.特別支配株主が、対象会社に対し、株式売渡請求をしようとする旨及び所定の事項を通知して対象会社に承認を求め、イ.対象会社の取締役会はこれを承認するかどうかを決定し、その内容を特別支配株主に通知し、ウ.対象会社が承認した場合は、対象会社は取得日の20日前までに売渡株主に対して所定の事項を通知し、この通知があったことで、特別支配株主から売渡株主に対し株式売渡請求がなされたものとみなされます。エ.そして株式売渡請求をした特別支配株主は、取得日に、売渡株式の全部を取得します。オ.また、売渡株主は、株式売渡請求に不服がある場合は、差止請求や売買価格決定の申立て等が出来ます。

5.その他

①詐害的な会社分割等における債権者の保護
 会社分割において、優良資産を承継会社に承継させて、元の分割会社には債務しか承継させないなどの濫用的、詐害的な会社分割に対処するための規定です。
 会社分割によって承継されない債務の債権者が、承継会社に対して、承継した財産の価額を限度として、債務の履行を請求出来る制度です。

②監査役の監査の範囲に関する登記
 監査役の監査の範囲が、会計監査に限定されている場合は、登記が必要になりました。非上場会社ではこのケースが多いので、登記の対応が必要になります。

78. ねこ展 (2014.07.28)

 熊本市美術館分館で、5週間に亘って、写真家の岩合光明さんのねこの写真展が開催されているので、行ってみました。
 特に岩合さんのファンという訳ではなくて、かなり大きく伸ばした写真もあるようなので、額装やパネル張りの仕方がどのようなものかを勉強をしに行ったものです。

 さすが日本有数の動物写真家の写真展だけに、会場はかなり賑わっていて、特に女性の方が多くて、年齢層も広いようでした。 写真は、様々な場所で、色々な表情と動作の猫たちが撮影されていて、まさに猫好きの人にとってもたまらない展覧会といった感じでした。「動くことは生きること」。猫の表情や動作に、私達が生きているのと同様の色々な思いが反映されています。

 使用カメラは、オリンパスとスポンサー契約をされているので、オリンパスE-5やOMDのE-M1(ミラーレス)などで、いわゆるハイエンド機ではありませんでしたが、畳大に大伸ばししても鑑賞に耐え得るもので、やはりプロの写真家を裏方で支えているプリントの専門家の技術は凄いものだと感心しました。

77. 専門士業団体連絡協議会の拡大 (2014.07.23)

 平成26年7月23日夕方から、平成26年度の熊本県専門士業団体連絡協議会第1回目の全体会議がありましたので、参加しました。約40名位の出席でした。

 今年度からは、弁護士会、司法書士会、行政書士会、土地家屋調査士会、税理士会、社会保険労務士会、不動産鑑定士会に加えて、新たに公認会計士協会も参加されて活動をされることになりましたので、これで8団体の連絡協議会になりました。
 専門士業の団体がそれぞれの専門分野の知識と経験を生かして、世の中のために少しでも貢献し、そして双方の親睦を図ることは有意義なことだと思います。

 この協議会の方向性については、各団体でも微妙に取組みの違いがあるのは事実だと思いますが、ただ、私としては、この席上でも発言をしましたが、折角ここまで育って来たのですから、この協議会の存在意義を見据えてより一層の活性化を図るべきだと思っています。
 その意味では、これまでの大懇親会、研修会、合同無料相談会の実施など例年の活動だけにとどまらないで、更なる有意義な活動の企画を考えて行く必要があると考えています。
 各団体の集まりなので運営面や方向性でなかなか難しい面はありますが、熱い思いこそ前進の力です。

76. 熊本弁での勝敗 (2014.07.22)

 熊本弁で裁判の勝負が決まるという、珍しい事件を担当したことがあります。
 
 それは、八代市の市会議員選挙で、僅か1票差で次点となった「土田」さん(故人)という方からの依頼でした。
 僅か1票差ということであれば、再度投票用紙をチェックしてみれば覆ることもありますので、まずは選挙管理委員会に対し審査請求をして、実際に投票用紙を一つずつ再チェックして貰いました。 そしてチェック現場に立会いましたが、投票用紙には色々なことが書かれていて、「バカボンのお父さん」とか「坂本竜馬」とか書いてあるものもあって、わざわざ投票所に来てこういうのを書くのはよっぽど事情がある人だろうなと考えたりしました。チェックの結果は、無効票のうちの1票が土田さんの有効票と認められて、両候補者の得票数が同数となりました。

 しかしながら、無効票の中にひらがな書きで「つっだ」とも読める票があったことから、私は、①この票は「マっだ」ではなく、全部ひらがな書きの「つっだ」である、②八代地方では「土田」のことを熊本弁で「つっだ」と発音するので、この票は土田氏への有効票であると主張して、選管を相手に土田さんの当選確認請求訴訟を提起をしました。選挙訴訟ですので、第一審は福岡高裁でした。

 私は、さて以上の②の立証をどうしようかと考えました。熊本の人にとっては当たり前の方言のことでも、裁判の立証としては、これをきちんとした形で立証して行く必要があります。まだインターネットもない時代でしたが、色々と調べているうちに、当時熊本大学の秋山先生の「肥後の方言学」という本に出逢うことができ、中を読んでみると、同様の方言の例が解説されていました。そこで、私はこの書籍を福岡高裁に書証として提出すると共に、秋山先生に連絡を差し上げて福岡高裁での証人として出頭して頂けるようお願いをしましたところ、快くご了解頂きましたので、福岡高裁で証人尋問を実施しました。その結果、判決では以上の①②の双方の争点について、いずれも私の主張が認められて、逆転して1票差で土田氏の当選が確認されました。

 当時は最高裁の上訴理由は制限されていませんでしたので、当然選管側は上訴しましたが、最高裁は福岡高裁の判断を認めて、土田氏の当選が確定しました。

 選挙の現場を見る機会があった点でも珍しいのですが、方言で勝敗が分かれたという点では全国的にも本当に珍しい事件だったと思います。

75. 戸籍のない少女 (2014.07.22)

 私が、日本でも戸籍のない人がいるのを知ったのは、弁護士になって4、5年位のことでした。

 あるお母さんが相談に来られて、実は夫が服役している間に第三者との間に娘を設けたけれども、そのまま出席届を出すと嫡出推定(民法772条)により戸籍には夫の子供と記載されてしまうので、出生届は出さないで、戸籍にも記載されまいままになっていた。今までは戸籍の提出を求められることはなく困ることはなかったけれども、娘も今は中学2年生となって将来結婚することになると思うので、きちんと戸籍を作ってあげたい、夫は現在行方不明の状態です、ということでした。

 この件では、幸いにも母子手帳などで娘さんの出生の事実が立証でき、また、法務省から夫の服役期間の証明も取得して、夫との性的接触は不可能だとの立証が出来ましたので、公示送達の方法により娘さんと夫との親子関係不存在の確認請求訴訟を提起し、お母さんの尋問も実施して、判決を取得することが出来ました。
 そして、確定判決を添えて娘さんの出生届を提出し、同時に本当の父親からの認知届も提出して貰って、無事に実態に応じた娘さんの戸籍を作ることが出来ました。
 この事件はとてもやり甲斐のある仕事だったと思います。

 弁護士は職業柄日常的に戸籍事項証明書などを見る機会が多いものですが、戸籍の数文字の中にあるいは数行の中にも、色々な人生が詰まっていることを感じます。

74. 「熊本羅針」8月号 (2014.07.22)

  熊本県中小企業家同友会の会報誌「羅針」の8月号が発行され、表紙に私の写真「幻想の夜」が掲載されました。 

  この写真は昨年の山鹿灯篭の千人灯篭踊りを撮ったものです。桟敷席から座ったままの状態で撮らなければならないので、結構大変でした。
  解説としては、「山鹿灯篭の千人灯篭踊り。闇と光の中で千人もの女性が一斉にゆったりと舞う姿は、とても華麗で、幻想的だ。」としています。
  闇に動く金色の光はとてもきれいです。

73. 今年度の弁護士会の広報戦略(対外広報PT) (2014.07.16)

1.テレビCM
 既にブログNO.61で書きましたとおり、7月から県内のテレビ局3局で、弁護士会の5作目の新しいテレビコマーシャル「考える人シリーズ」の「ニャン子編」が流れています。
 これは、今年度から「遺言相続センター」でも「法律相談センター」でも相続の相談については初回無料で対応することになったことから、この点を広く県民の皆さんに知って頂こうとするものです。
 私もテレビで3回位見ましたが、熊本弁なので人を惹き付けるインパクトがありますし、しかも内容にユーモアがあるので、手前味噌になりますが、大変良く出来ていると思います。
 是非関心を持ってご覧頂けたらと思います。

2.熊日新聞の広告
 また、熊日新聞の毎月のタウンバケットでの弁護士会の広告が小さくて目立たなかったので、今年度からは、少し大きくして18㎝×10㎝の大きさで掲載することにしました。早速昨日の朝刊に載っていましたが、やはり大きいと目を惹きます。
 それにしても、やはりこの広告の出来もいいと思います。背景には、青空をバックにした包み込むような握手の写真があって「弁護士はトラブル解決の力強いパートナーです。」、「あなたと共に答えを見つけます。Answer。」となっています。
 弁護士会としても、広報面で色々と考えて試行錯誤をしていますが、いい方向で効果が出てくれればと思っています。

3.その他
 あとは、対外広報PTでは、昨年度は行政用のパンフレットを作成して県内の自治体に送付しましたが、今年度はさらに福祉関係の分野向けにパンフレットを作成して配布し、弁護士会や弁護士の活動等を広報して行く予定です。
 また、ホームページが、リニューアルしたままで適宣適切な更新がなされていませんので、今後は熊日の法律相談の記事などをUPして、少しでも多くの県民の皆さんが関心を持ってリピートして頂けるようにしたいと思っています。

72. 姫りんご  (2014.07.15)

 今日、事務所に「速達」で封筒が届きました。
  差出人は山梨県にお住いのKさんで、以前事務所にご相談に来られた方からのものでした。久し振りでしたが、封筒の中には、Kさんお手製の葉書とご自宅の庭の「姫りんごの実」が入っていました。愛らしい「姫りんご」は微かにりんごの香りがして、まるで天然のブローチのような可愛らしさです。

  同封されていた葉書には、ご自宅の庭の木苺の実が朝露を纏っている様子を繊細な感覚で写真に撮られて、プリントがしてありました。日常の何気ないものの中に素晴らしさを感じて、感動して生きて行けることは、幸せなことだと思います。
  坂本は、これからもKさんがみずみずしい感性でお元気で過ごされることを祈って、お礼のお葉書を書きました。梅雨の最中、心の中に爽やかな涼風が吹き渡るような清々しい思いがしました。

(ガーデン担当:hakko)

71. 自動車運転死傷行為処罰法 (2014.07.15)

 このところ違法ハーブや低血糖症、飲酒等による暴走事故などの報道の中で、「自動車運転死傷行為処罰法」という法律が出て来ます。
 この法律は平成26年5月20日から施行されたばかりで、専門家でもまだ理解が十分ではないようです。まとめてみると次のとおりです。

1.まず、この法律の立法趣旨は、従前の危険運転致死罪の構成要件が厳しいため、悪質で危険な運転が原因なのに軽い処罰しか出来ないのはおかしいとの世論を受けて、自動車の運転による死傷事故について運転の悪質性や危険性などの実態に応じた厳罰化を図ったものです。
 条文は次のとおりです。

2.危険運転致死傷罪(2条、3条)
 次の行為により、人を死傷させた場合です。刑法上の危険運転致死傷罪を移したもののほか、新しい類型を設けています。
①アルコールまたは薬物の影響により正常な運転が困難な状態(意識や運動に障害が出ている状況)、または正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で、自動車を走行させる行為
②進行を制御することが困難な高速度で自動車を走行させる行為
③進行を制御する技能を有しないで、自動車を走行させる行為
④人または車の通行を妨害する目的で、走行中の自動車の直前に進入し、その他通行中の人または車に著しく接近し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
⑤赤色信号またはこれに相当する信号をこれを無視し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
⑥通行禁止道路(車両通行禁止道路、一方通行道路など)を通行し、かつ重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
⑦自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気として政令が定めるもの(統合失調症、低血糖症、躁鬱症、重度の睡眠障害、てんかん。但し、限定あり。)の影響により、その走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転し、その病気の影響により正常な運転が困難な状態に陥った場合。

3.過失運転致死傷アルコール等影響発覚免脱罪(4条)
 アルコールまたは薬物の影響によりその走行中に正常な運転に支障が生じるおそれがある状態で自動車を運転した者が、運転上必要な注意を怠り、人を死傷させた場合において、その運転の時にアルコールまたは薬物の影響の有無または程度が発覚することを免れる目的で、更にアルコールまたは薬物を摂取すること、その場を離れて身体に保有されたアルコールまたは薬物の濃度を減少させることなど。

4.過失運転致死傷罪(5条)
 自動車の運転上必要な注意を怠り人を死傷させた場合で、刑法の規定をそのまま移したものです。

5.無免許運転による加重
 無免許運転については、刑が加重されます。

70. 一握の砂 (2014.07.14)

 先日の朝日新聞のエッセーで、女優の黒木瞳さんが砂時計と石川啄木の歌をとりあげて、限られた命の時間を感じて充実して生きることの大切さを書いていました。
 「頬(ほ)につたふ なみだのごはす 一握の砂を 示しし人を 人は忘れず」

 指の間からこぼれていく砂を見て、人は何を感じるのでしょう。過ぎ行く時間、はかない生命、そして言いようのない悲しみと思いでしょうか。

 無常と変化の認識は大切だけども、もっと大切なことは、それから反転することです。言いようのない悲しみを胸にしながらも、この世界は不可思議な、素晴らしい世界だと思い通して生きていくことです。そうすれば、きっと毎日のこのときが、そして一生が、楽しくて充実していることでしょう。
 過ぎ行く日々に、本当にそのことを感じることが出来るかどうかだと思います。

69. 雨の訪問者 (2014.07.03)

 今日は大雨の一日でしたが、裁判所から事務所に帰ってくると、丁度ブログNO.59で書いた大学の先輩が事務所を訪ねて来てくれたところで、わざわざ摘みたての新鮮なトマト、ミニトマト、ピーマンを届けてくれました。

 先日の収穫祭の時以来の再会だったので、事務所に上がって頂いて、暫しあれこれと話しをしました。若い頃から病気や大怪我に見舞われたので、「覚悟」をして生きているとのことで、その点は自分と同じだなと思いました。いいですね! 覚悟を決めて人生を見切った人は、自分の存在と意味を感じて、本当に楽しい充実した時間と人生を過ごすことが出来ると思います。
 面白かったのは、自分の葬式のプロデュースまで考えているということで、身長が190㎝あるので事前に特注の棺桶を準備して、農機具小屋に収納しておきたい、また、自分の葬儀は笑いに包まれた楽しい葬儀にしたいので、ビデをを作って、参列者に「さて、死因は何でしょう? 病気、事故、腹上死・・?」などとクイズ形式にして、みんなに笑顔になって欲しい、とのことでした。  

 力を抜いて、ユーモアを持って、人生を楽しむ。
 いい感じです。

68. 慶南地方弁護士会との意見交換会 (2014.07.03)

 平成26年6月27日、弁護士会館で、韓国の慶南(キョンナン)地方弁護士会の弁護士約14名と当弁護士会の弁護士約26名との意見交換会が開催されました。
 慶南地方弁護士会と当弁護士会は、親善と交流を目的に一年交替で相互に相手会を訪問する交流を続けていて、今年で10周年になります。

 今回は、熊本と韓国のそれぞれの担当者が「法科大学院の現状と問題点」について説明をした後で、質疑応答等がありました。
 韓国は基本的には日本の法制度を倣っているものが多く、法科大学院制度も日本が先行したのですが、日本の法曹養成制度と異なって、①法科大学院認可校の場合、法学部は廃止され、②既習未習の区別なく期間は3年間で、③法科大学院と別ルートの予備試験導入については論議中、④司法修習は廃止され、ただ受託機関での6ヵ月間の研修があり、⑤裁判官になるためには3年ないし10年の一定の弁護士経験が必要(法曹一元)、とのことでした。

  私が一番関心があった法曹人口問題については、時間がなくて質問が出来ませんでしたが、人口約4900万人の韓国では新旧試験で年間2500人の司法試験合格者が出ているとのことですので、日本が人口1億2600万人で年間2100人の司法試験合格者であることを考えると、韓国での法曹人口増加のスピードは日本の数倍の早さで進んでいることになります。おそらく韓国でも法曹人口については早晩何らかの見直しの議論がされるのではないかと思います。

  やはり海外にも目を向けるのは大事なことで、今回もいい刺激の機会になりました。

67. 仕事の意味   (2014.06.25)

 平成26年6月24日、共済関係幹部職員の方々と顧問弁護士・指定弁護士との意見交換及び懇親会がありましたので、参加しました。
 私もこの共済関係の仕事を担当させて頂くようになってからもう29年目となりますが、当時相談を受けたり、一緒に訴訟を担当して苦労してきた皆さん方が、気づいてみると幹部になられていて、今更ながら時の流れの早さに驚かされます。

 今回も色々な話しが出て楽しい会となりましたが、今後もまたお互いに研鑽して、紛争解決に力を尽くすことで、調和のある社会の実現を目指したいものです。
 それが、私達の仕事の意味と使命ですから。

66. 雨の日のエンターテーメント   (2014.06.25)

1. この週末は雨模様でした。
 雨の中を撮影で歩き回るのも風情があっていいものですが、今回は映画を3本連チャンしました。
 「チョコレート・ドーナッツ」は、女装のショーダンサーと弁護士のゲイカップルが育児放棄をされたダウン症の子と暮らして愛情を抱くようになり、この子のために1970年代当時の差別と偏見の壁に一生懸命に立ち向かって行く姿を描いたものです。法廷での弁論の場面では、涙が流れます。最後がハッピーエンドで終わるのかと思っていると、そうではないので、余計に心に沁みる物語でした。
 「プリズナーズ」は、ヒュー・ジャックマンの子供を思う演技が光るサスペンス。
 「超高速・参勤交代」は、予想通りの展開で、善悪がはっきりしていてとても楽しめるコメディーでした。
 やっぱり映画はいいものです。

2. 日曜の夜は、「かぐや姫」の南こうせつと、「風」の伊勢正三のコンサートに出掛けて来ました。
 さすがに、長い間活動を続けているだけに、歌とトークで、楽しさ、懐かしさ、哀しみ、そして笑いなど多彩なシーンを作り上げて、観客を惹き付けていく力量は凄いものでした。スタンディングで、拍手をしたり、リズムを取ったり、歌ったりと、楽しい時を過ごすことが出来ました。
 熟練されたエンタの力は大きいものです。

65. 「人生という名の列車」 (2014.06.24)

 you tubeを見ていたら、馬場俊英さんの「人生という名の列車」(2006年、フォーライフレコード)の動画がありました。10分近くの長い歌で、人生を列車での旅になぞらえて、色々な時代の街を訪ねたことと、新たな旅立ちを歌ったものです。

「人生という名の列車が走る 時代という名のいくつもの街を行く」

分娩室始発の出発のベルが鳴り 
家庭の温かいぬくもりの中の小学生時代
野球の夢を追った中学生時代
トレンディと恋の青春時代
卒業と別れと出発の時期
そして家族を持った今   (要約)

「いつしか自分も大人になって分かったこと
大人もみんな迷っていたんだと
先生あの頃あなたも迷っていたんですね
父も母もこの向かい風に立ち向かっていたんだと」

「ところで、この列車の行き先を決めるのは一体何だろう
偶然か実力か運命か、それとも神様の気まぐれか
地平線の向こうから吹き付ける風 水平線に朝の光
この戸惑いと不条理の世界 人間社会にようこそ」

「ウソつかず ごまかさず
どんなときにも人に優しく 決して腐らず
わかっているし 気をつけて 頑張ってる
でも できないよ カトちゃん
でもどんな時も信じること
決して諦めないで
向かい風に立ち向かう勇敢な冒険者でありたい」

「このレールの向こうに広がる世界
さぁ行こう 旅を続けよう
今また旅立ちのベルが街に鳴り響き列車が動き出す
どんな時も向かい風に立ち向かう
勇敢な冒険者でありたい」



後半の3分の1の歌詞はかなり泣かされます。
人生の列車の旅はいつが終点なのか分かりませんが、確かにいつも勇敢な冒険者であり続けたいものです。
一方ではさらりと受け流すような。

64. 金融庁の経営者保証ガイドラインとその活用 (2014.06.24)

1.平成25年12月、金融庁は経営者保証に関するガイドラインを発表しています。
   これは、中小企業の経営者による個人保証については、信用補完として企業の資金調達を容易にする面がある一方、経営者による思い切った事業展開や、保証後において経営困難になった場合の早期の事業再生を阻害するなど、企業の活力を阻害する弊害の面もあるので、経営者保証における合理的な保証契約の在り方を示すと共に、主たる債務の整理局面における保証債務の整理を公正かつ迅速に行うために、準則を定めたものです。
  ガイドラインですから法的拘束力はありませんが、関係者間で自発的に尊重され遵守されることが期待されています。

2.平成26年6月には、金融庁からこのガイドラインを活用した事例についても発表されています。
 ①経営者保証に依存しない融資の一層の促進
   ・事業計画の実現可能性等を考慮して経営者保証を求めなかった 事例
  ・他の金融機関と協調して経営者保証を求めなかった事例
  ・保全不足、または債務超過ではあるが、経営者保証を求めなかった事例
  ・経営者保証の機能の代替として、解除条件付や停止条件付の保証契約を活用した事例
 ②適切な保証金額の設定
  ・預金担保、または保全状況等を考慮して保証金額を減額した事例
 ③既存の保証契約の適切な見直し
  ・保証契約の期限到来に伴い、経営者保証を解除した事例
  ・経営者の交代に際し、全経営者の保証を解除し、新経営者からの保証も求めなかった事例
 ④保証債務の整理
  ・中小企業再生協議会を活用して保証債務を整理した事例
  ・事業再生ADRを活用して保証債務を整理した事例

3.我々弁護士業務との関連で言えば、経営者の債務整理の過程において、このガイドラインを強調、活用して、合理的な金額まで保証債務の減額の交渉をする等の活動が考えられます。

63. 「熊本羅針」7月号の表紙 (2014.06.23)

  熊本県中小企業家同友会の会報誌「羅針」の7月号が発行され、表紙に私の写真「青春ピカピカ」が掲載されました。 

  この写真は相良村・川辺川の清流に架かる橋の上から撮ったものです。解説としては、「夏休みの清流・川辺川。高い橋の上から思いっきり一回転して飛び込む。青春真っ盛り、ピカピカに光っている。」と書いています。

  現物はカラーですが、表紙は白黒印刷なので、夏らしい輝きと若者のはじける服の色、清流の色などが出ないのが残念です。

  夏休みは中高生や若者らがこの橋の上から川に飛び込みますが、橋の高さ約15~20m位はあって、飛び込むのはかなり恐いです。サッと潔く行く子、迷って、迷って、深呼吸して、それでも飛べない子、色々な人間模様が繰り広げられます。でも、みんな、青春ピカピカです。
  自分のそんないい時代を、いつまでも忘れないでいたいです。

62. 創造するということ (2014.06.19)

 久し振りに東京・恵比寿の東京都写真美術館に行ってみました。

 3階のコレクション展は「スピリチュアル・ワールド」のテーマでしたが、この中では、写真集でしか見たことがなかった藤原新也氏の印度放浪の現物写真を見れたことが参考になりました。また、地階は「世界報道写真展」という世界のプロカメラマンの渾身の作品群で、それらが表現する数々のドラマの瞬間はかなり見応えがありました。

 そして、今回一番勉強になったのは、2階の佐藤時啓(ときひろ)氏の「光―呼吸そこにいる、そこにいない」の作品群でした。
 1つは、夜に長時間露光をして、その中で自ら無数にペンライトを振って廻って、自らの存在の軌跡を光の軌跡として表現した写真群と、あと1つは、昼間に露出を落としてその中で太陽光を鏡で反射させて周りより高い露光点を作り、それがまるで光の点々が飛び交っているかのような幻想的な雰囲気を醸し出している作品群がありました。なかでも後者の作品群は、通常では考えもつかない撮影方法で、表現もコンセプトも良くて、こんな写真があるんだと、本当に感心しました。

 長く写真をやっていると、自分としては自分なりの視点を以て創作しているつもりでも、結局は人と同じようなことをやっているにすぎない自分に気付いて、超越したオリジナリティーのなさに愕然とします。これまでも、林ナツミさんの空中浮遊写真シリーズ(圧力に悩む人に少しでも自由を感じて欲しい)や、やなぎみわ氏の作品に出逢った時にそう思いました。
 私だけの表現を求めて、試行錯誤をしようとしていますが、なかなか難しいものです。美術館巡りをするのは、素晴らしい作品に出逢ってその作品を楽しむと共に、創造性を欠く自分にムチを入れて刺激を受けるためでもあります。

 今後も刺激を受けて、前に進んで行きたいと思います。

61 .新しいテレビCM「ニャアァー?!」 (2014.06.19)

 当弁護士会対外広報PTでは、現在、電通九州と協力して、第5作目のテレビCM(15秒)を製作しています。

 今回「遺言相続センター」でも「法律相談センター」でも相続遺言の相談は初回無料にすることになったことから、この点を市民の皆さんに広く広報しようとするものです。

 内容的には、「考える人シリーズ」でロダン風の考え人が熊本弁で「父親の遺言書に遺産は全部(猫の)ミィーちゃんにと書いてあるばってん、どぎゃんすっとよかっだろうか?」と電話で相談していると、横でこの猫が大回転をしたうえで遺言書をくわえて誇らしげにガッツポーズをしているというもので、かなり面白くてイケてる内容になっています。

  このCMは、7月中に地元テレビ局3局で約120本程度放映の予定ですので、是非興味を持ってご覧頂けたらと思います。

60. 「永遠の永遠の永遠」   (2014.06.19)

 熊本市現代美術館で、草間彌生さんの展覧会が開かれていますので、昼休みに観に行ってみました。

 草間さんの展覧会はこれまでも何回か観に行ったことがあって、水玉模様の作品と何だか自由なおばさんというイメージでしたが、今回は多くの繊細な模様の作品が展示されていました。残念ながら私の心に響いてくる作品はありませんでしたが、テーマの 「永遠の永遠の永遠」の説明書のところに、次のように書かれていました。

毎日、私をおそってくる死の恐れを克服する時は
私は命の限りの心をしづめて
芸術へのあこがれを思い出すのだった
人の世に生まれいでた時の感動が
私の人生を新しい創造のあらしをもって再生するのだった
地球の深々とした神秘のささやきが
いつも自殺しようとしていた私のうらぶれた命への救済をもって
私は死のあこがれと恐怖を追放して
華やいだ生命のかがやきにいつもめざめさせてくれたのだった
わたしは生きてゆくことに
生存のかがやきに
深く打たれ、心打たれ
人間の生命は永遠に回帰するのだという事を実感するときの喜び
私は死の憂鬱を乗り越えて
世界最高の芸術をもって
人間の素晴らしさを求めていきたいと決意している毎日なのだ
私は生きたい、心の限りも
芸術にかがやいた火をつけて
命の限り、無限の生と死のかがやきをもって
200年も500年も生きながらえて
平和と人間愛の行き着く所の不滅の志をもって
命の限り、たたかっていきたい
そして、地球の人々に告ぐ
未来は原爆や戦争をやめて
かがやいた生命を
永遠の永遠の永遠に
私の精魂こめた芸術をぜひ見てほしい
あなたたちと一緒に宇宙に向かって
心から人間讃美をうたい上げよう

   自由そうなだけの人かと思っていたけれど、死の恐怖を見つめて、芸術を通して、生命の神秘やかがやき、人間の素晴らしさを表現して行こうとする覚悟と決意は、素晴らしいものだと思います。
生きる目的がはっきりしています。このために生まれて来たのだと。
そのうえでの、今日のこの一日です。 

59. 「人生の楽園」以上のもの (2014.06.18)

 平成26年6月14日の夕方から、毎年恒例となっている大学の先輩の阿蘇郡西原村のログハウスでの「収穫祭」が開かれましたので、参加しました。

 この先輩は、自営業の会社役員の一線を退かれて、西原村で約70アールの農地を借りて野菜作りをされています。現地にはログハウスや道具小屋を建て、沢山の道具類、小型のユンボやキャンピングカーまで揃えてあって、凝り性の性格がよく出ています。
 こう書くと、何かテレビ番組の「人生の楽園」的になってしまいますが、それ以上のものがあります。自分の考えをきちんと持って日々を暮されていることには、本当に尊敬の思いがします。「人生を、そして、毎日を楽しむことの大切さ」を教えられます。

 今年の参加は8人でした。みんなで、高台にある庭で、風に吹かれながら、バーベキューをして、色々な話をして。今年も、夜遅くまで、いい時間が過ごせました。

58.「春を背負って」の春  (2014.06.17)

 映画カメラマン出身の木村大作監督の第2作目の山の映画「春を背負って」が封切りとなり、期待していたので、早速観に行きました。

 主演は松山ケンイチ、助演は蒼井優、脇が豊川悦司、壇ふみ、小林薫などで、都会で投資ディーラーをしていてストレスのかかる人生を送っていた主人公が、立山連峰で山小屋を経営していた父親が突然死亡したことを契機に、会社を辞めて山小屋の経営を継ぐ決断をし、その後、亡父の思いや家族・従業員・山小屋を訪れる色々な人々触れ合う中で、成長をして行くストーリーです。
 人生、色々な生き方がありますが、劇中で悟郎さん役の豊川悦司が言っていたように、(山登りと同じで)「自分のペースで一歩一歩歩いて行けばいいんだ。」という、人生を幸せに肯定出来るいい映画でした。雄大な山々の景色も良かった。

 観終わって、「春を背負って」の春って何だろう?と考えてみました。
 山を登る時に、そして人生の階段を上って行く時に背負っているもの? それはきっと「希望」とか「夢」とかいうものでしょうか。
 何を背負うかは人それぞれ、自分次第ですが、人生を楽しく過ごすコツは、やっぱり時を忘れて何かに夢中になることでしょう。それを続けることでしょう。そして、最終的には、何も背負わない、何ものにも囚われない、本当の自由自在の境地になれたらと思います。

57. 弁護士会の紛争解決センター(ADR)のゆくえ (2014.06.16)

  平成26年6月16日、東京霞が関の日弁連会館で、ADRセンターの全体会議と第一部会がありましたので参加してきました。

1.ADRの全国的な状況について
 まず、ADR自体については、かなり全国的な関心が高まる傾向にはあると思います。
 中でも、原発ADRについては、これまでに申立件数1万1700件、うち解決約8700件、未済約3000件となっており、この問題で裁判所が殆ど役割を果たせていない中で、ADRが紛争解決のために大きな役割を果たしていることが評価できます。
 また、仙台弁護士会が行った震災ADRでは、平成23年度からの3年間で約520件の利用があったそうです。
 その他、平成22年から始まった金融ADRでは、指定紛争解決機関(全国銀行協会、日本損害保険協会、証券・金融証券あっせん相談センター、生命保険協会等)の平成25年度の苦情処理受付件数は約5700件で、ADRが紛争解決のためにかなり大きな役割を果たすようになってきている現状が見て取れます。この面では、全国で600を超える金融商品取引業者が各弁護士会と協定を結んでいます。
 更に、今後は、医療ADR、国際家事ADR(ハーグ条約関係)、国際投資紛争ADRなど、弁護士会が手続実施者となる専門ADR制度の普及が期待されています。

2.弁護士会のADRについて
① 弁護士会のADRについては、全国52単位会中、設置会が32会に留まっていますので、設置会の設置促進に関する活動が必要です。
 未設置会においては需要見込みや財政の関係からなかなか設置に踏み切れないのだろうと思いますが、ただ、ADRの利用促進について先頭に立つべき弁護士会において、まだ未設置の会があるというのは大変残念なことだと思います。
 設置促進の観点から言えば、私は、日弁連ADRセンター名で、未設置会に対し、2年間位に期限を区切ったうえで設置を強く申入れることが一番効果的だろうと思います。
② 弁護士会ADRについては、全国的に見ると利用が足踏みないし減少している傾向があるようで、当会のADRについても、かなり利用が減少してきています。
 利用促進のためには、まずは会員である弁護士向けの広報が重要になりますが、これまでの当会の紛争解決センターニュースは、少しマンネリ化してきていて、あまりインパクトが無くなってきていますので、現在ADRについての「Q&A」の新しいパンフレットを作ろうかと考えています。
 また、相談機関(地方自治体窓口、消費生活センター、法テラスなど)との連携も重要ですので、上記のパンフレットを送付したり、ADRの説明に行くなどして、対外的な広報活動もする必要があります。
 さらに、今年度は広報予算も少し増額されますので、一般市民向けの広報として新聞広告も検討する余地があると思います。

 私は、当会のADRを裁判所と並ぶ「熊本の民間裁判所」にまで育て上げることを目指していますが、まだまだ道は遠くて、今後も地道な努力が必要です。

56. 食事会 (2014.06.13)

 平成26年6月13日の夜、マリーグレイスで、事務スタッフと食事会をを開催しました。

 熊本でのハウスウェディングの先駆けとなったレストランです。広々とした贅沢な空間の中で味わう繊細な味わいの料理。それぞれの料理のテーマを表現する盛付けの美しさ。そして、料理の美しさをより一層際立たせる個性豊かな器の数々。
 食後には、レストランの2階にあるチャペルを案内して頂き、厳かであたたかなキャンドルの灯りと、幻想的な光に包まれて記念撮影までさせて頂きました。

  終始和やかで、ゆったりとしたくつろぎの時間を過ごすことが出来ました。(ガーデン担当:hakko)

55. 裁判官・検察官等の歓迎会 (2014.06.12)

 平成26年6月12日の夜、新町の「菊本」で、昨年の夏以降に熊本に着任された裁判官や検察官、そして弁護士会の新入会員の歓迎会がありましたので、参加しました。

  このような裁判官と検事の歓迎会は全国的に見ても珍しいようで、当弁護士会のアットホームないいところだと思います。

  今回は裁判官の異動が多くて、15名の裁判官が熊本に着任されています。それぞれ自己紹介もあり、普段から事件を担当して頂いていてよく知っている裁判官もいれば、初めてお会いする裁判官もいらっしゃいました。
  丁度私の前の席の若い裁判官の方々が先週くじゅうに行かれたと話されていたので、山や写真やそして一般的な和解の話などについて談笑したりしました。

  在任期間中は大いに熊本の生活を楽しんで頂いて、仕事面では立場は違っても、お互いに一層研鑽して、調和のある世界の実現に向けて役割を果たしたいものです。

54. 「精神保健福祉法の仕組みと改正」 (2014.06.11)

 このブログの№47で精神科病院の見学をしましたので、改めて精神保健福祉法を勉強していたところ、改正法が平成26年4月1日から施行されていました。以下は、主に「自由と正義」中の衆議院法制局の関口遼介氏の解説記事を参照にしたものです。

1.精神科医療の現状
 精神疾患患者数は、平成11年の約204万人から平成23年には320万人となっており、100万人以上も増加しています。うつ病等や認知症患者数の増加による他、薬物依存や発達障害、PTSD等のストレス関連障害への対応等、精神科医療へのニースは多様化していると言われています。
 入院患者については、治療薬の発展等により新規患者の入院期間は減少傾向にあり、約9割は1年以内で退院しており、かつて精神科入院の主なもので長期入院が前提となる統合失調症の入院患者は大きく減少しているそうです。しかし、依然として、1年以上の長期入院患者は約20万人いて、精神病床入院患者の約3分の2になっています。
 このような状況を受け、厚労省は、精神科医療の課題としては、①統合失調症の長期入院患者を前提とした体制から患者の状態に応じた急性期医療の提供体制の整備、②地域生活を支援するための医師、看護師、精神保健福祉士等による外来や訪問時での医療提供体制の充実を挙げています。

2.精神保健福祉法のポイント
 ① 精神保健福祉法は、精神障害者を入院させる場合は本人の同意にもとづく任意入院を原則としていますが、本人には病識がない場合があることから、本人の同意がなくても必要な場合に入院させることができる非自発的入院規定を設けています。
 ア.措置入院
 自傷他害の恐れがある精神障害者を、2人以上の指定医の診察を経て都道府県知事が強制的に入院させることが出来るもの
 イ.医療保護入院
 指定医の診察によって医療及び保護のために入院の必要があるが、任意入院が行われる状態にない精神障害者を、本人の同意がなくても家族等の同意により入院させることができるもの
 ウ.応急入院
 指定医の診察の結果、直ちに入院させなければ医療及び保護を図るうえで著しく支障があるものであって任意入院が行われる状態にない精神障害者について、急速を要し、家族等の同意を得ることが出来ない場合において、本人の同意がなくても72時間に限り入院させることができるもの
 ② しかし、以上のような非自発的入院については、人身拘束的に用いられることもあることから、精神障害者の権利を擁護するために、精神医療審査会が設置されて、次のようなチェックをすることになっています。
 ア.医療保護入院の届出、非自発的入院患者の病状等の報告にもとづく入院の必要性の審査
 イ.患者や家族等からの退院請求や処遇改善請求の審査
 
3.改正点のポイント
 ①保護者制度の廃止
 従前は主に家族がなる保護者制度を設けて、精神障害者に治療を受けさせる義務などが課されていましたが、家族の高齢化等に伴い負担が大きくなっている等の理由から、保護者に関する規定が削除されました。
 ②医療保護入院の見直し
 ア.医療保護入院における保護者の同意要件を外し、「家族等」(配偶者、親権者、扶養義務者、後見人または保証人、これらの該当者がいない場合等は市町村長)のうちのいずれかの者の同意で足りることになりました。
 イ.精神科病院の管理者に、退院後の相談指導を行う精神保健福祉士等の設置、地域援助事業者との連携、退院促進のための体制整備を義務付けました。
 ③精神医療審査会に関する見直し
 審査会に退院請求を出来る者として、入院者本人と共に「家族等」を規定しました。

53. 九弁連理事長の単位会訪問 (2014.06.06)

 平成26年6月6日、弁護士会館で、今年度の九州弁護士会連合会(九弁連)理事長や事務局長の先生方外の単位会訪問がありましたので、参加しました。

1.法曹養成制度について
 議題は、主として法曹養成制度や現在問題になっている予備試験についての考え方などでした。
 私も意見を求められましたので、①現在の法科大学院を中継とする法曹養成制度は理念とされたプロセス重視の効果が薄く、却って弊害が大きく、司法の弱体化を招いている、②現実的な法的需要や人口減少を考えれば、司法試験の年間合格者は1000人として、そして法科大学院卒業を司法試験受験資格とする必要はなく、法科大学院卒業者であれ予備試験合格者であれ能力のある人を司法試験合格者とする方がよい、③その意味で、予備試験について、年齢制限や回数制限などの制限を加える方向での変更はすべきではない、④その結果、法科大学院が淘汰されることはやむをえない、などと意見を述べました。
 この点については、各単位会で色々な立場の意見があったとのことでした。

2.九弁連の取組みについて
 また、九弁連の法曹養成制度改革への取組みについても、政府の推進室が来年3月までに法曹需要について調査をして法曹人口について一定の結論を出すというけれども、自民党の司法制度調査会や公明党のPTが1500人の提言をした状況下においては、この数字のままに終わってしまう可能性が大きいので、弁護士の現在の実態をより明らかにするために、九弁連で詳しいアンケートを実施する等して、推進室に働きかけをして行くべきだ、と述べました。
 この点については、九弁連も今後アンケート等の実施を予定しているとのことでした。

3.九弁連への参加意識について
 九弁連の課題としては、九弁連と言っても一般会員としては、特定の委員会活動に関与していなければあまり関心がないのが実情ですので、理事会での議論をオープンにするとか、メーリングリスト(ML)を設置するなどする等して、多様な情報発信をする試みがなされたらよいと思います。 

52. 「熊本羅針」6月号の表紙 (2014.06.05)

 熊本県中小企業家同友会の会報誌「羅針」の6月号が発行され、表紙に私の写真「出発(たびだち)の朝」が掲載されました。 

 これは北アルプスの奥穂高山荘前です。バックパックを背負うシルエットは私自身で、三脚を立てて後ろからセルフタイマーをかけて撮ったものです。まだスマートです(笑)
 山での撮影は、登山の荷物とは別に、重いカメラ、交換レンズ、三脚その他の写真機材を背負って行動しますので、結構大変です。荷物の重さは気概の大きさでもあります。

 解説としては、「高度3000m。出逢いの風景に、人は心を済ませて謙虚になる。そして、今日また、一生懸命生きて行こうと思う。」と書いています。なかなか出逢うことのない風景に出逢って、新たな人生の出発の決意をしている場面です。
 毎日が出発の朝です。

51. 「司法は生きている」か-大飯原発再稼働差止訴訟判決   (2014.06.04)

1.判決書の要旨
 平成26年5月21日、福井地裁民事第2部で大飯原発再稼働の差止めを認める判決が出されました。
 国の原発政策に大きな影響を与える判決で、賛否両論多いことから、私も判決書の全文を読んでみました。別紙を除いても68ページで、裁判所の判断部分は約30ページの判決です。以下、必ずしも原文のままではありませんが、要点を纏めてみました。

①人格権の重要性
 まず、判決文は、冒頭で、「はじめに」として「人格権の重要性」を指摘しています。
 すなわち、要旨「個人生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格の本質的なものであって、人の生命を基礎とするものであるがゆえに、我が国の法制下においてはこれを越える価値を他に見出すことはできない。したがって、この人格権とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、その侵害の理由、根拠、侵害者の過失の有無や差し止めによって受ける不利益の大きさを問うことなく、人格権そのものにもとづいて侵害行為の差止めを請求できることになる。人格権は各個人に由来するものであるが、その侵害形態が多数人の人格権を同時に侵害する性質を有するとき、その差止めの要請が強く働くのは理の当然である。」として、人格権の重要性を強調しています。

②本件原発に求められる安全性と立証責任
 そのうえで、福島原発事故の重大性に触れたうえで、原子力発電所に求められる安全性と立証責任について要旨次のように判断しています。
ア.前記の人格権の重要性や福島原発事故の重大性に鑑みれば、「原子力発電所に求められるべき安全性、信頼性は極めて高度なものでなければならず、万一の場合にも放射性物質の危険から国民を守るべく万全な措置が取られなければならない。本件では、生命を守り生活を維持する利益は人格権の中でも根幹部分をなす根源的な権利であり、これと原子力発電所の運転の利益の調整が問題となっている。原発は電気の生産という社会の重要な機能を営むものだが、その性質は経済活動の事由にもとづくものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。大きな自然災害や戦争以外でこの根源的な権利が極めて広範に奪われる事態を招く可能性があるのは、原発の事故の他は想定し難いもので、少なくともこのような事態を招く具体的な危険性が万が一でもあれば、その差止めが認められるのは当然である。」
 「差止めの可否を裁判所において判断することは困難を極めるが、技術の危険性の性質やそのもたらす被害の大きさが判明している場合には、裁判所はこの安全性が保持されているかどうかの判断をすればよいだけであり、危険性を一定程度容認しないと社会の発展が妨げられるのではないかといった葛藤が生じることはない。」、「原発技術の危険性の本質と、それがもたらす被害の大きさは福島原発事故を通じで十分に明らかになった。本件訴訟では本件原発でそのような事態を招く具体的な危険性が万が一でもあるかが判断の対象とされるべきで、福島原発事故後、この判断を避けるのは裁判所に課された最も重要な責務を放棄するに等しい。」
 このように、判決は、福島原発事故の教訓を踏まえて、裁判所が国民の生命と安全を守るための最後の砦であり、裁判所はその役割を果たすためには躊躇することなく安全性の有無についてしっかりと審理をして判断をしていく必要があることを指摘しています。
 ここまで明確に裁判所が自らの人権保護の役割について指摘した判決は、私はこれまで見たことがありません。裁判所が、日本の一つの方向性を決める重要で難しい問題について、人権保護のためにその本来の役割を果たそうという気概が感じられる文章になっています。
イ.そして、原子炉規制法に基づく審査があってその安全性に関する判断は科学的専門技術的な見地からなされることが予定されているとしても、上記の観点から裁判所独自の判断がなされるべきであるとしています。
 また、立証責任については、原発の差止訴訟においては原告側は具体的な危険の立証が必要だが、それは万が一の危険の立証で足りるとし、本件訴訟では具体的な危険の存否を直接審理の対象とするとしています。
 これは、従前はややもすると裁判所は原発が行政的な安全基準に合致しているかどうかを形式的に審査するに過ぎなかった傾向があったものですが、福島原発事故の教訓を受けて、本件原発に国民の生命安全を侵害するような具体的な危険性があるかどうかを審理の対象として、危険性についての実質的な判断をすることを明示したものです。

③原発の特性と本件原発の具体的な危険性の検討
 そのうえで、原発の特性を検討し、本件原発について具体的な危険性を検討しています。
ア.冷却機能の維持
 「原発は、地震による緊急停止後の冷却については、外部からの交流電流で水を循環させるシステムを取っているが、1260ガル超の地震ではシステムは崩壊し、メルトダウンする。この規模の地震が起きた場合には打つべき有効な手段は殆どない。しかるに、我が国の地震学会でこのような地震発生を一度も予知できていないことは、公知の事実である。地震の予知は過去のデータに頼らざるを得ないが、地震の発生頻度は必ずしも高くないので、頼るべき過去のデータは極めて限られたものにならざるを得ず、したがって、本件原発に1260ガルを超える地震は来ないという、確実な科学的な根拠にもとづく想定は本来的に不可能である。むしろ、我が国で記録された最大の震度は岩手宮城内陸地震での4022ガルであるから、1260ガルを超える地震が本件原発に到来する危険がある。」
 「被告は700ガルを超える地震が到来することはまず考えられないと主張するが、しかし現に4つの原発に5回に亘り想定した地震度を超える地震が2005年以後10年足らずの間に到来している事実を重視すべきである。地震大国日本で、基準地振動を超える地震が本件原発に到来しないというのは根拠のない楽観的な見通しに過ぎない。」
 その他、原子炉の緊急停止の際、冷却機能の主たる役割を担う外部電源と主給水の双方が共に700ガルを下回る地震によっても同時に失われる恐れがあること、補助給水設備にも限界があることなどが指摘されています。
イ.使用済み核燃料の危険性について
 「本件原発では、核燃料部分は堅固な構造を持つ原子炉格納容器の中にある。他方、使用済み核燃料は格納容器の外の使用済み核燃料プールの水槽内におかれ、本数は1000本を超える。プールから放射性物質が漏れたとき、発電所敷地外部への放出を防ぐ格納容器のような堅固な設備は存在しない。本件プールでは全交流電源喪失から3日を経ず冠水状態が維持できなくなる。そのようなものが、堅固な設備によって閉じ込められないままいわばむき出しに近い状態になっているのである。このような状態は、国民の安全が何よりも優先されるべきであるとの見識に立つのではなく、深刻な事故はめったに起きないだろうという見通しの下に成り立っていると言わざるを得ない。」

④本件原発の安全性と差止めの必要性について
 「以上にみたように、国民の生存を基礎とする人格権を放射性物質の危機から守るという観点からすると、本件原発の安全技術及び設備はむしろ確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ちうる脆弱なものであると認めざるを得ない。」としたうえ、新規制基準についても次のように判断しています。
 「現在、新規制基準により各地の原発で様々の施策が採られようとしているが、新規制基準には、外部電源と主給水の双方について基準地振動に耐えられるまで強度を上げる、基準地振動を大幅に引上げこれに合わせて設備の強度を高める工事をする、使用済み核燃料を強固な施設で囲い込むような措置は盛り込まれていない。したがって、被告の再稼働申請にもとづき、上記で指摘した問題点が解消されることがないままに新規制基準の審査を通過し、本件原発が稼働に至る可能性がある。」

⑤被告のその余の主張について
 「被告は、本件原発の稼働は電力供給の安定性、コストの低減に繋がると主張するが、当裁判所は、極めて多数の人の生存そのものに関わる権利と電気代の高い低いの問題とを並べて論じるような議論に加わったり、その議論の当否を判断すること自体、法的には許されないことであると考えている。」
 「このコストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、例え本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これをとり戻すことが出来なくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている。」
 さらに、原発の稼働によるCO2削減の主張に対しても、「原発事故が起こった場合の環境汚染の凄まじさや福島原発事故の状況に照らすと、環境問題を原発運転継続の根拠とすることは甚だしい筋違いである。」と判断しています。

⑥結論
 以上のとおり、「原告らのうち大飯原発から250km圏内に居住する者は本件原発の運転で直接的に人格権が侵害される具体的な危険があるので、本件差止め請求を認めるべきである。」
 

2.「司法は生きている」か
① この判決が出されたとき、テレビで原告団が「司法は生きていた」という垂れ幕を掲げていました。
 これまで、裁判所は往々にして司法消極主義の立場を採り、民主的な基礎を持たない裁判所が国政の方向性を左右するような重要問題について判断して決定権を握るのは適当ではないとして、抑制的な判断をしてきました。統治行為論や議員定数違憲訴訟における事情判決などがその例です。
 これは、人権保護と民主制との兼ね合いで裁判所が苦悩する場面でもあったとは思いますが、他方では、最高裁事務総局を頂点とする裁判所のピラミッド型の人事構造においては、飛び跳ねた判決を書くと冷遇されてしまうことを恐れて、裁判官の判断が抑制的になっているなどという現実面での批判もなされていました。
 しかしながら、今回のこの判決は、国民の人格権の重要性を指摘したうえで、これを守るのが裁判所の役割であるという強い認識と気概を持って、原発の安全性についても行政規制に合致しているかどうかという形式的な判断ではなく、本当に国民の生命が脅かされるような危険性はないのかどうかの実質的な判断をして、大きく踏み込んでいます。
 このような裁判所の判断の背景には、福島原発事故後に開催された原発訴訟担当裁判官の合同会合において、福島原発事故の状況を踏まえて、裁判所は従来の姿勢を改めて、原発の危険性の存否について実質的な判断をする必要があるのではないかとの議論があったことが挙げられています。

② 原発の問題については、避難未帰還者の方々の問題、損害賠償の問題、除染の問題、増大し続ける汚染水の問題(地下水バイパス、凍土壁の設置、放射能除去設備ALPSなど)、再稼働問題、規制委員会の人事問題、廃炉の期間と費用の問題、使用済み核燃料の貯蔵の問題等々、非常に多くの難しい問題が残っています。
 代替エネルギーへのシフトが必要な一方、原発全廃を決めたドイツでは却って隣接国に原発立地が増えたりCO2が増えた等の問題も発生しているということで、原発問題に対する賛否と対応は非常に難しいものがあります。
 その中で、何よりも国民の安全を重視し裁判所の役割を強く強調した今回の判決のような姿勢が今後裁判所全体の基本的な考え方や姿勢となっていくのかどうか、本当に「司法は生きている]と言えるかどうか、今後また注目していく必要があると思います。

50. パートタイム労働法改正のポイント (2014.06.04)

 平成26年4月16日にパートタイム労働法の改正法が成立しました。
 その要旨は次のとおりです。

1.パートタイム労働者の待遇について(8条)
 短時間労働者の待遇を通常の労働者と違うものとする場合には、業務の内容や責任の程度その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない、とされました。
 これは、労働契約法20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)と同様の趣旨です。

2.差別的取扱いの禁止(9条)
 旧8条で、①職務の内容と人材活用の仕組みが通常の労働者と同一で、②無期労働契約を締結している、通常の労働者と同視すべき短時間労働者に対しては、短期間労働であることを理由として、賃金の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について差別的取扱いをしてはならないと規定されていましたが、今回②の要件が削除されましたので、有期雇用の短期労働者についても上記の差別的取扱いが禁止されることになりました。

3.事業主の説明(14条)
 事業主は、短時間労働者を雇い入れた時は、待遇決定に当たって考慮した事項を説明しなければならない、とされました。

4.労務管理上の注意点
 以上から、パートタイム労働者については、仕事の内容も異動、転勤などの人材活用の仕組みについても通常の労働者と実態的に明確な差がない場合には、通常の労働者と同様の待遇を求められる可能性がありますので、会社の労務管理上はこの点の注意と対応が必要です。

49. 法曹養成制度の動き (2014.06.02)

  法曹養成制度に関しては、ここの所色々動きが出てきて、司法試験合格者数に関する政党からの提言や、司法試験制度の改正、予備試験の動向などが報じられています。

1.司法試験合格者数について
 平成26年4月に、自民党の司法制度調査会が緊急提言を出し、司法試験合格者数は、平成28年までに1500人程度を目指すべきだとし、その他法科大学院の整理統廃合や予備試験制度の検討などを課題として挙げています。
 そして、公明党のプロジェクトチームも法曹養成に関する緊急提案を出して、司法試験受験者については年間合格者をまずは1800人程度とし、推進室の法曹人口調査の検討を踏まえつつ1500人程度を想定する必要もあるとし、その他予備試験の受験資格の制限や、法科大学院の統廃合、修習生に対する支援措置等についても触れています。
 このように、政党からも司法試験年間合格者数について1500人程度が数字として出て来ていることは、現状制度の弊害を訴えて減員を主張してきた日弁連を始めとした弁護士会側の運動の成果が出て来ているものと一定の評価が出来るものです。しかしながら、現状を見ると、何かしらこれで一安心してしまって、本当に必要な原因に向けての熱心な活動が見受けられないのではないかと思います。
 年間合格者が1500人になったとしても、現在とほぼ同様のペースで弁護士数が激増して行くことは間違いないわけで、現状の法曹養成制度の一連の問題点は何ら変わることはありません。
 地方の単位会では1000人決議をしていることもかなりある状況ですので、弁護士会としても一安心ではなくこれまで以上の熱意を以てさらに運動を展開してく必要があると思います。
  政府の推進室は来年3月までにインターネット等でアンケートを取ったりして各方面に法曹需要に関する調査をすると言っていますが、果たして有効適切な調査資料を集めることが出来るのかどうか、またその資料からどのような判断で適正な法曹人口の数を基礎づけるというのか、甚だ疑問に思います。この点では、日弁連は「当面1500人」の路線を取っていることから、法曹人口判断のための独自の資料収集活動等には積極的には動かないと思います。そうであれな、例えば、九弁連において現場に即した独自の調査をして、その調査結果を九弁連理事長声明として顧問会議にぶつけたり、当会で1000人決議をして送付するなどして、更にネジを巻いた活動が必要ではないかと思います。

2.司法試験法の改正
 5月には司法試験の改正法が成立し、短答式試験の3科目化と受験回数制限5年5回化がなされました。
受験回数制限の緩和については、折角法科大学院を卒業したのに司法試験には合格しなくて、かと言って他に何か有利な就職の道があるわけではありませんので、受験の機会を増やすという意味では妥当な改正だと思います。
  ただ、そうなると、旧試験で不合格者が滞留していたことも一つの理由として法科大学院制度を作ったのに、それは一体何だったんだろうという気もします。

3.予備試験の検討
 法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が得られる予備試験については、今年の志願者数は1万2622人で、法科大学院志願者の1万1450人を上回ったことも報道されました。
 予備試験は、本来は経済的な事情などで法科大学院に進めない人のために設けられた例外的ルートでしたが、法科大学院に行くと2~3年の時間と費用が掛かることから予備試験の方が人気があり、しかも司法試験合格率は予備試験合格者の方が60%程度であるのに対し、法科大学院卒業者は25%位ということで、予備試験合格者の方が合格率が抜群に高いので、人気を集めているものです。
 しかしながら、現状の制度はあくまでも法科大学院制度を前提とした法曹養成制度になっていますので、おそらく今後は例外ルートとしての予備試験制度を制限する方向で検討がなされるものと思われ、例えば、人数制限や年齢制限、回数制限、法科大学院在学中の受験制限などの案が浮上してくるものと思われます。

4.法曹養成制度改革の評価
 お金がなくても誰でも公平に受験できる旧試験制度から、平成16年に法科大学院制度を中核とする法曹養成制度に改められて10年が経過することになりましたが、現在司法に起きている様々の問題状況を考えてみると、果たして司法改革は成功したと言えるのかどうか極めて疑問です。ここのところ法科大学院の入学募集停止も相次いでいます。
 もともとは、事前規制の社会から、自由を広めて、事後チェックの社会への転換を目指す一環として司法改革が目指され、法科大学院制度を中核とする現在の制度に変わったわけですが、前提となる「事後チェックの社会」への実現ができていない中では、むやみに弁護士の数だけ増やして競走させても弊害が大きいだけで、何ら司法の改革にはなっていなくて、むしろ司法の弱体化が起きていると思います。
 法科大学院に予算と人員をつぎ込んでしまっている状況においては、元の旧試験のままに戻すことは困難と思われますが、私は、司法試験合格者数については年間1000人程度に減員したうえで、法科大学院卒業を司法試験の受験資格としない方法が良いと考えています。司法試験に合格出来る力があれば、法科大学院卒業者であろうと、そうでなかろうと合格させればよいことであって、この点で平等に扱った方が広く有能な人材が集まり、まだ司法に対する希望と信頼も高まると思います。

48. 経営戦略 (2014.05.30)

 平成26年5月30日、玉名市内のホテルで、顧問の食品メーカーの取引業者会の講演会と懇親会がありましたので、参加しました。

1. この会は毎年この時期に開催されていて、講演者も各方面から来られますが、今年は税理士の坂田義照先生が、TKCのパンフレットを使って「経営戦略はこう立てる」と題して講演をされました。
 経営分析や経営戦略の手法については世の中には様々なものが溢れていますが、私としては、分析的な理屈立てよりも、端的でシンプルな経営戦略ということと、それが大元となる自分の人生観や生命観から派生して串刺しにされているものでなければならないと思います。それは、個人の人生で言えばコーチングの考え方と同じことだと思います。

2. それで、いい機会だと思って講演の間に改めて考えていましたが、自分の場合だったら次のような流れになるでしょうか。
① 私の人生の意味と生命存在の意味は何なのか、そもそも存在はあるのか、存在の意味はあるのか、全ての人間の認識はバーチャルなのか、そのことを自分の頭で今の段階できっちりと問い続けているかどうか。問い続けながらも人生は素晴らしいものと認識して毎日を冒険のように生きているか。
② その自分の人生の意味付けの中で、自分の事務所の存在意義と役割は何なのか、紛争解決を通じて調和のある世界の実現を目指す、愛と調和のある世界を目指のか。
③ 現在の弁護士業界の動向はどうか、弁護士の大増員と競争の激化の時代を迎えて更にどのような戦略をとるのか。これまでの主力は金融と保険の分野などであったが、今後どのような戦略で臨むのか。
 ア.これまで通り顧客の気持ちに通じた迅速、的確、丁寧な業務遂行を心がける、細かい気配り
 イ.対外広報の再構築(ホームページ、新聞その他の媒体の検討)
 ウ.新分野の開拓(医療側の顧問、相続・事業承継、M&Aセンターの検討)
 エ.人脈の維持、拡充
 ただ、考えるは易く実行は難しで、ホームページの再構築一つをとってもその必要性を感じながらも、なかなか実行できない自分がいるのも事実です。
そんな自分を反省し、テキパキと処理をして、また前に向かって進んで行きたいものです。

47. 精神科医療の見学 (2014.05.29)

 平成26年5月29日、弁護士会の精神保健当番弁護士制度の研修の一環として、精神科病院の見学会がありましたので参加しました。

1.精神保健当番弁護士制度は、被自発的入院で精神科病院に入院中の方から待遇や処遇改善等の相談申し込みがあった場合に、弁護士が無償で入院先の病院に出張相談に出掛けて、必要に応じて精神医療審査会への待遇や処遇改善請求の代理人活動をする制度です。 福岡県弁護士会ではもう20年以上の歴史があるようですが、当会はこの制度がスタートして間もないため、精神科病院の実情を理解しておくべく、今回の研修会が開催されたものです。
 私は、同当番弁護士に登録しているわけではありませんが、精神科病院の顧問の仕事もさせて頂いていますので、より一層精神科医療の実情について勉強しておこうと参加しました。これまで3箇所位は他の精神科病院を見学した経験がありますので、今回で4回目でした。

2.見学した病院は社会医療法人で、315床もある総合的精神科病院でした。
 一般外来では、プライバシー保護のために密閉されて、また、万一のために他の外来患者に目につかないような入退室の構造や、非常ブザーの配慮等の説明がありました。また、開放病棟や閉鎖病棟も案内して頂いて、各病棟の構造が良く考えられて設計されていることが理解できました。
 院長先生からは、最初に、営利を目的としない経営体の集団所有・民主的運営、人権を尊重した共同の営み(家族会など)等の病院の経営理念や特色、安全管理等についての説明があり、見学の後には更に質疑応答の時間まで設けて頂きました。
 私の方からは、いい機会でしたので、①患者の入所時の同意能力の判断について、②通信の自由との関係で携帯電話の所持やその利用制限について、③身体拘束の場合の安全管理(1日2回の診察と15分毎の見回り等)について、質問させて頂きました。
 今回は最新の精神科医療の現場と実情を実感することができて、非常に勉強になりました。
 ご多忙の折、貴重な機会を与えて下さった病院関係の皆様には、心から御礼申し上げます。

46. 弁護士会あれこれ (2014.05.27)

1.平成26年5月27日の夜、弁護士会の定期総会が開かれましたので参加しました。
 内容的には、いつもの通り、昨年度の決算の承認と本年度の本予算の承認が主なものでしたが、今回はその他にも色々ありました。

2.県内初の企業内弁護士
 最近入会された弁護士の自己紹介がありましたが、その中に鳥取県から登録替えされたということで、肥後銀行に企業内弁護士として就職された若い先生がおられました。企業内弁護士としては熊本初だろうと思います。弁護士人口の増加と就職難の状況の中で、熊本にも新しい状況が生まれているようです。
  他の地銀に企業内弁護士として就職した人の情報だと、一般行員の方とさほど変わらない待遇のようですが、実情はどうなっているのか、また、今後長期間に亘る勤務を考えておられるのか、関心があるところです。

3.遺言相続センター
  遺言相続センターの無料相談についても説明がありました。
  このセンターについては、私が会長の時代に、他業士や資格のない業者による相続遺言分野への浸食を防止して、弁護士会の発信力を高めるために検討を指示したことが発端になっていますが、これまで立ち上げや法律相談センターとの調整の問題で時間が掛かってしまって、なかなか実質的な活動ができていない状況にありました。そのような中で、いよいよセンターも実質的な活動を始めて、相続遺言に関する無料相談の体制を整えるということで説明がなされたものです。
 ただ、私としては、このセンターを提案した趣旨が以上のようなものであったことから、①まず、単に法律相談センターと別枠で無料相談の体制を整えたとしても、全く不十分で、遺言相続センターとして対外広報をどのように有効に戦略化していくかが重要だと考えています。早急に弁護士会のホームページの内容を改訂することは勿論ですが、一般市民の方々に「弁護士会の遺言相続センター」があることを広く認識して頂くために、対外広報PTとも協力して、どのような対外広報の戦略を取っていくのかを早急に検討して行く必要があります。また、②私が意図していたことは、単なる相談だけではなく、遺言執行者の弁護士が死亡した場合の別の弁護士の指定体制や、高齢者や障害者の方々に対する生前の信託制度(家族信託)の研究と活用ということでしたので、委員会の先生方には是非熱意を持って頑張って頂いて、同センターをこのような方向で展開して頂きたいものです。

4.司法修習生の待遇に関する貸与制違憲訴訟
 私達が司法修習生だった頃は、修習期間は2年で、国家公務員並みの給付がありましたが(給付制)、現在は、司法試験合格者の増大と国家財政のひっ迫などを理由として、修習期間は1年で、しかも給与が支給されない貸与制になっています。司法修習生は1年間の修習を終えないと法曹になることはできないわけですが、この間は無給で過ごさなければならず、本当にひどい制度だと思います。現在の修習生の多くの割合の人たちが、修習期間中には年間300万円位国からの借入をして凌いでいると言われています。そのため、法科大学院で学ぶための費用やこの貸与制による借入を含めると、法曹になった時点で数百万円の負債を負っている人も珍しくない状況が生じているということで、本当に由々しき事態だと思います。
 今日の総会の席上では、修習生のときからこの貸与制廃止の問題に積極的に関わってこられた福永紗織先生から、熊本でも貸与制時代の弁護士が貸与制の違憲確認訴訟を提起するので、代理人として加わって協力をして頂きたいとの訴えがありましたので、私も代理人として名を連ねることにしました。
 実質的な代理人活動は若い先生方がなされることになりますが、弊害のある制度を少しでも変えていける力になればと思います。

45. そば名人 (2014.05.24)

 平成26年5月24日の夜、熊本市城南町のレストランあらきで、広島の高橋そば打ち名人の実演と食事会がありましたので参加してみました。

1.高橋名人は、北広島町の田舎で「達磨 雪花山房」という蕎麦店を開いておられる方で、NHKのプロジェクトXでも紹介があったらしく、番組の後はお客さんが1日400人来たことがあるとのことです。今回のお客は昼間が97人位、夜が100人位ということで、スタッフ8人位が準備をされていたとはいえ、1人ざる二枚ずつで、追加注文をする人もいましたから、そばを打つ方は大変だったと思います。料金やお客やスタッフの数なども色々考えていると、一体どれ位の報酬で出張実演されているのだろうかと色々計算や推測をしたりしていました。
 高橋名人は職人らしく気さくで明るく、そばを打った後は酒を飲みながら陽気に話されていましたが、長年腰を使って作業をされるせいか、腰が随分悪いようでした。蕎麦自体は二八蕎麦で、かなり練り込んであるので、食感は固めでした。孫弟子にあたるという熊本市の上乃裏の蕎麦屋「雪花山房」の蕎麦に似ていました。
 全国的には「二八の高橋」と言われているそうで、自分の仕事にかける情熱とプライドと、そしてユーモアとが伝わってきて、良い時間を過ごすことが出来ました。

2.私は、現在のところ熊本のお蕎麦屋さんで一番気に入っているのは、水前寺駅前の「手打百藝 中の森」です。手打ちの十割蕎麦で、蕎麦の味も良いけれど、店主の元気な応対ぶりにも感心します。

44. 政治チャンネル (2014.05.23)

 平成26年5月23日夕方から、ホテル日航で、私が顧問をさせて頂いている熊本県土地家屋調査士会の定時総会と懇親会がありましたので、参加しました。

 土地家屋調査士の先生とは普段から良いお付き合いをさせて頂いていますが、毎年この総会に参加しますと、以前このブログでも書きましたように、士業と政治家との関わりについて改めて考えさせられます。
  調査士会の総会には、熊本地方法務局の局長を始めとして、顧問である衆議院議員3名、参議院議員1名、県会議員1名、市会議員2名を招待し、さらに各士業の会長も招待されています。このうち、政治家の関係では代理出席の2名以外は政治家本人が5名も出席をされ、挨拶などもされていました。
  懇親会の隣の席が前会長の西先生でしたので聞いてみましたところ、熊本では調査士会の政治連盟などを作る前から政治家との繋がりを大事にしてきたということで、また、普段からその関係に配慮をしているということでした。
 翻って、弁護士会を考えてみますと、もともと会員間には政治的に多様な考えの会員がおり、また、どちらかというと人権保護のために現状の制度に対して批判的な対応をしがちだと考えられているために、なかなか政治的なチャンネルがなかったのが実情です。そして、私は会長時代に色々な活動をしていく中で、特に法曹養成問題について弁護士会の要望や考え方を実現するために活動をしていく中で、日弁連を含めた弁護士会側の政治的なチャンネルの貧弱さを目の当たりにして、今後は本当に考えなければならないなと痛感したことがあります。
 弁護士会としては、会員間の政治的な多様性がある中では、特定の政党や特定の議員との結びつきを強めることはなかなか難しい面がありますが、普段から幅広い政治家に声を掛けて総会や懇親会に招待して、普段から会としての一定の繋がりを持っておくことは十分に考えられてよいと思います。

43. 百代の過客(永遠の旅人)   (2014.05.21)

 このところ同窓会続きで、先日は高校の学年全体の同窓会がありました。卒業以来の何十年振りの再会という人もいて懐かしく、また、恩師の先生方も年齢を重ねられて白髪になられて、とても感慨深いものがありました。「時は流れたなぁ。」

 思えば、時の流れは早くて、振り返ればあっという間の人生です。
 私はいつも言っていますが、昨日まで自分が学生だったかのような感じがあります。この先も、きっとあっという間に時は過ぎて行くのでしょう。
 まさしく「月日は百代の過客にして、行き交う年もまた旅人也」(芭蕉)です。

 時間の不思議、人生の不思議、そして存在の不思議。
 人間はそのどれひとつとして本当のことは分かっていないものですが、その不思議さを胸に抱いて、これからもこの限られた時間と存在を燃や尽くしたいものです。

42. 「夢実践プロジェクトチームのシンポジウム」 (2014.05.13)

1.平成26年5月13日午後6時から、弁護士会館で、日弁連からのテレビ中継で夢実践プロジェクトチームによるシンポジウム「業務運営等の黄金のルール~国内5カ所の調査結果を踏まえて」があるというので、タイトルが凄そうなので、参加してみました。

2.弁護士会での参加は会員248名中の僅か8名で、ずっと通しで聞いていた会員は4名位だったでしょうか。この業界が競争が激化する中で、本来であれば少しでも業務運営のためのいいヒントにしようともっと多くの会員が興味と関心を持って参加して欲しいものだと思いましたが、つい業務の多忙さに追われてしまって、新しい戦略や見通しを立てる契機もないというのが実情でしょう。

3.シンポジウムの内容は、司法修習62~64期の5名の弁護士が、各自福岡、札幌、山形、愛知、大阪の法律事務所に1週間張り付いて、その中で、弁護士事務所の業務運営や顧客獲得する上での工夫などを調査しレポートするもので、内容的には、①顧客開拓、②事務所の運営体制、③新規分野の開拓、④スキルアップ、⑤宣伝広告戦略、⑥弁護士のマインドなどの面について重要と思われる点についてのまとめがありました。
 現在では法律事務所の運営や戦略についても多くの書籍も出版されていますし、コンサルタントの会社も士業のコンサルに力を入れている位ですから、聞いていて、内容的には特に目新しいとかいうことはありませんでしたが、やはりあらためて「経営戦略の再確認と実行」を確認するいい機会にはなりました。

4.知識としては分かっていても、結局はそれを実行に移すことが出来るかどうかが、大きな岐れ目です。経営面でも、前を向いて、少しずつでも改革、改善して行きたいものです。

41. 「熊本羅針」5月号の表紙 (2014.05.07)

 熊本県中小企業家同友会の会報誌「羅針」の5月号が発行され、表紙に私の写真「天上の楽園」が掲載されました。 

 この写真はくじゅうの扇ケ鼻のミヤマキリシマの群落を撮ったものです。解説としては、「ミヤマキリシマの群落が広がる山上は別世界。流れる雲間に根子岳の勇姿。自然と人が溶け合うひとき。」と書いています。

 白黒印刷なので、手前のミヤマキリシマの群落の色の見事さが出ないのが残念です。

40. お知らせ (2014.04.28)

 4月26日(土)~29日(火)及び5月3日(土)~6日(火)は
 連休のお休みさせて頂きます。

 ご迷惑をお掛け致しますが、どうぞよろしくお願い致します。

39. 「ダンスパーティー」 (2014.04.22)

 季節は春から初夏へと移り行き、アジサイが美しい季節となります。
 花屋さんで見て一目惚れした星咲きのアジサイ「ダンスパーティー」。
 透明感のある美しいピンク色の八重咲きの花が、華やかで楽しげな雰囲気で、初夏のガーデンを明るく彩ってくれます。花言葉は、「元気な女性」、「強い愛情」。生命力と躍動感が感じられます。

 事務所の入口に飾っていますので、事務所にお越しの際には是非ご覧下さい。
                            (ガーデン担当:hakko)

38. 「地球は私達の庭」 (2014.04.12)

 4月12日、熊本市の森都心プラザで、ハーブ研究家のベニシア・スタンリー・スミスさん(イギリス人)のトークショーがあったので参加しました。

 ベネシアさんは、京都の大原の古民家に住んで自然の暮らしの中でハーブなどを育てている人で、NHKの番組に出演したり、多くの本を出版したりしていて、かなり有名な方です。私も、ベネシアさんがNHKの番組で自分の色々な人生での体験を語って、「人生とは、嵐の中でダンスを踊るようなものです」と言っていたのがとても印象に残っていたので、関心があってトークショーに参加することにしました。優しい語り口で、地球を自分の庭だと思って、自然を大切にした日々の丁寧な暮らしをしておられ、その考え方は大変興味深いものでした。

 また、すべて「こだわらないこ」(執着しないこと)の大切さも語っておられました。昔のように悟りを開く修行をしなくても、日々の生活の中で感じて、考えて、すべてから離れることが出来る。その内容は大変奥深いものでした。

38. エンターテーメントの力 (2014.04.11)

1. 4月10日の夜、熊本市城南町のレストラン「araki」で、山形に本店があって、テレビや雑誌等でも活躍しておられるイタリアンレストラン「アル・ケッチャーノ」の奥田政行シェフの料理会と、歌手の八神純子さんのコンサートのコラボがあったので、参加しました。約100名位の参加でした。

 「araki」は昔の酒屋さんの雰囲気を醸し出したいい感じのレストランで、奥田シェフの料理もその優しい人柄そのままに、野菜などの本来の自然の持味を活かした自然流の作品で、とても楽しめました。特に、塩トマトの味や桜玉ねぎの味と盛付けが印象的でした。

 一方、八神純子さんは、70年代に「水色の雨」、「パープルタウン」、「ポーラスター」などの歌がヒットしたスターで、昔であれば熊本の小さなレストランなどで歌うことなどなかったでしょうが、東日本大震災での各地での慰問活動で奥田シェフとご縁が出来て、今回の出演になったそうです。普段から鍛錬されているのでしょう、ルックスも伸びのある澄み切った高音の歌声も昔のままで、とても素晴らしいものでした。

 初めに2曲、そして、自分でも食事を楽しみ、ワインを飲まれた後で、4曲歌われましたが、席が良くて2~3mのすぐ真近で歌を聴くことが出来て、とてもラッキーでした。そして、何よりも、八神さんが昔のヒット曲だけではなくて、日本を励ます歌などの新しい活動にも力を入れられて、「歌で日本を、人々を幸せにしたい」という思いで今も熱心に歌に取組んでおられることには、深く感動しました。強い目的意識を持って、鍛錬を続ける人の力はすごい!

2.翌11日は、熊本市民会館で、「夢コンサート」と題して、小林旭、浅丘ルリ子、松形弘樹、チェリッシュ、狩人、三善英史の各氏などが出演するお芝居と歌のステージがあったので、両親に見せるために、同行しました。

 お芝居は織田信長の若い頃を題材にした時代劇でしたが、さすがに長い芸歴のあるスターの皆さん達だけに、そのうまさには感心しました。また、その後の各人の歌のステージも楽しいもので、歌そのもの、そして「人を楽しませる」という技量も、さすがだな~と感心しました。熟練されたエンターテーメントの力は、すごいものです。

37. 山岳ガイドの起訴   (2014.03.27)

1.今日の熊日新聞の記事によると、平成18年10月にプロの山岳ガイドが催行した北アルプスの白馬岳登山ツアーにおいて、中高年の女性参加者4名が低体温症により死亡するに至った案件で、山岳ガイドがやっと業務上過失致死罪で長野地裁松本支部に起訴されたようです。

  この案件では、私は、熊本地裁と福岡高裁で遺族側での損害賠償請求訴訟を担当しました。そして、これまでの登山の経験を生かして、自ら北アルプスに3回遠征して、今回の登山ルートや事故現場の調査、関係者からの事情聴取等を行い、装備や天候に関する文献調査も行い、論点を組み立て(プロガイドの安全配慮義務の存在、ルート設定・防寒装備・天候予測の不備、一層の天候悪化状況での撤退義務、低体温症発症防止への対応の不備、不可抗力論や危険の引受論への反論など)、詳細な主張立証を積み重ねて来ました。現場撮影した写真は600枚以上に及びました。
 その結果、一審の熊本地裁は平成24年7月20日、当方の主張を認めて、全額認容(約6,140万円と遅延損害金)の全面勝訴判決を下しました。
  これに対しては、プロガイド側が福岡高裁に控訴をしましたが、色々な経過を経て、最終的には、プロガイド側が遺族らに謝罪をするとともに、6,500万円の損害賠償金の支払義務を認めるという内容で、和解が成立したものです。

  この民事訴訟の判決は、プロガイドの過失の存否が正面からが争われた事件において、プロガイドの責任を明確に認定した先例的な判決です。また、ツアー登山や中高年登山の問題点、防寒装備や天候予測の点、低体温症への対応等、近時いずれの遭難事故においても問題になっているような多くの特徴的な論点を含むものでしたので、これらの観点からも非常に有意義な判決だと考えています。この判決がひとつの契機となって、日本におけるより安全な登山の実現が少しでも前進することを願っています。
  熊本地裁判決については、既に「判例時報」に掲載されています。時間ができたら、「山と渓谷」等の山岳雑誌に論考として投稿したいと考えていましたが、残念ながら未だに実現出来ていません。

2.今回、山岳ガイドがやっと刑事事件でも起訴されることになったものですが、本件事故は不可抗力によるものとして無罪を争うことも考えられますので、また今後の展開を注目して行きたいと思います。

3.右上の写真は、乗鞍から見た穂高連峰です。

36. 遺言相続センターの研修会 (2014.03.25)

 平成26年3月25日午後5時30分から、国際交流会館で、弁護士会の遺言相続センター主催で研修会が開催され、約60名位の会員の参加がありました。

 内容的には、奥村恵一郎先生に、若い先生方向けに、相続の分野における実務的な手続や注意点などについて的確に講演をして頂きました。いい研修会でした。

 この相続遺言センターは、相続の分野での他士業や信託銀行の活動が活発な状況の中で、弁護士と弁護士会の発信力をより強化する必要があると考え、私が会長時代に提案して、その後委員の先生方の尽力により立上げに至ったものですが、これまでの法律相談センターの活動との調整の問題等があって、まだ十分な活動をするには至っていない状況にあります。

 今後は、会員への研修の充実を一層図ると共に、家族信託(信託法)の研究など時代に応じた新しい取組みをして行って貰えたらと思います。

35. エストニア (2014.03.20)

 夜、損害保険会社の転勤・退職の送別会があったので参加した後、行きつけの店に行ったところ、ネットで調べて店にやって来たというエストニア人がいて、少しだけなら英語が話せるので、私が相手をすることになりました。

 「エストニア」と言われても、一体どこにあるの? という感じでしたが、すぐIphoneで調べてみると、フィンランドのすぐ下にあり、旧ソ連から独立したいわゆるバルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)で、今はEUやNATOにも加盟しているようです。人口は約130万人で、福岡市よりも小さい国です。

 このエストニア人、年は42歳、仕事はアジア工芸の仕事で、半年間の予定でアジアを旅行中で、インド、香港、沖縄、長崎を経て、熊本に来たとのこと。ただ、熊本と言っても、阿蘇にも行かず、見たのは熊本城だけらしいので、それなら旅の思い出にでもと、その後はももクロのバーに案内しました。
 すると、店の人もお客さん達もももクロやAKBで熱く踊り出して、大いに盛り上がって、かなり楽しかったらしく、もう時間が遅くなったので私がホテルまで送って行こうかと言うと、自分はまだ残りたいと言って、熊本の夜を楽しんで満喫している様子でした。
 偶然の出会いでしたが、国際親善、楽しい旅の思い出の1ページになったのであれば幸いです。

34. 「熊本羅針」4月号の表紙 (2014.03.20)

 熊本県中小企業家同友会の会報誌「羅針」の4月号が発行され、表紙に私の写真「人生のとき」が掲載されました。

 この写真は東京の千鳥ヶ淵で、大きな桜を前にした老夫婦の姿を撮ったものです。解説としては、「満開の桜が水面に散る。人生を共に歩いてきた老夫婦。桜を、そしてお互いを慈しむ。満ち足りたこのひととき。」と書いています。
 いい色合いなのですが、白黒なのが惜しいです。

33. くまにちプラネットの若手弁護士(NO.2) (2014.03.20)

 平成26年3月20日の熊本日日新聞の朝刊に「くまにちプラネット」の紹介記事が掲載されていて、その中で新設のブログコーナーの担当者として写真付きで、女性タレント、IT企業社長と「若手弁護士6人組」が紹介されていました。

 この先生方は、私の方で業務対策委員会の先生方を中心としてブログ担当の打診をさせて頂いたものですが、是非色々な切り口で楽しいブログを書いて頂いて、弁護士や弁護士会をより身近なものと感じさせて貰いたいものです。先生方にとってもきっと良い体験になることでしょう。
 それにしても、熊本城の前での皆さんの写真、もうちょっと笑顔を見せても良かったかな。

32. 「福岡Walker」4月号 (2014.03.14)

 福岡に「福岡Walker」という情報誌がありますが、この誌面作りに、私の海床路の写真が何点か使われることになりました。
 どんな経過で私の所に連絡があったのかはよく分かりませんが、目にとめて頂いて写真を使って頂くのは光栄なことです。

「福岡Walker」4月号は、3月20日発売です。
 ご覧になりたい方は、書店にてお買い求め下さい。

31. 弁護士会のボーリング大会 (2014.03.13)

 平成26年3月13日午後6時30分から、スポルトで、弁護士会の総務委員会主催でボーリング大会があり、弁護士や事務員さんなど約50名位が参加しました。
 私は去年まぐれで優勝させて頂いたので、今年も実は秘かに優勝を狙っていたのですが、何しろ一年振りのことで、レーンの調子も悪くて、スコアーは散々な状況でした。
 それでも、ボーリングとその後の懇親会とで、普段はなかなか交流のない他の事務所の事務員さん達とも触れ合えて、楽しい時間が過ごせました。

 総務委員会は担当事項が幅広くて大変な委員会ですが、今後とも益々会員等の親睦のためにも頑張って欲しいと思います。

30. 顧問会社との会食   (2014.03.13)

 平成26年1月12日夜、顧問先の会社代表者と、その顧問先の元の法律顧問で大先輩の弁護士S先生(80歳)と、私とで、会食の機会がありました。

 この会社代表者は非常に勉強熱心で、特定の分野では弁護士よりも深い造詣と見通しを持っている人ですが、若い頃には顧問だったS先生や、裁判官にも加わって貰って、毎月1回金融関係の判例実務検討会を熱心に継続していたそうで、お話しの内容から当時の熱心さの様子がよく分かりました。

  また、このS先生は、ご高齢ではありますが、頭脳明晰で、知識と経験は深く、声も大きくて、弁護士会の総会や研修会にも積極的に参加して発言されますので、本当に見習うべきことの多い尊敬出来る先生です。私も出来れば、こんな姿であり続けたいものだと思いました。
 いい会食の機会でした。

29. 宇土市の観光情報サイト (2014.03.13)

 「福岡ウォーカー」との関連で、宇土市の観光情報サイトに、私の海床路の写真が2枚UPされることになりました。

 海床路は、潮が満ちて来て次第に海の中に沈んで行きますので、佇んでいると不思議な風景に出会えます。特に、夕暮れに佇むと、一層色々なことに向き合えます。

 宇土市の観光情報サイトは、こちらです。
http://www.city.uto.kumamoto.jp/utomonogatari/q/aview/1/494.html

28. 紫垣陸助先生の喜寿祝賀会 (2014.03.11)

 平成26年3月11日、熊本市内の割烹料理屋さんの「梅鉢」で、紫垣陸助先生の喜寿祝賀会が開催されましたので、参加しました。

 紫垣先生は、私が勤務弁護士(イソ弁)として4年間お世話になった先生で、いわば私のお師匠さんですが、弁護士としての基本や生き方等々の数多くのことについて、本当に色々と勉強させて頂きました。
 ざっくばらんで、大胆に見える一方で、誰も及ばないような細心の気配りと心遣いをされて、仕事面でも人間的な大きさでも弁護士会ピカイチだと思います。私が現在あるのも、紫垣先生の下で色々と勉強させて頂いたお蔭で、全く感謝に堪えません。

 紫垣先生も自分の弁護士生活を顧みて色々な想い出話しをされていましたが、光陰矢の如し、本当に月日の経つのは早いもので、聴いている私達弟子達も感慨深いものがありました。

 紫垣先生にはお祝いにゴルフクラブのドライバー(ゼクシオ8)を贈呈しましたが、今後も益々お元気でお仕事にゴルフにとご活躍して頂きたいと思います。

27. 写真コンテストでの審査 (2014.03.11)

 私が顧問をさせて頂いている企業団が、「水のある風景」をテーマにした公募の写真コンテストを行いましたので、審査員の一人として審査に当たりました。

 最優勝賞1点、優秀賞2点、入賞5点以内を選ぶものですが、どの作品もそれぞれに撮影意図と感性、構図、技法などがあって、その思いが伝わるだけに、選ぶのがなかなか難しいものでした。
 その中で、最優秀賞には、大きな自然と水のある田園風景を明るく爽やかな色調で仕上げた作品が選ばれました。ほぼ一致した高い評価でした。

 今回のように自分が審査する側になると、自分が何を撮って何を表現しようとしているのか、その表現の方法はどうか、訴える力はあるか等について、あらためて考えさせられる機会となります。

26. 「YPC写真展」開催中! (2014.03.08)

 平成26年3月8日、3月1日~3月19日迄開催中のYPC熊本第2回写真展を鑑賞して来ました。
 YPC(読売写真クラブ)熊本の生徒20名による写真展で、テーマは「光」。どの作品も力作揃いで、大変見応えがありました。私の作品は「山の宝石」を展示しています。
 午後のひと時、写真展の開催会場である「カフェブリランテ」で美味しいコーヒーを飲みながら、ゆったりした気分で個性的な作品をじっくり鑑賞するのも楽しい時間です。
「カフェブリランテ」の場所は、下記のホームページでご確認下さい。
http://www.h3.dion.ne.jp/~fullmoon/brillante/brillante.htm

 来週3月19日(水曜日)まで好評開催中ですので、お時間がありましたら、是非ご覧下さい。

25 .臨時総会での議論 (2014.03.04)

 平成26年3月4日午後6時30分から、パレアホールで、弁護士会の臨時総会が開かれました。
 審議事項は、副会長指名同意の件、補正予算、暫定予算及び育児期間会費免除規則案で、私の方で議長として議事進行をさせて頂きました。

 育児期間会費免除は、男女共同参加の推進や少子化対策を趣旨として、2歳までの子の子育てをする会員について男女を問わず県弁護士会の会費を連続する6ヶ月間の範囲で免除出来るというものです。同規則については、日弁連の会費についても昨年12月の臨時総会で同様の規定が承認されていますし、他の単位会でも同規則が制定されていますので、制定の方向での大きな流れは否定出来ないところです。
 ただ、その政策目的と制度趣旨は肯定出来る一方で、反対論の立場からは、会費の性質論、不公平感の問題、会財政への影響の問題などが強く指摘されており、制度趣旨とこれらの問題点の調整をしバランスを取るために、例えば就業時間20時間以下の場合に会費免除を認めるなどという考え方もありますので、私としては何の議論もなく承認されるのではなく、会員間での議論があった方が良いと考えていました。
 そうしたところ、M先生が反対の立場から的確な問題点の指摘をされ、これをきっかけに賛成、反対それぞれの立場から次々に意見表明や問題点の指摘、質問等がありましたので、ある程度の議論の場が出来て、大変良かったと思います。結論的には、圧倒的多数で承認となりました。

 会員の議論の場は大切なもので、本来は全員参加のメーリングリストなどを作って事前に誰もがもっと自由に議論出来る場を作ることが必要だと思います。

24. 全国弁護士会仲裁センター実務懇談会 (2014.02.28)

 平成26年2月28日、霞ヶ関の日弁連会館で、日弁連ADRセンター全体会議の後で、今回は全国弁護士会仲裁センター実務懇談会が開催されましたので、委員として参加して来ました。

 実務懇談会については、第一部が「利用者に対する窓口対応等について」で、消費者相談コンサルタントの清水武夫氏が、企業でのクレーム対応についてのお話しをされました。特に、目新しい内容ではありませんでしたが、自分の分析、相手がどんな人間なのか、どんな真意を持っているかの理解、聞くことの必要性、役割交渉と感情交渉のバランスの必要性等の内容でした。

 第二部は「ADRの会員への周知・会員の利用促進」についてで、事前に実施した各弁護士会に対するアンケート結果を基にして、ADRの会員周知の一層の利用促進などについて報告や意見交換がありました。 このテーマはこれまでも何回も議論されてきたテーマではありますが、ADRの利用件数の減少傾向がある中で、どのような対応をしたらADRの一層の活性化が図れるかは、何とも悩ましい問題です。

 最後は、もう終わるだろうと思っていたところ、ADRの未設置会に対しての助言について突然指名されましたので、ADRの実現に情熱を懸ける人が必要なことや、私達も未設置会に向けてADRとはこんなにいい制度ですと設立を勧めることが出来るように、もう一回ネジを巻き直してADRの活性化に向けて頑張りたいなどと発言しました。

23. 九弁連と法曹養成問題 (2014.02.26)

 昨日、九弁連から「法曹養成及び法曹人口の問題に関する平成24年度九弁連の活動報告書」が送られて来ました。
 平成24年度の九弁連執行部は法曹養成・法曹人口問題に熱心に取組みましたが、この報告書には、その記録として、理事長の単位会訪問における議論状況、会員へのアンケートの結果、理事会での議論状況、そしてこれを踏まえて法曹養成制度検討会議の進行に向けてタイムリーに出された5通の九弁連理事長声明などが纏められていて、A4版で398ページの充実した内容となっています。
 このような活動が出来たのは、前九弁連理事長である長崎の山下俊夫弁護士の卓越した力量に基づくものですが、私も常務理事として熱心に活動の一環に参加出来ましたので、今こうして報告書の内容を見てみると誠に感慨深いものがあります。

 法曹養成、法曹人口問題については、既にこのブログでも書いていますとおり現在法曹養成制度改革顧問会議で検討がなされているところで、また近々自民党司法制度調査会や公明党プロジェクトチームからも提言の発表が予定されているようです。

 今年度の九弁連も、特命主任として残留された長崎の石橋龍太郎弁護士(超優秀な先生で、この問題に関する造詣の深さは日本で有数だと思います)が問題状況について多様で詳細な分析をした資料を作成されていて、今後はこれらを土台として、①平成26年度司法試験から合格者数を1500人以下とすること、②平成27年度法科大学院入学から、見直しをした定数、定員でスタートすることなどを内容とする九弁連理事長声明を発表する方向だと思われます。

 同顧問会議の動きは遅く、またこの問題に関する一般会員の声がなかなか中央に反映されにくい状況の中にあって、九弁連が、「九弁連はひとつ」、「風は西から吹く」を合言葉に、少しでも一般会員の声を届けるべく一層有意義な活動をすることを、心から期待しています。

22. 弁護士とのネットワーク (2014.02.25)

 弁護士は何となく敷居が高いと言われ続けていて、百年経っても弁護士のイメージや心理的なアクセス障害の状況は改善されていません。
 この点については、市民の方々だけでなくて、士業(専門家)の先生方も同様のイメージを持っておられて、弁護士にはなかなか気軽に相談に行きにくいと考えられる先生方も多いようです。

 私が法律顧問をさせて頂いている熊本県土地家屋調査士会(会員約280名)の会合でも同様の話しがありました。それは、現状では調査士が立会、測量、登記、筆界特定等の件で弁護士への相談をする場合には、個人的な伝手(つて)を頼って相談に行くしかないが、それでは困るので、特に、熊本市以外の地域については、地元で気軽にまた迅速に相談が出来る弁護士を揃えて、調査士会が推薦する弁護士として名簿を作って会員に広報をして欲しいということでした。

 そこで、私の方で、調査士の先生方と弁護士とのネットワークと連携作りを進めるために、各地域毎に数名の弁護士の先生方にお声掛けをして体制を整え、調査士会の相談推薦弁護士として広報をさせて頂く方向になりました。
 おそらく、平成26年4月以降の実施になると思いますが、こうやって少しでもいい方向での弁護士へのアクセス障害が改善ができればと思います。

21. 熊日新聞電子版「くまにちプラネット」 (2014.02.20)

 最近は朝日新聞や日経新聞などもデジタル配信がありますが、地元の熊日新聞も平成26年1月20日から電子版の「くまにちプラネット」を開始しています。電子化に対応して、ニュース速報や紙面に載らない情報等の提供を充実させ、全体的な発信力を強化しようということでしょう。

 そして、先般、この「くまにちプラネット」に平成26年4月頃から暫くの間若手の弁護士が交替でブログ(コラム)を掲載させて頂く企画があるというお話しがありましたので、司法修習60期代の6名の若い先生方を推薦しました。
 今後具体的にどのような内容となるのかは分かりませんが、先生方には色々なことを率直に語って頂いて、市民の皆さんに弁護士と弁護士会を少しでも身近に感じてもらえたらと思います。
 皆さんも、是非「くまにちプラネット」をご覧頂ければ幸いです。

20. 「熊本羅針」3月号の表紙写真 (2014.02.19)

 熊本県中小企業家同友会の会報誌「羅針」の3月号が発行され、表紙に私の写真「明日の意味」が掲載されました。

 今回の作品は、以前写真ブログにUPしたものです。
 宇土市の御興来(おこしき)海岸の干潟を撮影したもので、光の中で佇んで、あらゆる意味から離れること、人間の評価から自由になることを表現しています。
 本来はカラー写真ですが、予算の都合上まだ暫くは白黒での印刷になるようです。夕陽に輝く金色の色がなくても、白黒でも、結構締っていていい感じだと思います。

19. YPC熊本の写真展 テーマ「光」 (2014.02.17)

 平成26年3月1日(土)~3月19日(水)、YPC(読売写真クラブ)熊本の第2回写真展が、熊本市東区桜木のカフェギャラリー「ブリランテ」で開催されます。

 YPC熊本は読売新聞社が関係する写真クラブで、私も縁あって設立段階から関わらせて頂いています。毎月の例会の講師は、日本の風景写真ではトップクラスの堀川宏さんで、その的確な指導と暖かい人柄には感心させられます。会員の作品は、月に一度3作品が読売新聞の熊本版に掲載されています。
 今回の写真展のテーマは「光」で、22名が作品を出品します。私は「山の宝石」という作品を出品します。お時間と興味がおありの方は、是非ご覧頂ければ幸いです。

  カフェギャラリーブリランテのホームページは、下記をクリックして下さい。
 場所は少し分かりにくいですが、マスターも写真が趣味で、退職後にギャラリーカフェを作られたもので、なかなかいい雰囲気のお店です。
  なお、営業時間はお昼から日没までで、日曜・祝日はお休みですので、ご注意下さい。
http://www.h3.dion.ne.jp/~fullmoon/brillante/brillante.htm

18. 物語の力 (2014.02.12)

 私の写真ブログでは、よく「自分なりの物語を生きる」ことを伝えています。それは、①存在の不思議や客観的な生きる意味は分からないので、人間は自分なりの物語を作って自由に生きて死ぬしかないということと、②覚悟を決めて、過去でも未来でもなくて、この一日一日、この瞬間瞬間をいきいきと充実して生きることが大切だ、ということです。

 同じようなことを、今日の講演会でも聞いて、考えさせられました。
 2月12日午後7時から、県立劇場で、作家の柳田邦男氏の「人生の最終章をどう生きるかー物語を生きる人間の視点から」という講演があったので、聞きに行きました。関心の高さから1500人位の会場はほぼ満席でした。
①人は物語を生きている。最も大事なのは最終章で、最後の瞬間まで物語を生き続けることが大事だ。人は物語ることによって、人生の全ての出来事に意味があることに気付く。それぞれの章の意味が分かる。人は、物語によって、自分の人生に意味を見つけて行く。
②死は生きることの裏返し。老いや死があるから、一刻一刻の人生が大切で美しい。自分の死を創ること。
③自分を見つめ直し、生き直すための最も大切な問いは、「あなたの一番したいことは何ですか?」ということだ。一日一日をどう生きるか、納得の行く日々を生きることが大切で、そして、社会としてもそれを支えるシステムを作るべきだ。
④人生の最終章で大切なものは、言葉の力(物語)、仕事と生きがいの意味(生きた証)、自分を表現することの意味、健康についての考え方の転換(肉体的なレベルではなくて、最後まで自分の生き方を全うするのが健康という、心や魂のレベルまで広げた健康)などである。
 
 結局、人生に意味づけをする生き方をするのであれば、自分の生きがい(物語)と目標を持って、人生の最後の瞬間まで自分の物語を生き抜けということでしょう。
 何をするために生まれてきましたか? 
 自分の物語の問いかけと模索は大切ですが、なによりも毎日の自覚と実行が必要です。

17. 「熊本羅針」2月号の表紙写真 (2014.02.06)

 熊本県中小企業家同友会の会報誌「熊本羅針」の2月号が発行され、表紙に私の写真「46億年のspirit」が掲載されました。

 今月の作品は何にしようかと考えましたが、やはり地元誌なので熊本のものがよいだろうということと、5月号まではカラーではなく白黒の印刷なので黒色のコントラストだけで表現出来るものがよいと考え、この作品を選びました。
 ヘリからの空撮で、残雪の中で夕方の斜光に輝く中岳火口を撮ったものです。自然と向き合うと、宇宙と地球の圧倒的なエネルギーをひしひしと感じます。

16. 支部弁護士交流会 (2014.02.04)

 平成26年1月31日午後3時から、弁護士会館で支部弁護士交流会がありましたので参加しました。約30数名位の参加でした。

 主に、天草市牛深町での法テラスの4号事務所開設について議論をしましたが、①地元天草の先生方(現在5名)は開設反対の意向が強いことと、②弁護士へのアクセス改善や需要の掘り起こしについては、今後地元の先生方も市役所支部での定期的な法律相談をする等の改善、努力をされるとのことでしたので、全体的な方向としては現時点での法テラス設置には消極的な方向でした。

 法務省の法テラスの制度については、資力の乏しい方々への支援策との評価がある一方で、法律扶助の資力要件が緩いので実際上の取扱いはかなりの資力がある人でも法律扶助を受けることが出来るようになっていることや、法律扶助案件の弁護士報酬が低廉なことの影響で一般の案件の弁護士報酬も低廉化していることから、本来の制度趣旨を越えて税金、官費による民業圧迫になっているとの批判も出ています。弁護士人口が増加する中で、法テラスへの評価やそのあり方自体にも、多くの揺らぎが出ているということでしょう。

 次に、裁判所支部での労働審判の実施についても議論がありましたが、この点は、単に裁判所に要請をしても実現は無理で、予算と人員に限りがある裁判所を動かすためには、現実的に労働審判の申立件数を増大させるしか方法はないと思います。この問題については日弁連も含めて何年も同じ議論を繰り返していて、なかなか実効性のある運動に発展して行かないのは、残念なことです。

 交流会のあとは、懇親会がありましたが、これも色々と話しが出きてなかなか良い機会でした。終わって帰り際には、店の女将さんから、なぜか「あら、坂本先生。会長の時は散財して頂いて、ありがとうございます。」と言われました。確かに何回も利用しましたが、私が散財したことはないのですが。

15. プレゼント (2014.01.31)

 私の誕生日も近いということで、事務所のスタッフの皆さんから、オシャレなネクタイと華やかな花束を頂きました。予期もしていないことで、ビックリしましたが、本当にありがとうございました。

 スタッフの皆さんには、常日頃から事務所の業務充実のために頑張って頂いていますが、新しい歳を迎えて私にもさらに仕事に趣味に頑張れということだと思いますので、今後もまた一層強く生きて行きたいと思います。ありがとうございました。

14. 業務対策研修会(NO.2) (2014.01.29)

 平成26年1月29日午後3時30分から、パレア会議室で、今年度第2回目の業務対策研修会を実施し、約40名の会員の先生方の参加がありました。
 この研修会は、弁護士会の業務対策委員会が、弁護士人口の増加によって会員の経営環境が厳しくなっている中で、より一層会員の業務対策の研修に力を注ごうと開催しているものです。
 前回は対外広報・広告戦略についての3名の先生方にお話しを頂きましたが、今回は、事務所のタイプなどによって、弁護士法人の形態で事務所を設置されている先生、即独(勤務弁護士を経ないで、登録後すぐに独立)された先生、同じフロアーで他士業と共同でワンストップで事務所を設置されている先生の、3名の先生方にお話しをして頂きました。

 名刺を始めとした業務対策等への細かな気配りの仕方、税理士などの他士業との連携、顧問料の設定の仕方、ワンストップ形態のメリットなどなど、かなり勉強になる点がありました。

 最後は、私の方で締めの挨拶をさせて頂いて、参加者や講演をして頂いた先生方への謝意を述べると共に、業務対策への意識の重要性や、知識ではなく明日からの実践が大事であること、今後も引き続き業務対策委員会はこの研修会に熱心に取組んで行きますので、一緒に弁護士個人も弁護士会も希望と未来のある元気なものにして行きましょう!などとお話ししました。
 二次会や三次会もあって、若い先生方ともお話しができて、楽しい時間でした。カラオケでは、練習していたAKB48の「恋するフォーチュンクッキー]を初めて歌いました。

13. 熊本市西倫理法人会での講演 (2014.01.29)

 平成26年1月29日午前6時から、ホテルニューオータニ熊本で開催された熊本市西倫理法人会もモーニングセミナーで、講演をしました。
 冬の朝6時はまだ暗くて、しかもこの日は午前1時過ぎに寝て午前4時半に起きて準備して出掛けましたので、ちょっとハードでした。経営者の集りである倫理法人会での講演は、北、中央、そして今回の西ということで、3回目になります。

 講演の内容は、「人生の輝きを」(副題―今日は良き日かな。存在の不思議を感じながら、仕事に趣味にと輝いて生きる)で、山や写真を始めるようになった経過、自然の中で風に吹かれて佇んで、自分の存在を感じることの大切さ、覚悟をして生死にとらわれずに、この一日一日を、この瞬間瞬間をいきいきと楽しく充実して生きることの大切さなどについて、私の体験をもとにお話しをさせて頂きました。また、畳大の大きさの4枚の写真も準備して、タイトルや表現意図、撮影方法、撮影のエピソードなどについても、お話しをさせて頂きました。

  終了後には、皆さんでテーブルを囲んで、コーヒーやパン等を食べながら講演の感想についてまで話して頂きました。参加していつも思うのは、会員の皆さんの熱心さです。朝早くから本当に、仕事や生き方ついて熱心に取組まれている姿勢には頭が下がって、勉強になります。

12. 企業不祥事とコーポレートガバナンス (2014.01.27)

 コーポレートがガバナンス(企業統治)やコンプライアンス(法令遵守)の必要性が叫ばれてもう随分経ちますが、それにもかかわらず、昨年も、カネボウ化粧品の白斑症状事件、JR北海道のデータ改ざん事件、金融機関の反社会的勢力への融資事件、ホテルメニューの食材偽装事件等と、相変わらず会社不祥事の事件が後を絶ちませんでした。

 これらは、第3者が監督官庁やマスコミに情報提供したり、内部通報によって発覚したものが多く、また、最初に発覚した後の社内の対応が悪くて、隠ぺい体質があるとして、さらに社会的な批判を浴びたものが多かったように思います(2次不祥事)。組織はどこも同じような問題点を抱えています。

 企業としては、コンプライアンスの徹底、情報共有体制の確立、社外役員の独立性の確保、内部通報者の保護などより一層のガバナンス強化に力を尽くす必要がありますし、また万一不祥事が発生した場合の対応についても予め企業の姿勢を明確にしておくべきでしょう。利益優先か信頼かで迷っても、結局は信頼に優る利益はないのですから。

11. 政治献金について (2014.01.26)

 先日、会社の政治献金(寄附)についてのご相談がありましたので、あらためて「政治資金規制法」上の制限について、基本部分を整理してみました。

1.会社
 会社は、政党・政党支部・政党が指定する政治資金団体以外に対しては、政治活動に関する寄附をすることは禁止されています。
 したがって、会社は、政治家に直接とか、その資金管理団体、後援会などの政治団体に寄附をすることは出来ません。
 政党や政治資金団体に対する寄附の金額は、資本金額によって違いますが、資本金10億円未満であれば年間750万円までです。

2.個人
 個人は、政党・政治資金団体に対しては年間2000万円まで、政治家の資金管理団体・後援会に対しては年間合計1000万円(但し、同一の相手方に対しては年間150万円)まで寄附が出来ます。
 なお、公職の候補者の選挙運動に関するものについては、金銭等による寄附が出来ます。

3.以上はあくまで基本で、政治資金規制法には色々と例外や特例の仕組みがあって、条文を読んだだけでは非常に分かりづらい法律になっています。国民目線で見ると、政治家が自分達のためにわざと分かりづらい仕組みを作っているようにも思われます。
 また、政党から政治家個人への寄附は何ら制限されていないので、実際上は一旦政党支部に寄附をしてそれがまるごと特定の政治家個人に流れるという取扱いもされているようで、政治家に都合が良い形だけの規制に終わっているように思われます。

10. 早慶OB合同新年会 (2014.01.25)

 平成26年1月25日午後6時から、全日空ホテルニュースカイで早稲田大学と慶応大学のOB合同新年会がありましたので、参加しました。
  大学OB会はそれぞれに開催されていますが、2年に1回は早慶で合同で新年会が開催されています。今回は早稲田OBが67人、慶応OBが56人、合計数123人の出席で、盛会でした。

 早慶にはお互いに独特の好敵手感と親近感があります。そして、地元でもそれぞれのOBが各方面で活躍していますので、色々な出逢いがあります。
 今回は、隣りに座られた慶応側のメガバンクの熊本支店長の方が、偶然にも私の大津町の実家の近くのご出身で、なおかつ高校時代の国語の先生の息子さんでしたので、びっくりしました。
 今後も何かと出逢いを大切に対応して行きたいと思います。

9. 労働契約法の改正とその影響 (2014.01.24)

 今年からは、法律的な事項についても、少しずつ発信して行こうと思います。
 最近、企業側から、あるいは労働者の方からも、「雇い止め」についての相談が増えていると思いますので、今回はこの点について述べてみます。
 平成25年4月に施行された改正労働契約法の内容やその影響は次のとおりです。

1.有期労働契約者からの無期転換申込権(18条)
(1)本条は、有期勤務契約者の雇用の安定を図るために、①同一使用者との間の有期労働契約を更新して通算で5年の契約を超える場合に、②現に締結している有期労働契約期間内に無期転換の申込があれば、③使用者はその申込みを承認したものとみなされ、有期労働契約が無期労働契約に転換することを認めたものです。
 注意点は、施行日である平成25年4月1日以後に締結、更新される有期労働契約のみが対象になることで(附則2項)、施行日前に締結されている契約期間はこの通算期間には算入されません。
 また、前後の有期労働契約の間に6ヶ月以上の空白期間(クーリング期間)がある場合、空白期間の前に満了した契約期間は、通算契約期間に算入されません。
(2)この改正により、企業側としては、契約自由の原則の例外として有期労働契約の利用が制約されることになりますので、その影響は重大で、18条の適用を避けるためにおそらく3~4年で有期労働契約の更新をしない(雇止め)ケースが増えてくるものと思われます。
 その他の企業側の対応としては、有期労働契約継続への誘導、有期労働契約の際に更新上限条項や不更新条項を設けること、クーリング期間を活用すること、子会社や関連会社への雇用切替えなどが考えられますが、いずれも濫用的な取扱いにならないように要件や手続きを十分検討して対応する必要があります。
 これに対し、有期労働契約者側がどう対応出来るかについては、個別の案件によりますが、対抗主張がかなり難しい面が出て来るかもしれません。

2.有期労働契約の雇止めの法理の法制化(19条)
(1)本条は、雇止めに関する従来の判例法理を立法化したもので、①有期労働契約があ反復更新され、社会通念上更新の拒絶が期間の定めのない労働契約を終了させることと同視出来る場合、または、②有期労働契約後の期間満了前に労働者が更新されるものと期待することに合理的理由がある場合に、③使用者による更新拒絶が、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない時は、更新したものとみなす規定です。
(2)各要件については、具体的案件ごとに検討していくことになりますが、①②については、仕事の内容、更新回数、雇用期間、契約期間管理の状況、会社側の言動等を総合して判断することになります。③については、例えば解雇の場合と同様に、能力、過去の勤務状況、指導改善の状況等を、あるいは経営上の理由による場合は、整理解雇の4要件の有無などによって検討することになります。

3.期間の定めを理由とする不合理な労働条件の禁止(20条)
(1)本条は、有期労働契約の労働条件が、有期であることを理由として無期労働契約の労働条件が違う場合に、職務の内容等からして不合理な労働条件であってはならないとして、これを禁止したものです。
(2)実務上はその労働条件が「不合理」と言えるかどうかの判断は、職務の内容、労働条件の内容、企業の人事、処遇体系等の様々の要素を総合的に検討して判断することになりますが、争いのある案件ではかなり難しい判断になると思われます。
 なお、特に争われる賃金格差の点については、これまでの判例の傾向は、同一労働同一賃金の主張については、労働関係を一時的に規律する法規範とは認めていませんが、ただあまりにも著しい賃金格差で公序良俗違反になるような場合には違法となる余地があるとしています。

8. 名刺交換だけでは (2014.01.22)

 平成26年1月22日午後6時から、熊本ホテルキャッスルで、熊本県中小企業家同友会の講演会と懇親会がありましたので参加しました。約280名位の参加があったようです。

 ところで、このような会合では、同席した方々と名刺交換をしてお互いの仕事のことなどを話したりしますが、単に5~10分話したりしただけでは、その場限りのことが多くて、なかなかその後の継続的な繋がりには発展し難いものです。その場は楽しくても、翌日にはもうどんな顔の人だったのかも忘れてしまっています。
 したがって、より効果的な出逢いの場とするためには、名刺にも写真やプロフィールなどを入れる工夫が必要なことは勿論ですが、最近は翌日に名刺交換のお礼の葉書を出すのが良いと思うようになりました。私はこれまで何回かこのようなお礼の書面や葉書を頂きましたが、その方々のことはお顔は忘れてしまっても、すごく印象に残っています。仕事と同じで、どこまで細やかな気遣いが出来るか、確かな実力で自分なりのメッセージが出せるかということでしょう。 
 そう考えて、今日は早速昨日名刺交換をした10数名の方々に、写真をプリントしたお礼の葉書を出しました。勿論、こういうことは、戦略的なものではなくて、人との繋がりを大事にして心から感謝するという気持ちですることが大切だと思います。

7. 松本津紀雄先生の叙勲祝賀会 (2014.01.21)

 平成26年1月21日午後7時から、熊本ホテルキャッスルで、弁護士会主催で松本津紀雄先生の叙勲祝賀会が開催されました。約80名位の参加がありましたが、今ではなかなか裁判所でお会いすることもなくなったベテラン、大先輩の先生方もみえられていて、楽しいひとときでした。

 松本津紀雄先生は弁護士生活41年のベテランの先生で、私も司法修習生の時から飲みに連れて行って下さったりして、大変お世話になりました。その温厚で誠実な人柄に触れさせて頂いて、大変勉強になりました。現在でもよく事務所から自転車に乗って裁判所への行き帰りをされているお姿を拝見します。合唱や仏像巡りなどを趣味とされているようで、まだまだ活躍して頂きたいものです。

 会場には叙勲の書状が飾ってありましたが、その中には国璽(こくじ、国家の表徴として用いる印)が押してありました。約9㎝四方の大きさで大きくて、本物は初めて見ました。現在では勲記のみに使用されるとのことです。

6.  弁護士会の新年会・新入会員歓迎会 (2014.01.14)

 平成26年1月14日、ホテルキャッスルで、弁護士会の新年会と新入会員歓迎会が開催され、約96名の参加がありました。

 以前の新年会は、市内の料亭4軒で一年毎に順番に開いていましたが、この頃は会員数が多くなったことと、若い先生方にも出来るだけ多く参加して頂けるようにと会費を安くして、ホテルで開くようになりました。今回はいつもと違い11階のレストランの貸切りでしたので、なかなかいい雰囲気でした。

 今年は新入会員の先生方は17名で、これで当会の現在会員数は246名になりました。
 自己紹介もありましたが、近年は続々と新入会員の先生方が入会されますので、なかなか全員の方のお名前を覚えることも難しくなって来ています。即独の先生もおられ、自覚を持って名刺を持ってあちこちに挨拶廻りをされていて、その積極的な姿には一生懸命さが感じられて好感が持てました。

 このような席で若い先生方とお話しをすると、業務環境が本当に厳しいということをよく耳にします。中堅、ベテランは、これら若い先生方への支援についても配慮して行くべきだと思います。
 また、会としても、若手の先生方のサポートのためにさらに、さらに相談機会の増加、研修やOJTの拡充、経験交流会、メンタルヘルスケア等を含めた相談体制の充実などに取り組んで行くべきでしょう。

5.  法曹養成制度検討の行方 (2014.01.12)

1. 法曹養成制度については、現在新たな組織体である法曹養成制度改革顧問会議で検討が行われているところですが、現在まで ①法科大学院については、公的支援の見直し、認証評価の見直し、共通到達度確認試験の検討、連合・連携等の促進などが検討され、②司法修習については、修習開始段階での約1ヵ月の導入修習の実施の方向が合意され、③現在無給制になっている司法修習生に対する経済的支援については、さらに検討することになっているようです。
 しかしながら、一番重要な④「法曹人口」(司法試験合格者数の問題)ついては、推進室からは、法曹人口に関する調査の検討体制を設けて平成27年3月頃までにその調査結果を顧問会議に提出するとの説明がなされたようです。以前の組織である検討会議の時代も含めてこれまでにも調査の時間は十分あったはずで、一体何年ノロノロとした調査や議論をしているのでしょう。そのスピード感のなさには全く呆れてしまいます。
 複数の顧問から、「早期に顧問会議で議論して当面の合格者数について減員の方向性を打ち出すべきだ」との意見が出されたようですが、全くそのとおりで、早急に合格者減員の方向性を打ち出すべきです。
 確かに法科大学院制度を設けて現在人間もお金も投入している状態にあるので、法科大学院への影響という点から減員は慎重に検討して行くべきだとの意見も理解は出来ますが、しかしながら、現状は弁護士人口の激増によって、弁護士の就職難、貧困化、法曹志望者の減少等の問題が生じており、このままでは司法の弱体化、劣化に至ることは明らかです。
 より効率的、発展的な司法を目指した司法改革だったはずなのに、現状では逆に司法の劣化を招くような事態に陥っている訳ですから、このような事態の是正こそ急務で、合格者数については、早急に1000人にすることを打ち出して減員を実施すべきです。合格者が1000人でも、弁護士人口は十分に増えて行きます。
 法科大学院についても、多額の費用と時間を要する割にはその効果があがっていないので、大幅な改革をすべきで、更には、法科大学院卒業を司法試験の受験資格としない方向性も検討されるべきでしょう。

2. 昨年末、今度の日弁連会長選挙の候補者が熊本にも来られましたので、私も弁護士会での意見交換会に参加して、日弁連の方向性について意見を述べました。
 1点目は、法曹人口に関する日弁連の掲げる「合格者数は当面1500人まで減員して、その後は状況に応じて減員を検討する」という方向性であるが、前記1のような状況からすると、既に複数の単位会が1000人決議を決議しているように、1000人まで減員すべきことを明確に打ち出すべきであるということです。
 2点目は、日弁連もやっとのことで広報を重視するようになって、広報費については昨年度5000万、今年度は1億円の予算をつけたけれども、①53億円の予算規模からすれば、年間3億円程度は予算を組むべきであるし、また、②専門家も含めて広報戦略室を設置して、今年度以上に広報に力を入れるべきであるなどというものです。
 残念ながら、候補者の意見としてはいずれについても消極的な考えようで、日弁連は来年度も大きな動きは見込めないようです。

4.  簡裁における民亊調停の運営方法 (2014.01.10)

 これまでの簡易裁判所における民亊調停の運営方法については、調停委員会が紛争解決に向けて積極的な姿勢をとることは少なかったと思いますが、平成25年12月の最高裁司法研修所の研究報告書は、民亊調停が司法型ADRとして調停を利用すれば法を基礎とした公平な解決が得られるであろうという利用者の期待に応えるために、これまでよりも積極的な運営方法をとることを提案しています。
 これによると、①ふさわしい事案については、事実関係を整理・認定したうえで合理的な解決案を策定し、②場合によっては適宜心証を開示し、解決案を提示して積極的に説得調整を行い、③調停が成立しなかった場合でも、調停に代わる17条決定の活用も検討するとされています。

 このように裁判所が民亊調停の運営方法を積極的にして調停の機能を強化しようとしているのは、現在多くの民間型ADRや行政型のADRも出て来ているので、このままでは裁判所の民亊調停も利用件数が減少して没落してしまうという危機感が出て来たからだろうと思われます。民間型ADRや行政型のADRの出現によって、このように司法もブラッシュアップされて行くことは大変良いことで、ADR法の目的のひとつだと思います。
 弁護士会のADR(紛争解決センター)も、裁判所の調停制度と競い合い、追い越して、より多くの紛争解決に力を尽くす必要があります。

3.  チーム・サカモト発進! (2014.01.06)

 平成26年1月6日午後6時から、熊本市城東町の「きた川」で、事務所の新年会を開催しました。福岡の料亭やホテルなどで修行をされたご主人が作られるお料理は、どのお料理も絶妙な塩梅で、繊細な味わいの本格的な和食が楽しめました。

 今日は事務所の仕事始めで色々と多忙な一日でしたが、今年もスタッフ一同力を合わせて、迅速で的確な業務の実現に力を尽くしたいと思います。今年も元気に、チーム・サカモト発進!(ガーデン担当:hakko)

2.  「熊本羅針」の表紙写真 (2014.01.05)

 今年一年、熊本県中小企業家同友会が発行する会報誌「熊本羅針」の表紙の写真を担当させて頂くことになりました。

 1月号は、「山の宝石」というタイトルのカラー写真を掲載させて頂きました。この写真は、長野県北アルプス穂高の涸沢で夜のキャンプ場を撮影したもので、全部で800張り位のたくさんのテントが闇夜の中でまるで宝石のように光り輝いていました。上高地から5、6時間も歩いて来て辿り着き、明日は奥穂高岳や北穂高岳などに登る人達です。

 ひとつひとつのテントの輝きがそれぞれの人達のいのちの輝きのようで、何だかとっても愛おしいものでした。山に登らなければ見ることの出来ない素晴らしい光景です。

1.  新年のご挨拶 (2014.01.01)

2014年の(平成26年)のスタートです。

いつの時代も、時代は動いています。
変化と移ろいは、この世界の本質です。

何となく生きることはやめよう。
今生きていることを、この躍動する命を感じよう。
新しい夢を作って、自分の物語を生きよう。
そして、それさえも忘れて、この一瞬に集中しよう。
そうすれば、楽しく、イキイキと無我夢中で生きることができる。
改めて自分にそう言い聞かせて、今年は何の旗を立てるのかを考えています。

事務所ブログも早いもので、8年目になりました。
更に充実させたいと思いますので、今年もよろしくお願い致します。