43.魔都の鼓動 2018/09/23 (日)

1 「魔都の鼓動」、凄いタイトルですね。
 先日から、熊本市現代美術館で、上海の現代アート作品展「魔都の鼓動 上海現代アートシーンのダイナミズム
(SHNGHAI BEAT)」が開催されていて、タイトルにつられて早速見に行ってみました。
  現代アートと聞くと、従来までとは異なった斬新な視点から表現や問題を提起するものを想像しますが、
 私のこれまでの経験からすると、問題点の捉え方が小さすぎたり、独りよがりになって普遍性がなかったり、
 場合によっては表現の意図や意味自体が不明であるなど、批判的になってしまうことも少なくありませんでした。


2 今回の作品展では、6名の作家の方々が上海から来場されており、自身の作品についての解説を行われました。
 その中で、複数の方から、中国は国家権力が強大で、ネットも国家に監視、管理されており、特殊な技術を持つ人
 除いては、一般市民は自由に国外のネットに接続することもできないという話がありました。
  作品展の中では、中国のネット環境を壁に見立てて、壁に開けられた小さな穴に更に金槌を打ち付けて大きく
 することで情報や表現の自由の拡大を求めるパフォーマンスも披露されていましたが、国家による監視下で自由
 な表現活動を求める気持ちが伝わってきました。


3 上海は人口2400万人超の巨大な経済都市です。私も2度訪れましたが、中国の躍進を象徴するように、
 街の中心部には東京以上の高層ビル群が連なり、世界中から観光客が訪れ活気に満ちています。ホテルや
 食べ物も豪華です。しかし、その一方で、街の中心部を少し離れると、昔ながらの生活を送る人々の住居
 が広がっています。
  今後経済や芸術、社会ががどのように発展していくのか、混沌としたエネルギーが渦巻く上海は、まさに
 「魔都」と言えるのかもしれませんが、政治的自由がなく表現の自由もかなり制限されているという意味でも
 「魔都」なのかもしれません(美術館側がそこまで考えているのかは分かりませんが)。

  解説をされた各作家の方々の作品は、①文化大革命下の下放制作と祖母や両親との暮らし、そして、
 自分が上海に出てきてからの生活までの30年間を撮影した写真、②情報の管理と規制に穴をあけようとする
 インスタ、③人間とロボット、人間の意味などを問いかけるアニメ、④3Dプリンタを使った変形したような
 人間の顔の造形、⑤無機物に生命を見て、色々な物の大行列にした作品などでしたが、しかし、残念ながら、
 作品としては、右の写真の作品以外には、今回のタイトルになっている「魔都の鼓動 現代上海アートの
 ダイナミズム」を感じさせてくれるほどの作品には出会えませんでした。
  ただ、今後とも現代アートも含めて幅広く勉強していきたいと思っています。